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うざ絡む竜と絡みつく孤独の毒蛇
【Proceedings.24】うざ絡む竜と絡みつく孤独の毒蛇.03
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「綾か。手間のかかる女だね。私は嫌いじゃないよ」
葵はそう言ってほほ笑んだ。
「そ、そうですか…… でも、思ったよりは普通の方でした」
月子は安心したようにそう言った。
月子が想像していたよりは普通の人間だったようだ。
月子はもっと怪異じみた人格破綻者を想像していたのだが、少なくとも話はできる、その点は安心している。
ついでに執拗に舐めたい、と言われていたことは月子の記憶から既に消し去れてなかったこととなっている。
「そう? 十分変わっていると思うけど」
巧観は綾にあまり良い感情は持っていないようだ。
それももっともなことで本人を目の前にして舐めたいなどという人間など…… 身近にいた。
巧観は改めて葵を見る。
その美しい外見は葵の欠点を打ち消すには十分なものだ。
出るところは出て引っ込むところはちゃんと引っ込んでいる凹凸のある完璧な女性的なプロポーション。
何より芸術品のようなその美しくも可憐な顔。そして、それらを包む圧倒的で完璧な雰囲気が、葵の有り余る難点を完全にカバーしている。
巧観は嫉妬や憎悪でない、何とも言えない残念な気持ちを抱く。
これで性格がまともであるならば、本当に完全無欠の人間であるのにと。
完璧に手が届きそうで届かないそのもどかしさを葵から巧観は感じているのだ。
「いえ、そうは言ってもですね、わたくしの隣に座っている方とそう変わりない気がして」
月子もそう言って葵を見る。
葵は月子の視線にすぐに気づき、優しく美しく、何より優雅に微笑み返す。
その笑顔に、その笑顔の唇には、やはりまだ刻みのりは刻まれたままだ。
巧観は月子の言葉に力強くうなずいた。
葵と綾、似た者同士だと。
堂々としているか、オドオドとしているかの違いも重要なのだろうが、言っていることは大して変わりがなさそうだ。
「脚か全身かの違いか」
と、呆れるように巧観はそう言った。
「そこは大事だと思うけど?」
巧観の言葉に葵がすぐに反応する。
そう言っている葵の顔からいつもの笑みが消えていることに、巧観はそこはかとない恐怖を感じた。
「今はそんな話はどうでもいいよ。巳之口綾の話だよ。無理やりにでもデュエルでやめさせた方が良いんじゃないか?」
いつになく真剣な表情の葵に恐怖を感じはしたが、巧観にとってどうでもいいことなのは確かだ。
今は巳之口綾の問題の方が大事だと判断する。
「そ、そうですか? わたくしは先ほど話した感じでは、恐怖は大分払拭できたので…… そのうち普通に接するようになってくれるんじゃないですか?」
月子は少し希望も込めてそう言った。
月子も今は友人が少ない。
それは絶対少女の妹という地位を得て、その絶対少女である姉が失踪してからだ。
いや、正確には違う。月子が姉の代わりにデュエリストになり、すべてのデュエルを断りだしてからだ。
この学園の唯一の娯楽と言ってよいデュエル。
それをすべて断る月子への風当たりは想像以上に強い。
事実、葵が現れるまで月子の友人は茜くらいのものだった。
今は巧観とも仲直りして、葵もいるのだが。
それでも友人は多い方ことに越したことはないと月子は感じている。
「それは…… どうだろうね。彼女はこっそり月子を見ることが好きなんだ。誰にも邪魔されずに一人でこっそりと見ることがね。たとえ友達になったとしてもその点は変わらないと思うよ」
葵は巳之口綾を理解している。
少なくとも、月子や巧観よりは深く理解している。
その葵は綾は例え友人になったとしても、恐らくその行為を改めるようなことはしないだろうと言い切った。
綾が友を求めていないわけではない。
だが、それはそれ、これはこれなのだ。
別腹なのだ。
趣味であり日課なのだ。
「葵が言うと説得力が違うな。けどそうなると辞めさせるにはやっぱりデュエルに勝たないとダメなんじゃないか?」
巧観がそう提案する。
結局はそれで辞めさせるしかない。
「私は…… 人に、特に美しい少女になにかを強要するのは好きじゃないよ。逆に美少女に何かを強要されるのは…… 好きだけど」
葵は微笑みながら、はかなげにそう言った。
今だ唇に刻みのりを刻み付けているのに気づけていないように、葵は微笑んだ。
なぜか、それで葵は頬を染めてもいるが、月子と巧観は既に葵のそう言った態度にはもう反応しない。
ついでに刻みのりが唇についていることも指摘しない。
ただ、
「葵様って雰囲気だけは良いですけど、言ってることもやってることも色々とおかしい人ですよね」
遠慮なしに月子が思っていた心境を述べた。それに対しても葵は微笑んだ。
「そう? でも月子がそう言うなら、そうなんだろうね」
そう言って葵は微笑み続け、それでいてなおも嬉しそうにしている。
まるでご褒美だと言わんばかりの笑みを浮かべて、刻みのりを唇につけ嬉しそうにしている。
「うーん、ちょっとひらりにボクの方から頼んでみるよ。どちらにせよ、恭子さんを探すなら、いつかは巳之口綾ともデュエルしないとダメだろ?」
巧観はこのままでは埒が明かないとばかりに行動に出る。
月子の姉を探す、という願いを叶えるにはデュエリスト全員を倒さなければならないのだから。
「それは…… そうなのですが…… 葵様はそれで本当に良いんですか?」
月子はこのまま姉の捜索を葵に任せてしまっていい物か迷っている。
月子も手を尽くしたが、姉の恭子の行方は今だ何も掴めていない。
それでも絶対少女になった時に願いであれば見つけ出せるはずだと、月子は信じている。
それだけに、葵の願いを自分のために使われるのが申し訳ないのだ。
「もちろん良いに決まっているよ。私の願いはその過程でも叶う予定だから」
葵は、葵の切なる、唯一の、ただ一つの願いは月子をデュエルで倒しさえすれば叶えられてしまうものだ。
それは月子の尻枕という常人には理解しがたい物であるが、葵にとっては何物にも代えがたいものなのだ。
「例の枕の話ですか? う、うーん…… さすがに考えさせてくれますか?」
月子は迷った。心底迷った。
そして、気づく。なんでこんなことで悩まなければならないのだと。
月子は考えることをやっぱりやめた。
「もちろん。嫌なら断ってくれて良いよ」
「もちろん嫌ですけど?」
月子が即座にそう答えると、葵の顔が崩れた。
「そ…… そう…… かい……」
取り繕ってはいるが、あの華麗で美しい笑顔が今は片りんもない。
葵は相当ショックを受けているのが誰が見ても明らかった。
「うわ、葵が今までで一番崩れた顔をしている……」
それを巧観が身も蓋もないように言った。
「や、やっぱり少し考えさせてください、考えるというか、決意というか…… 色々と考えて覚悟を決める時間が必要ですので……」
こうなると義理堅い月子としては断りづらくなる。
もちろん葵は本気で月子が嫌なら望んではいないのだろう。
それも分かるが、月子としては好意を寄せられているから、という理由だけで頼りきりになるなど許せることではないのだ。
月子は、申渡月子は気高い少女なのだから。
「いや、本当に無理はしなくていいからね?」
葵は何とか持ち直し、悩んでいる月子に優しく声をかけた。
そして、葵の唇からやっと刻みのりが、はらりと落ちていった。
「でも、葵のモチベーションに絶対に関わってくるだろ?」
巧観は落ち行く刻みのりに気を取られながらそう言った。
「それはそうだが、そんなことよりも月子の気持ちの方が重要さ」
葵も欲望と愛の狭間で悩みながら、なんとか体裁を保つ。
葵の唇から落ちた刻みのりも、食べかけの明太子スパゲッティの上に無事着地した。
━【次回議事録予告-Proceedings.25-】━━━━━━━
難攻不落の女、巳之口綾に対して天辰葵がついに行動にでる。
━次回、うざ絡む竜と絡みつく孤独の毒蛇.04━━━━
葵はそう言ってほほ笑んだ。
「そ、そうですか…… でも、思ったよりは普通の方でした」
月子は安心したようにそう言った。
月子が想像していたよりは普通の人間だったようだ。
月子はもっと怪異じみた人格破綻者を想像していたのだが、少なくとも話はできる、その点は安心している。
ついでに執拗に舐めたい、と言われていたことは月子の記憶から既に消し去れてなかったこととなっている。
「そう? 十分変わっていると思うけど」
巧観は綾にあまり良い感情は持っていないようだ。
それももっともなことで本人を目の前にして舐めたいなどという人間など…… 身近にいた。
巧観は改めて葵を見る。
その美しい外見は葵の欠点を打ち消すには十分なものだ。
出るところは出て引っ込むところはちゃんと引っ込んでいる凹凸のある完璧な女性的なプロポーション。
何より芸術品のようなその美しくも可憐な顔。そして、それらを包む圧倒的で完璧な雰囲気が、葵の有り余る難点を完全にカバーしている。
巧観は嫉妬や憎悪でない、何とも言えない残念な気持ちを抱く。
これで性格がまともであるならば、本当に完全無欠の人間であるのにと。
完璧に手が届きそうで届かないそのもどかしさを葵から巧観は感じているのだ。
「いえ、そうは言ってもですね、わたくしの隣に座っている方とそう変わりない気がして」
月子もそう言って葵を見る。
葵は月子の視線にすぐに気づき、優しく美しく、何より優雅に微笑み返す。
その笑顔に、その笑顔の唇には、やはりまだ刻みのりは刻まれたままだ。
巧観は月子の言葉に力強くうなずいた。
葵と綾、似た者同士だと。
堂々としているか、オドオドとしているかの違いも重要なのだろうが、言っていることは大して変わりがなさそうだ。
「脚か全身かの違いか」
と、呆れるように巧観はそう言った。
「そこは大事だと思うけど?」
巧観の言葉に葵がすぐに反応する。
そう言っている葵の顔からいつもの笑みが消えていることに、巧観はそこはかとない恐怖を感じた。
「今はそんな話はどうでもいいよ。巳之口綾の話だよ。無理やりにでもデュエルでやめさせた方が良いんじゃないか?」
いつになく真剣な表情の葵に恐怖を感じはしたが、巧観にとってどうでもいいことなのは確かだ。
今は巳之口綾の問題の方が大事だと判断する。
「そ、そうですか? わたくしは先ほど話した感じでは、恐怖は大分払拭できたので…… そのうち普通に接するようになってくれるんじゃないですか?」
月子は少し希望も込めてそう言った。
月子も今は友人が少ない。
それは絶対少女の妹という地位を得て、その絶対少女である姉が失踪してからだ。
いや、正確には違う。月子が姉の代わりにデュエリストになり、すべてのデュエルを断りだしてからだ。
この学園の唯一の娯楽と言ってよいデュエル。
それをすべて断る月子への風当たりは想像以上に強い。
事実、葵が現れるまで月子の友人は茜くらいのものだった。
今は巧観とも仲直りして、葵もいるのだが。
それでも友人は多い方ことに越したことはないと月子は感じている。
「それは…… どうだろうね。彼女はこっそり月子を見ることが好きなんだ。誰にも邪魔されずに一人でこっそりと見ることがね。たとえ友達になったとしてもその点は変わらないと思うよ」
葵は巳之口綾を理解している。
少なくとも、月子や巧観よりは深く理解している。
その葵は綾は例え友人になったとしても、恐らくその行為を改めるようなことはしないだろうと言い切った。
綾が友を求めていないわけではない。
だが、それはそれ、これはこれなのだ。
別腹なのだ。
趣味であり日課なのだ。
「葵が言うと説得力が違うな。けどそうなると辞めさせるにはやっぱりデュエルに勝たないとダメなんじゃないか?」
巧観がそう提案する。
結局はそれで辞めさせるしかない。
「私は…… 人に、特に美しい少女になにかを強要するのは好きじゃないよ。逆に美少女に何かを強要されるのは…… 好きだけど」
葵は微笑みながら、はかなげにそう言った。
今だ唇に刻みのりを刻み付けているのに気づけていないように、葵は微笑んだ。
なぜか、それで葵は頬を染めてもいるが、月子と巧観は既に葵のそう言った態度にはもう反応しない。
ついでに刻みのりが唇についていることも指摘しない。
ただ、
「葵様って雰囲気だけは良いですけど、言ってることもやってることも色々とおかしい人ですよね」
遠慮なしに月子が思っていた心境を述べた。それに対しても葵は微笑んだ。
「そう? でも月子がそう言うなら、そうなんだろうね」
そう言って葵は微笑み続け、それでいてなおも嬉しそうにしている。
まるでご褒美だと言わんばかりの笑みを浮かべて、刻みのりを唇につけ嬉しそうにしている。
「うーん、ちょっとひらりにボクの方から頼んでみるよ。どちらにせよ、恭子さんを探すなら、いつかは巳之口綾ともデュエルしないとダメだろ?」
巧観はこのままでは埒が明かないとばかりに行動に出る。
月子の姉を探す、という願いを叶えるにはデュエリスト全員を倒さなければならないのだから。
「それは…… そうなのですが…… 葵様はそれで本当に良いんですか?」
月子はこのまま姉の捜索を葵に任せてしまっていい物か迷っている。
月子も手を尽くしたが、姉の恭子の行方は今だ何も掴めていない。
それでも絶対少女になった時に願いであれば見つけ出せるはずだと、月子は信じている。
それだけに、葵の願いを自分のために使われるのが申し訳ないのだ。
「もちろん良いに決まっているよ。私の願いはその過程でも叶う予定だから」
葵は、葵の切なる、唯一の、ただ一つの願いは月子をデュエルで倒しさえすれば叶えられてしまうものだ。
それは月子の尻枕という常人には理解しがたい物であるが、葵にとっては何物にも代えがたいものなのだ。
「例の枕の話ですか? う、うーん…… さすがに考えさせてくれますか?」
月子は迷った。心底迷った。
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月子は考えることをやっぱりやめた。
「もちろん。嫌なら断ってくれて良いよ」
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月子が即座にそう答えると、葵の顔が崩れた。
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取り繕ってはいるが、あの華麗で美しい笑顔が今は片りんもない。
葵は相当ショックを受けているのが誰が見ても明らかった。
「うわ、葵が今までで一番崩れた顔をしている……」
それを巧観が身も蓋もないように言った。
「や、やっぱり少し考えさせてください、考えるというか、決意というか…… 色々と考えて覚悟を決める時間が必要ですので……」
こうなると義理堅い月子としては断りづらくなる。
もちろん葵は本気で月子が嫌なら望んではいないのだろう。
それも分かるが、月子としては好意を寄せられているから、という理由だけで頼りきりになるなど許せることではないのだ。
月子は、申渡月子は気高い少女なのだから。
「いや、本当に無理はしなくていいからね?」
葵は何とか持ち直し、悩んでいる月子に優しく声をかけた。
そして、葵の唇からやっと刻みのりが、はらりと落ちていった。
「でも、葵のモチベーションに絶対に関わってくるだろ?」
巧観は落ち行く刻みのりに気を取られながらそう言った。
「それはそうだが、そんなことよりも月子の気持ちの方が重要さ」
葵も欲望と愛の狭間で悩みながら、なんとか体裁を保つ。
葵の唇から落ちた刻みのりも、食べかけの明太子スパゲッティの上に無事着地した。
━【次回議事録予告-Proceedings.25-】━━━━━━━
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