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07:実は大精霊です
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《あったりまえでしょー! あたしたちは大精霊よ? たとえ亜人が百人同時にかかってきたって返り討ちにしてくれるわ! ボッコボコよ!!》
ディーネはファイティングポーズを取り、空中に向かって拳を繰り出した。
アクアとノームはその場でぐるぐる回転し、イグニスは尻尾をピンと立てた。
四体の精霊たちの興奮が伝わったのか、有形精霊たちも無形精霊たちも私の周りをビュンビュン飛び回っている。
私のために、みんなが闘志を燃やしているようだ。
気持ちは嬉しいけれど、それでは困る。
「みんな。私たちは殴り込みに行くわけじゃないんだからね? 喧嘩なんて絶対止めてね?」
《えっ。でも、向こうが先に暴力を振るって来たら?》
ぴたりと動きを止めて、四体の精霊たちが私を見つめる。
彼らの周りにいる有形精霊たちも真似をしたらしく、動きを止めて私を見つめた。
たくさんの目に見つめられると、ちょっと怖い。
「それでも暴力で返すのは駄目。ディーネも知ってるでしょう、先に亜人に酷いことをしたのは人間のほうなのよ。一部の人間はいまでも亜人に酷いことをしている……それでも、私は亜人と仲良くなりたいの。暴力なんて振るったら、その瞬間何もかもが終わってしまうわ。ディーネはさっき、有事の際には私を逃がすと言ってくれたでしょう? あの言葉、すごく嬉しかったのよ。どうしようもなかったなら、私をあなたの力でミグロムに連れて行ってほしい。そのほうが殴り返すよりもよっぽど嬉しいわ。ね? お願い」
《……わかったわよ。アンジェリカがそう言うなら防御はしても攻撃はしない。約束する》
「ありがとう。大好きよディーネ」
人差し指で頭を撫でると、ディーネはくすぐったように首を竦めた。
他の精霊たちがその様子をじっと見ている。もの言いたげな眼差しで。
「もちろんあなたたちのことも大好きよ。イグニス、ノーム、アクア」
望まれているようだったので、私は他の精霊たちの頭を順番に撫でた。精霊たちはそれぞれ嬉しそうな反応をしてくれた。
「……ちょっと待て。いまなんといった? そいつらは大精霊なのか? そんな貧弱な見た目なのに?」
やり取りを見ていたアーギルさんは怪訝そうな顔をしている。
《失礼な! 正真正銘、大精霊よ! 普段はエネルギー消費を抑えるために小さくなってるだけ! 本来の姿に戻ったら凄いんだから! その気になれば天変地異だって起こせるんだから!》
アーギルさんは何も言わず、視線だけで私に「本当か?」と尋ねてきた。
「本当です。彼女たちは大精霊です。それも、各属性の最上位――かつては大聖女イセリア様と契約を交わしていた四大精霊です。謁見の間の天井に描かれているのは紛れもなく彼女たちです」
アーギルさんは目を剥き、口を半開きにして固まった。
《ふふん。どーだ、恐れ入ったか。あたしたちと契約したからイセリアは魔神を倒せたのよ。いま聖王国があるのはあたしたちのおかげといっても過言じゃないんだからね! 敬いなさい!》
ディーネは両手を腰に当て、ほとんど膨らみのない胸を張った。
他の精霊たちも心なしか、得意げだ。
「……。おい。その話が本当なら、アンジェリカは女神セレイエの神託を受けて魔神を討伐し、建国王レオザークと共に世界を救った大聖女イセリアに匹敵する力を持っていることになるぞ……? おかしいだろ、誰も何も言わなかったのか……?」
アーギルさんの声は震えていた。
「はい。巡礼の旅が終わった後、私は報告をしに中央神殿へ行ったんですが。私の契約精霊を見たら笑われてしまいました。他の聖女たちの契約精霊たちは身の丈よりも大きな水蛇やドラゴンなど、見た目としては遥かに立派だったので、私の契約精霊たちは格下の精霊だと侮られてしまったようです」
《あたし、あの反応を見て聖王国に見切りをつけることにしたのよ。姿かたちが変わっただけで、教皇ですら本質を見抜けないとは全く情けない。あんな国、守る価値ナシだわ》
けっ。とでも言いそうな顔で、ディーネは手を振った。
他の精霊たちもうんうん頷いている。
ディーネはファイティングポーズを取り、空中に向かって拳を繰り出した。
アクアとノームはその場でぐるぐる回転し、イグニスは尻尾をピンと立てた。
四体の精霊たちの興奮が伝わったのか、有形精霊たちも無形精霊たちも私の周りをビュンビュン飛び回っている。
私のために、みんなが闘志を燃やしているようだ。
気持ちは嬉しいけれど、それでは困る。
「みんな。私たちは殴り込みに行くわけじゃないんだからね? 喧嘩なんて絶対止めてね?」
《えっ。でも、向こうが先に暴力を振るって来たら?》
ぴたりと動きを止めて、四体の精霊たちが私を見つめる。
彼らの周りにいる有形精霊たちも真似をしたらしく、動きを止めて私を見つめた。
たくさんの目に見つめられると、ちょっと怖い。
「それでも暴力で返すのは駄目。ディーネも知ってるでしょう、先に亜人に酷いことをしたのは人間のほうなのよ。一部の人間はいまでも亜人に酷いことをしている……それでも、私は亜人と仲良くなりたいの。暴力なんて振るったら、その瞬間何もかもが終わってしまうわ。ディーネはさっき、有事の際には私を逃がすと言ってくれたでしょう? あの言葉、すごく嬉しかったのよ。どうしようもなかったなら、私をあなたの力でミグロムに連れて行ってほしい。そのほうが殴り返すよりもよっぽど嬉しいわ。ね? お願い」
《……わかったわよ。アンジェリカがそう言うなら防御はしても攻撃はしない。約束する》
「ありがとう。大好きよディーネ」
人差し指で頭を撫でると、ディーネはくすぐったように首を竦めた。
他の精霊たちがその様子をじっと見ている。もの言いたげな眼差しで。
「もちろんあなたたちのことも大好きよ。イグニス、ノーム、アクア」
望まれているようだったので、私は他の精霊たちの頭を順番に撫でた。精霊たちはそれぞれ嬉しそうな反応をしてくれた。
「……ちょっと待て。いまなんといった? そいつらは大精霊なのか? そんな貧弱な見た目なのに?」
やり取りを見ていたアーギルさんは怪訝そうな顔をしている。
《失礼な! 正真正銘、大精霊よ! 普段はエネルギー消費を抑えるために小さくなってるだけ! 本来の姿に戻ったら凄いんだから! その気になれば天変地異だって起こせるんだから!》
アーギルさんは何も言わず、視線だけで私に「本当か?」と尋ねてきた。
「本当です。彼女たちは大精霊です。それも、各属性の最上位――かつては大聖女イセリア様と契約を交わしていた四大精霊です。謁見の間の天井に描かれているのは紛れもなく彼女たちです」
アーギルさんは目を剥き、口を半開きにして固まった。
《ふふん。どーだ、恐れ入ったか。あたしたちと契約したからイセリアは魔神を倒せたのよ。いま聖王国があるのはあたしたちのおかげといっても過言じゃないんだからね! 敬いなさい!》
ディーネは両手を腰に当て、ほとんど膨らみのない胸を張った。
他の精霊たちも心なしか、得意げだ。
「……。おい。その話が本当なら、アンジェリカは女神セレイエの神託を受けて魔神を討伐し、建国王レオザークと共に世界を救った大聖女イセリアに匹敵する力を持っていることになるぞ……? おかしいだろ、誰も何も言わなかったのか……?」
アーギルさんの声は震えていた。
「はい。巡礼の旅が終わった後、私は報告をしに中央神殿へ行ったんですが。私の契約精霊を見たら笑われてしまいました。他の聖女たちの契約精霊たちは身の丈よりも大きな水蛇やドラゴンなど、見た目としては遥かに立派だったので、私の契約精霊たちは格下の精霊だと侮られてしまったようです」
《あたし、あの反応を見て聖王国に見切りをつけることにしたのよ。姿かたちが変わっただけで、教皇ですら本質を見抜けないとは全く情けない。あんな国、守る価値ナシだわ》
けっ。とでも言いそうな顔で、ディーネは手を振った。
他の精霊たちもうんうん頷いている。
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