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第二章 ヤマネコ商会、爆誕!:行列のできる露店
第112話 可愛い二人組のお客様! ジャムの価値を見抜かれました
「次の方、どうぞー!」
終わりの見えない行列をさばき続けること、数十分。
腕と喉が悲鳴を上げ始めた頃、私の目の前に、ひときわ目を引く二人組が現れた。
周囲の大人たちとは明らかに雰囲気の違う、可愛らしい少女たちだ。
一人は、春の花々を思わせる鮮やかなチェリーピンクの髪。もう一人は、澄んだ空のようなアクアブルーの髪。
二人とも、髪をふんわりとしたボブカットに揃えており、その顔立ちは鏡に映したように瓜二つだ。
(うわ、なんかアイドルみたいな子たちが来た! 異世界の遺伝子、仕事しすぎじゃない?)
彼女たちは、興味津々といった様子で私の店を見回していた。
「すごい行列ね! ジャムって何かしら? 甘い匂いがするけど」
ピンク髪の子が、鼻をくんくんさせている。元気そうだ。
「……いい匂い。それに、あのテントや看板のデザイン、すごく洗練されてる。この街のセンスじゃないわ」
水色髪の子は、じっと商品の陳列やPOP(値札)を観察している。鋭そうだ。
私は営業スマイルの輝度を最大にして、二人に話しかけた。
「お待たせしました! 東の国の秘宝、『妖精の宝石』はいかがですか?」
「妖精の宝石……! 名前まで可愛いのね!」
「ふふ、味はもっと素敵ですよ。はい、どうぞ」
私は一口大のクラッカーにジャムを乗せ、二人それぞれに手渡した。
二人は顔を見合わせると、それを受け取り、上品に口へと運んだ。
その瞬間。
二人は驚きで目を丸くした。
「……っ! 何これ、美味しい!」
ピンク髪の子が、頬に手を当てて声を弾ませる。
「甘酸っぱくて、とろとろで……! いくらでも食べられそう!」
「……信じられない。果実の味が、これほど濃厚に残っているなんて」
水色髪の子も、感嘆の声を漏らす。
そして、彼女は陳列されたジャムの瓶をまじまじと見つめて、ハッとしたように呟いた。
「……この瓶、市場の裏の問屋で扱ってる一般的なものだわ。でも、このリボンと、手書き風のタグ……。ただ結んでいるだけなのに、これがあるだけで、すごく高級なものに見える」
(おっ!)
瓶が現地調達の安いものであることを見抜き、かつ、パッケージングによる付加価値の向上(ブランディング)に気づくとは。
やるわね、この子。
「これ、いただくわ! クッキーとお茶もセットで!」
「私も」
二人は、決断も早かった。
なけなしのお小遣いかもしれないけれど、迷わず銀のトレーに硬貨を置く。
「ありがとうございます! まいどあり!」
私が商品を渡すと、ピンク髪の子が、キラキラした目で私に尋ねてきた。
「ねえ、これ全部、あなた一人が考えたの? このお店も、商品も?」
「ええ、まあ! ヤマネコ商会の自慢の商品ですから!」
私は胸を張って答える。
まあ、中身は28歳の元OLだし、通販サイトの力を借りまくってるけどね! それは企業秘密だ。
「すごいわ……。子供なのに、こんなお店を作っちゃうなんて」
「……うん。勉強になったわ。ありがとう」
二人は商品を大事そうに抱え、名残惜しそうに店を離れていく。
その背中から、弾むような話し声が聞こえてきた。
「いいなあ、素敵なお店。私たちも、負けてられないわね」
「そうね……。もっと頑張らなくちゃ」
その言葉に、私は思わず手を止めて、二人の後ろ姿を目で追った。
綺麗な髪の、双子のようにそっくりな可愛らしい二人。
礼儀正しくて、モノの価値が分かっていて、何より華がある。
終わりの見えない行列をさばき続けること、数十分。
腕と喉が悲鳴を上げ始めた頃、私の目の前に、ひときわ目を引く二人組が現れた。
周囲の大人たちとは明らかに雰囲気の違う、可愛らしい少女たちだ。
一人は、春の花々を思わせる鮮やかなチェリーピンクの髪。もう一人は、澄んだ空のようなアクアブルーの髪。
二人とも、髪をふんわりとしたボブカットに揃えており、その顔立ちは鏡に映したように瓜二つだ。
(うわ、なんかアイドルみたいな子たちが来た! 異世界の遺伝子、仕事しすぎじゃない?)
彼女たちは、興味津々といった様子で私の店を見回していた。
「すごい行列ね! ジャムって何かしら? 甘い匂いがするけど」
ピンク髪の子が、鼻をくんくんさせている。元気そうだ。
「……いい匂い。それに、あのテントや看板のデザイン、すごく洗練されてる。この街のセンスじゃないわ」
水色髪の子は、じっと商品の陳列やPOP(値札)を観察している。鋭そうだ。
私は営業スマイルの輝度を最大にして、二人に話しかけた。
「お待たせしました! 東の国の秘宝、『妖精の宝石』はいかがですか?」
「妖精の宝石……! 名前まで可愛いのね!」
「ふふ、味はもっと素敵ですよ。はい、どうぞ」
私は一口大のクラッカーにジャムを乗せ、二人それぞれに手渡した。
二人は顔を見合わせると、それを受け取り、上品に口へと運んだ。
その瞬間。
二人は驚きで目を丸くした。
「……っ! 何これ、美味しい!」
ピンク髪の子が、頬に手を当てて声を弾ませる。
「甘酸っぱくて、とろとろで……! いくらでも食べられそう!」
「……信じられない。果実の味が、これほど濃厚に残っているなんて」
水色髪の子も、感嘆の声を漏らす。
そして、彼女は陳列されたジャムの瓶をまじまじと見つめて、ハッとしたように呟いた。
「……この瓶、市場の裏の問屋で扱ってる一般的なものだわ。でも、このリボンと、手書き風のタグ……。ただ結んでいるだけなのに、これがあるだけで、すごく高級なものに見える」
(おっ!)
瓶が現地調達の安いものであることを見抜き、かつ、パッケージングによる付加価値の向上(ブランディング)に気づくとは。
やるわね、この子。
「これ、いただくわ! クッキーとお茶もセットで!」
「私も」
二人は、決断も早かった。
なけなしのお小遣いかもしれないけれど、迷わず銀のトレーに硬貨を置く。
「ありがとうございます! まいどあり!」
私が商品を渡すと、ピンク髪の子が、キラキラした目で私に尋ねてきた。
「ねえ、これ全部、あなた一人が考えたの? このお店も、商品も?」
「ええ、まあ! ヤマネコ商会の自慢の商品ですから!」
私は胸を張って答える。
まあ、中身は28歳の元OLだし、通販サイトの力を借りまくってるけどね! それは企業秘密だ。
「すごいわ……。子供なのに、こんなお店を作っちゃうなんて」
「……うん。勉強になったわ。ありがとう」
二人は商品を大事そうに抱え、名残惜しそうに店を離れていく。
その背中から、弾むような話し声が聞こえてきた。
「いいなあ、素敵なお店。私たちも、負けてられないわね」
「そうね……。もっと頑張らなくちゃ」
その言葉に、私は思わず手を止めて、二人の後ろ姿を目で追った。
綺麗な髪の、双子のようにそっくりな可愛らしい二人。
礼儀正しくて、モノの価値が分かっていて、何より華がある。
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