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村と魔物と泣き虫戦士
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村、めっちゃのどか。ひたすらボケーっとしていたくなる。魔物の危険さえなければこういう場所に住むのもいいかもしれない。空は青いし、土や木の匂いで爽やかな気分になる。
家の前で談笑しているおばさまたち、農作業をする若い人やらお年寄りやらも見受けられた。昨晩来たばかりの時とは全く風景が違う。人もそこそこにいて、寂れた感じもしない。
時々物珍しそうに私たちを見る人はいるけど、挨拶をすると愛想よく返って来るし出歩いていても問題はなさそうだ。
シルフィと雑談しつつ散歩をしていると、見覚えのある青年がいた。今日は剣も盾も持たず手ぶらだ。それにしても彼、今はユリスたちと魔物について話をしてるはずでは? 何故普通に道端でうろうろしてるんだろう。声をかけてみることにした。
「あの、こんにちは! 昨日の方ですよね?」
青年は驚いた顔で私とシルフィを見て、少ししてからやっと思い出したらしかった。
「あ、ああ、どうも、こんにちは」
「魔物についての話は終わったんですか?」
問うと、青年は申し訳なさそうに身を縮こませた。
「俺、上手く話が出来なくて……邪魔だって追い出されたんです」
「あっ、そ、そうなんですね」
そうなんだ……。なんか可哀想。ユリスが追い出したんじゃないだろうなと嫌なことを考えてしまう。それは無いか。
「なんかすいません」思わず謝る。
「いいです、いいです。全然、俺が悪いので」
青年はへら、と苦々しく笑った。話題変えよう。
「お名前はなんて言うんですか? 自己紹介してなかったですよね。私はエコといいます」
「僕はシルフィ! 召喚士で、エコの護衛!」
うんうん。可愛い&元気。私はつい笑顔になった。青年はというと、目を見開いて衝撃を受けている。
「しょ、召喚士!? 本当に、す、凄い! 昨日のは聞き間違いじゃなかったんだ」
青年はシルフィへキラキラした眼差しを向ける。シルフィも満更でもなく頭を掻いた。
「こんなに小さいのに召喚士だなんて、シルフィさんは凄いですね!」
「へへ。でも僕、まだ勉強中だよ。色んなことを覚えてちゃんとした大人になるんだ!」
「偉い、ですね。俺と全然違う……」
意欲のある少年の姿に、青年はすっかりへこんでしまう。私も大分ダメージを食らった。こうやって駄目な大人が生産されていく……。
駄目な大人の姿も露知らず、シルフィは無垢な眼差しを向けた。
「お兄さんの名前は?」
「あ、お、俺はハインツといいます。俺は、村の雑用係っていうか。一応剣とか盾とか扱えるように練習はしてるんですけど……実は俺、国を守る兵士になりたいんです。この村にいる限りは難しいんだろうけど、夢なんです」
夢。久々に聞いた言葉だ。目指すところがあるのって羨ましい。
「夢があるって良いですね」
「あ、はは。でも俺、この村を出られないから本当に夢で終わりそうです」
「何で出られないの?」
真っ直ぐなシルフィの問いに、ハインツさんは眉を下げて答えた。
「うちに、じいちゃんとばあちゃんがいるから、二人を置いてどこかへ行くわけにもいかない、です」
家庭の事情か。世界が変わってもこういうところは同じだな。ハインツさんは肩を竦めた。
「じいちゃんたちには早く家を出ろって言われてるんですけどね。やっぱり心配で」
「優しいんですね……」
感動してしみじみ言ってしまった。こんな孫がいるならお爺さんたちも嬉しいに違いない。ハインツさんは照れたのかくすぐったそうに身をそわつかせた。
家の前で談笑しているおばさまたち、農作業をする若い人やらお年寄りやらも見受けられた。昨晩来たばかりの時とは全く風景が違う。人もそこそこにいて、寂れた感じもしない。
時々物珍しそうに私たちを見る人はいるけど、挨拶をすると愛想よく返って来るし出歩いていても問題はなさそうだ。
シルフィと雑談しつつ散歩をしていると、見覚えのある青年がいた。今日は剣も盾も持たず手ぶらだ。それにしても彼、今はユリスたちと魔物について話をしてるはずでは? 何故普通に道端でうろうろしてるんだろう。声をかけてみることにした。
「あの、こんにちは! 昨日の方ですよね?」
青年は驚いた顔で私とシルフィを見て、少ししてからやっと思い出したらしかった。
「あ、ああ、どうも、こんにちは」
「魔物についての話は終わったんですか?」
問うと、青年は申し訳なさそうに身を縮こませた。
「俺、上手く話が出来なくて……邪魔だって追い出されたんです」
「あっ、そ、そうなんですね」
そうなんだ……。なんか可哀想。ユリスが追い出したんじゃないだろうなと嫌なことを考えてしまう。それは無いか。
「なんかすいません」思わず謝る。
「いいです、いいです。全然、俺が悪いので」
青年はへら、と苦々しく笑った。話題変えよう。
「お名前はなんて言うんですか? 自己紹介してなかったですよね。私はエコといいます」
「僕はシルフィ! 召喚士で、エコの護衛!」
うんうん。可愛い&元気。私はつい笑顔になった。青年はというと、目を見開いて衝撃を受けている。
「しょ、召喚士!? 本当に、す、凄い! 昨日のは聞き間違いじゃなかったんだ」
青年はシルフィへキラキラした眼差しを向ける。シルフィも満更でもなく頭を掻いた。
「こんなに小さいのに召喚士だなんて、シルフィさんは凄いですね!」
「へへ。でも僕、まだ勉強中だよ。色んなことを覚えてちゃんとした大人になるんだ!」
「偉い、ですね。俺と全然違う……」
意欲のある少年の姿に、青年はすっかりへこんでしまう。私も大分ダメージを食らった。こうやって駄目な大人が生産されていく……。
駄目な大人の姿も露知らず、シルフィは無垢な眼差しを向けた。
「お兄さんの名前は?」
「あ、お、俺はハインツといいます。俺は、村の雑用係っていうか。一応剣とか盾とか扱えるように練習はしてるんですけど……実は俺、国を守る兵士になりたいんです。この村にいる限りは難しいんだろうけど、夢なんです」
夢。久々に聞いた言葉だ。目指すところがあるのって羨ましい。
「夢があるって良いですね」
「あ、はは。でも俺、この村を出られないから本当に夢で終わりそうです」
「何で出られないの?」
真っ直ぐなシルフィの問いに、ハインツさんは眉を下げて答えた。
「うちに、じいちゃんとばあちゃんがいるから、二人を置いてどこかへ行くわけにもいかない、です」
家庭の事情か。世界が変わってもこういうところは同じだな。ハインツさんは肩を竦めた。
「じいちゃんたちには早く家を出ろって言われてるんですけどね。やっぱり心配で」
「優しいんですね……」
感動してしみじみ言ってしまった。こんな孫がいるならお爺さんたちも嬉しいに違いない。ハインツさんは照れたのかくすぐったそうに身をそわつかせた。
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