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公爵令嬢視点2
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私が入学式で一目惚れした相手は、ニコライ・ルフナーという伯爵令息らしい。
3年生の席でも頭一つ抜けていた程の大柄で筋肉質な体躯に、きりりと男らしく整った顔で、この方が笑顔で微笑んでくれたなら、きっとどんな大型犬にも負けない程愛くるしいのだろうと思ったのだ。
田舎領地の伯爵ではあるが、田舎であるのは我が国を支える竜騎士団の竜を育てる為と大変名誉あることであるし、伯爵というのもそれ以上に爵位を上げてしまうと貴族としての権力が集まりすぎてしまうという理由からであった。
本人はそんなにも素晴らしい家柄であるにも関わらず、決して傲ったところはなく、むしろ謙虚で大らかな明るい性格らしい。
その気さくな性格のため、爵位の関係なく友人は多く、その友人の中には王太子もいるらしい。
大急ぎで集めた彼の情報を知れば知るほど、彼は魅力的すぎて、私のストライクゾーンすぎて、私はとにかく行動に移さねば!と動き出すことにした。
まずは、急いで家に帰ってお父様に相談である。
お父様の執務室のドアを勢いよく開け、私はこう言い切った。
「お父様!私、学院で好きな方ができましたの!彼は家柄も申し分なく、何より見た目も性格も私の好みど真ん中ですの!まだ、話した事はおろか視界に入った事すらないかもしれませんが、絶対に恋仲になってみせますので、その暁には彼と結婚させてくださいませ!彼はもう三年生で卒業してしまいますので、急いで彼の家に婚約の打診をお願いしますわ!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。エレーミアはまだ入学して一日だろう?いきなりそんな事を言われてもお父様は困ってしまうよ。大体、その彼というのは一体誰なんだい?名前を教えてくれないかい?」
焦ったお父様の言葉に少し冷静になる。
確かに少し早口で話してしまったと反省し、一旦深呼吸をしてから落ち着いて話を続けた。
「失礼しましたわ、お父様。確かに少し焦ってしまいましたわね。けれど、恋に落ちるのに時間は関係ありませんの。彼はニコライ・ルフナー様と仰るそうですわ。本当に魅力的な方で、私、彼を見た瞬間に稲妻が走ったように感じましたの。これは恋だと、もうこの方の妻になるしかないと瞬間で悟りましたのよ。」
すると、お父様は少し記憶を探るように考えた後に話し出した。
「あぁ、ルフナー伯爵家の嫡男か。確かに彼は評判もいいようだね。家柄が申し分ないというというのも理解できる。しかし、エレーミアは彼と話した事はないんだろう?エレーミアの気持ちは分かったが、彼の気持ちはどうか分からないだろう?」
「だからこその、彼の家への婚約の打診ですわ!卒業まで時間がないんですもの。しっかりと外堀を埋めて、逃げられないようにしてから彼の気持ちを捕まえますわ!彼のような素敵な殿方は早くしないと他所の令嬢に取られてしまいます!お父様、一刻も早く婚約を取り付けて下さいませ!」
「わ、分かったから、エレーミアの気持ちはよく理解したから、そんなに迫って来ないでくれないか。今のエレーミアの顔はちょっと迫力がありすぎて怖いよ。」
確かにお父様の顔が少し引きつっているようだ。
しかし、私はお父様の言葉に納得がいかなかった。
「まぁ!立派な淑女に向かって、顔が怖いなどと失礼ですわね!これは恋する乙女の顔ですの!魅力的だと言って頂きたいですわね!」
しかし、確かに話しているうちに興奮してしまい、少しお父様に迫ってしまっていたようだ。
いつの間にか握りしめていた拳をそっと解いて、一度深呼吸だ。
「でも、お父様が理解してくれたというのなら嬉しく思いますわ。では、婚約の打診は今日中にお願いしますわね。お仕事中に失礼いたしました。」
と言って私はさっさと執務室を後にした。
後ろの方でお父様が何か言っていた気がするが、気にせず自室に戻った。
だって、私はこれから忙しいのだ!早く彼の外堀を埋めるためにしなければいけない事が沢山あるのだから!
待ってて下さいませね、ルフナー様!
いえ、ニコライ様!
いえいえ、やっぱりニコ様!
彼と婚約したら、ニコ様と呼ばせて貰いましょう!彼にぴったりの可愛い愛称だわ!
私ってば、何て冴えてるのかしら!
さぁ、頑張るぞ!
3年生の席でも頭一つ抜けていた程の大柄で筋肉質な体躯に、きりりと男らしく整った顔で、この方が笑顔で微笑んでくれたなら、きっとどんな大型犬にも負けない程愛くるしいのだろうと思ったのだ。
田舎領地の伯爵ではあるが、田舎であるのは我が国を支える竜騎士団の竜を育てる為と大変名誉あることであるし、伯爵というのもそれ以上に爵位を上げてしまうと貴族としての権力が集まりすぎてしまうという理由からであった。
本人はそんなにも素晴らしい家柄であるにも関わらず、決して傲ったところはなく、むしろ謙虚で大らかな明るい性格らしい。
その気さくな性格のため、爵位の関係なく友人は多く、その友人の中には王太子もいるらしい。
大急ぎで集めた彼の情報を知れば知るほど、彼は魅力的すぎて、私のストライクゾーンすぎて、私はとにかく行動に移さねば!と動き出すことにした。
まずは、急いで家に帰ってお父様に相談である。
お父様の執務室のドアを勢いよく開け、私はこう言い切った。
「お父様!私、学院で好きな方ができましたの!彼は家柄も申し分なく、何より見た目も性格も私の好みど真ん中ですの!まだ、話した事はおろか視界に入った事すらないかもしれませんが、絶対に恋仲になってみせますので、その暁には彼と結婚させてくださいませ!彼はもう三年生で卒業してしまいますので、急いで彼の家に婚約の打診をお願いしますわ!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。エレーミアはまだ入学して一日だろう?いきなりそんな事を言われてもお父様は困ってしまうよ。大体、その彼というのは一体誰なんだい?名前を教えてくれないかい?」
焦ったお父様の言葉に少し冷静になる。
確かに少し早口で話してしまったと反省し、一旦深呼吸をしてから落ち着いて話を続けた。
「失礼しましたわ、お父様。確かに少し焦ってしまいましたわね。けれど、恋に落ちるのに時間は関係ありませんの。彼はニコライ・ルフナー様と仰るそうですわ。本当に魅力的な方で、私、彼を見た瞬間に稲妻が走ったように感じましたの。これは恋だと、もうこの方の妻になるしかないと瞬間で悟りましたのよ。」
すると、お父様は少し記憶を探るように考えた後に話し出した。
「あぁ、ルフナー伯爵家の嫡男か。確かに彼は評判もいいようだね。家柄が申し分ないというというのも理解できる。しかし、エレーミアは彼と話した事はないんだろう?エレーミアの気持ちは分かったが、彼の気持ちはどうか分からないだろう?」
「だからこその、彼の家への婚約の打診ですわ!卒業まで時間がないんですもの。しっかりと外堀を埋めて、逃げられないようにしてから彼の気持ちを捕まえますわ!彼のような素敵な殿方は早くしないと他所の令嬢に取られてしまいます!お父様、一刻も早く婚約を取り付けて下さいませ!」
「わ、分かったから、エレーミアの気持ちはよく理解したから、そんなに迫って来ないでくれないか。今のエレーミアの顔はちょっと迫力がありすぎて怖いよ。」
確かにお父様の顔が少し引きつっているようだ。
しかし、私はお父様の言葉に納得がいかなかった。
「まぁ!立派な淑女に向かって、顔が怖いなどと失礼ですわね!これは恋する乙女の顔ですの!魅力的だと言って頂きたいですわね!」
しかし、確かに話しているうちに興奮してしまい、少しお父様に迫ってしまっていたようだ。
いつの間にか握りしめていた拳をそっと解いて、一度深呼吸だ。
「でも、お父様が理解してくれたというのなら嬉しく思いますわ。では、婚約の打診は今日中にお願いしますわね。お仕事中に失礼いたしました。」
と言って私はさっさと執務室を後にした。
後ろの方でお父様が何か言っていた気がするが、気にせず自室に戻った。
だって、私はこれから忙しいのだ!早く彼の外堀を埋めるためにしなければいけない事が沢山あるのだから!
待ってて下さいませね、ルフナー様!
いえ、ニコライ様!
いえいえ、やっぱりニコ様!
彼と婚約したら、ニコ様と呼ばせて貰いましょう!彼にぴったりの可愛い愛称だわ!
私ってば、何て冴えてるのかしら!
さぁ、頑張るぞ!
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