10 / 20
東京国編
第4話 覚悟
しおりを挟む天気というのはとても気まぐれだ。雲ひとつない晴天から土砂降りの夕立がいい例だろう。最近では技術が発達し、精度も上がったとはいえ突然の一変には対応することが不可能である。だがら念の為の対策が大事なのだ。
午前中には綺麗な青空が見えて来たが午後になると急変した灰色の雲が我々を覆っている。そして事態も急変した。誰1人いなかった道路が突然大勢の武装した集団がここ官邸の目の前にまで迫っているのだ。
「懐かしいな 官房長官。あの時の全く一緒だ」
「違うところがあるとしたら機動部隊に見捨てられたことと、奴らが俺たちを皆殺しにすることぐらいだな」
「いや、あと一つあるぞ。このために念入りな対策と協力ができたことだ」
「どちらにせよ、厳しい戦いになる」
「てか、総理。野党の奴らはどこへ?」
「国会議事堂だ。あちらも大軍が押し掛けている」
「国会議事堂と官邸を繋ぐ地下通路を作っておくのは正解だな。この一帯全てが要塞として成り立っている。ここを落とすのも至難の業だぞ。
最後に総理。あんたが仕上げをしてくれ」
「あぁ、分かった。秘書官。無線を貸してくれ」
「、、、、、諸君聴こえるか。我ら政府軍は武装勢力に包囲された。相手の方が数も質も上だろう。この戦いに勝つ勝算は低い上に沢山の血が流れるだろう。
"しかし、それでも戦わなければならない!
かつてこの国は敗戦し、荒廃した。だが、先人達の努力により再び大国として花開いのだ!
日本を作った先人達と国民の為自由と平和を愛する我が政府は断固として抵抗する!
この最後の希望をなんとしてでも死守するのだ!"。
只今より我が政府は戦闘状態に入る。
各員一層奮励努力セヨ」
デモ隊作戦本部
「矢田、作戦の最終確認を頼む」
「閣下、了解致しました。
まず、現状の兵力はレジスタンス勢力の妨害工作もあり7万人しか用意できませんでしたがそれでも政府軍およそ5000人との差は大きいので、まず負けることはないでしょう。問題なのはどのようにしてこれらの拠点制圧するのかですが、作戦を3つに分けました。
まず、第一段階としてバリケード無効化です。これについてですが、それらを想定して迫撃砲を配備しているので一点集中砲火すればバリケードを破壊することが可能でしょう。」
「待て、その迫撃砲はどのようにして用意したんだ」
「それについては俺から話そう。
実は前回の作戦会議の後、財閥連合の親分と夕食会という名の下話し合いをして来た。そこで現状に不満があったことを利用して利権拡大を条件に迫撃砲を含めた最新兵器を援助してもらったのだ」
「なら、兄貴はこうなることを予想していたのか。流石は兄貴だぜ!」
「お前ももう少し頭を使え。それより作戦の第2段階は?」
「あぁ、作戦の第二段階は単純だ。突撃して拠点を包囲するのだ」
「なぜ、突入しないんだ、参謀総長」
「閣下はご存じかもしれませんが、一度官邸に入ったことがありますよね。そこではどういう世界が広がっていますか」
「下に続く沢山の地下回廊、、そうか。例のブツを待つために」
「はい、それが第三段階で秘密兵器の投入です。官邸や議事堂には昔から多くの攻撃から耐えれるように対応されており、その中は厳重な上最重要秘密ですので一部幹部しかこの施設の全容を把握していない為、安易に侵入しても制圧は不可能。しかも立て篭もり徹底抗戦をする政府軍は強大です。そこで例の兵器の到着を待つほかありません。未だに不具合が多数あり配備できるのは終盤からだと中村から連絡が来ました。
そして最後に国会議事堂側には第2軍団の武蔵殿、首相官邸側には閣下自ら第1軍団の指揮を取ってもらいます」
「"例の兵器"か。一体なんだろうな兄貴」
「まぁ、見たら驚くぞ。あれは世界から見ても日本にしかないほどの強大な兵器だ」
「参謀総長としての作戦は以上です」
「なら、全員持ち場につけ。この戦いで旧時代は終わる。新時代を作る最初の戦いだ。失敗は許されない、この作戦なんとしてでも成功させろ、いいな。」
そういうと多くの将官達が解散していった。外に出ると血気盛んな若武者どもが今にも攻撃を仕掛けようと準備をしている。そんな奴らに俺は命令を下した。
「全軍。攻撃準備!」
国会議事堂
「いよいよ始まりますね、峯田党首」
「なんだ、怖いのか荒木。怖かったら逃げてもいいんだぞ」
「何を仰りますか。我ら皆覚悟を決めております」
「そうか、なら今まで通りでいい。選挙も戦争もほとんど同じ戦いだ。勝てば官軍、負ければ賊軍。だからこそ官軍としての狼煙を上げようではないか。、、、総員、戦闘準備」
そしてその時がやって来た。
20XX年 4月23日 午前8時36分
デモ隊が砲撃を開始した。政府軍も反撃として発砲。
ここに首都包囲戦が幕を開けたのだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末
松風勇水(松 勇)
歴史・時代
旧題:剣客居酒屋 草間の陰
第9回歴史・時代小説大賞「読めばお腹がすく江戸グルメ賞」受賞作。
本作は『剣客居酒屋 草間の陰』から『剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末』と改題いたしました。
2025年11月28書籍刊行。
なお、レンタル部分は修正した書籍と同様のものとなっておりますが、一部の描写が割愛されたため、後続の話とは繋がりが悪くなっております。ご了承ください。
酒と肴と剣と闇
江戸情緒を添えて
江戸は本所にある居酒屋『草間』。
美味い肴が食えるということで有名なこの店の主人は、絶世の色男にして、無双の剣客でもある。
自分のことをほとんど話さないこの男、冬吉には実は隠された壮絶な過去があった。
多くの江戸の人々と関わり、その舌を満足させながら、剣の腕でも人々を救う。
その慌し日々の中で、己の過去と江戸の闇に巣食う者たちとの浅からぬ因縁に気付いていく。
店の奉公人や常連客と共に江戸を救う、包丁人にして剣客、冬吉の物語。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
日露戦争の真実
蔵屋
歴史・時代
私の先祖は日露戦争の奉天の戦いで若くして戦死しました。
日本政府の定めた徴兵制で戦地に行ったのでした。
日露戦争が始まったのは明治37年(1904)2月6日でした。
帝政ロシアは清国の領土だった中国東北部を事実上占領下に置き、さらに朝鮮半島、日本海に勢力を伸ばそうとしていました。
日本はこれに対抗し開戦に至ったのです。
ほぼ同時に、日本連合艦隊はロシア軍の拠点港である旅順に向かい、ロシア軍の旅順艦隊の殲滅を目指すことになりました。
ロシア軍はヨーロッパに配備していたバルチック艦隊を日本に派遣するべく準備を開始したのです。
深い入り江に守られた旅順沿岸に設置された強力な砲台のため日本の連合艦隊は、陸軍に陸上からの旅順艦隊攻撃を要請したのでした。
この物語の始まりです。
『神知りて 人の幸せ 祈るのみ
神の伝えし 愛善の道』
この短歌は私が今年元旦に詠んだ歌である。
作家 蔵屋日唱
【完結】ふたつ星、輝いて 〜あやし兄弟と町娘の江戸捕物抄〜
上杉
歴史・時代
■歴史小説大賞奨励賞受賞しました!■
おりんは江戸のとある武家屋敷で下女として働く14歳の少女。ある日、突然屋敷で母の急死を告げられ、自分が花街へ売られることを知った彼女はその場から逃げだした。
母は殺されたのかもしれない――そんな絶望のどん底にいたおりんに声をかけたのは、奉行所で同心として働く有島惣次郎だった。
今も刺客の手が迫る彼女を守るため、彼の屋敷で住み込みで働くことが決まる。そこで彼の兄――有島清之進とともに生活を始めるのだが、病弱という噂とはかけ離れた腕っぷしのよさに、おりんは驚きを隠せない。
そうしてともに生活しながら少しづつ心を開いていった――その矢先のことだった。
母の命を奪った犯人が発覚すると同時に、何故か兄清之進に凶刃が迫り――。
とある秘密を抱えた兄弟と町娘おりんの紡ぐ江戸捕物抄です!お楽しみください!
※フィクションです。
※周辺の歴史事件などは、史実を踏んでいます。
皆さまご評価頂きありがとうございました。大変嬉しいです!
今後も精進してまいります!
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
戦国終わらず ~家康、夏の陣で討死~
川野遥
歴史・時代
長きに渡る戦国時代も大坂・夏の陣をもって終わりを告げる
…はずだった。
まさかの大逆転、豊臣勢が真田の活躍もありまさかの逆襲で徳川家康と秀忠を討ち果たし、大坂の陣の勝者に。果たして彼らは新たな秩序を作ることができるのか?
敗北した徳川勢も何とか巻き返しを図ろうとするが、徳川に臣従したはずの大名達が新たな野心を抱き始める。
文治系藩主は頼りなし?
暴れん坊藩主がまさかの活躍?
参考情報一切なし、全てゼロから切り開く戦国ifストーリーが始まる。
更新は週5~6予定です。
※ノベルアップ+とカクヨムにも掲載しています。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる