29 / 48
28
しおりを挟む秋になる前には、辺境伯が寄越した魔法使い?魔術師?が、土魔法で橋を作ったので、トカレ村には行ける様になった。
氾濫間際まで増水したっていう川には、何度か行ってるけど……
嵐の1週間後に行った時には、尻尾がピン!と立つほどにスライムが数え切れないほど居た。
まあ、冒険者ギルドから依頼が出てるのか、剣を持って然程も経ってないと分かる初心者が、何人かいたけど……
上流から流れて来たスライムなのか、水色緑色じゃないのも居て……
「ソイツはダメ!紫は悪食だから、手に負えない!」
いつものリーナなら、越権行為になるから声を掛けないけど……
紫だけは、増えると厄介なヤツだから、見付けたらギルドに報告って事に、リナペッタではなってたの。
「報せに行ってくるから、他の色のを進めてて!」
きっと、逃げ足の早い自分が行くのが早いだろうって思って、大急ぎで町にとって返し……
東門の立番の衛兵にも言ったので、余剰兵はいなかったと思うのに、向かわせてくれた。
嵐の被害が広範囲に至っていて、程度も酷かったし、ギルドもだけど大忙しだったみたい。
まあ、なぜ自分が行ったのかは……
泥水の様な状態に川がなってるのは予想してたけど……
日干しや燻製にもしてたけど、たくさんあった筈のお魚が無くなっちゃって……
トカレ村で得た金魚は、氷漬けにして後生大事にしてるからダメ!
それで、そろそろ泥臭いかもだけど、釣れないかなあ?って……
まあ、それどころじゃなかったけど……
次に行ったのは、更に1週間我慢して……
というのも、冒険者ギルドのギルマスには呼び出され、感謝の意を示された?けど……
何故行ったのかと笑顔で聞かれたけど、忙しい時にっていう副音声が聞こえた。
ので、内心ムっとしながら、「お魚尽きたから食べたかった…」と口にすれば……
一瞬、目を見開いたけど大爆笑された。
「そうかそうか!食べたかったか!」って……
その時に、初心者冒険者を助けてくれたと感謝されたけど、後1週間は無理だろうって言われたの!
だから、その1週間を我慢して行けば……
いつもの川辺に向かうのに林を抜けるんだけど、道の先、橋があった辺りに人集りが……
首を傾げながら、林に入ったけど、この辺りにも影響はあった。
前回来た時は、あまりにも黄色や赤の点があって、びっくりしてスルーしたんだけど……
木は倒れては居ないけど、何処からか飛んで来たものが木に張り付いてたり……
探索と索敵の範囲全部ではないけど、鑑定も掛けてるので……
眉をひそめる魔物の巣だという鑑定のプレートに溜め息。
どんな魔物でも、夏は卵を産んで抱き孵化させる子育てシーズン。
孵化後の巣なのなら良いんだけど……
人や魔物が寄り付けない崖や木の上に、大きな巣を作るというだけあって、巨大な藁草にしか見えないけど、マズイよね。
そう思い、困ってたら……
落ちた橋の方から人が数人走って来た。
「お、ちょうど良いのがあるぞ」と言ってる。
その中の1人が「コレってどっからか飛んで来たハルピュイの巣だぞ」と気付いた。
「それってマズイんじゃないか?」
「使うのは良いだろ。証拠隠滅だ」
「橋の強度を上げるのにも、ハルピュイの糞が混じってるんなら最適だ!」
そんな事を言いながら、引き摺り下ろし始めてた。
そうか、それもそうだな。と思いながら、自分は川辺に向かった。
ある程度、自然災害だって事ぐらいは理解してるだろうけど……
ハルピュイだもんねえ。
ハルピュイって言うのは、ハーピーの亜種で体格が少し小型なんだけど、群れる数が多いの。
この近辺ではハーピーは居らず、ハルピュイなんだけど、空飛ぶ魔物は脅威には違いない。
稀にハーピーには人格がある者も居るので、亜人扱いの国もある様だけど……
まあ、魔王国くらいかな?
基本、放牧中の羊を攫って行くので討伐対象となってる。
似た様な扱いになってるのが、蜘蛛の上に女性の上半身があるアラクネ。
蛇バージョンがラミアね。
女郎蜘蛛と似てるので、討伐依頼を出されるけど、Aランク以上の冒険者パーティが数組居ないと無理だっていうよ。
ラミアやアラクネは怒ってない限り、逃げて隠れちゃうから区別がつくけど……
女郎蜘蛛だけは見た事ないけど、婆ちゃんの話によれば凄く怖いって。
森に入る時は、気配を消すバイパー以上に要注意だもんね蜘蛛系。
上から降りて来て襲われるから……
その時はようやく釣りが出来たんだけど……
流されたのか、魚の姿が少なく、仕掛けも落としてみたんだけど……
以前は帰る頃には入ってたのに居なくて……泣きたいにゃ。
入ってたのは、仕掛けの肉でも喰らう甲殻類。
秋には鮭鱒……戻って来てるかなあ?
しょんぼりしながら帰ったんだ。
次に行ったのは、橋が通行可能になったって話を、薬師ギルドで聞いて。
満月まで数日って頃で……
先月は山向こうという位置の一大コロニーで採集したので、充分すぎる量あるので急いてない。
先々月、散々な目に遭った2大派閥が、先月何処に行ったのかと思えば……
担当さん苦笑いしてたけど、また勝ち合った様で……
まあ、山向こう以外では1番大きいコロニーなのは確かだけど……
いがみ合いながらも、採集は終えたそうだけど、所属人数が多い=蜜の使用量も多くなるので……
今月も採集しに行く、行きたいのに橋が通行不可だった。
それがようやく今日、可能になったので、大急ぎで出掛けて行ったそうな。
あのバレジ村で1泊するんだろうけど、食糧カツカツなんじゃない?
「今月は?」と言われたので……
「採集には行かないけど、夜釣りとトカレ村に行くかも?」
そう言っておいて、あらかじめ居ない事の布石。
一応、スケジュール通りの納品はしてるけど……
嵐の被害で、回復薬が使われてる様で、急遽、追加納品って言われる可能性が高そうなので。
秋になるまでにお魚戻ってきてくれます様に。
そう思いながら、冒険者スタイルで町を出て、川に行けば……
水草が見えるくらいに透明度は戻ってた。
上流から来たと思われる、見た事のない大岩が転がってるので、水草ちぎれちゃった?と思ったのだけど、意外としぶとい?
水草は残ってたよ。
ただ、この大岩……鑑定プレートが稀少だと知らせる金色だ。
鑑定全部すると魔力枯渇するので、範囲とランクを決めてあるの。
無色は雑草とかただの石とかで……
無色の上は、コモンともいう一般的に流通してる物で青で縁どり。
緑→紫→銅色と上がって行くの。
当然、金色というのは上から2番目で……
1番上は虹色。
なので、何かと思えば……
大岩の中に、宝石の原石とか鉱物がある様で……
岩塩の塊並に場所取るけど、今は収納の空間があるし!
仕掛けは落とし終わって、釣りする状態だったので……
河原に転がってる岩で、色付きプレートだけを収納して歩いた。
ただの岩も物理的攻撃手段として、残しておくかちょっと迷ったけど。
足止め用にね。
テントは念の為に張って、ランベルト商会で買った、結界に隠蔽が付いた魔道具の杭を打ち込んだ。
ランベルト商会によると、Aランクの冒険者が買う様な代物で、人気で中々手に入らないんだって。
4本1組で、結界の物は使用してる魔石が小さいから使い捨てなんだけど……
頻繁に使用するのなら割高感があるので、自分も使用を考え買い控えしちゃってた。銀貨1枚。
それが、こちらのは魔力を注げるサイズの魔石使用の上、割れたら魔石を取り替えられるとの事。
それでいて、金貨2枚で買える。
そりゃ、初心者では高額だけど、DやCの冒険者なら出せる金額。
1回で貰える討伐報酬が、金貨3~4枚になるみたいだから。
まあ、人数割したとしても、野営に関しては別会計に……してるよね?
取り分にはシビアな割に、使うのは躊躇しないんだろうなあ……
冒険者の金銭感覚にふと不安を感じた。
そういえば、発祥は商業ギルドらしいけど、預かり金制度を冒険者は使わないのかな?
自分は魔法袋を作れたから、入れておけたけど、硬貨って意外と重いからねえ。
それに大金を持って歩くなんて、物騒だし。
だから、各ギルドが銀行業の様な事をして、タグと紐付けできてて、結構使い勝手良いようになってる。
ランベルト商会での買い物なんて、全部タグからの出金。
商会にしても、信用払いより良いんじゃないかな?
ちなみに、信用払いができるのは貴族だけだからね。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜
まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、
専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活
現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。
しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。
彼は大陸一の富を誇る名門貴族――
ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。
カイルに与えられたのは
・世界一とも言える圧倒的な財力
・財力に比例して増大する規格外の魔力
そして何より彼を驚かせたのは――
彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。
献身的なエルフのメイド長リリア。
護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。
さらに個性豊かな巨乳メイドたち。
カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。
すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――
「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」
領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、
時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、
最強の御曹司カイルは
世界一幸せなハーレムを築いていく。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
転生後はゆっくりと
衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。
日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。
そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。
でも、リリは悲観しない。
前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。
目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。
全25話(予定)
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる