32 / 62
第五章 ヴィアンド
32.夕希の選択
しおりを挟む
隼一が目を見開いた。
「夕希? どうしたんだ?」
「苦しい、隼一さん助けて……」
――体が震えて止まらない。なにこれ……?
隼一が鼻をひくつかせ、眉をひそめた。
「この匂い、いつもとちがう。まさか発情フェロモンか?」
「わからな……こんなの初めてで……」
今まで発情期でもこんなふうに身体が震えて動けなくなったことなんて無いのに。
夕希は酔いと発情のせいでとにかく「彼と離れたくない」という強い思いに支配されていた。この人に嫌われたら自分はもうおしまいだという気さえしてくる。
「抑制剤は? 君の鞄の中か?」
夕希は自分の思考が強迫観念で埋め尽くされそうになりながらも、必死に頷いた。緊急時用の抑制剤はバッグに常備している。もはや自分がベータと偽っていることなど気にしている場合ではなかった。
なんとか残った理性を総動員してしがみついた手を離し、彼が夕希の部屋に行くのを見送った。
「はぁ……はぁ……っ、やばい、なにこれ……うぅ……」
――行かないで。抑制剤なんていらない。このまま抱いてよ――……。
本能丸出しの願望が頭の中に渦巻いて止められない。身体を両手で抱えるようにして床にうずくまっていたら、隼一が慌てた様子で戻ってきた。
彼の姿が再び視界に入り安堵した瞬間、さっきまで悪寒で震えていた身体が今度は急激に熱を持ち始めた。その熱で頭が沸騰し、彼の匂いを深く吸い込んだだけで身体の芯が甘く疼いた。
――今すぐこの雄のものにされたい――違う、だめだ。早く薬を飲まないと。
「夕希、注射タイプの抑制剤は無いのか?」
「そんなの持ってない」
「なに!? こんなになってたら錠剤じゃ間に合わないぞ」
「だって、僕――」
これまで、発情期と言ってもあまり酷い症状が出なかった。なので緊急抑制剤なんて使ったことがない。錠剤よりも即効性のあるペンタイプの注射器が流通しているが、そんな物は必要になったことがない。
「まぁいい、とにかくこれを飲んで」
隼一に抱き起こされて、薬を飲む。すると彼が鼻と口元を覆ってちょっと苦しげな様子で言う。
「効き目が出るまでに十五分はかかる。悪いが、このまま一緒に居たら俺が耐えられない。薬が効くまでの間一人にして大丈夫か?」
「え……嘘、嫌だ。行かないで隼一さん」
隼一が困った顔をしているのを見ても、夕希は彼から手を離せなかった。置いて行かないで欲しい。
――彼に見捨てられたら、僕は……。
「しかし君はネックガードも付けてないし、俺はアルファだ。一緒に居たら危ないんだよ」
それを聞いて北山から送られてきたプレゼントが脳裏をよぎった。
このままもうあと一ヶ月もしたら夕希はあのアルファの物になる。初恋の人に裏切られてから、本気の恋なんて一度もしたことがない。結局どうあがいても自分の人生には選択肢なんて無かった。でも――ここにいる隼一なら?
彼はアルファだ。だけど、夕希の周りにいたどんなアルファとも違う。オメガを見下したりしない。独占欲からじゃなく、夕希が困っている時にさり気なく助けてくれる。強引で失礼な所もあるけど、裏表が無く優しい。何より夕希がベータでもオメガでもどうでもいいという態度で接してくれる。
――このまま、北山に身を捧げるのか? 初めて心を許せると思えたアルファが目の前にいるのに――?
「そんなの嫌だ……」
「夕希?」
夕希は彼の腕にしがみつき、目を見て訴えた。
「お願い、隼一さん。僕を抱いて下さい」
すると彼は息を呑んで夕希の手を振りほどこうとした。
「な、何言ってるんだ? 発情しているからって、俺は君にそんなことをするつもりは――」
夕希は必死で彼の首にしがみついた。このまま彼が抱きしめてくれるのを期待して。
――だっていつも優しくしてくれるよね。
「夕希……わかってくれ、十五分経ったら必ず戻るから」
彼は抱き返してはくれなかった。焦燥感で涙がこみ上げてくる。
――なんで? ふざけて僕の頬にキスしたじゃないか。さっきはいい匂いだって抱きしめてくれたじゃないか。お願いだから拒絶しないで――……。
夕希は震える声で懇願し続けた。
「嫌、嫌――。お願い。僕として? そしたら身体が落ち着くから。また記事の続きが書けるから……」
「馬鹿な、そんなことまでして書かなくていい!」
彼は夕希の身体を押しのけようとした。しかし夕希は更にきつくしがみつく。
「いやだ……! ちゃんと仕事できなかったら、僕を見捨てる気でしょう?」
「何言ってるんだ? とにかく、君のフェロモンで俺ももう限界なんだ。手を離して、夕希」
彼が必死で耐えているのがわかっていても、夕希は無言でしがみつくのをやめなかった。離したくない。
自分がアルファにすがりつくなんて絶対に一生無いと思っていた。だけど、このまま結婚して北山の言いなりになるくらいなら、その前に自分が選んだ相手に一度だけでいいから抱かれたかった。
「夕希? どうしたんだ?」
「苦しい、隼一さん助けて……」
――体が震えて止まらない。なにこれ……?
隼一が鼻をひくつかせ、眉をひそめた。
「この匂い、いつもとちがう。まさか発情フェロモンか?」
「わからな……こんなの初めてで……」
今まで発情期でもこんなふうに身体が震えて動けなくなったことなんて無いのに。
夕希は酔いと発情のせいでとにかく「彼と離れたくない」という強い思いに支配されていた。この人に嫌われたら自分はもうおしまいだという気さえしてくる。
「抑制剤は? 君の鞄の中か?」
夕希は自分の思考が強迫観念で埋め尽くされそうになりながらも、必死に頷いた。緊急時用の抑制剤はバッグに常備している。もはや自分がベータと偽っていることなど気にしている場合ではなかった。
なんとか残った理性を総動員してしがみついた手を離し、彼が夕希の部屋に行くのを見送った。
「はぁ……はぁ……っ、やばい、なにこれ……うぅ……」
――行かないで。抑制剤なんていらない。このまま抱いてよ――……。
本能丸出しの願望が頭の中に渦巻いて止められない。身体を両手で抱えるようにして床にうずくまっていたら、隼一が慌てた様子で戻ってきた。
彼の姿が再び視界に入り安堵した瞬間、さっきまで悪寒で震えていた身体が今度は急激に熱を持ち始めた。その熱で頭が沸騰し、彼の匂いを深く吸い込んだだけで身体の芯が甘く疼いた。
――今すぐこの雄のものにされたい――違う、だめだ。早く薬を飲まないと。
「夕希、注射タイプの抑制剤は無いのか?」
「そんなの持ってない」
「なに!? こんなになってたら錠剤じゃ間に合わないぞ」
「だって、僕――」
これまで、発情期と言ってもあまり酷い症状が出なかった。なので緊急抑制剤なんて使ったことがない。錠剤よりも即効性のあるペンタイプの注射器が流通しているが、そんな物は必要になったことがない。
「まぁいい、とにかくこれを飲んで」
隼一に抱き起こされて、薬を飲む。すると彼が鼻と口元を覆ってちょっと苦しげな様子で言う。
「効き目が出るまでに十五分はかかる。悪いが、このまま一緒に居たら俺が耐えられない。薬が効くまでの間一人にして大丈夫か?」
「え……嘘、嫌だ。行かないで隼一さん」
隼一が困った顔をしているのを見ても、夕希は彼から手を離せなかった。置いて行かないで欲しい。
――彼に見捨てられたら、僕は……。
「しかし君はネックガードも付けてないし、俺はアルファだ。一緒に居たら危ないんだよ」
それを聞いて北山から送られてきたプレゼントが脳裏をよぎった。
このままもうあと一ヶ月もしたら夕希はあのアルファの物になる。初恋の人に裏切られてから、本気の恋なんて一度もしたことがない。結局どうあがいても自分の人生には選択肢なんて無かった。でも――ここにいる隼一なら?
彼はアルファだ。だけど、夕希の周りにいたどんなアルファとも違う。オメガを見下したりしない。独占欲からじゃなく、夕希が困っている時にさり気なく助けてくれる。強引で失礼な所もあるけど、裏表が無く優しい。何より夕希がベータでもオメガでもどうでもいいという態度で接してくれる。
――このまま、北山に身を捧げるのか? 初めて心を許せると思えたアルファが目の前にいるのに――?
「そんなの嫌だ……」
「夕希?」
夕希は彼の腕にしがみつき、目を見て訴えた。
「お願い、隼一さん。僕を抱いて下さい」
すると彼は息を呑んで夕希の手を振りほどこうとした。
「な、何言ってるんだ? 発情しているからって、俺は君にそんなことをするつもりは――」
夕希は必死で彼の首にしがみついた。このまま彼が抱きしめてくれるのを期待して。
――だっていつも優しくしてくれるよね。
「夕希……わかってくれ、十五分経ったら必ず戻るから」
彼は抱き返してはくれなかった。焦燥感で涙がこみ上げてくる。
――なんで? ふざけて僕の頬にキスしたじゃないか。さっきはいい匂いだって抱きしめてくれたじゃないか。お願いだから拒絶しないで――……。
夕希は震える声で懇願し続けた。
「嫌、嫌――。お願い。僕として? そしたら身体が落ち着くから。また記事の続きが書けるから……」
「馬鹿な、そんなことまでして書かなくていい!」
彼は夕希の身体を押しのけようとした。しかし夕希は更にきつくしがみつく。
「いやだ……! ちゃんと仕事できなかったら、僕を見捨てる気でしょう?」
「何言ってるんだ? とにかく、君のフェロモンで俺ももう限界なんだ。手を離して、夕希」
彼が必死で耐えているのがわかっていても、夕希は無言でしがみつくのをやめなかった。離したくない。
自分がアルファにすがりつくなんて絶対に一生無いと思っていた。だけど、このまま結婚して北山の言いなりになるくらいなら、その前に自分が選んだ相手に一度だけでいいから抱かれたかった。
18
あなたにおすすめの小説
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学で逃げ出して後悔したのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
胎児の頃から執着されていたらしい
夜鳥すぱり
BL
好きでも嫌いでもない幼馴染みの鉄堅(てっけん)は、葉月(はづき)と結婚してツガイになりたいらしい。しかし、どうしても鉄堅のねばつくような想いを受け入れられない葉月は、しつこく求愛してくる鉄堅から逃げる事にした。オメガバース執着です。
◆完結済みです。いつもながら読んで下さった皆様に感謝です。
◆表紙絵を、花々緒さんが描いて下さいました(*^^*)。葉月を常に守りたい一途な鉄堅と、ひたすら逃げたい意地っぱりな葉月。
魔力ゼロの無能オメガのはずが嫁ぎ先の氷狼騎士団長に執着溺愛されて逃げられません!
松原硝子
BL
これは魔法とバース性のある異世界でのおはなし――。
15歳の魔力&バース判定で、神官から「魔力のほとんどないオメガ」と言い渡されたエリス・ラムズデール。
その途端、それまで可愛がってくれた両親や兄弟から「無能」「家の恥」と罵られて使用人のように扱われ、虐げられる生活を送ることに。
そんな中、エリスが21歳を迎える年に隣国の軍事大国ベリンガム帝国のヴァンダービルト公爵家の令息とアイルズベリー王国のラムズデール家の婚姻の話が持ち上がる。
だがヴァンダービルト公爵家の令息レヴィはベリンガム帝国の軍事のトップにしてその冷酷さと恐ろしいほどの頭脳から常勝の氷の狼と恐れられる騎士団長。しかもレヴィは戦場や公的な場でも常に顔をマスクで覆っているため、「傷で顔が崩れている」「二目と見ることができないほど醜い」という恐ろしい噂の持ち主だった。
そんな恐ろしい相手に子どもを嫁がせるわけにはいかない。ラムズデール公爵夫妻は無能のオメガであるエリスを差し出すことに決める。
「自分の使い道があるなら嬉しい」と考え、婚姻を大人しく受け入れたエリスだが、ベリンガム帝国へ嫁ぐ1週間前に階段から転げ落ち、前世――23年前に大陸の大戦で命を落とした帝国の第五王子、アラン・ベリンガムとしての記憶――を取り戻す。
前世では戦いに明け暮れ、今世では虐げられて生きてきたエリスは前世の祖国で平和でのんびりした幸せな人生を手に入れることを目標にする。
だが結婚相手のレヴィには驚きの秘密があった――!?
「きみとの結婚は数年で解消する。俺には心に決めた人がいるから」
初めて顔を合わせた日にレヴィにそう言い渡されたエリスは彼の「心に決めた人」を知り、自分の正体を知られてはいけないと誓うのだが……!?
銀髪×碧眼(33歳)の超絶美形の執着騎士団長に気が強いけど鈍感なピンク髪×蜂蜜色の目(20歳)が執着されて溺愛されるお話です。
異世界召喚されたのに命を狙われまくるなんて聞いてない。
u
BL
裏タイトル『執着の檻から逃げ出して、』
いつも通り大学から帰ってきてご飯を食べて眠って目が覚めたら、なぜかそこは異世界だった。どうやら俺、鵺野心翔(ヌエノミト)は、異世界召喚というものをされたらしい。
異世界召喚をしたペンドリック王国の王様から第一王子のライナスと結婚し、子をなせと言われる。男である俺に何を言い出すんだと思ったが、どうやら異世界人は子が生めるようになるらしい。
俺は拒否した。だってどう見てもライナス王子も嫌そうな顔をしているし、毎日違う女を閨に呼ぶような奴と結婚どころか仲良くなれるはずがない。そもそも俺は一夫多妻制断固反対派だ。
どうやら異世界召喚した本当の理由、陰謀に巻き込まれていることに気付かない俺は異世界に来てしまったなら学ばねばとこの世界のことを知っていく。
この世界はピラミッド型をしていて上から神界、天界、魔界、妖精界、妖界、獣人界、そして俺が召喚された元・人間界であり現・底辺界と呼ばれる7つの層に分かれた世界らしい。
召喚される理由があるから召喚されたはずなのに、なぜか俺はあらゆるところから命を狙われ始める。しまいには、召喚したはずの当人にまで。………え?なんで?
異世界召喚されたミトは護衛で常にそばにいる騎士、アルウィン・シーボルトに一目惚れのような思いを寄せるようになる。しかし彼には幼い頃からの婚約者がおり、ミトはアルウィンに命を守られながらも叶わない恋心に苦しんでいく。どうやら彼にも何か秘密があるようで……。さらに最初は嫌われていたはずのライナス第一王子から強い執着心を持たれるようになり……。
次第に次々と明らかになるこの世界における様々な秘密。そして明かされる、異世界召喚の衝撃の真実とは――――。
訳あり一途ド執着攻め×努力家一途童顔受けが様々な問題を乗り越え2人で幸せを掴むお話。
※複数攻めですが総受けではありません。
※複数攻めのうち確定で一人死にます。死ネタが苦手な方はご注意ください。
※最後は必ずハッピーエンドです。
※異世界系初挑戦です。この世界はそういうものなんだと温かい目でお読み頂けると幸いです。
※完結までノンストップで毎日2話ずつ更新。
器量なしのオメガの僕は
いちみやりょう
BL
四宮晴臣 × 石崎千秋
多くの美しいオメガを生み出す石崎家の中で、特に美しい容姿もしておらず、その上、フェロモン異常で発情の兆しもなく、そのフェロモンはアルファを引きつけることのない体質らしい千秋は落ちこぼれだった。もはやベータだと言ったほうが妥当な体だったけれど、血液検査ではオメガだと診断された。
石崎家のオメガと縁談を望む名門のアルファ家系は多い。けれど、その中の誰も当然の事のように千秋を選ぶことはなく、20歳になった今日、ついに家を追い出されてしまった千秋は、寒い中、街を目指して歩いていた。
かつてベータに恋をしていたらしいアルファの四宮に拾われ、その屋敷で働くことになる
※話のつながりは特にありませんが、「俺を好きになってよ!」にてこちらのお話に出てくる泉先生の話を書き始めました。
【完結】一生に一度だけでいいから、好きなひとに抱かれてみたい。
抹茶砂糖
BL
いつも不機嫌そうな美形の騎士×特異体質の不憫な騎士見習い
<あらすじ>
魔力欠乏体質者との性行為は、死ぬほど気持ちがいい。そんな噂が流れている「魔力欠乏体質」であるリュカは、父の命令で第二王子を誘惑するために見習い騎士として騎士団に入る。
見習い騎士には、側仕えとして先輩騎士と宿舎で同室となり、身の回りの世話をするという規則があり、リュカは隊長を務めるアレックスの側仕えとなった。
いつも不機嫌そうな態度とちぐはぐなアレックスのやさしさに触れていくにつれて、アレックスに惹かれていくリュカ。
ある日、リュカの前に第二王子のウィルフリッドが現れ、衝撃の事実を告げてきて……。
親のいいなりで生きてきた不憫な青年が、恋をして、しあわせをもらう物語。
第13回BL大賞にエントリーしています。
応援いただけるとうれしいです!
※性描写が多めの作品になっていますのでご注意ください。
└性描写が含まれる話のサブタイトルには※をつけています。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」さまで作成しました。
高貴なオメガは、ただ愛を囁かれたい【本編完結】
きど
BL
愛されていないのに形だけの番になるのは、ごめんだ。
オメガの王族でもアルファと番えば王位継承を認めているエステート王国。
そこの第一王子でオメガのヴィルムには長年思い続けている相手がいる。それは幼馴染で王位継承権を得るための番候補でもあるアルファのアーシュレイ・フィリアス。
アーシュレイは、自分を王太子にするために、番になろうとしてると勘違いしているヴィルムは、アーシュレイを拒絶し続ける。しかし、発情期の度にアーシュレイに抱かれる幻想をみてしまい思いに蓋をし続けることが難しくなっていた。
そんな時に大国のアルファの王族から番になる打診が来て、アーシュレイを諦めるためにそれを受けようとしたら、とうとうアーシュレイが痺れを切らして…。
二人の想いは無事通じ合うのか。
現在、スピンオフ作品の
ヤンデレベータ×性悪アルファを連載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる