デジタル化未来

ハシビロコウ

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episode 1 日常

プロローグ

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 ××××年。この世界はデジタル化した。
 人々が体内にICチップをいれるのも、路に咲く花が幻想(偽物)なのも、もはや日常になりつつある。そんな時代だ。

 そんな時代で今を過ごす、一人の人生を覗いてみるとしよう。

ジリリリリリリリリ
「んー....。」

ジリリリリリリリリ
「ん′′ーーーーー。」

ジリリリr
「うるさい。」

バキッ!

ドキャァア!
「おはようスナイ!
あとさ、いますんげーえげつない音聞こえたんだぜ!この部屋から!」

スナイ「お前も今、えげつない音出したけどね!」

 デジタル化したおかげで、人々の生活は、
比較的に便利になった。例えば...

「なー、スナイぃいい!
学校早く行こうぜー!!オレ待ちきれねーよー!」

スナイ「僕のお布団様を剥ぐな!
    あーもー五月蝿いなぁ...!
    nemu !着替えさせて‼」

 この寝起きの青年も、一声かければ...

《承知しました。
システムを起動します。おはようございます。マスター。》

しゅるるる... 

 なんということでしょう...。匠の技により、一瞬で着替えることが出来ました。

「よしっ!
着替えたな‼んじゃいくぞ‼」 

 そう言って腕をちぎれんばかりにひっぱってくる。止めて痛い。僕の手ゴム製じゃないから。

スナイ「痛い、痛い!手を離してくださいお願いします!僕どこぞの能力者じゃないから‼」

ギチギチ...

「あっ、ごめん。」

 すぐはなしてくれたけど、痛みが残る。青アザになってないといいけど...

スナイ「というか、そんなに急がなくても、転送装置あるからいいじゃないか...。」

チャルム「かーっ!
わかってねーなー。気持ちの問題だよ‼」

 額にシワを寄せ、指を「チッ、チッ、チッ」といったあと、胸に親指を添えて、自信満々にチャルムは答えた。

スナイ「そういうもんなの ?」

チャルム「ああでも、
遅刻しないのはありがたいかな!
"デジタル化計画"様様ってカンジ!」

スナイ「チャルムが2000年生まれの人だったら、毎日遅刻しそうだね。」

チャルム「失礼な!」

 だが、近年、その「デジタル化」を、危険視する意見も出てきている。
 それは「バグ」や「ウイルス」といった、PCやスマホならではの問題だ。

 ...デジタル化する前の時代なら、近年上がったこの2つの問題を聞いても、今ほどピリピリしたことはなかっただろう。
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