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本編
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俺は人生で最高潮の幸せを迎えていた。だって、人生で初めて彼女ができたんだからな!
ホント、俺に彼女ができるなんて思ってもいなかったよ。まあ俺の話はいいとして、ホント理想的な女の子なんだよ。
とにかくかわいいんだ。料理する時も、デートで一緒に歩く時も、ご飯を一緒に食べる時も、大学の課題を一緒にこなす時も、マジでいつでもかわいいんだ。
ああ、なんてかわいい女の子を彼女にできたんだ、俺。玉砕覚悟で告白してよかったよ。
だって彼女は大学でもトップクラスといえるほどかわいくて美人な人だぞ。俺なんてどっちかといえばミジンコだしな。まあ、自分でいうのもなんだけど釣り合わないんだよ。
そんな人と交際ができる! もうこれだけで幸せだね。
ああ、次はどんな場所でデートをしようか。もう週末が楽しみだね!
「おいおい。何、講義中に鼻の下を伸ばしているんだよ」
俺の幸せな妄想を妨げる悪友がいる。なんやかんやで幼い頃からの付き合いがあるこいつは、なぜか大学まで一緒についてきた男だ。俺と同じように顔はそんなによくないが、悔しいことに身長はある。
あーくそ、これでイケメンだったら完全に縁を切ってやったんだが、悔しいことにそうじゃない。さらにいえば趣味が同じで、遊ぶゲームの好みも似通っているため話が合うためそんなことをしようと思わないのがミソだ。
そんな悪友が俺の幸せを阻害してきた。これは断じて許せない。
「いいだろ、羨ましいだろ。これがお前と俺との差だよ」
「何の差だよ。確かに羨ましいが彼女いるかいないかってだけだろ」
「バーカ、それが大きな差なんだよ。いわば勝ち組か負け組かってぐらいの差だよ」
「そこまで差があるのか? まあいいけど。それより面白いゲームが今度発売するんだ。次の週末に遊ばないか?」
「彼女との予定があるんだよ。お前と遊んでられるか」
「おいおい、友情より恋を取るのかよ」
「腐れ縁より愛を取るね、俺は。ま、お前も悔しかったら彼女を作るんだな」
「幸せでいいこと。そうしてみるよ」
勝った。こいつに口で勝ってやったよ。
さて、そろそろ講義時間が終わるし、愛しの彼女ちゃんに会いに行こう。
るんるんとした気分で俺は彼女がいる講義室へ向かう。行き交う大学生がそれぞれ談話したりそのまま通り過ぎたりとしていく中、俺は講義室の一番奥にいる彼女を見つけ声をかけた。
艶のある長くて黒い髪。夏ということもあり、ブラウスに膝下まで丈がある紺色のスカートとちょっと大人びた服装をしている女性は振り返るととても眩しい笑顔を浮かべる。
ああ、なんてギャップのあるかわいらしい笑顔だ。心が溶かされるぅぅぅ!
「おはようございます、コウスケさん。講義は終わりましたか?」
「ええ、無事に課題ももらいましたよ。カナさんは?」
「私ももらっちゃいました。今回のはちょっと難しそうです」
ちょっと困ったような苦笑いを浮かべるカナさん。ああ、この顔もかわいい。
ひとまず互いにもらった課題を確認し、俺達は一緒に講義室から出た。
俺は隣を歩くカナさんをちらりと見る。その歩く姿は眩しく、凛としており、本当に俺の彼女なのかと思ってしまうような感覚に陥ってしまう。
ホント、よく勇気を持って告白したな俺。よく頑張ったよ俺!
そんな感じで心の中で舞い上がっていると、カナさんが俺に声をかけてきた。
「コウスケさん、あの、よろしければ今夜、私のうちに来ませんか?」
「……え?」
「あ、その、なんというか。一緒に過ごしたいなって思ってて」
カナさんが、俺を誘っている。しかも二人っきりで。
それってつまり、そういうこと? そういうことなんだよな!
「よ、よ、喜んで!」
ああ、今日はなんて幸せな日なんだ。母さん、父さん。俺、本物の漢になってきます!
心がぴょんぴょんとしながら俺はカナさんと別れ、自宅へ向かうためにバス停に立った。ものの数分でバスは来て、それに乗り込み席へ腰を下ろす。
何気なく前に座っているおっさんが読んでいる新聞が目に入った。そこには【行方不明者が十人】という見出しが目に入る。
最近、この辺りで人さらいが多いと聞いたな。もしかしたら近くに誘拐犯がいるんかな?
そんなことをなんとなく考えつつ、俺はバスの心地いい揺れからくる眠気と戦いながら自宅に辿り着いたのだった。
借りているマンションに荷物を置き、しっかり風呂に入って身体をキレイにし、俺は準備を整えた。メッセージアプリで来た住所を元に俺はカナさんが待つ家へと向かう。
歩いて歩いて三十分ほど。ちょっとした町外れにやってきた俺は、カナさんの家を探す。だけどあるのは寂れた工場だけだ。
まさかこんな所に住んでいるのか、と思い俺は廃工場に足を踏み入れる。普段、触れ合っている彼女からは想像できない場所だが、もしかしたらお金の工面で苦労しているのかもしれない。
そう思いつつ、俺は廃工場の奥へ入っていく。何やら作業ラインが引かれていた跡があり、その奥を見ると巨大な冷凍庫がある。よく見るとまだ電源が生きており、今も現役で駆動している様子だ。
いろいろと違和感を覚える。なんで動いているだろうか。というか、カナさんは本当にここに住んでいるのか?
「うーん……」
考えてもわからないか。
それにしても、この冷凍庫の中に何があるんだ? もしかしたら大量の食材があるのかな?
俺はちょっとした好奇心で巨大な冷凍庫を開く。でかいだけあってとんでもなく重たい扉であり、というか鉄の塊を力いっぱいに押して開いた。
ゆっくりゆっくりと、冷気に身体を震わせながら中へ入り進んでいく。初めはちょっと暗くてよくわからなかったが、俺はすぐに目をギョッと見開いてしまう。
なぜなら、冷凍庫の中にはたくさんの人々が重ねられるように倒れていたからだ。
「え?」
なんだこれ。なんでこんなに人が倒れているんだ。
いや、それよりもここは彼女の家なのか? 一体、何が起きて――
カチャン――
嫌な音が聞こえた。振り返ると扉が閉まっている。
「嘘だろ!」
俺は慌てて扉へ駆けた。必死に扉のノブを掴み、開こうとするが回らない。頑張って掴んでいるけど手が冷たくなって限界を迎える。
ああくそ、どうにかなるかわからないけど叩いてみよう。
「誰か、誰かいませんか!?」
ドンドン、と叩く。でも反応はない。
というかそもそも分厚い扉だ。声どころか叩いている音が伝わっているのかわからない。
それでも俺は必死に助けを求めた。ああ、くそ、こんなところで死にたくない。
誰でもいい、あいつでもいいから助けてくれ!
そんな思いが伝わったのか、ギィーっという音と共に扉が開いた。
俺は慌てて外へ出てへたり込むと、見覚えのあるか細い手が差し出される。
反射的に顔を上げ、その主を見るとそこにはカナさんが立っていた。
「大丈夫ですか、コウスケさん」
「あ、あ、あ……」
天使に思えた。ああ、助かったんだっても思った。
だから俺は、カナさんの胸に飛び込み泣く。本当に死ぬかと思ったからだ。
だけど、妙なことに温もりを感じない。それどころか、身体がどんどん冷えていく。
「ふふ、冷たいでしょ? いいですよね、この冷たさ」
「カ、ナ、さん……?」
「ああ、本当にブザイクですね。でも、欲しかった」
何を言っているんだこの人は。そう思っていると、彼女はこんなことを告げる。
それは耳を疑いたくなるような言葉だ。
「私、雪女なの。だから人より遥かに体温が低くてね、こうしないと触れられないのよ」
「う、あ、ぁ……」
「ねぇ、コウスケさん。私、あなたが好きよ。だから、このまま抱きしめてあげる。あなたは死んじゃうかもしれないけど、ね」
寒い。抱きしめているはずなのに寒い。
やばい、ガチガチと歯がぶつかって身体の震えが止まらないぞ。
このままじゃあマジで死ぬ。
「ふふ、コウスケさん。愛してるわ。だから、死んで」
やば、い。ホント、に、し、ぬ――
「さようなら、コウスケさん。愛してる」
◆◆◆◆◆
コウスケがいなくなってから数週間が経った。
心配してあいつの部屋にいったが、いなかった。それからも確認しに行ってみたが帰ってきていない。
あいつはどこに行ったんだろうか。
俺はそのヒントを持っていそうな人物を探していた。だが、コウスケの彼女カナはどこを探してもいない。
一応、仲のいい准教授に聞いてみたらカナはコウスケがいなくなった直後から大学にきていないようだ。
「何があったんだよ」
事務室に行き、大学に登録されている住所を聞き出してそこへ向かう。もしかしたら実家に隠れている可能性があるからだ。
県外にある実家へ向かい、俺はカナに会おうとしたが思いもしない光景がそこには広がっていた。
「なんだこれ? 廃墟?」
実家と記されていた住所にあった建物は、今にも崩れ落ちそうな様子だった。俺は試しに近所の人に話を聞いてみると、とんでもないことを聞かされる。
「ああ、ここは一家心中したんだよ」
「一家心中?」
「そうさ。父親がろくでなしでね、耐えきれなくなった母親が衝動で殺しちゃったんだ。だが宛がなかったのか、母親は一人娘を巻き込んで死んじまったんさ」
もし、近所の人の話が本当ならば、コウスケが交際していた女性は何だったんだろうか。
あいつは、幻の存在と交際していたのか?
俺は大きな疑問を抱く。だが、それ以上は調べられず、結局コウスケの居場所はわからないまま終わるのだった。
ホント、俺に彼女ができるなんて思ってもいなかったよ。まあ俺の話はいいとして、ホント理想的な女の子なんだよ。
とにかくかわいいんだ。料理する時も、デートで一緒に歩く時も、ご飯を一緒に食べる時も、大学の課題を一緒にこなす時も、マジでいつでもかわいいんだ。
ああ、なんてかわいい女の子を彼女にできたんだ、俺。玉砕覚悟で告白してよかったよ。
だって彼女は大学でもトップクラスといえるほどかわいくて美人な人だぞ。俺なんてどっちかといえばミジンコだしな。まあ、自分でいうのもなんだけど釣り合わないんだよ。
そんな人と交際ができる! もうこれだけで幸せだね。
ああ、次はどんな場所でデートをしようか。もう週末が楽しみだね!
「おいおい。何、講義中に鼻の下を伸ばしているんだよ」
俺の幸せな妄想を妨げる悪友がいる。なんやかんやで幼い頃からの付き合いがあるこいつは、なぜか大学まで一緒についてきた男だ。俺と同じように顔はそんなによくないが、悔しいことに身長はある。
あーくそ、これでイケメンだったら完全に縁を切ってやったんだが、悔しいことにそうじゃない。さらにいえば趣味が同じで、遊ぶゲームの好みも似通っているため話が合うためそんなことをしようと思わないのがミソだ。
そんな悪友が俺の幸せを阻害してきた。これは断じて許せない。
「いいだろ、羨ましいだろ。これがお前と俺との差だよ」
「何の差だよ。確かに羨ましいが彼女いるかいないかってだけだろ」
「バーカ、それが大きな差なんだよ。いわば勝ち組か負け組かってぐらいの差だよ」
「そこまで差があるのか? まあいいけど。それより面白いゲームが今度発売するんだ。次の週末に遊ばないか?」
「彼女との予定があるんだよ。お前と遊んでられるか」
「おいおい、友情より恋を取るのかよ」
「腐れ縁より愛を取るね、俺は。ま、お前も悔しかったら彼女を作るんだな」
「幸せでいいこと。そうしてみるよ」
勝った。こいつに口で勝ってやったよ。
さて、そろそろ講義時間が終わるし、愛しの彼女ちゃんに会いに行こう。
るんるんとした気分で俺は彼女がいる講義室へ向かう。行き交う大学生がそれぞれ談話したりそのまま通り過ぎたりとしていく中、俺は講義室の一番奥にいる彼女を見つけ声をかけた。
艶のある長くて黒い髪。夏ということもあり、ブラウスに膝下まで丈がある紺色のスカートとちょっと大人びた服装をしている女性は振り返るととても眩しい笑顔を浮かべる。
ああ、なんてギャップのあるかわいらしい笑顔だ。心が溶かされるぅぅぅ!
「おはようございます、コウスケさん。講義は終わりましたか?」
「ええ、無事に課題ももらいましたよ。カナさんは?」
「私ももらっちゃいました。今回のはちょっと難しそうです」
ちょっと困ったような苦笑いを浮かべるカナさん。ああ、この顔もかわいい。
ひとまず互いにもらった課題を確認し、俺達は一緒に講義室から出た。
俺は隣を歩くカナさんをちらりと見る。その歩く姿は眩しく、凛としており、本当に俺の彼女なのかと思ってしまうような感覚に陥ってしまう。
ホント、よく勇気を持って告白したな俺。よく頑張ったよ俺!
そんな感じで心の中で舞い上がっていると、カナさんが俺に声をかけてきた。
「コウスケさん、あの、よろしければ今夜、私のうちに来ませんか?」
「……え?」
「あ、その、なんというか。一緒に過ごしたいなって思ってて」
カナさんが、俺を誘っている。しかも二人っきりで。
それってつまり、そういうこと? そういうことなんだよな!
「よ、よ、喜んで!」
ああ、今日はなんて幸せな日なんだ。母さん、父さん。俺、本物の漢になってきます!
心がぴょんぴょんとしながら俺はカナさんと別れ、自宅へ向かうためにバス停に立った。ものの数分でバスは来て、それに乗り込み席へ腰を下ろす。
何気なく前に座っているおっさんが読んでいる新聞が目に入った。そこには【行方不明者が十人】という見出しが目に入る。
最近、この辺りで人さらいが多いと聞いたな。もしかしたら近くに誘拐犯がいるんかな?
そんなことをなんとなく考えつつ、俺はバスの心地いい揺れからくる眠気と戦いながら自宅に辿り着いたのだった。
借りているマンションに荷物を置き、しっかり風呂に入って身体をキレイにし、俺は準備を整えた。メッセージアプリで来た住所を元に俺はカナさんが待つ家へと向かう。
歩いて歩いて三十分ほど。ちょっとした町外れにやってきた俺は、カナさんの家を探す。だけどあるのは寂れた工場だけだ。
まさかこんな所に住んでいるのか、と思い俺は廃工場に足を踏み入れる。普段、触れ合っている彼女からは想像できない場所だが、もしかしたらお金の工面で苦労しているのかもしれない。
そう思いつつ、俺は廃工場の奥へ入っていく。何やら作業ラインが引かれていた跡があり、その奥を見ると巨大な冷凍庫がある。よく見るとまだ電源が生きており、今も現役で駆動している様子だ。
いろいろと違和感を覚える。なんで動いているだろうか。というか、カナさんは本当にここに住んでいるのか?
「うーん……」
考えてもわからないか。
それにしても、この冷凍庫の中に何があるんだ? もしかしたら大量の食材があるのかな?
俺はちょっとした好奇心で巨大な冷凍庫を開く。でかいだけあってとんでもなく重たい扉であり、というか鉄の塊を力いっぱいに押して開いた。
ゆっくりゆっくりと、冷気に身体を震わせながら中へ入り進んでいく。初めはちょっと暗くてよくわからなかったが、俺はすぐに目をギョッと見開いてしまう。
なぜなら、冷凍庫の中にはたくさんの人々が重ねられるように倒れていたからだ。
「え?」
なんだこれ。なんでこんなに人が倒れているんだ。
いや、それよりもここは彼女の家なのか? 一体、何が起きて――
カチャン――
嫌な音が聞こえた。振り返ると扉が閉まっている。
「嘘だろ!」
俺は慌てて扉へ駆けた。必死に扉のノブを掴み、開こうとするが回らない。頑張って掴んでいるけど手が冷たくなって限界を迎える。
ああくそ、どうにかなるかわからないけど叩いてみよう。
「誰か、誰かいませんか!?」
ドンドン、と叩く。でも反応はない。
というかそもそも分厚い扉だ。声どころか叩いている音が伝わっているのかわからない。
それでも俺は必死に助けを求めた。ああ、くそ、こんなところで死にたくない。
誰でもいい、あいつでもいいから助けてくれ!
そんな思いが伝わったのか、ギィーっという音と共に扉が開いた。
俺は慌てて外へ出てへたり込むと、見覚えのあるか細い手が差し出される。
反射的に顔を上げ、その主を見るとそこにはカナさんが立っていた。
「大丈夫ですか、コウスケさん」
「あ、あ、あ……」
天使に思えた。ああ、助かったんだっても思った。
だから俺は、カナさんの胸に飛び込み泣く。本当に死ぬかと思ったからだ。
だけど、妙なことに温もりを感じない。それどころか、身体がどんどん冷えていく。
「ふふ、冷たいでしょ? いいですよね、この冷たさ」
「カ、ナ、さん……?」
「ああ、本当にブザイクですね。でも、欲しかった」
何を言っているんだこの人は。そう思っていると、彼女はこんなことを告げる。
それは耳を疑いたくなるような言葉だ。
「私、雪女なの。だから人より遥かに体温が低くてね、こうしないと触れられないのよ」
「う、あ、ぁ……」
「ねぇ、コウスケさん。私、あなたが好きよ。だから、このまま抱きしめてあげる。あなたは死んじゃうかもしれないけど、ね」
寒い。抱きしめているはずなのに寒い。
やばい、ガチガチと歯がぶつかって身体の震えが止まらないぞ。
このままじゃあマジで死ぬ。
「ふふ、コウスケさん。愛してるわ。だから、死んで」
やば、い。ホント、に、し、ぬ――
「さようなら、コウスケさん。愛してる」
◆◆◆◆◆
コウスケがいなくなってから数週間が経った。
心配してあいつの部屋にいったが、いなかった。それからも確認しに行ってみたが帰ってきていない。
あいつはどこに行ったんだろうか。
俺はそのヒントを持っていそうな人物を探していた。だが、コウスケの彼女カナはどこを探してもいない。
一応、仲のいい准教授に聞いてみたらカナはコウスケがいなくなった直後から大学にきていないようだ。
「何があったんだよ」
事務室に行き、大学に登録されている住所を聞き出してそこへ向かう。もしかしたら実家に隠れている可能性があるからだ。
県外にある実家へ向かい、俺はカナに会おうとしたが思いもしない光景がそこには広がっていた。
「なんだこれ? 廃墟?」
実家と記されていた住所にあった建物は、今にも崩れ落ちそうな様子だった。俺は試しに近所の人に話を聞いてみると、とんでもないことを聞かされる。
「ああ、ここは一家心中したんだよ」
「一家心中?」
「そうさ。父親がろくでなしでね、耐えきれなくなった母親が衝動で殺しちゃったんだ。だが宛がなかったのか、母親は一人娘を巻き込んで死んじまったんさ」
もし、近所の人の話が本当ならば、コウスケが交際していた女性は何だったんだろうか。
あいつは、幻の存在と交際していたのか?
俺は大きな疑問を抱く。だが、それ以上は調べられず、結局コウスケの居場所はわからないまま終わるのだった。
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