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本編
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帰りはまっすぐ帰らず、鍛冶屋の方へと足を向けます。
近くまで来ると、鎚が金属を叩く甲高い音が聞こえ始める。建物の中へ入ると小さな店舗スペースがあって、叩く音は奥から聞こえてきます。
「すみません」
少し大きめの声で呼ぶと、少し経ってから毛深くて筋骨逞しい男性が出てくる。
「おう。ん? 見たことないな」
「昨日からこの村で生活を始めた、渡来人の桜華と妖精のルルといいます」
「おお、そうか。わしはダガン。見ての通り、ドワーフだ」
口を大きく開けて豪快に笑う。動作だけでなく声も非常に大きい。
「それで何か用か? それとも、挨拶だけか?」
「実は作ってほしい物がありまして。鉄の鋳物とガラスと舟釘ですが、ありますか?」
「どれもあるぞ」
カウンターの上に置かれた紙の束を持って形状を教えてくれと渡される。必要な物を記入して渡すと、ダガンさんは紙面を睨みつける。
「ガラスは簡単だな。鋳物は輪に数個の鉤? で、たいしたことない。舟釘はそうでもないが、この量だと値が張るぞ」
「具体的に聞いても良いですか?」
「ガラスが百六十カーナ。鋳物が四百八十カーナ。舟釘は五十カーナだな」
合わせると六百九十カーナ、結構な出費だ。
「……お願いします」
かなり悩んだけど、まとめて注文。ガラスと舟釘は明日で、鋳物は明後日の納品になるそうだ。
「後、耐火煉瓦はどこで手に入りますか」
「本来なら別のとこだが、家で対応しているぞ」
「そうですか。では、厚さが一センチ程度の物はありますか」
「それなら、三日ぐらいだな。量は……分かった。四百カーナだ」
「お願いします」
店を出て家に戻ると、魔力の回復具合を確認する。他のゲームだと簡単に回復するが、このゲーム
だと殆ど回復していない。現在の回復具合から考えると、一日がかりで全快となるぐらいだろうか。
魔具で回復促進ができないだろうか。これも、今後の課題かな。
ルルは見ているのに飽きたのか、いつの間にか花壇の雑草処理をしていました。地面で何かが跳ね回っているけど、気がついていないようなので、あれも精霊かな。
ルルの事は頭の片隅に追いやり、木材加工の再開。
加工自体は簡単な継手なのですぐに終了し、キッチンに持ち運んで組み立て。
今回作ったのは、キッチンの左奥から壁に沿って長手があり、部屋の中央を仕切るように短手があるL字型。長手の最奥が二段になっていてそこにオーブン。その横は一段でコンロなどのスペース。短手はすべて二段になっていて、長手と重なっている壁際は調味料などを収納できる棚、その横は調理スペース、シンク、冷蔵庫、食器棚となっている。
ほとんどを魔具として造るつもりなので、今はまだ只の棚でしかないし、所々は骨組みのままとなっている。
「これで基礎は完了。お金ないし、どうしようかな」
とりあえず明日になれば柵が終了となり、報酬が手に入る。一旦、狩猟者の真似事でもしようか。
やることが一段落したので、ルルと一緒に雑草処理と、纏まりのない植え方をしている花の移し替えを行います。
花壇にいた精霊は二種類で数は無数。土竜の様な可愛らしい土の精霊と、風や水の精霊の葉っぱバージョンともいえる格好の植物の精霊。何故土の精霊は姿が違うのか不思議ではあるが、気にしないことにした。そこらを跳ねて周ったり互いにじゃれあったりしていて、とても可愛い。
花の移し替えが終わる頃になると日も暮れてきたので、一緒に水浴び。魔力が回復していなかったので、ルルに作り出してもらった少量のお湯を遣り繰りすることに。やはり、少し予定を早めて湯船を作ろうか。
さっぱりしたところで、戸締りをしてから笹熊亭に向かう。
笹熊亭が見えるところまで来ると、店の前で大勢の人達が右往左往していた。
「何かあったのかな?」
背伸びして店の方を覗こうとしてみるが、どうにも見えづらい。ルルにも店内の様子が見えないらしく、しょうがないので手前にいた人の肩を叩く。
「すみません、何かあったんですか?」
「ああ、それは――」
ガッシャーンという音に声がかき消される。ほぼ反射的に、群がった人達を掻き分けて進む。
「すみません、通してください!」
なんとか店の中へ入ると、すぐに状況を把握するために視線を動かす。
店の中ほどで顔を真っ赤にして仁王立ちする大将と狩人と思われる格好の五人組が睨みあい、大将から少し離れた場所でピエナさんが自身の体を抱えて座り込んでいた。先程の音は机の上に置かれた皿が落ちた音のようで、料理が床の上に広がっている。
狩人五人組は激昂していて、今にも斬りかかりそうな雰囲気。一方で大将も凄まじい怒気を放っていて近寄りがたい。
「ふざけた事言ってんじゃね! こぉのハゲ!」
「あぁ? 餓鬼が調子のるんじゃねぇ!」
狩人全員が武器を抜き放つと、三人が大将へ斬りかかり、他の二人は大将の後ろにいるピエナさん
に向かう。それを見て飛び出す。
二人同時の斬撃を後ろに下がる事で避ける大将。が、横合いから三人目の大剣が振り下ろされる。斬撃が大将に触れる瞬間、横合いから割り込んできた剣が斬撃を横へ逸らす。割り込んだ剣の持ち主はミッケさん。
大剣が床に突き刺さる瞬間、ミッケさんが斬撃を逸らした際の体の捻りを利用して蹴りを繰り出す。その背後で大将が前方に大きく跳び、最初の二人に対してアイアンクローから流れる様に床へ叩きつける。
ミッケさんが割り込んだ頃、近づいてくる二人に気がついたピエナさんは目に涙を浮かべて怯え、一方の男達は下卑た笑みを浮かべる。
手が届くかと思った瞬間割り込んだ桜華が勢いのままに回し蹴り。側頭部にヒットした先頭の男は錐揉み回転しながら壁へ激突。後続は急停止して剣を構えるが、構えきる前に跳び後ろ回し蹴りを繰り出し、直撃した男は錐揉み回転しながら壁へ激突。
大将の全力アイアンクローで聞こえてはいけない音と絶叫が聞こえはじめると、蹴り飛ばされて崩れた体勢を整えた大剣を持った男の顔が青くなり、僅かに逡巡する。ミッケさんはその隙を逃さず一気に距離を詰めると股間を蹴りあげ、大剣の男は顔を白くして泡を吹きながら崩れ落ちる。
私は倒した二人が動かないか警戒しながら、ピエナさんを安心させるように頭を撫でつつ、周囲を確認します。
「後は……大将か。すみません、警邏の人とか居ますか?」
「あー。もうじき来るよ」
入口にいた、内股になって青ざめている男性が教えてくれました。
「大将、そろそろ絞めてもらえませんか? お腹空きました」
次の瞬間、大将は左右の手に持っていた頭同士をぶつけて手を放す。なんか骨の砕ける音がした気がするけど、気のせいで良いかな。
「桜華、これらはどうするの?」
ミッケさんが、どこか脱力した様子で転がっている物を指さす。
「縛って生ゴミか燃えるゴミですね。ゴミ捨て場は……」
「えっ、ゴミ……」
「ああ。裏手にあるぞ」
大将とお兄さん達が手分けしてゴミ捨て場に転がし、その間にお姉さん達が二階の住居部へピエナさんを連れて行く。私は掃除用具を引っ張り出して掃除。
「手伝うよ。それにしても、桜華も強かったんだね」
ミッケさんから意外だったという感想をもらいながら一緒に掃除をしていく。途中からルルも魔法を使って掃除を手伝ってくれて、思ったよりも早く片付けが終わりました。
近くまで来ると、鎚が金属を叩く甲高い音が聞こえ始める。建物の中へ入ると小さな店舗スペースがあって、叩く音は奥から聞こえてきます。
「すみません」
少し大きめの声で呼ぶと、少し経ってから毛深くて筋骨逞しい男性が出てくる。
「おう。ん? 見たことないな」
「昨日からこの村で生活を始めた、渡来人の桜華と妖精のルルといいます」
「おお、そうか。わしはダガン。見ての通り、ドワーフだ」
口を大きく開けて豪快に笑う。動作だけでなく声も非常に大きい。
「それで何か用か? それとも、挨拶だけか?」
「実は作ってほしい物がありまして。鉄の鋳物とガラスと舟釘ですが、ありますか?」
「どれもあるぞ」
カウンターの上に置かれた紙の束を持って形状を教えてくれと渡される。必要な物を記入して渡すと、ダガンさんは紙面を睨みつける。
「ガラスは簡単だな。鋳物は輪に数個の鉤? で、たいしたことない。舟釘はそうでもないが、この量だと値が張るぞ」
「具体的に聞いても良いですか?」
「ガラスが百六十カーナ。鋳物が四百八十カーナ。舟釘は五十カーナだな」
合わせると六百九十カーナ、結構な出費だ。
「……お願いします」
かなり悩んだけど、まとめて注文。ガラスと舟釘は明日で、鋳物は明後日の納品になるそうだ。
「後、耐火煉瓦はどこで手に入りますか」
「本来なら別のとこだが、家で対応しているぞ」
「そうですか。では、厚さが一センチ程度の物はありますか」
「それなら、三日ぐらいだな。量は……分かった。四百カーナだ」
「お願いします」
店を出て家に戻ると、魔力の回復具合を確認する。他のゲームだと簡単に回復するが、このゲーム
だと殆ど回復していない。現在の回復具合から考えると、一日がかりで全快となるぐらいだろうか。
魔具で回復促進ができないだろうか。これも、今後の課題かな。
ルルは見ているのに飽きたのか、いつの間にか花壇の雑草処理をしていました。地面で何かが跳ね回っているけど、気がついていないようなので、あれも精霊かな。
ルルの事は頭の片隅に追いやり、木材加工の再開。
加工自体は簡単な継手なのですぐに終了し、キッチンに持ち運んで組み立て。
今回作ったのは、キッチンの左奥から壁に沿って長手があり、部屋の中央を仕切るように短手があるL字型。長手の最奥が二段になっていてそこにオーブン。その横は一段でコンロなどのスペース。短手はすべて二段になっていて、長手と重なっている壁際は調味料などを収納できる棚、その横は調理スペース、シンク、冷蔵庫、食器棚となっている。
ほとんどを魔具として造るつもりなので、今はまだ只の棚でしかないし、所々は骨組みのままとなっている。
「これで基礎は完了。お金ないし、どうしようかな」
とりあえず明日になれば柵が終了となり、報酬が手に入る。一旦、狩猟者の真似事でもしようか。
やることが一段落したので、ルルと一緒に雑草処理と、纏まりのない植え方をしている花の移し替えを行います。
花壇にいた精霊は二種類で数は無数。土竜の様な可愛らしい土の精霊と、風や水の精霊の葉っぱバージョンともいえる格好の植物の精霊。何故土の精霊は姿が違うのか不思議ではあるが、気にしないことにした。そこらを跳ねて周ったり互いにじゃれあったりしていて、とても可愛い。
花の移し替えが終わる頃になると日も暮れてきたので、一緒に水浴び。魔力が回復していなかったので、ルルに作り出してもらった少量のお湯を遣り繰りすることに。やはり、少し予定を早めて湯船を作ろうか。
さっぱりしたところで、戸締りをしてから笹熊亭に向かう。
笹熊亭が見えるところまで来ると、店の前で大勢の人達が右往左往していた。
「何かあったのかな?」
背伸びして店の方を覗こうとしてみるが、どうにも見えづらい。ルルにも店内の様子が見えないらしく、しょうがないので手前にいた人の肩を叩く。
「すみません、何かあったんですか?」
「ああ、それは――」
ガッシャーンという音に声がかき消される。ほぼ反射的に、群がった人達を掻き分けて進む。
「すみません、通してください!」
なんとか店の中へ入ると、すぐに状況を把握するために視線を動かす。
店の中ほどで顔を真っ赤にして仁王立ちする大将と狩人と思われる格好の五人組が睨みあい、大将から少し離れた場所でピエナさんが自身の体を抱えて座り込んでいた。先程の音は机の上に置かれた皿が落ちた音のようで、料理が床の上に広がっている。
狩人五人組は激昂していて、今にも斬りかかりそうな雰囲気。一方で大将も凄まじい怒気を放っていて近寄りがたい。
「ふざけた事言ってんじゃね! こぉのハゲ!」
「あぁ? 餓鬼が調子のるんじゃねぇ!」
狩人全員が武器を抜き放つと、三人が大将へ斬りかかり、他の二人は大将の後ろにいるピエナさん
に向かう。それを見て飛び出す。
二人同時の斬撃を後ろに下がる事で避ける大将。が、横合いから三人目の大剣が振り下ろされる。斬撃が大将に触れる瞬間、横合いから割り込んできた剣が斬撃を横へ逸らす。割り込んだ剣の持ち主はミッケさん。
大剣が床に突き刺さる瞬間、ミッケさんが斬撃を逸らした際の体の捻りを利用して蹴りを繰り出す。その背後で大将が前方に大きく跳び、最初の二人に対してアイアンクローから流れる様に床へ叩きつける。
ミッケさんが割り込んだ頃、近づいてくる二人に気がついたピエナさんは目に涙を浮かべて怯え、一方の男達は下卑た笑みを浮かべる。
手が届くかと思った瞬間割り込んだ桜華が勢いのままに回し蹴り。側頭部にヒットした先頭の男は錐揉み回転しながら壁へ激突。後続は急停止して剣を構えるが、構えきる前に跳び後ろ回し蹴りを繰り出し、直撃した男は錐揉み回転しながら壁へ激突。
大将の全力アイアンクローで聞こえてはいけない音と絶叫が聞こえはじめると、蹴り飛ばされて崩れた体勢を整えた大剣を持った男の顔が青くなり、僅かに逡巡する。ミッケさんはその隙を逃さず一気に距離を詰めると股間を蹴りあげ、大剣の男は顔を白くして泡を吹きながら崩れ落ちる。
私は倒した二人が動かないか警戒しながら、ピエナさんを安心させるように頭を撫でつつ、周囲を確認します。
「後は……大将か。すみません、警邏の人とか居ますか?」
「あー。もうじき来るよ」
入口にいた、内股になって青ざめている男性が教えてくれました。
「大将、そろそろ絞めてもらえませんか? お腹空きました」
次の瞬間、大将は左右の手に持っていた頭同士をぶつけて手を放す。なんか骨の砕ける音がした気がするけど、気のせいで良いかな。
「桜華、これらはどうするの?」
ミッケさんが、どこか脱力した様子で転がっている物を指さす。
「縛って生ゴミか燃えるゴミですね。ゴミ捨て場は……」
「えっ、ゴミ……」
「ああ。裏手にあるぞ」
大将とお兄さん達が手分けしてゴミ捨て場に転がし、その間にお姉さん達が二階の住居部へピエナさんを連れて行く。私は掃除用具を引っ張り出して掃除。
「手伝うよ。それにしても、桜華も強かったんだね」
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