17 / 20
すべて掌の上
しおりを挟む最近友が僕を避けている気がする
圭介と一悶着あったときから、朝これから一緒に登校しようって言ったのに当たり前のように先に行くし
話しかけても返事は「そっか」「うん」そればっか、そっけない。
ほんとにどうして...
「あ、友!」
「...葵、どうした?」
「最近、なんか僕に...「おーい友!」
後ろから友を呼ぶ声がする、友が振り返ると
...飯塚明がこちらに小走りで寄ってくる。
「昼ごはん一緒に食べよ~...って葵ちゃん!...ごめんね!何か話してた?」
後ろからでも僕がいることに気がついていたはずなのに、さも今気付きましたよーみたいな顔する飯塚明...早くどっかいけ!!お前にはカンケーない!!
「ううん、何でもない!財布取ってくるから待ってて!」
「は?!!」
友もなんだよ!!僕が何か話そうとしてたじゃん!?
僕が声を出すと友が振り返り
「...何?」
「...え...な何でもない」
何だか友の僕を見る目が冷めていて怖気付いてしまった。
「だってさ!明、ちょっとまってて!」
飯塚明と共に廊下に取り残され、友は教室へ走る。
「葵ちゃん、どう?友とは上手くいってる?」
...何コイツ、今の見て分かるはずでしょ!つくづくコイツはウザイ...こんなのと仲良くしてる友はもっと...ウザイ!!
僕は明に怪訝な顔を向ける
「あはっ!そんな顔しないでよぉ、わかってるからさ!友から聞いてるよ?」
「...は?何が?」
飯塚明が僕の耳に顔を近づけ内緒話をするように手を添える
「...仲悪くなっちゃったんだよね?友、ずっと葵ちゃんの悪口ばっか言ってるよ?」
「...は?...なにそれ」
飯塚明の顔を驚いたように見ると明はニヤッと笑う
「友と圭介いい感じだし...嫉妬しちゃうよねぇ」
パチンッ
僕は飯塚明の手をはたき、顔を睨む
「友が...友がそんなこと言うわけない、」
「...そっかそっか、まだ自分が愛されてるって思ってるんだね、まぁいいんじゃない?」
「もし葵ちゃんが嫉妬で狂って...友を殺しちゃったとしても私には関係ないしね、」
「は...?」
「それより、友のこと“偵察”...しなくていいの?今も圭介と話してるかもしれないよ?」
「...お前っ!なんで...」
僕が拳を握りしめると飯塚明は僕から1歩距離をとる
「...私は殺されたくないからさ、ここまでにするけど葵ちゃんが少しでも気になるなら見に行けばいいじゃん?」
「...」
...僕は
いつも
圭介と他の人が話してたら嫉妬で頭がおかしくなりそうで...
気づいたら足が動いてて...
教室の方へ向かってた、
ーーーーー
昼休み、購買でパンを買うために財布を取りに教室に走る、教室には疎らに人がいた。
その中でも一際目立つ存在、一条圭介が影の薄い俺に聞いた。
「お前は一体誰なんだよ。」
その声はよく通っていて、教室にいる数人の注目を集めるには十分だった。
0
あなたにおすすめの小説
幼馴染みに告白したら、次の日オレ当て馬になってたんですけど!?
曲がる定規
BL
登場人物
慎太郎 (シンタロウ)
ユキ
始 (ハジメ)
あらすじ
慎太郎とユキ、始の三人は幼馴染で、隣同士に住んでいる。
ある日、慎太郎がユキの部屋でゲームをしていると、ユキがポツリと悩みを口にした。『友達の好きと恋愛の好きって、何が違うの?』と。
密かにユキに想いを寄せていた慎太郎。ここは関係を一歩進められるチャンスだと思い、ユキに想いを告げる。
唇を近づけた慎太郎。そこに偶然やって来た始に、慎太郎は思いっきり殴られてしまう。慎太郎は何がなんだかわからないと混乱する。しかし、ユキと始に帰るよう言われ渋々帰宅した。
訳のわからないまま翌日になると、ユキと始は付き合い始めたと言われてしまう。
「この作品は『KADOKAWA×pixiv ノベル大賞2024』の「BL部門」お題イラストから着想し、創作したものです。
そちらに加筆、修正を加えています。
https://www.pixiv.net/novel/contest/kadokawapixivnovel24」
王道学園のモブ
四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。
私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。
そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。
転生したが壁になりたい。
むいあ
BL
俺、神崎瑠衣はごく普通の社会人だ。
ただ一つ違うことがあるとすれば、腐男子だということだ。
しかし、周りに腐男子と言うことがバレないように日々隠しながら暮らしている。
今日も一日会社に行こうとした時に横からきたトラックにはねられてしまった!
目が覚めるとそこは俺が好きなゲームの中で!?
俺は推し同士の絡みを眺めていたいのに、なぜか美形に迫られていて!?
「俺は壁になりたいのにーーーー!!!!」
平凡な俺が完璧なお兄様に執着されてます
クズねこ
BL
いつもは目も合わせてくれないのにある時だけ異様に甘えてくるお兄様と義理の弟の話。
『次期公爵家当主』『皇太子様の右腕』そんなふうに言われているのは俺の義理のお兄様である。
何をするにも完璧で、なんでも片手間にやってしまうそんなお兄様に執着されるお話。
BLでヤンデレものです。
第13回BL大賞に応募中です。ぜひ、応援よろしくお願いします!
週一 更新予定
ときどきプラスで更新します!
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
親衛隊は、推しから『選ばれる』までは推しに自分の気持ちを伝えてはいけないルール
雨宮里玖
BL
エリート高校の親衛隊プラスα×平凡無自覚総受け
《あらすじ》
4月。平凡な吉良は、楯山に告白している川上の姿を偶然目撃してしまった。遠目だが二人はイイ感じに見えて告白は成功したようだった。
そのことで、吉良は二年間ずっと学生寮の同室者だった楯山に自分が特別な感情を抱いていたのではないかと思い——。
平凡無自覚な受けの総愛され全寮制学園ライフの物語。
元の世界では異端だった俺、転生したら不思議ちゃんキャラで愛され無双
太郎51
BL
“端”が存在する世界エイテルに生まれ育ってきた俺、ミラ・アベルはひょんなことから異世界に!
その世界とは“チキュウ”というらしく、魔術も世界の端も無いらしい!?
元の世界では魔術が使えず『異端』と呼ばれていた俺、まさかの無双____!?
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる