神様のミスで死んだので、神獣もふもふと異世界インターネットで快適スローライフ始めます ~最強生活チートと1000万ポイントでポチりまくり!~

幸せのオムライス

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第二章 ヤマネコ商会、爆誕!:電力革命! 魅惑の家電と至福のバスタイム

第151話 寒気には『ファンヒーター』! 地縛霊、熱風に敗北する

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 楽しいお茶会が終わり、みんなを見送った後の店内は、祭りの後のような静けさに包まれていた。
 片付けを終え、店には再び私とコロだけが残る。

「ふぅ……。今日もいい日だったわね、コロ」

『うん! ケーキ、おいしかった!』

 コロも端っこをもらってご満悦だ。
 私は二階の住居スペースに上がり、ふかふかのベッドにダイブした。
 体は疲れているけれど、心は満たされている。
 さあ、明日も仕事だ。ぐっすり寝て英気を養わないと。

 私は、先日通販で購入した『最強の防音耳栓(プロ仕様)』を両耳にねじ込んだ。
 これで、どんな雑音もシャットアウト。完璧な静寂が約束されているはずだ。

「おやすみなさい」

 私は電気(LEDシーリングライト)を消し、布団に潜り込んだ。

 ……その時だった。

 ゾクリ。

 背筋を、氷のような冷たい指でなぞられたような悪寒が走った。

(……な、なに? 急に寒気が……)

 季節はまだそんなに寒くないはずなのに、部屋の温度が急激に下がった気がする。
 コロが、私の布団の中に潜り込んで、ブルブルと震えながらくっついてきた。
 コロも寒さには弱いのね……なんて思っていると。

「……ずるい」

 耳元で、声がした。
 耳栓をしているはずなのに。
 脳内に直接響いてくるような、恨めしげな女性の声。

「……わたしも……たべたい」

(…………ッ!!)

 私は布団の中で硬直する。

(た、食べたい……!?)

 まさか、昼間のショートケーキの記憶が強すぎて、風の音を脳が勝手に『食べたい』って言葉に変換しちゃったの!?
 パレイドリア効果(意味のない刺激を既知のパターンとして認識してしまう現象)も、ここまできたら立派なホラーだ!

(聞こえない! 私は何も聞こえない! これは脳が作り出した幻聴に決まってる!)

 そう、寒さ!
 急激な気温低下による自律神経の乱れが、幻聴を引き起こしているんだ!

「……そうだ、寒いんだ! 断熱材が足りないんだ、この家は!」

 私はガバッと起き上がると、震える手で【異世界インターネット接続Lv.3】を起動し、通販画面を立ち上げる。
 検索ワードは『業務用 速暖 ファンヒーター』。

「ポチッとな!」

 即座に配送された最新家電を箱から取り出し、電源タップに電源プラグを接続して、スイッチをオンにする。
 ゴォォォォ……という温風の音が、不気味な静寂をかき消していく。

「ふーっはっは! 見たか! これが科学の暖房なのだ!」

 部屋が暖まると、不思議と声も聞こえなくなった(気がする)。
 私はヒーターの前を陣取り、コロを抱きしめる。

「幽霊なんていないわ。ただの『局地的な寒冷前線』の仕業よ。物理現象には物理(家電)で対抗する。それが現代人の流儀なんだから!」

 私は自分を納得させ、ヒーターの温もりにすがりついた。
 ……でも、ヒーターの温風が、時々、誰かが前を通ったようにふっと遮られて冷たくなるのは、きっと隙間風の仕業よね?
 そうに決まってる!

 ◇

「あつっ!? 何よこれ!!」

 ヒーターの前を横切ろうとした女将の霊は、突如吹き付けた熱風に悲鳴を上げた。

 霊体である彼女にとって、急激な温度変化は大敵だ。
 特に、この機械から吐き出される熱風は、自然の風とは違う、人工的で乾燥した猛烈な熱気だった。

(な、なんなのよこの箱! 魔獣の吐息!? 私を焼き払う気!?)

 彼女は慌ててヒーターから距離を取った。
 せっかく「寒気」で脅かそうとしていたのに、この熱風のせいで部屋はポカポカだ。これでは雰囲気も台無しだ。

(くっ……! 音も、光も、温度も……! この小娘の周りには、霊体の天敵ばかりじゃない!)

 彼女は、物理攻撃(家電)の前に完全敗北を喫した。
 悔し涙を流しながら、彼女は再び自分のテリトリーである屋根裏の奥深くへと逃げ込むしかなかった。

(……あの小娘、本当に人間なの? もしかして、人間に化けたタチの悪い魔物なんじゃ……)
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