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2,お父様
しおりを挟む「ヒューリア!?」
沢山の人だかりが出来た。それは城に来た、めったに外へ出ないヒューリアの美貌を一目見ようと集まってきたのだ。
「お父様!」
騒ぎを聞いて駆けつけたのは、ヒューリアの父親であるアルテミス侯爵だ。
「なぜお前がここに…」
「お話がありますの。お仕事、忙しいですか?」
上目遣いにお父様を見ると、やはり甘い。
「いや、そんなことはない!」
お父様の部下であるモーリス様が悲惨な顔をした。忙しいみたいだけれど、気にしない。
「よかった。お父様にお願いがございますの」
「…なに?ルイス王子と?」
「えぇ、お父様。私…ルイス王子を心から慕っておりますの。お願いですわ、お父様。どうか……お父様から王様に、話を持ちかけてはくださいませんか?」
きっとこの父は了承するだろう。なんと言ったって、家のためにもなるもの。それに私の頼みを聞いてくださらなかったことは一度たりとてないのだ。
「それは良い……の、だが……」
お父様が少し暗い顔をする。
「どうかなさったのですか?」
そしてその次の言葉に、胸が冷えた。
「おまえもルイス王子のことは少しくらい知っているだろう。恋人がいるという話だ」
ーーえ?
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一瞬にして分かってしまった。それはあの、リーザという女だと。
「…そう…なの、ですか…?」
おかしい。噂になるのはもっと後のはずなのに。
「……いいえ、お父様。それでも構いません」
もう二度と、奪われたりはしない。あの女からは返してもらう。
「ルイス様を手に入れてみせます。どうか、王様にお話を」
「…そんなに望むのなら、分かった、だが……ルイス王子の気持ちも大切だぞ?」
「分かっておりますわ」
繰り返して思った。戻ったところで、必ずしも同じ世界に戻るとは限らない。パラレルワールドというのがあるらしい。そう考えれば、同じ『時間』に戻っていても、同じ『過去』には戻らないのではないか。
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