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本編
10日目~咲良side~
しおりを挟む学校で倒れた…正式には、ボールが顔に直球して気絶したことについて、学校から家に電話があった。
それは咲良が家に帰ってすぐのことで、母は真っ青になって部屋まで駆けてきた。
「咲良、学校で倒れたって本当なの!?」
「あ、お母さん。それね、」
「やっぱり痛いんでしょう!?しんどいのなら無理しなくていいのよ、そうだわ、すぐに病院に…」
「お母さん、大丈夫だってば!体育は見学してただけだし、顔にボール当たったくらいで病院なんて…普通、行かないでしょ」
そう言ったことに後悔した。
「あなたは普通じゃないんだから行かないと行けないでしょう!?もしなにかあったらどうするつもりなの!?」
後悔して、苦しくて、辛くなった。
「…普通じゃないって、どういう意味?私があと一年も生きられるか分からないから、普通じゃないって言いたいの!?」
こちらもカッとなって言い返してしまう。
「………どうして…」
ただ呆然とする母にも、止まらなかった。
「私が何も知らないと思った!?知っているから、だから普通に、普通の子と同じように生きているんでしょ!?それなのになんでお母さんは私のこと病人扱いするの!?私は、私はっ………、……っ」
「…咲良…?」
「い、たい…」
「咲良!!」
母が駆け寄ってきて、携帯を手にする。
「大変、咲良、ちゃんと呼吸して、すぐ救急車呼ぶから、」
「…や、めて…」
息が、苦しい。けれどそれどころではない。救急車なんて呼んだら、煌夜が。
「お願い、救急車は…いや…」
なんとかそれを伝える。すると、母が肩に自分の手を乗せ、車まで運んでくれた。
「咲良、ちゃんと呼吸しなさい!」
「う、ん…」
また家の中にバタバタと荷物を取りに行った母は、すぐに戻ってきた。
「すぐ病院着くからね、待ってね」
「大丈夫、待てる、から」
救急車を呼ばれるくらいなら、苦しくてもいい。
絶対に、こんな姿を煌夜に見られたくないから。
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