【完結】25にまつわる奇妙な物語

月見こだま

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キリ番踏みました。

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 友人が消えた。
 彼女は、直前まで自分の黒歴史を見ていたというのは知っている。
 一緒に黒歴史探そうと言われたものだから、わたしも自分の過去を見ることになったのだ。
 だからきっと、恥ずかしくて休んでいるだけだ。
 ――想像以上に、かつての自分と触れるのはダメージがあるのだ。
 ――ああ、でも約束したし。
 わたしは、帰宅してパソコンに向かった。やはりログインが出来なくなったそれはまだいた。

「うわわああ、消してぇ……」

 自分が設定したトップ画にもう心が折れた。包帯と鎖は絶対あるけど、どんだけこいつらケガすんだよ、と今になって思う。片目は見えてないし、意味のないところが包帯でぐるぐる巻き。ついでに鎖もあればカッコいいとか思ってた時代が……ありました。
 もう、無理、離脱だと、元のページに戻った。
 すると、新しいホームページが――

(この時代にいっそ勇者化もしれん)

 真黒な背景に、それとはすんなり読めない難しい漢字を組み合わせたサイト名とHN。コンテンツの並べ方も、文言も、懐かしいの一言につきる。
 そんな勇者を応援しよう、と。さっきの自分よりはましかもしれない、と思って、カーソルを持っていく。

 カチッ

 クリックする。すると――

『おめでとうございます! 25番踏みました』

「ええ、25でキリ番してんの? せめて100とかゾロ目とか……」

『おめでとうございます! リクエストの権利が与えられます!』

「リクエストって……」
『ご希望がなければこちらで決めさせていただきます』
「あ、じゃあそれでいっか」

 なんかめんどくさそうだな、キーボードで『お任せします』と打った。
 実際、はじめて訪れたサイトでリクエストというのもおかしな話だ。

「あれ……?」

 カタ、カタ、カ、タ、た、はは、タタッ

 キーボードが勝手に動いた。

『本日は美味しいお肉が手に入ったのでハンバーグに決まりました』

「? そう……」

『久しぶりです』

「よかったね……?」


「踏んでいただきありがとうございました。美味しく料理します」

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