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ようこそデスハウスへ
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「さあ、いよいよ決勝戦です!どのようなドラマが生まれるのでしょうか!!」
場内アナウンスが響き渡る。
「いよいよか」
「緊張するなあ」
チームメイトが次々と口ににする。
「頼むぞエース!」
「しっかり決めろよ!」
そして俺に声をかけてくる。
「任せろ!」
俺は自身たっぷりに言った。
それだけの練習を俺たちはしてきた。
絶対の自信があった。
勝つのは俺たちだ――――――と。
「行くぞ」
監督の一言に、より一層の緊張感が漂う。
「おう!!!!!!」
全員で叫び、喝を入れる。
今日は甲子園決勝戦。
ここにかけてきた。
勝ってみんなで優勝旗を持って帰るんだ。
そう思っていた……
目が覚めたら、真っ白な天井。
独特の匂い。
周りを見渡し、わけがわからなくなった。
ここは病院の一室。
俺は試合をしていた。
相手ピッチャーと対峙し、たくさんの応援を背にバッターボックスに立っていたはずだ。
それがなぜこんなところに……
ガラガラ
ドアの開く音がし、よく知る人物が顔を出す。
「よう……」
「怜ちゃん……怜ちゃん!!」
目を見開き、駆け寄り、ベットの横で崩れた。
「よかった!!目が覚めたんやね!私が誰かわかる!?」
わからないはずがない。
大阪育ちなので特徴的な関西弁、家族を除けば最も身近な存在であるその女の子の名を呼んだ。
「凛花……」
「相手が投げたボールが怜ちゃんの頭にボールが当たって、しかも大会最速で……私もうわけがわからなくなって……」
「落ち着けよ……」
「落ち着けるか!!アホ!!」
バンッとベッドを叩く。
学校でも男子の人気ナンバーワン、県内屈指の美少女剣道家にここまで心配されるとは幼馴染み冥利につきるな。
「とにかくよかった……そうや、美李呼んでくる!!」
バタバタと走って出て行った。
病院なんだから静かに……とか言う間もなかった。
「そうか、俺、ボールに……」
体を起こし、試合を思い出そうと目を閉じる、その時――――――
「よう」
声がした。
「目え覚めたかい」
誰だ。
「誰だとは失礼な、わしが助けてやったのに」
わしが助けた?一体どういう……
「あーすまん、正確には助けられてなかったわ」
まだ頭が働いてないのか?変な声が……
「いやいや、わしはお前に話しておるよ、渋谷怜」
なぜ俺の名を、いやそれより……
目を開けようとするが、なぜか開かない。
「今は目は開かんよ。それより助けられていないという話だがな」
こいつ俺の心を読めるのか?まあ今最も気になってることに答えてくれるようだ。
「お前は死んだんだよ」
……は?
何を言ってる?死んだ?俺が??
「おっと、話はここまでのようだ。続きはまた今度……」
「おい、まだ聞きたいことが!!」
「それはこっちのセリフだああああああ!!」
聞き慣れた声が聞こえ、目が開いた。
その時。
ドーンと胸に衝撃が走った。
「うごっ!美李……お前……」
「怜!起きたなら真っ先に私のところに来なさいよ!!」
「いや、まだなにがなんだか……」
「やかましい!!」
ドカッと胸にパンチがささる。
こいつはいつもいつも……
俺の一つ年下の妹、美李。
いつものように髪を後ろで2つに縛り、学校の制服に身を包んでいる。
周りから見たらかなりの美人のようで、モデルにスカウトされたこともある……らしい。
「まったく、私に心配させるなんて……」
目が潤んでいる
「泣いてるのか?」
「泣いてないもん!!」
またパンチが飛んでくる、その時……
「あんたら何してるん!?」
目を丸くした凛花が立っていた
「ここ病院やで!?そんなこと……」
そんなこと?
ふと前を見ると、美李が俺に馬乗りになり、顔がくっつきそうな――――――
「ばっ……何言ってんの凛花姐さん!?これは、その……」
「とにかく降りろ馬鹿美李!!」
「はいっっ」
すっとベッドから降りた。
美李はなぜか凛花のことを恐れていた。
俺のいうこともこれぐらい聞いてくれたら……
「怜ちゃんも怜ちゃんや!!」
「は、はい!?」
「いくら妹やからってそんなん……ぜったいあかん!!」
顔が赤い。
何を想像しているのやら。
「なあ、それより」
俺は口を開いた。
「何!?」
「何よ??」
二人に、俺の最大の疑問をぶつけた。
「俺って、死んだのか?」
一ヶ月が経った。
俺はすっかり快復し、退院することになった。
「退院おめでとう」
俺の横で凛花が微笑む。
あの後も毎日見舞いに来てくれて、世話をしてくれた。
「凛花のおかげだよ、ありがとな」
心の底からの感謝を伝えると
「そんな急に改まって、恥ずかしいやん……」
頬を真っ赤に染め、俯く。
そしてそのまま動かなくなった。
「凛花??」
呼びかけるが答えない。
その時、目の前に真っ黒なコートを着た男が現れた。
「久しぶりだな、渋谷怜、いや、レイ……」
「お前はあの時の!!」
病室で俺に話しかけてきたのと同じ声だ。
「迎えにきた。一緒に来い」
「……おう」
なぜか迷いはなかった。家に帰っても両親はいない。美李と凛花はいるが、今は行かなければならないという確信があったのだ。
「ではゆくぞ」
黒い風に包まれ、それが晴れた時、目の前は俺の知っている町ではなく、ホラー映画に出てきそうな洋館の玄関だった。
「お!新入りか??」
背の高いいかにもチャラそうな男が扉から顔を出し、興味深そうに寄ってきた。
「アカリ~新入りがきたぞ~」
返事はない。どうやら洋館の中にいるようだ。
「まあとにかく入って入って~」
背中を押され入り口へ向かう。
「あの……ここは?」
「細かい説明は後! まあでも俺たちも君と同じさ。」
「同じ……」
一度死んで生き返ったってことか。
「そう!そんなやつらが集められたのがここ!」
中に入ると、そこは普通の家となんら変わらない。
「ようこそ、デスハウスへ」
場内アナウンスが響き渡る。
「いよいよか」
「緊張するなあ」
チームメイトが次々と口ににする。
「頼むぞエース!」
「しっかり決めろよ!」
そして俺に声をかけてくる。
「任せろ!」
俺は自身たっぷりに言った。
それだけの練習を俺たちはしてきた。
絶対の自信があった。
勝つのは俺たちだ――――――と。
「行くぞ」
監督の一言に、より一層の緊張感が漂う。
「おう!!!!!!」
全員で叫び、喝を入れる。
今日は甲子園決勝戦。
ここにかけてきた。
勝ってみんなで優勝旗を持って帰るんだ。
そう思っていた……
目が覚めたら、真っ白な天井。
独特の匂い。
周りを見渡し、わけがわからなくなった。
ここは病院の一室。
俺は試合をしていた。
相手ピッチャーと対峙し、たくさんの応援を背にバッターボックスに立っていたはずだ。
それがなぜこんなところに……
ガラガラ
ドアの開く音がし、よく知る人物が顔を出す。
「よう……」
「怜ちゃん……怜ちゃん!!」
目を見開き、駆け寄り、ベットの横で崩れた。
「よかった!!目が覚めたんやね!私が誰かわかる!?」
わからないはずがない。
大阪育ちなので特徴的な関西弁、家族を除けば最も身近な存在であるその女の子の名を呼んだ。
「凛花……」
「相手が投げたボールが怜ちゃんの頭にボールが当たって、しかも大会最速で……私もうわけがわからなくなって……」
「落ち着けよ……」
「落ち着けるか!!アホ!!」
バンッとベッドを叩く。
学校でも男子の人気ナンバーワン、県内屈指の美少女剣道家にここまで心配されるとは幼馴染み冥利につきるな。
「とにかくよかった……そうや、美李呼んでくる!!」
バタバタと走って出て行った。
病院なんだから静かに……とか言う間もなかった。
「そうか、俺、ボールに……」
体を起こし、試合を思い出そうと目を閉じる、その時――――――
「よう」
声がした。
「目え覚めたかい」
誰だ。
「誰だとは失礼な、わしが助けてやったのに」
わしが助けた?一体どういう……
「あーすまん、正確には助けられてなかったわ」
まだ頭が働いてないのか?変な声が……
「いやいや、わしはお前に話しておるよ、渋谷怜」
なぜ俺の名を、いやそれより……
目を開けようとするが、なぜか開かない。
「今は目は開かんよ。それより助けられていないという話だがな」
こいつ俺の心を読めるのか?まあ今最も気になってることに答えてくれるようだ。
「お前は死んだんだよ」
……は?
何を言ってる?死んだ?俺が??
「おっと、話はここまでのようだ。続きはまた今度……」
「おい、まだ聞きたいことが!!」
「それはこっちのセリフだああああああ!!」
聞き慣れた声が聞こえ、目が開いた。
その時。
ドーンと胸に衝撃が走った。
「うごっ!美李……お前……」
「怜!起きたなら真っ先に私のところに来なさいよ!!」
「いや、まだなにがなんだか……」
「やかましい!!」
ドカッと胸にパンチがささる。
こいつはいつもいつも……
俺の一つ年下の妹、美李。
いつものように髪を後ろで2つに縛り、学校の制服に身を包んでいる。
周りから見たらかなりの美人のようで、モデルにスカウトされたこともある……らしい。
「まったく、私に心配させるなんて……」
目が潤んでいる
「泣いてるのか?」
「泣いてないもん!!」
またパンチが飛んでくる、その時……
「あんたら何してるん!?」
目を丸くした凛花が立っていた
「ここ病院やで!?そんなこと……」
そんなこと?
ふと前を見ると、美李が俺に馬乗りになり、顔がくっつきそうな――――――
「ばっ……何言ってんの凛花姐さん!?これは、その……」
「とにかく降りろ馬鹿美李!!」
「はいっっ」
すっとベッドから降りた。
美李はなぜか凛花のことを恐れていた。
俺のいうこともこれぐらい聞いてくれたら……
「怜ちゃんも怜ちゃんや!!」
「は、はい!?」
「いくら妹やからってそんなん……ぜったいあかん!!」
顔が赤い。
何を想像しているのやら。
「なあ、それより」
俺は口を開いた。
「何!?」
「何よ??」
二人に、俺の最大の疑問をぶつけた。
「俺って、死んだのか?」
一ヶ月が経った。
俺はすっかり快復し、退院することになった。
「退院おめでとう」
俺の横で凛花が微笑む。
あの後も毎日見舞いに来てくれて、世話をしてくれた。
「凛花のおかげだよ、ありがとな」
心の底からの感謝を伝えると
「そんな急に改まって、恥ずかしいやん……」
頬を真っ赤に染め、俯く。
そしてそのまま動かなくなった。
「凛花??」
呼びかけるが答えない。
その時、目の前に真っ黒なコートを着た男が現れた。
「久しぶりだな、渋谷怜、いや、レイ……」
「お前はあの時の!!」
病室で俺に話しかけてきたのと同じ声だ。
「迎えにきた。一緒に来い」
「……おう」
なぜか迷いはなかった。家に帰っても両親はいない。美李と凛花はいるが、今は行かなければならないという確信があったのだ。
「ではゆくぞ」
黒い風に包まれ、それが晴れた時、目の前は俺の知っている町ではなく、ホラー映画に出てきそうな洋館の玄関だった。
「お!新入りか??」
背の高いいかにもチャラそうな男が扉から顔を出し、興味深そうに寄ってきた。
「アカリ~新入りがきたぞ~」
返事はない。どうやら洋館の中にいるようだ。
「まあとにかく入って入って~」
背中を押され入り口へ向かう。
「あの……ここは?」
「細かい説明は後! まあでも俺たちも君と同じさ。」
「同じ……」
一度死んで生き返ったってことか。
「そう!そんなやつらが集められたのがここ!」
中に入ると、そこは普通の家となんら変わらない。
「ようこそ、デスハウスへ」
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