事故から始まる物語

意外

　飛鳥先輩と照先輩がプチ喧嘩？をした後、飛鳥先輩が謝って来た。

　飛鳥「優希ちゃんもごめんね」

　優希「え！？いえ、私も近かったですから！すみません。」

　飛鳥「詩音ちゃんも変な空気にしてごめんね」

　詩音「いえ、大丈夫です」

　優希「私も、詩音ごめんね。照先輩と近かったから」

　詩音「うん、気を付けてね？」

　優希「うん」

　詩音も言いたいことはあるだろうが照先輩と飛鳥先輩の言い合いを聞いた後だと言えないんだろうなと思ったので、夜にでもまた謝ろうと思った。

　詩音「先輩たちも喧嘩するんですね」

　飛鳥「全くしない訳ではないからね」

　優希「そうなんですか？」

　照先輩も飛鳥先輩も系統は違うが2人とも穏やかな人だと思っていたので言い争いを始めた時は少し焦った。

　飛鳥「うん、でも大体はさっきみたいな感じで終わるかな」

　詩音「あんまりヒートアップしない感じですか？いいですね」

　飛鳥「あれ以上の喧嘩になると照が全然口聞いてくれなくなるからね。まぁでも、そうなるのは大体私が悪いんだけど。」

　優希「え！そうなんですか！？」

　照「そこで驚くのは失礼やろ！」

　優希「すみません！」

　飛鳥「あははは！」

　喧嘩する原因が飛鳥先輩だと聞いて驚いたら照先輩に怒られてしまった。でも、照先輩の方が結構考えなしに発言してたりするので飛鳥先輩が怒るのかと思ってら逆で驚いた。

　飛鳥「照は大体の物事を聞いてどっちが悪いか判断するんだよね。さっきもそうだけど自分が悪いと思ったら謝るし、悪くないと思ったちゃんと考えも言ってこっちを納得させようとしてくれるからね。」

　優希「それは思いました！」

　さっきの言い争いもそうだったが照先輩は飛鳥先輩を悪いとは思っておらず飛鳥先輩が謝った時に怒っていたなと思った。

　飛鳥「でも、考えを言ってもどうしようもない事ってあるでしょ」

　優希「どうしようもない事？」

　飛鳥「照が大事にしていた物を勝手に捨てたとか壊したとかそういう感じの事」

　優希「あぁ、なるほど」

　飛鳥「うん、そんな時はどうしようもないから照が怒って口を聞いてくれなくなるかな」

　飛鳥先輩の話を聞いてそれはどうしようもないなと思った。言葉だと考えを言えばいいが物が壊れたとかになると考えなどは関係ないので話し合いなんて出来ないなと思っていた。

　詩音「じゃあ、そういう時どうするんですか？照先輩が口を聞いてくれるまで謝るんですか？」

　飛鳥「まぁ謝るって事を辞めはしないかな。悪いのは私だから、でもやっぱり横に居るのに無視され続けるのって辛いんだよねぇ」

　優希「ですよね」

　私だって詩音が横に居て謝っているのに聞き入れてくれなくて口も聞いてくれないと考えると相当辛いなと思って同調した。

　飛鳥「傍から見れば謝ってるんだから許してあげなよとか思うでしょ、でもどれだけ怒っているかって結局本人にしか分からない訳じゃん」

　詩音「そうですね」

　飛鳥「私も悪い事したって自覚があるから謝る以外出来ないし、どうしようもないから本当に泣きそうになるんだよねぇでも、大体それを見越してか照が許してくれるから本当に照は優しいよ」

　詩音「へぇ～、そうなんですか」

　優希「照先輩が悪くて飛鳥先輩が怒る時ってあるんですか？」

　飛鳥「んー、ない、かなぁ。多少文句とか言い合いとかはするけど照が何かをして喧嘩ってのはないかなぁ」

　優希「なんかすごく意外ですね～」

　普段の照先輩と飛鳥先輩を見ていると飛鳥先輩の方が怒っていそうだと思ったが照先輩の方が怒るらしく逆に照先輩は飛鳥先輩に気を許してるのかななんて考えていた。

　詩音「照先輩は怒っている時とか相手が怒っている時って何か考えているんですか？」

　照「相手が怒るのには理由があるけん、でもそれを察しろって思われても無理やしなら聞くしかないやろ。先に怒ってるんやったら色々言ってくるのは当たり前やしその辺は別に気にせんかな。相手の気持ちとか話を聞いて自分が悪いか悪くないか決めとるくらい」

　詩音「でも、理不尽に怒られてたら自分もイラッとしませんか？」

　照「んー、何言ってるのか理解できないからなんか他人事みたいに聞いとるかな。」

　詩音「へぇ、そうなんですね～」

　照先輩の考えを聞いて私は理由も分からず文句を言われるとイラッとしてしまうので照先輩みたいに他人事として聞くことは出来ないなと思った。

　飛鳥「照が本気で怒ってる時って許してくれてるの？」

　照「根には持ってるよ。あんまり大切にしとる物ってないんやけど、それを壊されたり勝手に捨られると流石に許せんよ。」

　飛鳥「だよね・・・」

　照「でも、今も大事やけん」

　照先輩が最後に言った今ってなんの事か分からなかったが飛鳥先輩は分かったのか顔が赤くなっているように見えた。

　照「まぁ2人もこれから色々とぶつかるやろうし、何に対しても我慢をするって事は辞めとった方がいいよ」

　優希「はい」

　照先輩の言葉を聞いてそうだなと思って気をつけて行こうとおもった。