68 / 88
【第七章】私と人生という名の恐ろしい壁と目覚めてしまった性癖
【第七章】私と人生という名の恐ろしい壁と目覚めてしまった性癖【六十八話】
「えっと…… あれは本当に心霊現象じゃないんですか?」
このお客様しつこい、そうは思っても相手はお客様です。
それを口に出してはいけませんし、笑顔を絶やすわけにはいかないですね。
私、本音が出やすいからね。
つい口から出てしまうので気を付けないといけません。
「あんな心霊現象ないですよ」
そう言って笑顔を作ります。営業スマイルだけど、笑顔は笑顔ですよ。
「まあ、それは確かに。じゃあ、あれはなんだったんですか?」
確かにあんな心霊現象あったことありませんよ。
なんなんですかね。
「あれは…… なんなんでしょうか? 私にもわかりかねますね」
心当たりがないわけでもないですが、でも違うんでしょうね。
私が知っているものとは。
「いい条件の物件だっただけに残念です」
お客様は本当に残念そうにしていますね。
私も残念ですよ、本当に。あのアパートの空き部屋を埋めれるチャンスでしたから。
駅から遠いから、近くの大学に通う人くらいしか借りないんですよ、あそこ。
「本当に。うちがご紹介できる物件では一番お客様の条件に合っていたのですが……」
うーん、色々とリストを見ますが、やっぱりあの物件より安い場所はないですね。
大家さんが放任主義で、家賃が上がってないだけで古いアパートとはいえ相場よりもかなり安いんですよ、あのアパート。
「本当に事故物件ではなく?」
このお客様、やけに事故物件を気にしてきますね。
「それは本当ですよ。過去に事故物件だったこともありません。今までこんなことなかったんですが……」
私の知る限りは、ですが。
この不動産で私が働きだす前は知りませんけど。
そんな話は聞いたことないですね。
「そうですか、大学からも近くてよかったんですが。このあたりで条件に合うのはありますか?」
そうなんですよ。
駅からは遠いけど、大学からはちょうどいい距離なんですよ。
昔は大学生の方がよく使ってくれていたのですが、最近は実物のボロアパートを見ると、若い方は引いちゃいますからね。
「少々家賃が上がってしまいますが、ここなんていかがでしょうか?」
そう言って築十年のワンルームマンションを勧めます。
こっちのほうが新しいですが部屋面積とかは狭いんですよね。
「むっ…… 家賃結構上がりますね」
それと、お客様は気づいていませんが、大学からも結構距離があります。
徒歩だときつい距離ですね。
「そうですね、でも相場よりは大分安いかと」
それとお客様には言えないですが、ここの大家さんは少し難ありの方で、あんまりお勧めしたくない物件ですね。
大家さんがクレーマー気質なんですよね。
入る時も出るときも大体もめます。
「やっぱりあのアパート、事故物件じゃないんですか?」
その話を蒸し返しますか。
本当にしつこい方ですね。
「あのアパートはかなり年季の入った建物ですので。後は…… 大家さんが家賃のつり上げを言ってこないだけで、私も実はもう少し取れるとは思っているくらいの物件だったんですよ」
けど家賃を上げるのは大変なんですよね。
借りている人の同意をもらわないといけないので。
めんどくさい限りですよ。
「それを聞くと更に名残惜しいですね。まあ、あんな奇妙なことあった後では住む気にはなれないですが……」
本当に残念そうですね。
まあ、本当にお客様のご希望にピッタリの物件でしたしね。
「ですよね。私のほうでも独自に調べさせていただきますので…… もし原因が分かって解決したらどうなされますか?」
うーん、調べて解決は……
できなくはないですね。
恐らくできるとは思いますが。
「いや、いいですよ。予算が少ない以上にお化けは怖いので」
ああ、なるほど。しつこく聞いてきたのも、怖がりだからですか。
「そ、そうですか……」
なら、元々ダメだったかも知れないですね。
幽霊は住んでいませんが、大家さんがアレですしね。
このお客様しつこい、そうは思っても相手はお客様です。
それを口に出してはいけませんし、笑顔を絶やすわけにはいかないですね。
私、本音が出やすいからね。
つい口から出てしまうので気を付けないといけません。
「あんな心霊現象ないですよ」
そう言って笑顔を作ります。営業スマイルだけど、笑顔は笑顔ですよ。
「まあ、それは確かに。じゃあ、あれはなんだったんですか?」
確かにあんな心霊現象あったことありませんよ。
なんなんですかね。
「あれは…… なんなんでしょうか? 私にもわかりかねますね」
心当たりがないわけでもないですが、でも違うんでしょうね。
私が知っているものとは。
「いい条件の物件だっただけに残念です」
お客様は本当に残念そうにしていますね。
私も残念ですよ、本当に。あのアパートの空き部屋を埋めれるチャンスでしたから。
駅から遠いから、近くの大学に通う人くらいしか借りないんですよ、あそこ。
「本当に。うちがご紹介できる物件では一番お客様の条件に合っていたのですが……」
うーん、色々とリストを見ますが、やっぱりあの物件より安い場所はないですね。
大家さんが放任主義で、家賃が上がってないだけで古いアパートとはいえ相場よりもかなり安いんですよ、あのアパート。
「本当に事故物件ではなく?」
このお客様、やけに事故物件を気にしてきますね。
「それは本当ですよ。過去に事故物件だったこともありません。今までこんなことなかったんですが……」
私の知る限りは、ですが。
この不動産で私が働きだす前は知りませんけど。
そんな話は聞いたことないですね。
「そうですか、大学からも近くてよかったんですが。このあたりで条件に合うのはありますか?」
そうなんですよ。
駅からは遠いけど、大学からはちょうどいい距離なんですよ。
昔は大学生の方がよく使ってくれていたのですが、最近は実物のボロアパートを見ると、若い方は引いちゃいますからね。
「少々家賃が上がってしまいますが、ここなんていかがでしょうか?」
そう言って築十年のワンルームマンションを勧めます。
こっちのほうが新しいですが部屋面積とかは狭いんですよね。
「むっ…… 家賃結構上がりますね」
それと、お客様は気づいていませんが、大学からも結構距離があります。
徒歩だときつい距離ですね。
「そうですね、でも相場よりは大分安いかと」
それとお客様には言えないですが、ここの大家さんは少し難ありの方で、あんまりお勧めしたくない物件ですね。
大家さんがクレーマー気質なんですよね。
入る時も出るときも大体もめます。
「やっぱりあのアパート、事故物件じゃないんですか?」
その話を蒸し返しますか。
本当にしつこい方ですね。
「あのアパートはかなり年季の入った建物ですので。後は…… 大家さんが家賃のつり上げを言ってこないだけで、私も実はもう少し取れるとは思っているくらいの物件だったんですよ」
けど家賃を上げるのは大変なんですよね。
借りている人の同意をもらわないといけないので。
めんどくさい限りですよ。
「それを聞くと更に名残惜しいですね。まあ、あんな奇妙なことあった後では住む気にはなれないですが……」
本当に残念そうですね。
まあ、本当にお客様のご希望にピッタリの物件でしたしね。
「ですよね。私のほうでも独自に調べさせていただきますので…… もし原因が分かって解決したらどうなされますか?」
うーん、調べて解決は……
できなくはないですね。
恐らくできるとは思いますが。
「いや、いいですよ。予算が少ない以上にお化けは怖いので」
ああ、なるほど。しつこく聞いてきたのも、怖がりだからですか。
「そ、そうですか……」
なら、元々ダメだったかも知れないですね。
幽霊は住んでいませんが、大家さんがアレですしね。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
さびれたレンタル道具屋の転生おっさん、道具の使い方を教えまくる。~客のS級冒険者が俺を歴戦の英雄と勘違いして弟子入りを求めてくるんだが~
遥風 かずら
ファンタジー
前世で過労死した久世織人が目を覚ますとそこは異世界の王都、しかも古道具屋の跡取り息子として転生していた。アクセル・リオットとして成長した彼は荷物持ちとして冒険者パーティーに同行、その道中に【無限収納】スキルを開花させる。
パーティー活動から離脱後、四十歳となったアクセルは前世の記憶を思い出し、儲かりそうという考えで道具レンタル屋を始めていた。客足もなく店がさびれる中、道具の使い方が出来てない冒険者によって治安の乱れや魔物討伐の失敗が続いているという話を常連客から聞かされる。あらゆる道具に精通するアクセルは客の冒険者に使い方を教えに行くことを思い立つ。
アクセルの教えにより、やがてS級冒険者や聖女、王女までも勘違いして彼の元には次々と弟子入りを求める者が現れていくのだった。
生徒会の期間限定雑用係 ~庶民の私が王子に囮役としてスカウトされたら、学園の事件に巻き込まれました~
piyo
恋愛
平凡な庶民の少女クィアシーナは、フォボロス学園への転校初日、いきなりこの国の第二王子にして生徒会長ダンテに目をつけられる。
彼が求めたのは、生徒会での“囮役”。
学園で起きているある事件のためだった。
褒美につられて引き受けたものの、
小さないやがらせから王位継承問題まで巻き込まれていき――。
鋭すぎるツッコミを武器に、美形の生徒会の仲間たちと奮闘する庶民女子。
これは、無自覚な恋を抱えながら学園の事件に首を突っ込んでいく少女の物語。
※全128話
前半ラブコメ、後半第二章以降シリアスの三部構成です。
※「私にキスしたのは誰ですか?」と同じ世界感ですが、単品で読めます。
※アルファポリス先行で他サイトにも掲載中
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
大絶滅 2億年後 -原付でエルフの村にやって来た勇者たち-
半道海豚
SF
200万年後の姉妹編です。2億年後への移住は、誰もが思いもよらない結果になってしまいました。推定2億人の移住者は、1年2カ月の間に2億年後へと旅立ちました。移住者2億人は11万6666年という長い期間にばらまかれてしまいます。結果、移住者個々が独自に生き残りを目指さなくてはならなくなります。本稿は、移住最終期に2億年後へと旅だった5人の少年少女の奮闘を描きます。彼らはなんと、2億年後の移動手段に原付を選びます。
地味男はイケメン元総長
緋村燐
青春
高校一年になったばかりの灯里は、メイクオタクである事を秘密にしながら地味子として過ごしていた。
GW前に、校外学習の班の親交を深めようという事で遊園地に行くことになった灯里達。
お化け屋敷に地味男の陸斗と入るとハプニングが!
「なぁ、オレの秘密知っちゃった?」
「誰にも言わないからっ! だから代わりに……」
ヒミツの関係はじめよう?
*野いちごに掲載しているものを改稿した作品です。
野いちご様
ベリーズカフェ様
エブリスタ様
カクヨム様
にも掲載しています。
勘当された少年と不思議な少女
レイシール
ファンタジー
15歳を迎えた日、ランティスは父親から勘当を言い渡された。
理由は外れスキルを持ってるから…
眼の色が違うだけで気味が悪いと周りから避けられてる少女。
そんな2人が出会って…
「職場では隙のない完璧な先輩が、家ではゆるニットで甘えてくる。それでも彼女は、まだ俺の恋人じゃない」
まさき
恋愛
会社では完璧で、誰も近づけない先輩。
そんな彼女と、俺は同じ部屋で暮らしている。
「…おかえり」
ゆるニット姿の彼女は、家でだけ甘い声を出す。
近い。甘い。それでも――
「ちゃんと付き合ってから」
彼女は知っている。自分が好きになりすぎることを。
嫌われるのが怖くて、迷惑になるのが怖くて。
だから一歩手前で、いつも笑って止まる。
最初から好きなくせに、言えない彼女と。
気づいているのに、待っている俺の話。