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南国の道のり
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「ええと? 船を買いに来たって?」
「ええ。我々は船を買いに来ました」
「修繕でなく?」
「購入です」
ラウロが微笑むと、ダリアさんはより困惑したようだった。
「そう、そうなのか。有難い話だが、実は今、売る船が無いんだ。買うやつがいないから作っても仕方ないってもんでさ。俺が趣味で作ってる船ならあるが、それでもいいかい?」
「はい。すぐに購入出来てすぐに使えるのなら問題ありません」
「……すぐに? いやあ、そりゃ難しいな。まだ未完成だから、完成まで一週間か、もっとかかるかもしれねえが……待ってもらえるか?」
それは厳しい話だった。私とラウロは思わず顔を見合わせる。ユリスとミケとハインツをあの状態で一週間放置はあまりに過酷だ。
「こちらとしては今すぐにでも欲しいのですが。他に船を買える店は」
「中古なら出せるやつがあるぞ。ダリア、俺らの船を出せば良いだろ。新調してからそんなに乗ってないしな」
親父さんが身を乗り出してきて、ダリアさんは少し考える素振りをした。
「親父……。そうだな、中古でいいなら用意する。一応魔法でも動かせる船だ。品質については保証する」
「十分です。助かります」
良かった。何とかなりそうだ。ラウロと共に胸を撫で下ろす。ダリアさんは顔いっぱいに笑みを浮かべて頷いた。
「じゃあ一時間くらい待ってくれ。俺らの荷物を下ろして、少し調整もしたいしな。その間に支払いも済ませてもらおう。親父、船の片付け頼めるか?」
「はいよー」
親父さんは返事をして倉庫の中へと入って行った。ラウロは私に目を向ける。
「私は船の操縦方法も聞いておきます。お二人はどうしますか?」
「ちょっとそこの砂浜に行ってもいいかな」
私は近くの砂浜を指差した。倉庫をぐるっと回り込むと砂浜に下りられるようになっている。シルフィは波を見ていて飽きないようだし、私ものんびり砂浜を歩きたいと思ったのだ。
「構いませんよ。ですがあまり遠くには行かないでくださいね。シルフィ様、エコ様をお願いします」
「分かった!」
「あんたら、兄弟か?」
ダリアさんが不思議そうに私たちを見ている。返事に困っていると、ラウロが小さく頷いた。
「そうです」
「仲が良さそうで良いな」
「ダリアー! 今のうちに口説いとけよ! いい加減セレンの一つや二つ貰っといた方がいいぞ!」
倉庫から大きな声が飛んできて私は目を丸くした。ダリアさんも負けじと叫ぶ。
「親父やめろって!!」
「セレン?」
親子の微笑ましい(?)やり取りを聞きつつ私は首を傾げた。貰っといた方がいいというくらいだし何か良い物なのかな。
「セレンを知らないのか?」
ダリアさんが私の呟きを拾って疑問符を浮かべた。もしかしてこの世界の常識だったり? 焦った私は咄嗟に胡麻化した。
「えっ、あー、えーっとですね、聞いたことはあります!」
「古い風習みたいだしな。海から離れて暮らしてれば知らないかもな……」
「どういうものなんですか?」
ダリアさんが寂しそうに言うので思わず突っ込んで聞いてしまった。ダリアさんは丁寧に説明をしてくれた。
「昔、セレンって名前を付けられた魔物がいたんだ」
その魔物は海の主のようなもので、セレンに見つかると必ず船が沈むと言われていたらしい。ある時、セレンは倒され、お腹からたくさんの青い宝石が出て来て海に全部散らばった。その青い宝石はどんな強い魔物でも遠ざけるといわれ、船乗りのお守りになったのだという。
「ええ。我々は船を買いに来ました」
「修繕でなく?」
「購入です」
ラウロが微笑むと、ダリアさんはより困惑したようだった。
「そう、そうなのか。有難い話だが、実は今、売る船が無いんだ。買うやつがいないから作っても仕方ないってもんでさ。俺が趣味で作ってる船ならあるが、それでもいいかい?」
「はい。すぐに購入出来てすぐに使えるのなら問題ありません」
「……すぐに? いやあ、そりゃ難しいな。まだ未完成だから、完成まで一週間か、もっとかかるかもしれねえが……待ってもらえるか?」
それは厳しい話だった。私とラウロは思わず顔を見合わせる。ユリスとミケとハインツをあの状態で一週間放置はあまりに過酷だ。
「こちらとしては今すぐにでも欲しいのですが。他に船を買える店は」
「中古なら出せるやつがあるぞ。ダリア、俺らの船を出せば良いだろ。新調してからそんなに乗ってないしな」
親父さんが身を乗り出してきて、ダリアさんは少し考える素振りをした。
「親父……。そうだな、中古でいいなら用意する。一応魔法でも動かせる船だ。品質については保証する」
「十分です。助かります」
良かった。何とかなりそうだ。ラウロと共に胸を撫で下ろす。ダリアさんは顔いっぱいに笑みを浮かべて頷いた。
「じゃあ一時間くらい待ってくれ。俺らの荷物を下ろして、少し調整もしたいしな。その間に支払いも済ませてもらおう。親父、船の片付け頼めるか?」
「はいよー」
親父さんは返事をして倉庫の中へと入って行った。ラウロは私に目を向ける。
「私は船の操縦方法も聞いておきます。お二人はどうしますか?」
「ちょっとそこの砂浜に行ってもいいかな」
私は近くの砂浜を指差した。倉庫をぐるっと回り込むと砂浜に下りられるようになっている。シルフィは波を見ていて飽きないようだし、私ものんびり砂浜を歩きたいと思ったのだ。
「構いませんよ。ですがあまり遠くには行かないでくださいね。シルフィ様、エコ様をお願いします」
「分かった!」
「あんたら、兄弟か?」
ダリアさんが不思議そうに私たちを見ている。返事に困っていると、ラウロが小さく頷いた。
「そうです」
「仲が良さそうで良いな」
「ダリアー! 今のうちに口説いとけよ! いい加減セレンの一つや二つ貰っといた方がいいぞ!」
倉庫から大きな声が飛んできて私は目を丸くした。ダリアさんも負けじと叫ぶ。
「親父やめろって!!」
「セレン?」
親子の微笑ましい(?)やり取りを聞きつつ私は首を傾げた。貰っといた方がいいというくらいだし何か良い物なのかな。
「セレンを知らないのか?」
ダリアさんが私の呟きを拾って疑問符を浮かべた。もしかしてこの世界の常識だったり? 焦った私は咄嗟に胡麻化した。
「えっ、あー、えーっとですね、聞いたことはあります!」
「古い風習みたいだしな。海から離れて暮らしてれば知らないかもな……」
「どういうものなんですか?」
ダリアさんが寂しそうに言うので思わず突っ込んで聞いてしまった。ダリアさんは丁寧に説明をしてくれた。
「昔、セレンって名前を付けられた魔物がいたんだ」
その魔物は海の主のようなもので、セレンに見つかると必ず船が沈むと言われていたらしい。ある時、セレンは倒され、お腹からたくさんの青い宝石が出て来て海に全部散らばった。その青い宝石はどんな強い魔物でも遠ざけるといわれ、船乗りのお守りになったのだという。
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(追記2018.07.24)
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(追記2018.07.26)
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