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しおりを挟む「さ、刺されたって、大丈夫なの?」
真っ先に皆川が言ったのは、その事だった。人の心配が多い皆川らしいな、と思いながら笑う。
「見たでしょ、傷痕。きれーにくっついたよ」
「そ、そっか…」
「引いたでしょ?俺に幻滅したでしょ。…皆川ならいい子だし、他にいいヤツ見つかるよ」
幻滅、と皆川が呟く。
「え?なんか言った?」
「ーー幻滅は、してない。ただほんの少しショックだったのと、不謹慎かもしれないけど……再会したのが奥さんと別れた後で良かったってこと」
「はぁ?」
思わず間の抜けた声が出る。
「だって離婚してなかったらきっと、関係を持つこともなかったよ。それに持ったとしても、私は遊び相手の一人になってたと思う」
「…今でもそうかもしれないだろ」
「違うと思う」
「なんで?」
「だって広瀬くん、女にはもう懲り懲りって顔に出てるもん」
ーーなるほど。
偶に抜けていて、お人好しで、なのに観察眼が鋭い皆川らしい。
「でも皆川が恋愛対象になることはないよ」
「今はそれでもいいよ」
「今はって……」
どうやら相当の自信があるらしい。
本当に、変わってしまった。
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