【完結】25にまつわる奇妙な物語

月見こだま

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R250メートル、歩道付近

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 そこは日常的によく使う道。少しきついカーブ。もう慣れたものだ。
 歩道はきちんと整備されているが、歩行者はほぼいない。この道が出来てから、随分助けられた。
 以前のルートだと40分ぐらいかかっていたものが、この道を通ると25分程度まで短縮した。
 仕事にも、遊びにも便利な道だ。

 そんな便利な道なのだが、カーブの頂点に歩道がある。だが、その手前。たまにだが、歩道にさしかかるわずか5メートル手前で、不自然に何かを避ける車を見かける。


 信号待ちをしている時、それを見た。立て続けに、二台の車が何かを避けた。

 やはり歩道の手前。今この時、歩道に人は誰もいない。それも、歩道と車道は縁石でしっかり区切られている。にもかかわらず、センターラインを踏み越えて、何かを避けている。それも、唐突に。

(なにもないんだけどな)

 そうしていると、信号が変わる。青。前の車は左折した。私は赤い軽自動車の後ろについて、真っ直ぐとその道へ進んだ。

 すると、前の車も不自然に何かを避けた。

 私には見えない何か。

 私は避けない。真っ直ぐに――

 ドォン!!

「え!?」

 大きな音がした。何かを跳ね飛ばしたような、重たい音。

 慌ててハンドルを切り、ブレーキを踏む。幸い後ろに車はいない。車を端に寄せ、ハザードランプをつける。
 再度、後続車が来ていないことを確認して車外に出る。
 見えないのではなく、見落としたのかもしれないという恐怖に耳に響くほどの音で心臓が鳴る。

 縁石を乗り上げて、歩道に移動する。音がしたところを確認するが、何もない。血痕も、跳ねた形跡も。続いて車を確認する。もしかするとパンクした音かも知れない。タイヤを見るが、しっかりと空気もあり、パンクしている形跡はない。何かを巻き込んでいるわけでもなさそうだ。
 そして、車体。凹んでもおらず、摺り上げた痕跡もない。
 洗車したばかりで、綺麗に光沢がある黒だ。

「……なんだったんだろう」

 私は首を傾げる。特に何もない。先ほどの音はなんだったのだろう。

 事故であれは届け出ねばならない。けれど、その痕跡がなければ事故にもならない。
 不思議に思いながら、車に戻ろうとした時、後続車が来た。

 車高の低い青の車と、黒のファミリーカーが二台。私の車は邪魔かもしれないが、避けられないことはない。
 私は彼らが通り過ぎるのを車道で待った。

 彼らは二台とも、私の車を避けるために少しセンターラインをはみ出た。



 ドオオオン!!!!


 先ほどより、大きな音が聞こえた。


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