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第十三話
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ガルニエと入れ替わるように村を訪れたのはシルベスターだった。
ようやく厄介な審問官が立ち去り、魔法の調査を開始できる。久しぶりの大魔法に、彼はいてもたってもいられなかった。
この大魔法を行ったヘラは、魔法を使った瞬間、気を失い、付き添っていた聖堂騎士に、水から逃れる岩場の上のほうに運ばれた。上なら水に飲まれることはないからだ。鉱山前の町ではフローリアが水に飲まれて足を折ったという噂を流しておいた。ガルニエの尋問を避けるためである。
そもそもヘラはあの直後気を失ってから三日、目を覚まさなかった。怪我はしていないものの、かなり体力を消耗していたようだ。シルベスターも心配したが、自分は医者ではなく学者なので、ただ見守ることしかできない。だったら他にできることをして、目覚めるのを待った方がいいだろう。
そして、できることといえば、魔法の調査しかなかった。実際、彼はヘラを心配していたが、それよりも魔法の調査がしたくてうずうずしていた。
今回の魔法は水源を作り、川を一本作り出すというものだった。ヘラにとって、水は自在にするのは朝飯前。大変だったのは操る水が多かったことと、思った以上に硬くて厚い岩盤だったということ。
ヘラは二時間近く、岩盤を打ち破ろうと苦戦していた。単発の魔法を何十回、何百回とやるのも大変だが、一つの魔法を長時間続けてやるのも至難の技だった。
しかし、ヘラの努力のかいがあって、鉱山前の町には念願の川が出来上がった。
これだけの大きな魔法なら、目当ての緑の石もたくさんあるに違いない。
シルベスターは緑の石を探すために、川の下流からさかのぼる事にした。と、言っても川の水量がすごく多くて、数日の間に川は伸びに伸びて、前々からあった細くて小さい川と合流し、その川がそれまでの三倍近い大きさの立派な大河となっていた。この川もさらに大きな川と合流し、海へと流れている。本当なら海から川をさかのぼりたいところだったが、さすがにそこまではしなかった。数日どころではなく、一ヶ月はかかるだろうからだ。
仕方なく、作り出した川が他の川と繋がっているところから歩くことにした。幸い、そこから鉱山前の町まで歩いていける距離だった。歩きで片道二時間といったところで、町では水汲みは女の仕事。女たちは毎日川と町を往復していたという。町の近くに川ができたから、これからはもっと楽に水を得られることだろう。
そうだ、町の女たちにも話を聞いてみよう。もしかしたらあの石は変わった色をしているから、拾っているかもしれない。
シルベスターは考え事をしながら、しかし目は川と川岸に鋭く向け、ひたすら川の上流に向かって歩いていた。
鉱山前の町に辿り着いた頃、すでに日が傾いていたので、今日はここまでにした。気持ちでは水源まで行きたいが、日が暮れると荒野は危険だ。何も見えないし、鉱山のある地は岩場も多く、下手したら転落もありえる。
それに、町での情報収集も大事なことだった。
町はにぎわっているようだ。川のおかげかは分からない。奇跡があったからかも分からない。外からやってきたと思われる人は、シルベスターと同じように、川やフローリアの奇跡の地の巡礼が目的のようだった。
シルベスターは地元の人にいろいろ聞いて回ったが、緑の石らしき物を見かけた人はいないようだった。彼らは鉄鉱石以外のものはただの石ころにしか見えないのかもしれない。
仕方なく、次の日の朝早くから川をさかのぼる作業を始めた。しかし、注意深く見ていても、それらしいものは見つけられなかった。
魔法の規模からして、見つからないはずがないのだ。これまで見つかってきている。もしかして緑の石の出現には更なる条件があるのだろうか。
そうして、何も見つけられないまま、水源まで来てしまった。だが、そこには先客がいた。初老の男で、片手に抱えるぐらい膨らんだ皮袋を持っている。その男は注意深く、川や川岸、地面の岩盤を見つめていた。そう、シルベスターと同じように。
まさか。
シルベスターは思わず駆け寄り、声をかけた。
「こんにちは、何かお探しですか?」
「ああ、こんにちは。変わった石をな。見ていないか? 緑色をした石なんだが」
やはり。
「奇遇ですね。私もその石を探していたのですよ」
「何だって? お前は」
「石の蒐集家ですよ」
事実とは少々異なる自己紹介をした。こう言っておけば、男の見つけた石を買い取ると言っても怪しまれない。それに、もし買い取るとしても金を出すのは司教で、シルベスターの懐は全く痛まなかった。
「へぇー、今どき珍しいじゃないか。お貴族様ですかい」
「いえいえ、貴族の屋敷で会計をしています。主人が数字に弱くてね。ちょろまかした金で趣味を追求しているのですよ」
「やるじゃねぇか」
このご時勢、金持ち貴族は庶民によく思われていない。その金を散財していると聞けば、それだけでちょっとした英雄だ。掴みはうまく行った。
「しかし俺以外にもこの石を集めている奴がいるとはな」
「私も驚いていますよ。私は収集と研究のために探しているのですが、あなたはどうして?」
「畑に撒くんだよ」
男の答えにシルベスターの目が点になる。
「石を砕いてな、畑に撒くと、いい肥料になるんだ。おかげでここんところいい生活をさせてもらっているよ」
「そうなんですか?」
「おや、知らなかったのか?」
「はい。初めて耳にしました。よろしければもっと詳しくお話を聞かせてもらえませんか?」
「無料ただでか?」
「今晩お酒をご馳走しましょう」
司教の金で、と心の中で付け足した。
「よし、いいだろう。話は決まりだ。だがまだ石があるかもしれねぇ。もう少し探そうぜ」
「いいでしょう」
ここまでの道で、石を見つけられなかったのは、この男が全て拾い集めていたからだった。肥料にするなら、確かに多いほうがいい。男は王都近くに住む農民で、一年ほど前にこの石の事に気付き、フローリアが奇跡を起こしたと聞くと、すっ飛んできたという。
「今回はこんなに見つかったんだ。すごいだろう」
丁度両手で抱えるほどの皮袋を掲げて、誇らしげな男。
彼は自分の住む村の近くで、フローリアが奇跡を起こしたと聞きつけ、そこへ向かうと、これと同じような緑の石を見つけたという。はじめは珍しい石だからと拾ったが、フローリアの奇跡のところにあったのなら、何か聖なるものかもしれないと考えた。そして、たまたま石を拾った村では、病で全滅した麦をフローリアが奇跡で復活させたので、自分の畑でも何かご利益があるかもしれないと期待して砕いて撒いた。すると、自分の畑だけやたら麦の実りが良くなったのである。村人たちにもこのありがたい石を分けてやりたいと思い、緑の石を探しに来たというわけである。
「なるほど、この石にそんな効果が」
シルベスターは今日拾った石を指で弄ぶ。シルベスターが存分に酒を振舞うので、すっかり気分を良くした農民の男がいろいろと語ってくれた。
そしてシルベスターは男の畑を見せてもらうという約束まで取り付けた。
シルベスターは自分では見つけられなかっただろう新たな発見に、胸をときめかせていた。この発見が石の正体を突き止めることになるかもしれない。そう思うと、いてもたってもいられない。
翌朝には、男の村に向けて出発した。
二人の目的は共に緑の石。その石は昨日、二人がかりで探しつくしている。なら、もうこの鉱山前の町に用はなかった。
男の村は、王都の西にあった。そして、男の畑には収穫を今か今かと待ちわびる、黄金の麦が広がっていた。
「これは、すごい」
シルベスターは畑の様子に言葉を失う。
食糧不足と言われるこの国は、とにかく土が痩せていて、麦もこんなに見事に実らない。この半分でも十分にいいほうだった。
「そうだろう? そうだろう」
男は誇らしげに胸を張る。見れば、この村自体、とても豊かなようだった。
「これもすべて、聖女様とあの緑の石のおかげさ」
「そのようですね」
シルベスターたちは奇跡を起こしたらそれで終わりと思っていた。でもそうではなかった。これはすごいことだ。思いがけない発見に、今すぐ屋敷に戻って本を引っくり返して調べ上げたい。
緑の石は肥料になると分かったが、まだ正体が分かっていない。
標本がもっと必要だ。だから、次の奇跡も同じくらいの規模でないと……。
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そして、できることといえば、魔法の調査しかなかった。実際、彼はヘラを心配していたが、それよりも魔法の調査がしたくてうずうずしていた。
今回の魔法は水源を作り、川を一本作り出すというものだった。ヘラにとって、水は自在にするのは朝飯前。大変だったのは操る水が多かったことと、思った以上に硬くて厚い岩盤だったということ。
ヘラは二時間近く、岩盤を打ち破ろうと苦戦していた。単発の魔法を何十回、何百回とやるのも大変だが、一つの魔法を長時間続けてやるのも至難の技だった。
しかし、ヘラの努力のかいがあって、鉱山前の町には念願の川が出来上がった。
これだけの大きな魔法なら、目当ての緑の石もたくさんあるに違いない。
シルベスターは緑の石を探すために、川の下流からさかのぼる事にした。と、言っても川の水量がすごく多くて、数日の間に川は伸びに伸びて、前々からあった細くて小さい川と合流し、その川がそれまでの三倍近い大きさの立派な大河となっていた。この川もさらに大きな川と合流し、海へと流れている。本当なら海から川をさかのぼりたいところだったが、さすがにそこまではしなかった。数日どころではなく、一ヶ月はかかるだろうからだ。
仕方なく、作り出した川が他の川と繋がっているところから歩くことにした。幸い、そこから鉱山前の町まで歩いていける距離だった。歩きで片道二時間といったところで、町では水汲みは女の仕事。女たちは毎日川と町を往復していたという。町の近くに川ができたから、これからはもっと楽に水を得られることだろう。
そうだ、町の女たちにも話を聞いてみよう。もしかしたらあの石は変わった色をしているから、拾っているかもしれない。
シルベスターは考え事をしながら、しかし目は川と川岸に鋭く向け、ひたすら川の上流に向かって歩いていた。
鉱山前の町に辿り着いた頃、すでに日が傾いていたので、今日はここまでにした。気持ちでは水源まで行きたいが、日が暮れると荒野は危険だ。何も見えないし、鉱山のある地は岩場も多く、下手したら転落もありえる。
それに、町での情報収集も大事なことだった。
町はにぎわっているようだ。川のおかげかは分からない。奇跡があったからかも分からない。外からやってきたと思われる人は、シルベスターと同じように、川やフローリアの奇跡の地の巡礼が目的のようだった。
シルベスターは地元の人にいろいろ聞いて回ったが、緑の石らしき物を見かけた人はいないようだった。彼らは鉄鉱石以外のものはただの石ころにしか見えないのかもしれない。
仕方なく、次の日の朝早くから川をさかのぼる作業を始めた。しかし、注意深く見ていても、それらしいものは見つけられなかった。
魔法の規模からして、見つからないはずがないのだ。これまで見つかってきている。もしかして緑の石の出現には更なる条件があるのだろうか。
そうして、何も見つけられないまま、水源まで来てしまった。だが、そこには先客がいた。初老の男で、片手に抱えるぐらい膨らんだ皮袋を持っている。その男は注意深く、川や川岸、地面の岩盤を見つめていた。そう、シルベスターと同じように。
まさか。
シルベスターは思わず駆け寄り、声をかけた。
「こんにちは、何かお探しですか?」
「ああ、こんにちは。変わった石をな。見ていないか? 緑色をした石なんだが」
やはり。
「奇遇ですね。私もその石を探していたのですよ」
「何だって? お前は」
「石の蒐集家ですよ」
事実とは少々異なる自己紹介をした。こう言っておけば、男の見つけた石を買い取ると言っても怪しまれない。それに、もし買い取るとしても金を出すのは司教で、シルベスターの懐は全く痛まなかった。
「へぇー、今どき珍しいじゃないか。お貴族様ですかい」
「いえいえ、貴族の屋敷で会計をしています。主人が数字に弱くてね。ちょろまかした金で趣味を追求しているのですよ」
「やるじゃねぇか」
このご時勢、金持ち貴族は庶民によく思われていない。その金を散財していると聞けば、それだけでちょっとした英雄だ。掴みはうまく行った。
「しかし俺以外にもこの石を集めている奴がいるとはな」
「私も驚いていますよ。私は収集と研究のために探しているのですが、あなたはどうして?」
「畑に撒くんだよ」
男の答えにシルベスターの目が点になる。
「石を砕いてな、畑に撒くと、いい肥料になるんだ。おかげでここんところいい生活をさせてもらっているよ」
「そうなんですか?」
「おや、知らなかったのか?」
「はい。初めて耳にしました。よろしければもっと詳しくお話を聞かせてもらえませんか?」
「無料ただでか?」
「今晩お酒をご馳走しましょう」
司教の金で、と心の中で付け足した。
「よし、いいだろう。話は決まりだ。だがまだ石があるかもしれねぇ。もう少し探そうぜ」
「いいでしょう」
ここまでの道で、石を見つけられなかったのは、この男が全て拾い集めていたからだった。肥料にするなら、確かに多いほうがいい。男は王都近くに住む農民で、一年ほど前にこの石の事に気付き、フローリアが奇跡を起こしたと聞くと、すっ飛んできたという。
「今回はこんなに見つかったんだ。すごいだろう」
丁度両手で抱えるほどの皮袋を掲げて、誇らしげな男。
彼は自分の住む村の近くで、フローリアが奇跡を起こしたと聞きつけ、そこへ向かうと、これと同じような緑の石を見つけたという。はじめは珍しい石だからと拾ったが、フローリアの奇跡のところにあったのなら、何か聖なるものかもしれないと考えた。そして、たまたま石を拾った村では、病で全滅した麦をフローリアが奇跡で復活させたので、自分の畑でも何かご利益があるかもしれないと期待して砕いて撒いた。すると、自分の畑だけやたら麦の実りが良くなったのである。村人たちにもこのありがたい石を分けてやりたいと思い、緑の石を探しに来たというわけである。
「なるほど、この石にそんな効果が」
シルベスターは今日拾った石を指で弄ぶ。シルベスターが存分に酒を振舞うので、すっかり気分を良くした農民の男がいろいろと語ってくれた。
そしてシルベスターは男の畑を見せてもらうという約束まで取り付けた。
シルベスターは自分では見つけられなかっただろう新たな発見に、胸をときめかせていた。この発見が石の正体を突き止めることになるかもしれない。そう思うと、いてもたってもいられない。
翌朝には、男の村に向けて出発した。
二人の目的は共に緑の石。その石は昨日、二人がかりで探しつくしている。なら、もうこの鉱山前の町に用はなかった。
男の村は、王都の西にあった。そして、男の畑には収穫を今か今かと待ちわびる、黄金の麦が広がっていた。
「これは、すごい」
シルベスターは畑の様子に言葉を失う。
食糧不足と言われるこの国は、とにかく土が痩せていて、麦もこんなに見事に実らない。この半分でも十分にいいほうだった。
「そうだろう? そうだろう」
男は誇らしげに胸を張る。見れば、この村自体、とても豊かなようだった。
「これもすべて、聖女様とあの緑の石のおかげさ」
「そのようですね」
シルベスターたちは奇跡を起こしたらそれで終わりと思っていた。でもそうではなかった。これはすごいことだ。思いがけない発見に、今すぐ屋敷に戻って本を引っくり返して調べ上げたい。
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