【完結】25にまつわる奇妙な物語

月見こだま

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25回目のお泊りデート

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 二週間に一度の金曜日。私たちは月に二度だけ会える恋人。
 自宅の最寄り駅からも、職場の最寄り駅からも少し遠いこの駅で私はあなたを待っている。
 服装とメイクもいつもより派手にして。これなら知り合いに見られても気付かれない。

 時計は19時半。約束の時間まであと30分。一度帰宅して、身支度もして、そんな私よりあなたはいつも遅いのよね。私が楽しみで早く来ちゃうだけなんだけど。

「ごめんね、待った?」

 19時50分。彼がさわやかな笑顔で私に駆け寄ってくる。そんな彼を、みんな見ている。誰もが見ほれる程にカッコいい彼。私まで誇らしい気持ちになる。

「5分ぐらいだよ」
「いつも待たせてごめんね?」
「私がいつも早く来ちゃうだけだよ」
「かわいい」

 そう言って抱きしめてくれる彼が大好き。
 大きな背。大きな手。こうして包まれている時の幸福感!
 
「ねえ、お腹空いたね。今日はどこ行く?」
「そうだな~。お酒も飲みたいし」
「じゃあ、今日のホテルでディナーしない?」
「いいね!」
「ラストオーダー20時半だから急がないと」
「ここから近いんだっけ?」
「5分もかからないよ」
「いっぱい飲んでいい?」
「うん、いっぱい飲んで食べてね」

 そう。これから一緒に食べて、飲んで、広いお部屋にお泊り!
 明日の朝にバイバイしないといけないのが寂しいけど、仕方ない。だって彼はとっても忙しいから。
 二週間に一度、私の為に時間を使ってくれるんだもん。贅沢なんて言ったらバチが当たっちゃう。
 だけどね。

 ねえ、私たちが出会って、一年以上経ったよ。

「ふふ、大好き」
「――ありがとう」

 私は彼が大好き。本当は二週間に一度じゃ足りないの。
 今日はお泊りデート25回目なの、知ってる?

 そんな顔しないで。


 不安にさせてごめんね。


 一周年記念はあなたが急用で帰っちゃったから。




 今日こそ、私だけのあなたになってくれるわよね?
 


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