74 / 102
73
しおりを挟む広瀬和樹。お調子者で計算高くて、運動神経抜群で勉強も出来た。どこにでもいそうで中々見つからない、クラスの人気者。
たった一つ、女癖が悪いところを除けばいい人。
私の好きだった人。
私の、彼氏だった人。
***
好きでなったはずの看護師の仕事を辞めたいと思い始めたのはいつからだろう。仕事だけではない。人生に疲れた、と。そう考えるようになったのはいつからだろう。どこで間違えたのだろう。
付き合っていた彼氏は会えない日が続いた途端に連絡が途絶え、着信拒否。病院の医師からはセクハラ三昧、同僚にはそのセクハラに喜んでいる女だと罵られ嘲笑われる。もう、限界だった。
唯一病院内で味方だったセンパイは結婚したと同時に病院を辞めてしまった。私は一人だ。
こんなんでも看護師だし、なにをどうしたら簡単に死ねるか知っている。病院から薬をパクるのかもいいかもしれない。
そうして準備を着々と進めていた、ある日。
「…高校の……同窓会?」
ポストに投函されていたその葉書に、目が釘付けになってしまった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,418
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる