白い結婚だと思っていたら、(溺愛)夫にガブガブされて、番になっていたようです

まんまる

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アリウスは固まったまま、反射的に腕を伸ばして、チョーカーの鍵を手に取った。

「アリウス、大丈夫?」

僕が鍵を持っているアリウスの手を、きゅっと握ると、アリウスは瞳を何度も瞬かせて、ようやく状況を呑み込んだようだった。

「鍵⋯あ、ああ、そうだな、私が外そう」
「ふふっ、アリウス、はいっ、どうぞ」

僕が顔を上げて喉元を差し出すと、アリウスは、ふっと笑って僕の首筋に触れ、もどかしい手つきで鍵を開けた。
カチャッと乾いた音がして、アリウスの手でそっとチョーカーが外された。

「シルティ、触れてみて」

アリウスがうなずくのを見て、そっとうなじに触れると、すぐに凸凹とした皮膚が指先に当たった。

「ふぁっ、本当だ。僕がアリウスの番だって証が、ちゃんとここにある。ぐすっ、よかったぁ」

僕は涙ぐみながら、アリウスの胸に飛び込んだ。

「シルティ、ああ、今やっと、本物の番になれた気がするよ」
「うん、うん、アリウス、僕もだよ」

アリウスは、僕を包み込むように、優しく抱き止めてくれた。
しばらくお互いの体温を確かめ合った僕たちは、自然と引き合うように、口づけをした。
最初は触れるだけの口づけが、徐々に舌が絡まる深いものに変わった。口内を深く貪られる度に、アリウスの甘やかな香りが濃くなって、まるで、愛してると言われているようだった。



「さあ、シルティ、全部脱いで、怪我がないか見せてくれ」
「ええっ!?」
「ああ、いや、私の言い方が悪かった。私が全部するから、シルティはそのまま座っていてくれ」
「い、いやっ、でもっ、怪我はしてないからっ」

アリウスからじりじりと迫られ、僕はアリウスの胸を押し返して抵抗した。

「自分で見えない所に怪我があったらどうするんだ?」

アリウスは僕の腕を掴んで、いとも簡単に引き剥がすと、にっと笑ってシャツのボタンに手を掛けた。
僕はあっという間にシャツと下着を脱がされ、上半身に何もまとっていない姿にさせられた。

「ア、アリウス、恥ずかしいよ」
「くっ、シルティ、隠すと見えないだろう?」

僕は恥ずかしくてたまらず、咄嗟に胸を手で隠すと、アリウスから手首を掴まれ、僕は思わず横を向いて顔を逸らした。

「シルティ、真っ赤になって可愛い」
「アリウス、そんなこと言わないで」
「くうっ」

僕の手首を掴んだまま、カタカタと震え出したアリウスは、突然、僕の唇に食らいついてきた。

「ふぁっ、あっ、ん⋯、ア、アリウス、だめっ、怪我の確認するんでしょ」
「そ、そうだった」

はっと我に返ったアリウスは、ようやく僕の体を確かめていった。
アリウスは、確認済みの印だと言って、隅から隅まで僕の体に口づけをすると、数え切れない程の痕を残していった。
下穿きまで剥ぎ取られそうになった時は、さすがに恥ずかしくて、やめてもらった。

僕がされるがままになっていると、アリウスの様子が段々おかしくなって、目も据わってきた。

「ア、アリウス、どうかしたの?」
「ああ、甘い」
「えっ?」

なんだかそわそわし始めたアリウスは、僕をくるりとうつ伏せにすると、髪を掻き分けて、うなじに顔をうずめた。

「な、何っ?」
「ああ、甘い、甘い香りがする。シルティ、わざと私を誘っているのか?」
「へっ?」
「シルティ、いいか?」
「ええっ!?なっ、何がっ!?」
「シルティっ!!」

アリウスは僕に覆いかぶさり、うなじに舌を這わせたかと思ったら、ガブガブと噛みついてきた。

「やあっ!アリウス、くすぐったいよ!」
「ああ、たまらない」
「だっ、だめぇっ!アリウス、王城に行くんでしょ!」

僕は顔を左右に振って、なんとかアリウスを振りほどくと、アリウスの下から這い出した。

「もう、団長、みんな待ってるよ」
「ぐっ」
「アリウス、僕も待ってるから。全部終わったら、ちゃんと⋯して⋯ね」

僕が真っ赤になって、アリウスにちゅっと口づけをすると、アリウスがガタガタと震え出した。

「シ、シ、シルティっ!!」

「だから、だめだってえぇ!!」


その後、渋りまくるアリウスを説得して、ようやく王城に向かわせた。

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