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ナイショのパジャマパーティーと、今日イチのサプライズ
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ぶっちゃけ、俺は怖かった。
だって、あの冊子。…あ、病院のバース科のお医者さんにもらった、オメガについて書かれた小児用の分厚い冊子ね。
子供向けの読み物、っていうことで、可愛いイラストとともに、できるだけまろやかに、ソフトな表現で書いてあるんだけど。オブラートに包みきれてない、こわ~いことがいっぱい書いてあるんだもん!読むのが怖いんだよぉ!
でも、かえでくんを泣かせちゃったわけをどうしても知りたかったので、俺は頑張って向き合った。屈強さんのおひざでぐずぐず泣きながら、ちょいちょいちくわぶにペロペロなぐさめてもらいつつ、頑張って読み進めた。…そして、わかったのだ。
かえでくんが付けていたチョーカー。あれは『ネックガード』っていう、オメガがうなじを守るために身に着ける、プロテクター。いわばオメガの証なのだと。
オメガは鋭い牙をもつ、アルファという性の人にうなじを噛まれると、「つがい」にされてしまうんだって。
何それ、ファンタジー。とってもアニマル。そしてワイルド!…というか、鋭い牙って、噛まれるってなんなの、凄く怖い!
…いや、俺がさ、素敵なアルファとの恋にあこがれる子だったら、
「美形のアルファに、噛んでつがいの証を体に刻み付けられるなんて、情熱的でステキ♡」
って思うのがフツーなのかもしれないけどね。俺はホラ。お嫁さんをもらいたい系オメガ男子ですので、そういうのはちょっと。
この『ネックガード』とやら。
一般的には、中学校くらいから付け始める子が多いみたいなんだけど、かえでくんは小学1年生にして、もう付けていた。「うちが過保護なだけ」って言ってたっけ。ご家庭の方針かな?
…ともかく、そんなオメガの証みたいな首輪を見られて、かえでくんは泣いていた。
タートルネックで隠そうとしていた。
もしかしたら…もしかしたら。かえでくんも俺と一緒で、オメガっていう性を受け入れにくいと感じてるんじゃないかなって思った。
もしできることなら。
「オメガについてどう思ってる?」
って、同じオメガ男子同士、本音をぶっちゃけてお話してみたいなって思ったんだ。
ふふふっ、かえでくんともっとも~っと仲良しになって、うちにご招待しちゃおっと!
…って、思ってたんだけどね。
いや~、ところがどっこい、これがうまくいかないのなんの。
あ、かえでくんとは学校で会うたびにハイタッチする程度には仲良しになれたし、週に2回くらいはみんなと(もちろんその時は、紅林先輩もご一緒ね)一緒にランチするようになれた。ここまでは、とってもいい傾向!
ただ、二人っきりになって、こっそり『ドキッ♡オメガ男子ふたりのわくわくティータイムin俺んち』へのお誘いをするっていうミッションが、一向に進まなくて大変だった。
まあ、いつものみんなが俺のそばに必ずいたし、なぜかかえでくんは休み時間ごとに、だいたいどこかに隠れちゃう。運よく見つけても、紅林先輩が必ずご一緒。
「うそお、オメガ、過保護すぎない…?」
俺が言うのも本当にどうなんだって感じではあるんだけどさ。みんながいてくれるの、本当に楽しいし。大好きだし。でも、オメガのかえでくんと二人きりになってナイショのお誘いをするのは想像以上に難しかった。
んじゃじゃ~~~ん!
そこで、冴えてる俺は思いつきました。
『こっそりお手紙』大作戦~!
女の子がよく、授業中とかにちっちゃく折ったお手紙、こっそりやりとりしてるでしょ。あれ、可愛いよね。あれを参考にして、ランチをご一緒した時とかにそっとかえでくんとお手紙のやりとりをするようになったんだ。
まだ、ふたりとも子供だからスマホとかは持ってないからね。筆談で根気強くお誘いして、やっとOKもらったんだ~!
ありがたいことに、かえでくんもずっと俺とオメガ男子トークしたかったみたいでさ。
筆談でついつい盛り上がっちゃって、どうせなら週末に、お泊り会しにおいでよって事になったんだ。そのほうがゆっくり話せるしね。
…そこまでは、いい。だけど、問題はここから。
「お邪魔します…。や、ごめんね、ボクまでお邪魔しちゃってさ」
なぜか、すみれくんも一緒に泊まりに来てくれることになっちゃった。
どういうわけか紅林先輩と雅孝には、かえでくんと俺がこっそりお泊り会を計画してることがあっさりバレて、反対された。
「君たち男の子ふたりだけでお泊り会だなんて、感心しないな」
「みつきと僕以外の男がお泊り会なんて、絶対イヤだな…」
まさに異口同音。紅林先輩は穏やかな笑顔でメッてしてきたし、雅孝はおくちを可愛らしく尖がらせた。
でも、かえでくんとお泊り会、したいしたい!って俺が泣いてぐずったら、どうしても都合がつかなくて来れない紅林先輩と雅孝のかわりに、親衛隊を代表してすみれくんが一緒に泊まるならOKという事になった。…すみれくん、いつのまにマメシバ隊に入ったのさ?まいっか。嬉しそうに腕章してるし。
そんなこんなで、今晩はかえでくんとすみれくんと、お泊り会です!
すみれくんは、美味しいおしゃれなスイーツをお土産に持ってきてくれた。
かえでくんは…家族に持たされたらしく、なんだかやたら大荷物でやってきた。お友達のお家に泊まるのはすみれくんもかえでくんもはじめてなんだって。ふたりとも何だかすっごく嬉しそう。
へへへっ、俺も楽しくなってきちゃった!だって、俺もお泊り会って雅孝としかしたことなかったんだもん!新鮮!
今日は両親のお弁当屋さんがお休みの日だから、父ちゃんも屈強さんもまじえて、ピザを焼いたりして楽しく過ごした。
包丁やオーブンを使う、あぶない作業は大人がやってくれるんだけど。ピザのトッピングをのせるのは、俺たちもお手伝いしたんだよ!
俺はチーズと大好きなサラミをいっぱいのっけた。へへへ、ちくわぶの肉球をイメージして、サラミを肉球みたいに並べてみたよ!
うふふっ!みんなに可愛い可愛いって言って貰えて、すっごくうれしかった。
すみれくんはポテトが大好きみたいで、芋と明太子マヨをマシマシ!かえでくんは卵が大好きみたいで、ソーセージとゆで卵をたっぷりのせてご満悦だった。うんうん!どっちもとっても美味しいやつ!
あとは、今回参加できなかったみんなへのおみやげってことで、冷めても美味しいちっちゃいピザデニッシュも作ったよ。週明けのランチに焼いて持っていこうってことになったんだ。みんな、喜んでくれたらいいなあ。
家族たちを交えた楽しい夕飯や、ボードゲームに、三人でアワアワのお風呂で洗いっこ。(なぜかふたりは、一緒にお風呂になんて入ったら殺されるって震えてたけど、せっかくのお泊り会なのに寂しいよって俺が泣いたら、折れてくれた)
途中、俺の胸を見て物凄い顔でふたりが視線をそらしてたけど…アワや手で隠してたから、見えてなかったよね…?恥ずかしいベビーピンクの乳首。うん、きっとセフセフ。
「ええ~っ、ちょっと、なに?この可愛いパジャマ!猫ちゃんのお耳がついてるじゃん!」
なんと、お風呂上りに用意された俺たちのパジャマが、フワモコ素材でできた、猫耳としっぽつきの、めっちゃくちゃ可愛いデザインだった。
しかも、すっごく肌触りがよくって、着心地が最高だった。
「…ああ…。ごめん、オレの母親、こういう服のブランドやっててさ。みんなとお泊り会するって言ったら、これ着てみてって持たされちまって」
恥ずかしそうに言うかえでくん。お母さんがお洋服のブランドをやってるの?凄いね!それでかえでくんも、手芸とか上手なんだね~。
今回のパジャマは、なんとプレゼントなんだって。太っ腹だよね。ありがとう、かえでくんのママ!
「えっ?これ、超高級人気ブランド『キャキャット』の新作じゃない?ボク、お仕事でこのブランドさんのお洋服、ときどき衣装で着させてもらってるんだけど、お仕事以外ではとても着られない高級品だよ…すごい~っ」
すみれくんはほっぺをバラ色にして嬉しそうにぴょこぴょこしてる。かえでくんも、ママさんのお仕事を褒められて、なんだか嬉しそう。
もこもこの可愛いパジャマがばっちり似合っているすみれくんとかえでくん。みんなとっても可愛い!コスプレみたいで楽しい!
俺たちがふざけてポーズをとって遊んでたら、いつの間にか目をキラキラさせた家族や屈強さんがやってきて、記念撮影大会。ちくわぶも、俺たちに猫ちゃんのお耳やしっぽが生えてびっくりしたみたいで、黒豆みたいなおめめをまん丸にして喜んでいた。
屈強さんたちが、「こんなにかわいいみつき様のお姿をお送りしてしまったら、興奮して眠れなくなってしまわれるんじゃ…?」「ああ、鼻血を噴かれるだろうな」「いや、でも、お送りしないとあとあと物凄く面倒なことになるぞ」って神妙なお顔で話し合ってたけど、よくわからなかった。
そんな楽しい時間もあっという間に過ぎ。歯磨きをした俺たちは、俺の部屋にゲストベッドを並べて、おっきなベッドにして三人でころんと寝転んで、念願のパジャマトークをした。
始めは、今日のピザおいしかったね、とか、ボードゲーム、次はあのゲームをしようとか。このパジャマ着心地サイコー!とか、たわいない話題でキャッキャと盛り上がった。
だけど、だんだん夜も更けてきて、ふっと会話が途切れたタイミングで、俺は勇気を出して告白した。
「あの、さ。すみれくん。誰にもナイショにしてほしいんだけど。…実は、俺とかえでくんは…オメガなんだっ…」
今日のお泊り会でオメガのぶっちゃけ話をするなら、どうせバレちゃうよねってことで、かえでくんと相談して、すみれくんには俺たちがオメガであることは話してしまう予定になってたんだ。
「え?うん。知ってる知ってる。…というか、今更でしょ」
「…ふぇ?」
やっと決心して、特大の秘密を打ち明けたつもりだったのに、すみれくんはなんでもない事のように、けろっとして笑っている。肩透かし!
「もちろん二人がオメガなのは知ってるよ。…ボクはベータだけど、今日きいたことは誰にも絶対に話さないって約束するよ。安心してね。」
かわいい笑顔で、ぱっちんとウインクするしぐさがさまになっているすみれくん。
「えっ…あの、それはありがたいけどよ。…みっちゃんはともかく、何でオレがオメガだって知ってたんだ?あ、いや、風呂の時、首輪してたの見たのか」
「いや、俺はともかくってどういう意味?俺も家族以外には話してないよ?」
かえでくんと俺が焦っていると、すみれくんはフフッと笑った。
「わかるに決まってるじゃん!…まずみっちゃんは、見るからにオメガでしょ。人間離れして可愛いし、なんかいい匂いするし、存在がもう、妖精さんじゃん。天使じゃん。…中身はすげえ天然さんだけど」
「ああ。そうだな(コックリ)」
「うおい!!だれが人間じゃないって?」
なんか、すみれくんが聞捨てならないことを言ってディスった気がする!ひどい!それに、かえでくんが首がもげるほどうなずいてる。ちょ、なんだよっ。失礼しちゃうっ!
ほっぺを膨らませてぷりぷりすねていると、二人がよしよししてくれる。
あ、気持ちいいです。すべてを許します。
「かえでくんも別の方向性で可愛いけど、何よりホラ。紅林先輩がすっごくロックオンしてるよね?ニコニコ周りをケンセイしてるじゃん?…かなり分かりやすいよ」
「ああ…。そっか…いや、そうだよな…」
…んんっ?
「えっ?なになになに?そういえば、紅林先輩、かえでくんとよく一緒にいるけどさ。
それが何でオメガって分かる感じになるの?」
俺がアレっ?と思って聞いてみたら、両隣から、二人がすんごい意外そうな顔で見てきた。
えっ、えっ?俺、何か変なこと、言った?
「お前…嘘だろ…?」
「あ~…みっちゃん、鈍いのもここまでくると異常っていうか。…可哀想っていうか」
…変なこと、言ったんですね、俺。
「ふえっ…教えてよぉ…。俺が変なこと言ったんならごめん。でも、俺にわかるように、教えてよぉっ…グスッ…俺、わかんないっ」
俺って、そういうところあるよね。申し訳なくて自分が情けなくてグスグスしてたら、かえでくんがためらってから教えてくれた。
「レンさん…いや、紅林先輩。あの人な。…アルファ、なんだよ」
「…っ!?えっ、マジ…?」
「マジだ。…っつうか、こんだけ一緒にいて気づいてなかったのかよ、みっちゃん。そっちこそマジか?」
マジか!全然知らなかった!
…だって、アルファって、オメガと一緒で珍しい性別なんでしょ?この世界の十パーセント以下だって。それが、こんなに近くにいるだなんて思わなかった。
すげえ…芸能人にあっちゃったような気分だ。テレビとか映画では、アルファの俳優さんとか出てくるから、そういうのでしか見た事なかったもん。
…あっ、でも、アルファってさ。
「紅林先輩、牙あったっけ…?」
オメガの本に書いてあったよ!アルファって、鋭い牙を持ってて、オメガのうなじをガブっとやるんでしょ?
「いや、まだレンさんも子供だし、そんなに目立たない感じだけどよ…笑うとちょっと尖った歯が見えるんだよな…」
「…ちょびっと、こわいねぇ…」
「…ああ、ちょびっと、こええよな…」
俺とかえでくんが恐ろしくてしんなりしていると、すみれくんはお前ら、大変だな…って優しくポンポンしてくれた。優しいね。
「だけどさ、あの…アルファの人にロックオンされてるって、大変じゃない?…かえでくん、将来は紅林先輩のところにお嫁にいきたいって思ってたり…するの?」
「…っ!」
俺が聞いたとたん、かえでくんは目をくわっと見開いて、びくっと固まった。
「オッ…オレッ…。正直、わからないんだっ…」
ぽろぽろっと、かえでくんが涙をこぼした。雨に濡れた子犬みたいに、ぷるぷる震えている。
「レンさん、うちのじいちゃんのやってる合気道の道場に通って来ててっ。…ちっちゃい頃から、近所の優しいお兄ちゃんって感じで、よく遊んでもらってたんだ。」
かえでくんの背中を優しくなでなでしながら、続きをうながした。
「オレ、友達作るの下手でさ…遊んでもらえるの、嬉しくて。大好きなお兄ちゃんだったんだ。いつもくっついて回ってた。それがっ、オレ、小学校入るときの健康診断でオメガだって…!赤ちゃんが産める性別なんだって…っ!オレは男なのにっ…!急にそんな事言われて、…ショックでさっ」
「うん、わかる!わかるよ!…俺も、ショックで泣いちゃったもん!すごくよく、わかるよ…」
あの時のことを思い出して、俺も泣けてきちゃった。
「オレ、ふつうにお嫁さんもらって…オレが作った可愛いもの、男のくせにお裁縫とか好きなの気持ち悪いってバカにしないで、可愛いっていってくれる優しい女の子と結婚できたらいいなって…。」
「うん、うん。俺も。なんだ、一緒じゃん、俺たち、将来の夢まで一緒なんだね」
共感できたことが嬉しくて、泣きながら笑いかけた俺に…しかし、かえでくんは悲しそうに唇を震わせた。
「だけど、小学校に入るときに、急にレンさんとご両親が改まってうちに来てさ。『正式に婚約を申し込みたい』って」
「ええっ!?婚約?…ちょっとまって、まだ小学生だよね?」
すみれくんが大きな目をこぼれそうなくらいまんまるにして驚いた。俺も驚いたけど、それよりすみれくんの大きな声でびくっとしちゃった。
「うちも、レンさんちも古い家だから…。…オレはっ…大好きな優しいお兄ちゃんだなって、年上の友達だって思ってたのに…レンさんは診断結果とか関係なく、出会った頃からずっと好きだったって…。将来は結婚したいって、お嫁さんにしたいって…そんなふうに思われてたなんて、ショックだったんだ。…まだ子供だし、オレの意思を尊重するって言ってくれてるけど、オレの気持ちが変わるように、口説くっつうか…アプローチはさせてほしいって言われて…。どこに逃げても、レンさん、どうしてだか必ずオレを見つけるんだ。…正直、オレ、オレ…まだどうしていいか、わからないんだよっ…!」
とうとう泣き崩れて突っ伏すかえでくん。俺は、思わずはいはいして近づいて、ぎゅっと震える彼を抱きしめた。
「うん…うん…。それは戸惑うね。心の準備もできてないところに、急にアルファの人にぐいぐい来られたらさ。大変だね…、かえでくん」
彼を一生懸命なぐさめる俺に、同じようにはいはいして身を寄せて来たすみれくんが、不思議そうな顔をして聞いて来た。
「…いや、『大変だね』って…みっちゃん?さっきから、すっごく他人事みたいに言うよね?」
…んっ?いや、だって、共感したいところだけど、そこは、俺はどうしても当事者にはなれないじゃん?
「…えっ?…いや、だって、紅林先輩が好きなのはかえでくんでしょ?…おれは蚊帳の外っていうかさ…部外者っていうか…」
「「いやいやいや、そうじゃないでしょ(そうじゃねえだろ)」」
えっ、なになになに?泣いてたかえでくんまで、ほっぺびしょびしょのままびっくりまなこですみれくんと同時に突っ込んだ。
「ふえっ…?」
びっくりして首をかしげてたら、二人は信じられないような顔をして俺を見た。
「えっ…えっ…?まさか…本人が気が付いてない、なんてこと、ある?」
「…普通はありえないだろ…あんだけべったべたにくっつかれて拘束されまくってんのによ…」
「「でも、みっちゃんだからなああ…」」
は~って呆れたみたいにため息をつかれて、俺はさらに首を傾げようとして…あっ、これ以上はお首は曲げられないです。
「東雲様のことだよ。みっちゃんもがっつり狙われてるでしょうがっ!他人事なんかじゃないよ、しっかり当事者でしょ」
「東雲様って、雅孝だよね?…狙われ…?当事者?」
おくち開けっ放しの俺に、かえでくんは同情をこめた目できっぱりと言った。
「気が付いてないみたいだから言うけど。…東雲雅孝も、アルファだぞ。それも、きっとかなり上位種の」
………。
「…えっ?」
だって、あの冊子。…あ、病院のバース科のお医者さんにもらった、オメガについて書かれた小児用の分厚い冊子ね。
子供向けの読み物、っていうことで、可愛いイラストとともに、できるだけまろやかに、ソフトな表現で書いてあるんだけど。オブラートに包みきれてない、こわ~いことがいっぱい書いてあるんだもん!読むのが怖いんだよぉ!
でも、かえでくんを泣かせちゃったわけをどうしても知りたかったので、俺は頑張って向き合った。屈強さんのおひざでぐずぐず泣きながら、ちょいちょいちくわぶにペロペロなぐさめてもらいつつ、頑張って読み進めた。…そして、わかったのだ。
かえでくんが付けていたチョーカー。あれは『ネックガード』っていう、オメガがうなじを守るために身に着ける、プロテクター。いわばオメガの証なのだと。
オメガは鋭い牙をもつ、アルファという性の人にうなじを噛まれると、「つがい」にされてしまうんだって。
何それ、ファンタジー。とってもアニマル。そしてワイルド!…というか、鋭い牙って、噛まれるってなんなの、凄く怖い!
…いや、俺がさ、素敵なアルファとの恋にあこがれる子だったら、
「美形のアルファに、噛んでつがいの証を体に刻み付けられるなんて、情熱的でステキ♡」
って思うのがフツーなのかもしれないけどね。俺はホラ。お嫁さんをもらいたい系オメガ男子ですので、そういうのはちょっと。
この『ネックガード』とやら。
一般的には、中学校くらいから付け始める子が多いみたいなんだけど、かえでくんは小学1年生にして、もう付けていた。「うちが過保護なだけ」って言ってたっけ。ご家庭の方針かな?
…ともかく、そんなオメガの証みたいな首輪を見られて、かえでくんは泣いていた。
タートルネックで隠そうとしていた。
もしかしたら…もしかしたら。かえでくんも俺と一緒で、オメガっていう性を受け入れにくいと感じてるんじゃないかなって思った。
もしできることなら。
「オメガについてどう思ってる?」
って、同じオメガ男子同士、本音をぶっちゃけてお話してみたいなって思ったんだ。
ふふふっ、かえでくんともっとも~っと仲良しになって、うちにご招待しちゃおっと!
…って、思ってたんだけどね。
いや~、ところがどっこい、これがうまくいかないのなんの。
あ、かえでくんとは学校で会うたびにハイタッチする程度には仲良しになれたし、週に2回くらいはみんなと(もちろんその時は、紅林先輩もご一緒ね)一緒にランチするようになれた。ここまでは、とってもいい傾向!
ただ、二人っきりになって、こっそり『ドキッ♡オメガ男子ふたりのわくわくティータイムin俺んち』へのお誘いをするっていうミッションが、一向に進まなくて大変だった。
まあ、いつものみんなが俺のそばに必ずいたし、なぜかかえでくんは休み時間ごとに、だいたいどこかに隠れちゃう。運よく見つけても、紅林先輩が必ずご一緒。
「うそお、オメガ、過保護すぎない…?」
俺が言うのも本当にどうなんだって感じではあるんだけどさ。みんながいてくれるの、本当に楽しいし。大好きだし。でも、オメガのかえでくんと二人きりになってナイショのお誘いをするのは想像以上に難しかった。
んじゃじゃ~~~ん!
そこで、冴えてる俺は思いつきました。
『こっそりお手紙』大作戦~!
女の子がよく、授業中とかにちっちゃく折ったお手紙、こっそりやりとりしてるでしょ。あれ、可愛いよね。あれを参考にして、ランチをご一緒した時とかにそっとかえでくんとお手紙のやりとりをするようになったんだ。
まだ、ふたりとも子供だからスマホとかは持ってないからね。筆談で根気強くお誘いして、やっとOKもらったんだ~!
ありがたいことに、かえでくんもずっと俺とオメガ男子トークしたかったみたいでさ。
筆談でついつい盛り上がっちゃって、どうせなら週末に、お泊り会しにおいでよって事になったんだ。そのほうがゆっくり話せるしね。
…そこまでは、いい。だけど、問題はここから。
「お邪魔します…。や、ごめんね、ボクまでお邪魔しちゃってさ」
なぜか、すみれくんも一緒に泊まりに来てくれることになっちゃった。
どういうわけか紅林先輩と雅孝には、かえでくんと俺がこっそりお泊り会を計画してることがあっさりバレて、反対された。
「君たち男の子ふたりだけでお泊り会だなんて、感心しないな」
「みつきと僕以外の男がお泊り会なんて、絶対イヤだな…」
まさに異口同音。紅林先輩は穏やかな笑顔でメッてしてきたし、雅孝はおくちを可愛らしく尖がらせた。
でも、かえでくんとお泊り会、したいしたい!って俺が泣いてぐずったら、どうしても都合がつかなくて来れない紅林先輩と雅孝のかわりに、親衛隊を代表してすみれくんが一緒に泊まるならOKという事になった。…すみれくん、いつのまにマメシバ隊に入ったのさ?まいっか。嬉しそうに腕章してるし。
そんなこんなで、今晩はかえでくんとすみれくんと、お泊り会です!
すみれくんは、美味しいおしゃれなスイーツをお土産に持ってきてくれた。
かえでくんは…家族に持たされたらしく、なんだかやたら大荷物でやってきた。お友達のお家に泊まるのはすみれくんもかえでくんもはじめてなんだって。ふたりとも何だかすっごく嬉しそう。
へへへっ、俺も楽しくなってきちゃった!だって、俺もお泊り会って雅孝としかしたことなかったんだもん!新鮮!
今日は両親のお弁当屋さんがお休みの日だから、父ちゃんも屈強さんもまじえて、ピザを焼いたりして楽しく過ごした。
包丁やオーブンを使う、あぶない作業は大人がやってくれるんだけど。ピザのトッピングをのせるのは、俺たちもお手伝いしたんだよ!
俺はチーズと大好きなサラミをいっぱいのっけた。へへへ、ちくわぶの肉球をイメージして、サラミを肉球みたいに並べてみたよ!
うふふっ!みんなに可愛い可愛いって言って貰えて、すっごくうれしかった。
すみれくんはポテトが大好きみたいで、芋と明太子マヨをマシマシ!かえでくんは卵が大好きみたいで、ソーセージとゆで卵をたっぷりのせてご満悦だった。うんうん!どっちもとっても美味しいやつ!
あとは、今回参加できなかったみんなへのおみやげってことで、冷めても美味しいちっちゃいピザデニッシュも作ったよ。週明けのランチに焼いて持っていこうってことになったんだ。みんな、喜んでくれたらいいなあ。
家族たちを交えた楽しい夕飯や、ボードゲームに、三人でアワアワのお風呂で洗いっこ。(なぜかふたりは、一緒にお風呂になんて入ったら殺されるって震えてたけど、せっかくのお泊り会なのに寂しいよって俺が泣いたら、折れてくれた)
途中、俺の胸を見て物凄い顔でふたりが視線をそらしてたけど…アワや手で隠してたから、見えてなかったよね…?恥ずかしいベビーピンクの乳首。うん、きっとセフセフ。
「ええ~っ、ちょっと、なに?この可愛いパジャマ!猫ちゃんのお耳がついてるじゃん!」
なんと、お風呂上りに用意された俺たちのパジャマが、フワモコ素材でできた、猫耳としっぽつきの、めっちゃくちゃ可愛いデザインだった。
しかも、すっごく肌触りがよくって、着心地が最高だった。
「…ああ…。ごめん、オレの母親、こういう服のブランドやっててさ。みんなとお泊り会するって言ったら、これ着てみてって持たされちまって」
恥ずかしそうに言うかえでくん。お母さんがお洋服のブランドをやってるの?凄いね!それでかえでくんも、手芸とか上手なんだね~。
今回のパジャマは、なんとプレゼントなんだって。太っ腹だよね。ありがとう、かえでくんのママ!
「えっ?これ、超高級人気ブランド『キャキャット』の新作じゃない?ボク、お仕事でこのブランドさんのお洋服、ときどき衣装で着させてもらってるんだけど、お仕事以外ではとても着られない高級品だよ…すごい~っ」
すみれくんはほっぺをバラ色にして嬉しそうにぴょこぴょこしてる。かえでくんも、ママさんのお仕事を褒められて、なんだか嬉しそう。
もこもこの可愛いパジャマがばっちり似合っているすみれくんとかえでくん。みんなとっても可愛い!コスプレみたいで楽しい!
俺たちがふざけてポーズをとって遊んでたら、いつの間にか目をキラキラさせた家族や屈強さんがやってきて、記念撮影大会。ちくわぶも、俺たちに猫ちゃんのお耳やしっぽが生えてびっくりしたみたいで、黒豆みたいなおめめをまん丸にして喜んでいた。
屈強さんたちが、「こんなにかわいいみつき様のお姿をお送りしてしまったら、興奮して眠れなくなってしまわれるんじゃ…?」「ああ、鼻血を噴かれるだろうな」「いや、でも、お送りしないとあとあと物凄く面倒なことになるぞ」って神妙なお顔で話し合ってたけど、よくわからなかった。
そんな楽しい時間もあっという間に過ぎ。歯磨きをした俺たちは、俺の部屋にゲストベッドを並べて、おっきなベッドにして三人でころんと寝転んで、念願のパジャマトークをした。
始めは、今日のピザおいしかったね、とか、ボードゲーム、次はあのゲームをしようとか。このパジャマ着心地サイコー!とか、たわいない話題でキャッキャと盛り上がった。
だけど、だんだん夜も更けてきて、ふっと会話が途切れたタイミングで、俺は勇気を出して告白した。
「あの、さ。すみれくん。誰にもナイショにしてほしいんだけど。…実は、俺とかえでくんは…オメガなんだっ…」
今日のお泊り会でオメガのぶっちゃけ話をするなら、どうせバレちゃうよねってことで、かえでくんと相談して、すみれくんには俺たちがオメガであることは話してしまう予定になってたんだ。
「え?うん。知ってる知ってる。…というか、今更でしょ」
「…ふぇ?」
やっと決心して、特大の秘密を打ち明けたつもりだったのに、すみれくんはなんでもない事のように、けろっとして笑っている。肩透かし!
「もちろん二人がオメガなのは知ってるよ。…ボクはベータだけど、今日きいたことは誰にも絶対に話さないって約束するよ。安心してね。」
かわいい笑顔で、ぱっちんとウインクするしぐさがさまになっているすみれくん。
「えっ…あの、それはありがたいけどよ。…みっちゃんはともかく、何でオレがオメガだって知ってたんだ?あ、いや、風呂の時、首輪してたの見たのか」
「いや、俺はともかくってどういう意味?俺も家族以外には話してないよ?」
かえでくんと俺が焦っていると、すみれくんはフフッと笑った。
「わかるに決まってるじゃん!…まずみっちゃんは、見るからにオメガでしょ。人間離れして可愛いし、なんかいい匂いするし、存在がもう、妖精さんじゃん。天使じゃん。…中身はすげえ天然さんだけど」
「ああ。そうだな(コックリ)」
「うおい!!だれが人間じゃないって?」
なんか、すみれくんが聞捨てならないことを言ってディスった気がする!ひどい!それに、かえでくんが首がもげるほどうなずいてる。ちょ、なんだよっ。失礼しちゃうっ!
ほっぺを膨らませてぷりぷりすねていると、二人がよしよししてくれる。
あ、気持ちいいです。すべてを許します。
「かえでくんも別の方向性で可愛いけど、何よりホラ。紅林先輩がすっごくロックオンしてるよね?ニコニコ周りをケンセイしてるじゃん?…かなり分かりやすいよ」
「ああ…。そっか…いや、そうだよな…」
…んんっ?
「えっ?なになになに?そういえば、紅林先輩、かえでくんとよく一緒にいるけどさ。
それが何でオメガって分かる感じになるの?」
俺がアレっ?と思って聞いてみたら、両隣から、二人がすんごい意外そうな顔で見てきた。
えっ、えっ?俺、何か変なこと、言った?
「お前…嘘だろ…?」
「あ~…みっちゃん、鈍いのもここまでくると異常っていうか。…可哀想っていうか」
…変なこと、言ったんですね、俺。
「ふえっ…教えてよぉ…。俺が変なこと言ったんならごめん。でも、俺にわかるように、教えてよぉっ…グスッ…俺、わかんないっ」
俺って、そういうところあるよね。申し訳なくて自分が情けなくてグスグスしてたら、かえでくんがためらってから教えてくれた。
「レンさん…いや、紅林先輩。あの人な。…アルファ、なんだよ」
「…っ!?えっ、マジ…?」
「マジだ。…っつうか、こんだけ一緒にいて気づいてなかったのかよ、みっちゃん。そっちこそマジか?」
マジか!全然知らなかった!
…だって、アルファって、オメガと一緒で珍しい性別なんでしょ?この世界の十パーセント以下だって。それが、こんなに近くにいるだなんて思わなかった。
すげえ…芸能人にあっちゃったような気分だ。テレビとか映画では、アルファの俳優さんとか出てくるから、そういうのでしか見た事なかったもん。
…あっ、でも、アルファってさ。
「紅林先輩、牙あったっけ…?」
オメガの本に書いてあったよ!アルファって、鋭い牙を持ってて、オメガのうなじをガブっとやるんでしょ?
「いや、まだレンさんも子供だし、そんなに目立たない感じだけどよ…笑うとちょっと尖った歯が見えるんだよな…」
「…ちょびっと、こわいねぇ…」
「…ああ、ちょびっと、こええよな…」
俺とかえでくんが恐ろしくてしんなりしていると、すみれくんはお前ら、大変だな…って優しくポンポンしてくれた。優しいね。
「だけどさ、あの…アルファの人にロックオンされてるって、大変じゃない?…かえでくん、将来は紅林先輩のところにお嫁にいきたいって思ってたり…するの?」
「…っ!」
俺が聞いたとたん、かえでくんは目をくわっと見開いて、びくっと固まった。
「オッ…オレッ…。正直、わからないんだっ…」
ぽろぽろっと、かえでくんが涙をこぼした。雨に濡れた子犬みたいに、ぷるぷる震えている。
「レンさん、うちのじいちゃんのやってる合気道の道場に通って来ててっ。…ちっちゃい頃から、近所の優しいお兄ちゃんって感じで、よく遊んでもらってたんだ。」
かえでくんの背中を優しくなでなでしながら、続きをうながした。
「オレ、友達作るの下手でさ…遊んでもらえるの、嬉しくて。大好きなお兄ちゃんだったんだ。いつもくっついて回ってた。それがっ、オレ、小学校入るときの健康診断でオメガだって…!赤ちゃんが産める性別なんだって…っ!オレは男なのにっ…!急にそんな事言われて、…ショックでさっ」
「うん、わかる!わかるよ!…俺も、ショックで泣いちゃったもん!すごくよく、わかるよ…」
あの時のことを思い出して、俺も泣けてきちゃった。
「オレ、ふつうにお嫁さんもらって…オレが作った可愛いもの、男のくせにお裁縫とか好きなの気持ち悪いってバカにしないで、可愛いっていってくれる優しい女の子と結婚できたらいいなって…。」
「うん、うん。俺も。なんだ、一緒じゃん、俺たち、将来の夢まで一緒なんだね」
共感できたことが嬉しくて、泣きながら笑いかけた俺に…しかし、かえでくんは悲しそうに唇を震わせた。
「だけど、小学校に入るときに、急にレンさんとご両親が改まってうちに来てさ。『正式に婚約を申し込みたい』って」
「ええっ!?婚約?…ちょっとまって、まだ小学生だよね?」
すみれくんが大きな目をこぼれそうなくらいまんまるにして驚いた。俺も驚いたけど、それよりすみれくんの大きな声でびくっとしちゃった。
「うちも、レンさんちも古い家だから…。…オレはっ…大好きな優しいお兄ちゃんだなって、年上の友達だって思ってたのに…レンさんは診断結果とか関係なく、出会った頃からずっと好きだったって…。将来は結婚したいって、お嫁さんにしたいって…そんなふうに思われてたなんて、ショックだったんだ。…まだ子供だし、オレの意思を尊重するって言ってくれてるけど、オレの気持ちが変わるように、口説くっつうか…アプローチはさせてほしいって言われて…。どこに逃げても、レンさん、どうしてだか必ずオレを見つけるんだ。…正直、オレ、オレ…まだどうしていいか、わからないんだよっ…!」
とうとう泣き崩れて突っ伏すかえでくん。俺は、思わずはいはいして近づいて、ぎゅっと震える彼を抱きしめた。
「うん…うん…。それは戸惑うね。心の準備もできてないところに、急にアルファの人にぐいぐい来られたらさ。大変だね…、かえでくん」
彼を一生懸命なぐさめる俺に、同じようにはいはいして身を寄せて来たすみれくんが、不思議そうな顔をして聞いて来た。
「…いや、『大変だね』って…みっちゃん?さっきから、すっごく他人事みたいに言うよね?」
…んっ?いや、だって、共感したいところだけど、そこは、俺はどうしても当事者にはなれないじゃん?
「…えっ?…いや、だって、紅林先輩が好きなのはかえでくんでしょ?…おれは蚊帳の外っていうかさ…部外者っていうか…」
「「いやいやいや、そうじゃないでしょ(そうじゃねえだろ)」」
えっ、なになになに?泣いてたかえでくんまで、ほっぺびしょびしょのままびっくりまなこですみれくんと同時に突っ込んだ。
「ふえっ…?」
びっくりして首をかしげてたら、二人は信じられないような顔をして俺を見た。
「えっ…えっ…?まさか…本人が気が付いてない、なんてこと、ある?」
「…普通はありえないだろ…あんだけべったべたにくっつかれて拘束されまくってんのによ…」
「「でも、みっちゃんだからなああ…」」
は~って呆れたみたいにため息をつかれて、俺はさらに首を傾げようとして…あっ、これ以上はお首は曲げられないです。
「東雲様のことだよ。みっちゃんもがっつり狙われてるでしょうがっ!他人事なんかじゃないよ、しっかり当事者でしょ」
「東雲様って、雅孝だよね?…狙われ…?当事者?」
おくち開けっ放しの俺に、かえでくんは同情をこめた目できっぱりと言った。
「気が付いてないみたいだから言うけど。…東雲雅孝も、アルファだぞ。それも、きっとかなり上位種の」
………。
「…えっ?」
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