名も無い忌子

蜘優桜

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鳴り響く運命

幸せな日常

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「___」心美が怒ったような顔をしている
「___黙れ」落ち着いた声だった
「?」奈々が不思議そうに心美を見つめている
「それ以上の詮索はよせ」また落ち着いた声。しかしその中に怒りが見え隠れしている
「死ぬぞ」その声はとても恐ろしかった
「終わり…この話終わりね」何故か心優がわって入ってきた
「ああ…」心美が頷く
「そうね…その方が貴方たちのためだし」心愛が言い放った
また意味のわからない言い方…本当にこの子たちは不思議だ…

___リビング
皐月さんが口を開いた
「ねぇ、私さいきんつけられてる気がするの…!」などと言い出した
事実なら怖い
「気のせいじゃねぇか?」心美がにやけながら言う
「他にネタはねぇのかよ」
「…」皐月さんは気まずそうに目を逸らした
「私にネタあるよッ!」奈々の元気な声が響く
嫌な予感しかしないのはわたしだけなんだろうか…
「何よ…」これに関しては半分呆れているかもしれない…
「私の名前!」
「はぁ?どう言う…」意味がわからない…急に名前て…
「私の本当の名前!本当はね『星蜜奈一(ほしみつ なもの)』って言うんだ!」
「!」なになになに?急に⁉︎そんなことある?いや…よくある事かもしれないよ?今亜人種(人間以外の種族)への風当たり酷いし…中には、『怪異』なんて呼び方をしてる人もいるらしいし…でも…こんな偶然ある?いや…ないでしょ…
「そう…なんで急に?」とりあえず理由をね…?ね?
「私、思い出したんだよね!まだモヤってしてるんだけど…だからもう隠す必要ないの気づいちゃって…えへへ」何を⁉︎
何?文章繋がってないんだけど…!
「…」心優は少し驚いているらしく食事が進んでいない
「そうか…___じゃあ奈一、何を思い出したんだ?」心美が聞く
笑っているが何か警戒…?のようなものを感じる
「うーん…なんだろ…?モヤってしてるんだよねー?」答えになってなくない?
「早く答えいってあげなよ…」わたしが言った
「まぁ…仕方ない、か」心美ががっかりしたような顔になるその時、気がついた心美の目は鋭い相手を威嚇する目だ。たとえ本人に自覚がなかったとしても…小学生なら泣き出してしまう…そのレベルだ
「ふぇ⁉︎心美⁉︎怖いよ…その目!」奈々__違う違う…奈一はよくも悪くも正直なのだ…だから怖いと思ったら怖いといってしまう
心美がイラッとしたように
「チッ…」と舌打ちした。本当に心美は…ツンケンした対応しかできないんだから…
「まぁまぁ…でも心美が悪い、奈一は正直すぎる。だから奈一も悪い」心優は落ち着いた様子で言った。相変わらずだが感情はこもっていない
「はぁ…ツッコミどころ満載なんだけど…心美は自覚ないかもしれないけどすっごい目怖いし…奈一は心優が言ったように正直すぎるし、心優ははっきり物言い過ぎ!」みんな、その事の裏を返せば可愛いんだけど…
「じゃあ、1番悪いのは心美だね…ぷッ」
心愛が口を開いた
笑いを堪えてるつもりみたい…
「心愛…笑い堪えれてないから…」わたしも笑ってしまいそうだ…
こう言う日常が1番幸せなのかもしれない…
とりあえず学校の支度しないと…
席を立ち外を見た瞬間
___ドクン
何これ…?わた…し…
夜(よ)…鴉(ら)…?わた…しは…
___

ここでわたしの意識は途絶えた___
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