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11 変わっていく
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「きゃああっ!」
悲鳴で目を覚ました。顔を上げると、メイドが私を見下ろしていた。彼女は箒を手に取って私をバシバシと叩く。
「何で猫がこんなところにっ! どっか行けっ! しっしっ!」
思い出した、このメイド、メリーだ。お菓子を作るのが上手で、私もよくクッキーをつまみ食いさせてもらった。しかし今の私は猫だ。アリゼだなんて分かってもらえるはずもない。追い払われるままに納屋を飛び出すが、体が浮いた。
「何を追っかけまわしてると思ったら猫か」
庭師のガイ! 私の首根っこを掴んだままじろじろと顔を見つめてくる。私はアリゼなんです、ねえガイ、私に花の名前を教えてくれたこともあったよね。いつもさらっと嘘を吐くから、小さい頃はよくガイに怒っていたっけ。ガイは私の顔を見て、メリーの顔を見た。
「どうする?」
「こっちに近付けないで! その辺に捨てて……駄目、どこか遠くへ捨ててきて!」
メリーも猫が苦手だ。昔噛まれて、と痛々しい傷跡を見せてもらった記憶がある。とにかく家の敷地から出られれば私は、
「朝から何の騒ぎ? みっともない」
「エミィ様! 申し訳ございません。納屋の中に猫を見つけまして……」
「嫌だわ。汚らしい。首を捻って捨てておいて」
こ、殺される!? エミィは「あー嫌だ嫌だ」と言いながら屋敷へ戻っていく。私はガイの手の中で必死に藻掻いた。
「なんだこいつ、人の言葉が分かるのか? おっと」
「きゃあ! 捕まえて! 屋敷の中に入ったら大変よ!」
なんとか逃れた私は懸命に走った。家の敷地から出て、街中へ。野良猫を見かけてほっとした。こっちを睨んでいるけど無視無視。猫でも猫が何を考えているか分からないし。
美味しそうな匂いに引かれて市場へ行くも、またもや追い払われて、私は空腹と疲労を抱えとぼとぼ歩いていた。
(カイラス様の屋敷まではまだ遠いのに。何か食べようにも、この時間じゃゴミ箱には何もないだろうし……)
ボートを繋いである桟橋で、川の流れを見つめた。魚が泳いでいる。もしかしたら、猫の爪で、こう、しゅぱっ! と捕まえられるのかもしれない。前足を上げて狙いを定めていると、「おや?」と知っている声が聞こえた。振り向く。
「ねえ君、俺の知り合いだったりする?」
後ろでしゃがんで私を見つめているのはロベルト様だった。意外な遭遇だ。
「にゃあん」
「やっぱりだ。リゼだろ」
「にゃー」
よく分かるものだ。リボンをつけているからか、と首元を見るも何もない。いつの間にか失くしてしまったらしい。真っ赤なリボン、可愛かったのに。
「君は他の猫とは少し違う感じがするからすぐ分かったよ。何でこんな場所をうろついてるんだ? カイラスに追い出されたか。おいで。俺の家に連れて行ってやる」
優しい声、大きな手。ここで甘えられたらどんなに嬉しいだろう。でも私はカイラス様の家に帰らなければいけない。今はまだ、私がいないとカイラス様は一人になってしまうから。
ごめんなさい、心で謝りながら駆け出した。
「えっ! どこ行くんだよリゼ、おーい!」
一直線にカイラス様の家を目指す。蹴られて箒で叩かれて体は痛いし、お腹もすいているけど、早く帰らなきゃ。
私の家からカイラス様の家までは遥か遠い。今まで馬車で移動していたから気付かなかった。いつになったら辿り着くのか気が遠くなってくる。
走る体力もなく、気力だけで歩き続けてやっと屋敷の近くまでやって来られた。門のところにカイラス様と、ロベルト様がいる。何か揉めているみたいだ。
「早く言え! どこにいた!」
「お、落ち着けって! そんなに大事ならちゃんとしとけよ! 俺も探すの手伝うから……あ!」
ロベルト様がこっちを見た。続いてカイラス様も私を見て、すぐに駆け寄って来た。
「アリゼ! 無事か、何故こんなボロボロなんだ」
「自力で帰って来たのか……って、今アリゼって言わなかった?」
「どうしたんだ一体、何があった?」
「俺のことは無視か! 別にいいけど、外に出す時は気を付けろよ。猫が嫌いな奴も多いんだから」
ロベルト様はやれやれと肩を竦めて去って行った。礼を言う間もない。
私はもう疲れ切って鳴く元気もなかった。毛並みもぼさぼさで土がついて汚いというのに、カイラス様は私を大事そうに抱えて部屋へ連れ帰った。
綺麗なベッドに私を寝かせて心配そうに言う。
「どうした、どこか痛むか」
あちこち痛い。でも安静にしていれば治る、心配はいらない。そう言いたいのに
「うにゃ……」
猫なので伝えることもできない。カイラス様は私に触れることもせず部屋をうろうろしている。
「どうする、どうする」
「カイラス様、お部屋の扉はきちんと閉めてください。ロベルト様はお帰りに?」
馴染みのメイドが扉に手をかけて言った。カイラス様は縋るように彼女を見つめた。
「エマ! 俺はどうすればいい! どうすれば」
「な、何です急に。あら、その猫、どうなさいました。お怪我でも?」
「猫の薬はあるのか、包帯を巻けばいいのか、俺はどうしてやればいいんだ」
カイラス様は相当慌てている。メイドは驚きつつもベテランの冷静さを持ってカイラス様へ言った。
「落ち着いてください。私が医者に連れて行きます。人の医者でも、犬や猫も診てくれますから」
「そうか、医者に……いや……。父上はいるか」
「ええ。お部屋にいらっしゃいます」
「分かった」
カイラス様は私を抱えて部屋を出た。向かう先は父のダニエル様の部屋だ。ノックもせず部屋に入り、休んでいたらしいダニエル様は慌てて飛び起きた。
「父上! 頼みがあります!」
「ど、どうしたカイラス。言ってみなさい」
「父上の知り合いに獣医師がいたはずです。家に呼んでもらえませんか」
「確かにいるにはいるが……ああ、その猫か」
カイラス様が私の体を見つめた。その不安そうな顔を見ると、大丈夫だと言ってあげたくなる。
「怪我をしているようで、このままでは死んでしまうかもしれない……!」
「カイラス」
「はい……」
「落ち着いて、まずはその猫を安静にさせておきなさい。獣医師にはすぐに迎えをやる。そう遠くはない、今日中には着くだろう」
ほらやっぱりだ。猫にここまでしてくれる人が、カイラス様を大事にしていないわけがない。カイラス様は申し訳なさそうに頭を下げた。
「ありがとうございます。無理を言ってすみません」
「気にしなくていい。私を頼ってくれて嬉しいよ。これからはもっと気軽に頼ってくれ。家族なのだから」
「……………………」
カイラス様は戸惑いながらも、深く感じ入った様子だった。ダニエル様の嬉しそうな顔をじっと見つめて、また頭を下げて部屋を出た。
その日の夕方過ぎに獣医師が来て、私の体をじっくり診察した。どこかにぶつけただけだろう、よく食べさせて休ませてやれば充分だ、とのことだった。
「本当か? 何ともないんだな?」
「心配性だねえ。骨は折れてないし、死ぬようなことないよ。もし異変があったらすぐ呼んでくれ」
「……分かった」
「それにしても、君が本当にあのカイラスか? 驚いたな」
「……………………」
獣医師はいつも通りのカイラス様に苦笑して、帰って行った。私はその後たくさんご飯を食べ、たくさん休んで調子を取り戻した。
カイラス様はその間ずっと私を遠目に眺めていた。本当は撫でたいだろうに、私が痛むかもしれないと遠慮をしているのだろう。相変わらず猫には優しい人だ。
11時50分。ベッドの上で休んでいた私は再び人に戻った。カイラス様はすぐベッドに近付いて来て、私を見上げるようにして言った。
「アリゼ、痛むところはないか、体の調子は?」
「だ、大丈夫です……ご心配かけて申し訳ありません」
カイラス様が優しい。その理由は分かっていても、困惑してしまう。
「俺の方から迎えに行けば良かった。本当にすまない。一体何があったんだ」
「い、いえ、私は大丈夫ですから、気にしないでください」
「何があった」
「……それは言いたくありません」
色々あったが言っても仕方のないことだ。それより伝えることがある。
「私のためにわざわざお医者様を呼んでくれたりして、本当にありがとうございました」
「お前の言う通りだった。父上は……」
カイラス様はぽつりと呟いた。私は笑みを浮かべて答える。
「そうですね。今度は私の代わりの猫を探してもらうといいですよ。きっととても可愛い子を見つけてくださると思います」
「アリゼ、俺は……代わりを探す気などない」
綺麗なグリーンの目が私を射抜くように見つめる。私は困ってしまった。困って何も言えない。
「何故そんな顔をする」
「私は猫ですが、猫ではありません。人としての意思があります」
「俺と暮らし続けるのは嫌か」
「……それは私の言いたいことです」
カイラス様がベッドに体重をかけた。私は少し下がって、視線も落とした。薄汚れた服、肉球のない手。
「私はどうしたって人です。貴方の望む存在にはなれない。どんなに大事にしてもらっても、貴方の好きな猫ではない、偽物です。だから……うにゃ!?」
「なっ!?」
話している最中に猫に戻ってしまった。ふさふさの体と尻尾。うーん。急に眠くなってきてしまった。何をしてたか忘れたし、もう寝ちゃおうっと。
「何故急に、おいアリゼ、どういうことだ……」
大きな欠伸をして寝転がる。何を言っているんだろうこの人。あーあ、早くご飯が食べたいな。
「アリゼ……?」
悲鳴で目を覚ました。顔を上げると、メイドが私を見下ろしていた。彼女は箒を手に取って私をバシバシと叩く。
「何で猫がこんなところにっ! どっか行けっ! しっしっ!」
思い出した、このメイド、メリーだ。お菓子を作るのが上手で、私もよくクッキーをつまみ食いさせてもらった。しかし今の私は猫だ。アリゼだなんて分かってもらえるはずもない。追い払われるままに納屋を飛び出すが、体が浮いた。
「何を追っかけまわしてると思ったら猫か」
庭師のガイ! 私の首根っこを掴んだままじろじろと顔を見つめてくる。私はアリゼなんです、ねえガイ、私に花の名前を教えてくれたこともあったよね。いつもさらっと嘘を吐くから、小さい頃はよくガイに怒っていたっけ。ガイは私の顔を見て、メリーの顔を見た。
「どうする?」
「こっちに近付けないで! その辺に捨てて……駄目、どこか遠くへ捨ててきて!」
メリーも猫が苦手だ。昔噛まれて、と痛々しい傷跡を見せてもらった記憶がある。とにかく家の敷地から出られれば私は、
「朝から何の騒ぎ? みっともない」
「エミィ様! 申し訳ございません。納屋の中に猫を見つけまして……」
「嫌だわ。汚らしい。首を捻って捨てておいて」
こ、殺される!? エミィは「あー嫌だ嫌だ」と言いながら屋敷へ戻っていく。私はガイの手の中で必死に藻掻いた。
「なんだこいつ、人の言葉が分かるのか? おっと」
「きゃあ! 捕まえて! 屋敷の中に入ったら大変よ!」
なんとか逃れた私は懸命に走った。家の敷地から出て、街中へ。野良猫を見かけてほっとした。こっちを睨んでいるけど無視無視。猫でも猫が何を考えているか分からないし。
美味しそうな匂いに引かれて市場へ行くも、またもや追い払われて、私は空腹と疲労を抱えとぼとぼ歩いていた。
(カイラス様の屋敷まではまだ遠いのに。何か食べようにも、この時間じゃゴミ箱には何もないだろうし……)
ボートを繋いである桟橋で、川の流れを見つめた。魚が泳いでいる。もしかしたら、猫の爪で、こう、しゅぱっ! と捕まえられるのかもしれない。前足を上げて狙いを定めていると、「おや?」と知っている声が聞こえた。振り向く。
「ねえ君、俺の知り合いだったりする?」
後ろでしゃがんで私を見つめているのはロベルト様だった。意外な遭遇だ。
「にゃあん」
「やっぱりだ。リゼだろ」
「にゃー」
よく分かるものだ。リボンをつけているからか、と首元を見るも何もない。いつの間にか失くしてしまったらしい。真っ赤なリボン、可愛かったのに。
「君は他の猫とは少し違う感じがするからすぐ分かったよ。何でこんな場所をうろついてるんだ? カイラスに追い出されたか。おいで。俺の家に連れて行ってやる」
優しい声、大きな手。ここで甘えられたらどんなに嬉しいだろう。でも私はカイラス様の家に帰らなければいけない。今はまだ、私がいないとカイラス様は一人になってしまうから。
ごめんなさい、心で謝りながら駆け出した。
「えっ! どこ行くんだよリゼ、おーい!」
一直線にカイラス様の家を目指す。蹴られて箒で叩かれて体は痛いし、お腹もすいているけど、早く帰らなきゃ。
私の家からカイラス様の家までは遥か遠い。今まで馬車で移動していたから気付かなかった。いつになったら辿り着くのか気が遠くなってくる。
走る体力もなく、気力だけで歩き続けてやっと屋敷の近くまでやって来られた。門のところにカイラス様と、ロベルト様がいる。何か揉めているみたいだ。
「早く言え! どこにいた!」
「お、落ち着けって! そんなに大事ならちゃんとしとけよ! 俺も探すの手伝うから……あ!」
ロベルト様がこっちを見た。続いてカイラス様も私を見て、すぐに駆け寄って来た。
「アリゼ! 無事か、何故こんなボロボロなんだ」
「自力で帰って来たのか……って、今アリゼって言わなかった?」
「どうしたんだ一体、何があった?」
「俺のことは無視か! 別にいいけど、外に出す時は気を付けろよ。猫が嫌いな奴も多いんだから」
ロベルト様はやれやれと肩を竦めて去って行った。礼を言う間もない。
私はもう疲れ切って鳴く元気もなかった。毛並みもぼさぼさで土がついて汚いというのに、カイラス様は私を大事そうに抱えて部屋へ連れ帰った。
綺麗なベッドに私を寝かせて心配そうに言う。
「どうした、どこか痛むか」
あちこち痛い。でも安静にしていれば治る、心配はいらない。そう言いたいのに
「うにゃ……」
猫なので伝えることもできない。カイラス様は私に触れることもせず部屋をうろうろしている。
「どうする、どうする」
「カイラス様、お部屋の扉はきちんと閉めてください。ロベルト様はお帰りに?」
馴染みのメイドが扉に手をかけて言った。カイラス様は縋るように彼女を見つめた。
「エマ! 俺はどうすればいい! どうすれば」
「な、何です急に。あら、その猫、どうなさいました。お怪我でも?」
「猫の薬はあるのか、包帯を巻けばいいのか、俺はどうしてやればいいんだ」
カイラス様は相当慌てている。メイドは驚きつつもベテランの冷静さを持ってカイラス様へ言った。
「落ち着いてください。私が医者に連れて行きます。人の医者でも、犬や猫も診てくれますから」
「そうか、医者に……いや……。父上はいるか」
「ええ。お部屋にいらっしゃいます」
「分かった」
カイラス様は私を抱えて部屋を出た。向かう先は父のダニエル様の部屋だ。ノックもせず部屋に入り、休んでいたらしいダニエル様は慌てて飛び起きた。
「父上! 頼みがあります!」
「ど、どうしたカイラス。言ってみなさい」
「父上の知り合いに獣医師がいたはずです。家に呼んでもらえませんか」
「確かにいるにはいるが……ああ、その猫か」
カイラス様が私の体を見つめた。その不安そうな顔を見ると、大丈夫だと言ってあげたくなる。
「怪我をしているようで、このままでは死んでしまうかもしれない……!」
「カイラス」
「はい……」
「落ち着いて、まずはその猫を安静にさせておきなさい。獣医師にはすぐに迎えをやる。そう遠くはない、今日中には着くだろう」
ほらやっぱりだ。猫にここまでしてくれる人が、カイラス様を大事にしていないわけがない。カイラス様は申し訳なさそうに頭を下げた。
「ありがとうございます。無理を言ってすみません」
「気にしなくていい。私を頼ってくれて嬉しいよ。これからはもっと気軽に頼ってくれ。家族なのだから」
「……………………」
カイラス様は戸惑いながらも、深く感じ入った様子だった。ダニエル様の嬉しそうな顔をじっと見つめて、また頭を下げて部屋を出た。
その日の夕方過ぎに獣医師が来て、私の体をじっくり診察した。どこかにぶつけただけだろう、よく食べさせて休ませてやれば充分だ、とのことだった。
「本当か? 何ともないんだな?」
「心配性だねえ。骨は折れてないし、死ぬようなことないよ。もし異変があったらすぐ呼んでくれ」
「……分かった」
「それにしても、君が本当にあのカイラスか? 驚いたな」
「……………………」
獣医師はいつも通りのカイラス様に苦笑して、帰って行った。私はその後たくさんご飯を食べ、たくさん休んで調子を取り戻した。
カイラス様はその間ずっと私を遠目に眺めていた。本当は撫でたいだろうに、私が痛むかもしれないと遠慮をしているのだろう。相変わらず猫には優しい人だ。
11時50分。ベッドの上で休んでいた私は再び人に戻った。カイラス様はすぐベッドに近付いて来て、私を見上げるようにして言った。
「アリゼ、痛むところはないか、体の調子は?」
「だ、大丈夫です……ご心配かけて申し訳ありません」
カイラス様が優しい。その理由は分かっていても、困惑してしまう。
「俺の方から迎えに行けば良かった。本当にすまない。一体何があったんだ」
「い、いえ、私は大丈夫ですから、気にしないでください」
「何があった」
「……それは言いたくありません」
色々あったが言っても仕方のないことだ。それより伝えることがある。
「私のためにわざわざお医者様を呼んでくれたりして、本当にありがとうございました」
「お前の言う通りだった。父上は……」
カイラス様はぽつりと呟いた。私は笑みを浮かべて答える。
「そうですね。今度は私の代わりの猫を探してもらうといいですよ。きっととても可愛い子を見つけてくださると思います」
「アリゼ、俺は……代わりを探す気などない」
綺麗なグリーンの目が私を射抜くように見つめる。私は困ってしまった。困って何も言えない。
「何故そんな顔をする」
「私は猫ですが、猫ではありません。人としての意思があります」
「俺と暮らし続けるのは嫌か」
「……それは私の言いたいことです」
カイラス様がベッドに体重をかけた。私は少し下がって、視線も落とした。薄汚れた服、肉球のない手。
「私はどうしたって人です。貴方の望む存在にはなれない。どんなに大事にしてもらっても、貴方の好きな猫ではない、偽物です。だから……うにゃ!?」
「なっ!?」
話している最中に猫に戻ってしまった。ふさふさの体と尻尾。うーん。急に眠くなってきてしまった。何をしてたか忘れたし、もう寝ちゃおうっと。
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