みつめが!

滑空

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炎の女神の憂いの都

炎と未来の世界

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炎の女神は夢を見ない
期待をしない
未来は待ちわびずに創るものである

「はい先生」
期待に満ちた朝焼け色の瞳を輝かせ、女神ミシャネシア水と過去の女神は勢いよく手を上げた
反動で豊満な胸がボールの様に弾み、美しい夜空色シルバーブルーの長髪が星空のように煌めく。
前髪の分け目から飛び出したクセ毛が、好奇心を抑えきれないと主張するように踊っている。
幼い子供の様に身体を前のめりにして、座りながら天高く何度も腕を上げ、話を聞きたいとウズウズしている。
それを心底嫌な顔で見下ろして、女神エフィネシア炎と未来の女神は指示棒をミシャネシアの目の前に向けて言い放った
「質問は受け付けん」
「何故期待しないのだ?」
断ったはずの質問を間髪入れずに突っ込んでくる程、話を聞かない女神やつだと知ってはいたが腹が立つ。
エフィネシアは引くつくこめかみを抑えず、全力で不快感を顕にしながら今度は指示棒でミシャネシアをバシリと叩いた
「あやっ!?」
擬音ともとれる声を上げてミシャネシアは叩かれた額を擦る。
痛い痛いと泣きはじめたミシャネシアを見やり、グリゥネシア大気と現在の竜二神ふたりの間を取り持とうとエフィネシアを宥める
「まぁまぁ、本気で燃えてたらキリがないよ?あ!ほら!私も気になるな~なんて!だって、エフィネシアって人間の男の子に説得されて世界を守る方になったわけじゃない?」
エフィネシアはメソメソ泣き出したミシャネシアからグリゥネシア大気と現在の竜へ視線を落とした。
「えっと、それって期待したからなんじゃないかなって思うんだけど、違ったのかな?何か意外だったんだけど…」
エフィネシアは鋭く燃える緋色の奥に煌めきの色を宿した瞳をグリゥネシアに向けた。
無機質で鉱石じみた機械的な翼を畳み、グリゥネシアを見つめる
「あ!何が意外かっていうとね、ほらエフィネシアって今でも人間嫌いなのに、その男の子の行く末はいつも見守ってるっていうか、気にかけてるっていうか」
グリゥネシアは些か早口で捲し立てた。
気になるのは事実でも、寧ろエフィネシアの意識がミシャネシアに移らないように必死になっている様子だ。
だがエフィネシアは、とっくにミシャネシアの事は頭から離れていたし、今はもっと別の事に意識があった。

「期待などしておらぬ」

哀しみと痛みに挟まれた片割れの星
未来を夢見て期待した者達が滅ぼした我が兄姉
故に
説得などと言う自己満足の演説に付き合う事はない

「これは期待ではない」

安寧が存在するありえるのであれば
それこそ滅びなのだ

「我は今も生命が憎く、この嫌悪も憎悪も消えぬ」

エフィネシアはピシリと指示棒を真っ直ぐ前へ向けて言った。

「消えぬ痛みも憎悪すらも、未来を創る為に呑み込んだ。我は決して生命に屈せぬ。それ故に、未来を期待せずに創るのだ。我が為に」
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