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うざ絡む竜と絡みつく孤独の毒蛇
【Proceedings.27】うざ絡む竜と絡みつく孤独の毒蛇.06
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天岩戸と言う名の、パンドラのロッカーの扉が開く。
そして、巳之口綾がにょろにょろと這い出てくる。
「わ、わたし、やるわ! 皆から集められた力で巨悪の天辰葵を成敗するわ! 月子様を救い出すために!」
巳之口綾は何かを決心したように拳を強く握りそう宣言した。
パンドラのロッカーの希望の灯はまだ消えていないようだ。
「フフッ、私だってそう簡単に倒される気はないよ」
天辰葵もそれに乗るように答える。
ここで下手なことを言ってロッカーの中に戻られでもしたらことだ。
「やっぱり当初と趣向が変わって来てませんか? まあ、別にいいんですけど」
申渡月子だけが正気で誰にでもなくそう突っ込むが、それは反応してくれる者はいない。
「茜! 綾の気持ちが変わる前にデュエルの宣誓をするよ! ひらりを呼んできて! ボクはここで綾のやる気が消えないように焚きつけてるから!」
戌亥巧観はこの機を逃してならないと猫屋茜に声をかけ、猫屋茜もそれに答える。
「は、はい! 放送団にも声をかけてきます!」
猫屋茜は走った。力の限り走った。メロスのごとく走った。
デュエルを成功させるために猫屋茜は直走った。
そのかいあってか巳之口綾のやる気が消えないうちに、ロッカーの前に酉水ひらりを連れて来ることに成功する。
猫屋茜はすぐにまた走り出す。
今日は解説席に生徒会長を招いている。生徒会長を待たすわけにはいかない。
そんな猫屋茜を尻目に、やる気の二人とやる気のない二人は使われていない教室のロッカーの前で向かい合い、デュエルの宣誓を宣言する。
「わたし! 巳之口綾は皆のカンパの力を得て天辰葵にデュエリストとして決闘を申し込む!」
「天辰葵は巳之口綾との決闘をデュエリストとして受ける!」
デュエルの宣誓が終わると、辺りに地響きがし始め、呼び出された酉水ひらりは眠たそうにあくびをした。
荘厳な雰囲気の漂う重々しくも静寂でいて神々しい、そんな部屋に黒い皮張りの椅子の上に今は誰もいない。
その部屋の主は事前に連絡を受け、一足先に学園の中央へと向かっている。
何なら一万円分のカンパを彼はしている。
学園の中央に存在するの大きな、湖ともいえる池が水飛沫を上げ、二つに割れる。
水底から円形闘技場がせり上がってくる。
かつてはすべて運命と決別するための闘技場が浮上してくる。
それと同時に美しいコーラスが、その歌詞の内容はともかく、とても美しく素晴らしいコーラスがどこからともなく聞こえてくる。
力強く繊細で、それぞれのパートが完璧にずれ一つなく調和した素晴らしいハーモニーのコーラスが響き渡る。
だが、円形闘技場少女合唱団を直接見た者は存在しない。
今回も逆光となりその姿を直接見ることはできない。
「決闘決闘決闘決闘! その時が来たー!」
「決闘決闘決闘決闘! 今こそたちあーがれー!」
「決闘決闘決闘決闘! 雌雄を決するときだー」
天辰葵、申渡月子、巳之口綾、それと酉水ひらりは、その美しも儚いコーラスと共に学園中央の池に浮上した円形闘技場へと急ぐ。
「ねえ、なんでデュエルの宣誓、あんな場所でしたの?」
戌亥巧観に背中を押されながら嫌々走る酉水ひらりはそうつぶやいた。
その問いに答えられる人間はいない。
いなかった。
誰もその理由を知る者などいないのだ。
戌亥道明は既に解説席に座り実況役の猫屋茜を待つ。
ただ猫屋茜も先ほどまで天辰葵達と一緒にいたのだ。
少しばかり先行しこの場所に向かってはいるが、巳之口綾が居た場所は学園の端の使われていない校舎だったのだ。
この学園の中心部までは遠かったのだ。
なので、今この時は、彼女はこの場にはいない。
「呼び出しておいて遅刻か、まあ、好きにすればいいさ」
戌亥道明は少しだけ不機嫌に、そして、すねるようにそう言った。
天辰葵達が中央の池、そこに浮かび上がった円形闘技場にたどり着いたのは、それから十分後のことだ。
猫屋茜は急いで観客席に入り、解説席まで走る。
「す、すいません、生徒会長!」
汗だくになりながら猫屋茜が実況席に座り、息を整える。
「まあ、遊んでいたわけではないんだろ? いいさ」
どれだけ全力疾走したのかわからないが、流石に戌亥道明もこの猫屋茜を責めることはできなかった。
彼女とて精一杯やっているのだ。
さぼっていたり手を抜いていたわけではないことは、息も絶え絶えの姿の猫屋茜を見れば明白だ。
「はぁはぁはぁ…… す、すいません、ちょっと息を、整える…… 時間を……」
「しかし、よく綾君をデュエルの場に引きずり出せたね」
それは素直に素晴らしいことだと戌亥道明は思う。
デュエル自体を完全拒否している申渡月子を除けば、存在自体がレアキャラの巳之口綾とのデュエルは最難関と言っても良い。
どこかで運よくエンカウントでもしなければ、そもそも出会えない人物なのだ。
出会ったところで巳之口綾はすぐ逃げ出してしまう。
その上で、固定のデュエルアソーシエイトまでいない。
本当に厄介な相手だ。
それでいて本人も強いのだから本当に手が負えない。
「この学園の皆様の力を集めたんです!」
猫屋茜は胸を張り自慢げにそう言った。
「ふーん? 綾君はそう言うの苦手そうだが、後で詳しく教えてくれないか? 綾君を捕まえるのは毎回苦労するんだ」
戌亥道明は本当に困ったような表情を見せてそう言った。
「毎回?」
と、猫屋茜が不思議そうに聞き返す。
「ああ。デュエルの度にね。それで遅刻の件はチャラにするからさ」
戌亥道明は誤魔化すようにそう言ってデュエルステージを見る。
ちょうど四人がステージに上がって来た。
「はい! 後でお教えしますね! で、やっとです。皆さまお待たせしました! 決闘者の入場です!」
猫屋茜の声で会場に歓声が沸く。
そして、神刀召喚の儀式が始まる。
巳之口綾が酉水ひらりに、おどおどと挙動不審に近づく。
あまりに巳之口綾が挙動不審で中々行動してこないので、酉水ひらりは自らその白く美しい桃のようなほっぺたを突き出す。
巳之口綾がそれをチロリと舐め、そして、振れるか触れないほどの軽くキスを震えながらする。
お餅のようになめらかで柔らかそうな酉水ひらりのぽっぺが輝きだす。
そして、刀の柄が現れる。
巳之口綾はそれに震える手で恐る恐る触れ、ゆっくりと注意深く抜き放ち、その神刀の名を告げる。
「やはり銭、銭はすべてを解決する! 有名百銭」
巳之口綾は抜き放った十手のような形の刀を天に掲げた。
だが、酉水ひらりはいつ負けてもいいように、その場にペタンとやる気がなさそうに腰を降ろした。
天辰葵は申渡月子の前に跪く。
もう慣れたように申渡月子は自ら靴と靴下を脱いで天辰葵に足を指す出す。
それに少しだけ、それも自分がやりたかったと天辰葵は残念で不満そうな表情を見せ、申渡月子の足を手に取りその爪先へとキスを、熱いキスをする。
申渡月子の爪先が輝きだし、刀の柄が現れる。
それを天辰葵はゆっくりとじらすように、丁寧に引き抜く。
そして、それを天にかざし、その神刀の名を告げる。
「月の下では何事も仔細なし! 月下万象!」
━【次回議事録予告-Proceedings.28-】━━━━━━━
ようやく運命が蠢動し、また一つの運命が役目を終える。
━次回、うざ絡む竜と絡みつく孤独の毒蛇.07━━━━
そして、巳之口綾がにょろにょろと這い出てくる。
「わ、わたし、やるわ! 皆から集められた力で巨悪の天辰葵を成敗するわ! 月子様を救い出すために!」
巳之口綾は何かを決心したように拳を強く握りそう宣言した。
パンドラのロッカーの希望の灯はまだ消えていないようだ。
「フフッ、私だってそう簡単に倒される気はないよ」
天辰葵もそれに乗るように答える。
ここで下手なことを言ってロッカーの中に戻られでもしたらことだ。
「やっぱり当初と趣向が変わって来てませんか? まあ、別にいいんですけど」
申渡月子だけが正気で誰にでもなくそう突っ込むが、それは反応してくれる者はいない。
「茜! 綾の気持ちが変わる前にデュエルの宣誓をするよ! ひらりを呼んできて! ボクはここで綾のやる気が消えないように焚きつけてるから!」
戌亥巧観はこの機を逃してならないと猫屋茜に声をかけ、猫屋茜もそれに答える。
「は、はい! 放送団にも声をかけてきます!」
猫屋茜は走った。力の限り走った。メロスのごとく走った。
デュエルを成功させるために猫屋茜は直走った。
そのかいあってか巳之口綾のやる気が消えないうちに、ロッカーの前に酉水ひらりを連れて来ることに成功する。
猫屋茜はすぐにまた走り出す。
今日は解説席に生徒会長を招いている。生徒会長を待たすわけにはいかない。
そんな猫屋茜を尻目に、やる気の二人とやる気のない二人は使われていない教室のロッカーの前で向かい合い、デュエルの宣誓を宣言する。
「わたし! 巳之口綾は皆のカンパの力を得て天辰葵にデュエリストとして決闘を申し込む!」
「天辰葵は巳之口綾との決闘をデュエリストとして受ける!」
デュエルの宣誓が終わると、辺りに地響きがし始め、呼び出された酉水ひらりは眠たそうにあくびをした。
荘厳な雰囲気の漂う重々しくも静寂でいて神々しい、そんな部屋に黒い皮張りの椅子の上に今は誰もいない。
その部屋の主は事前に連絡を受け、一足先に学園の中央へと向かっている。
何なら一万円分のカンパを彼はしている。
学園の中央に存在するの大きな、湖ともいえる池が水飛沫を上げ、二つに割れる。
水底から円形闘技場がせり上がってくる。
かつてはすべて運命と決別するための闘技場が浮上してくる。
それと同時に美しいコーラスが、その歌詞の内容はともかく、とても美しく素晴らしいコーラスがどこからともなく聞こえてくる。
力強く繊細で、それぞれのパートが完璧にずれ一つなく調和した素晴らしいハーモニーのコーラスが響き渡る。
だが、円形闘技場少女合唱団を直接見た者は存在しない。
今回も逆光となりその姿を直接見ることはできない。
「決闘決闘決闘決闘! その時が来たー!」
「決闘決闘決闘決闘! 今こそたちあーがれー!」
「決闘決闘決闘決闘! 雌雄を決するときだー」
天辰葵、申渡月子、巳之口綾、それと酉水ひらりは、その美しも儚いコーラスと共に学園中央の池に浮上した円形闘技場へと急ぐ。
「ねえ、なんでデュエルの宣誓、あんな場所でしたの?」
戌亥巧観に背中を押されながら嫌々走る酉水ひらりはそうつぶやいた。
その問いに答えられる人間はいない。
いなかった。
誰もその理由を知る者などいないのだ。
戌亥道明は既に解説席に座り実況役の猫屋茜を待つ。
ただ猫屋茜も先ほどまで天辰葵達と一緒にいたのだ。
少しばかり先行しこの場所に向かってはいるが、巳之口綾が居た場所は学園の端の使われていない校舎だったのだ。
この学園の中心部までは遠かったのだ。
なので、今この時は、彼女はこの場にはいない。
「呼び出しておいて遅刻か、まあ、好きにすればいいさ」
戌亥道明は少しだけ不機嫌に、そして、すねるようにそう言った。
天辰葵達が中央の池、そこに浮かび上がった円形闘技場にたどり着いたのは、それから十分後のことだ。
猫屋茜は急いで観客席に入り、解説席まで走る。
「す、すいません、生徒会長!」
汗だくになりながら猫屋茜が実況席に座り、息を整える。
「まあ、遊んでいたわけではないんだろ? いいさ」
どれだけ全力疾走したのかわからないが、流石に戌亥道明もこの猫屋茜を責めることはできなかった。
彼女とて精一杯やっているのだ。
さぼっていたり手を抜いていたわけではないことは、息も絶え絶えの姿の猫屋茜を見れば明白だ。
「はぁはぁはぁ…… す、すいません、ちょっと息を、整える…… 時間を……」
「しかし、よく綾君をデュエルの場に引きずり出せたね」
それは素直に素晴らしいことだと戌亥道明は思う。
デュエル自体を完全拒否している申渡月子を除けば、存在自体がレアキャラの巳之口綾とのデュエルは最難関と言っても良い。
どこかで運よくエンカウントでもしなければ、そもそも出会えない人物なのだ。
出会ったところで巳之口綾はすぐ逃げ出してしまう。
その上で、固定のデュエルアソーシエイトまでいない。
本当に厄介な相手だ。
それでいて本人も強いのだから本当に手が負えない。
「この学園の皆様の力を集めたんです!」
猫屋茜は胸を張り自慢げにそう言った。
「ふーん? 綾君はそう言うの苦手そうだが、後で詳しく教えてくれないか? 綾君を捕まえるのは毎回苦労するんだ」
戌亥道明は本当に困ったような表情を見せてそう言った。
「毎回?」
と、猫屋茜が不思議そうに聞き返す。
「ああ。デュエルの度にね。それで遅刻の件はチャラにするからさ」
戌亥道明は誤魔化すようにそう言ってデュエルステージを見る。
ちょうど四人がステージに上がって来た。
「はい! 後でお教えしますね! で、やっとです。皆さまお待たせしました! 決闘者の入場です!」
猫屋茜の声で会場に歓声が沸く。
そして、神刀召喚の儀式が始まる。
巳之口綾が酉水ひらりに、おどおどと挙動不審に近づく。
あまりに巳之口綾が挙動不審で中々行動してこないので、酉水ひらりは自らその白く美しい桃のようなほっぺたを突き出す。
巳之口綾がそれをチロリと舐め、そして、振れるか触れないほどの軽くキスを震えながらする。
お餅のようになめらかで柔らかそうな酉水ひらりのぽっぺが輝きだす。
そして、刀の柄が現れる。
巳之口綾はそれに震える手で恐る恐る触れ、ゆっくりと注意深く抜き放ち、その神刀の名を告げる。
「やはり銭、銭はすべてを解決する! 有名百銭」
巳之口綾は抜き放った十手のような形の刀を天に掲げた。
だが、酉水ひらりはいつ負けてもいいように、その場にペタンとやる気がなさそうに腰を降ろした。
天辰葵は申渡月子の前に跪く。
もう慣れたように申渡月子は自ら靴と靴下を脱いで天辰葵に足を指す出す。
それに少しだけ、それも自分がやりたかったと天辰葵は残念で不満そうな表情を見せ、申渡月子の足を手に取りその爪先へとキスを、熱いキスをする。
申渡月子の爪先が輝きだし、刀の柄が現れる。
それを天辰葵はゆっくりとじらすように、丁寧に引き抜く。
そして、それを天にかざし、その神刀の名を告げる。
「月の下では何事も仔細なし! 月下万象!」
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