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第一章
一話
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都市の近郊には人力車と路面電車が行き交う。水路の脇には桜の木々が咲き乱れ、水面は桃色の花弁が流れゆく。
活気溢れ賑わう商店街。その一角に鎮座する漢方屋【矢尾板堂】
齢十九となる一人娘の矢尾板菜佳へ、縁談の知らせが届いた。
店の奥座敷にて、菜佳は父を前にし目を丸くする。
「白嵜家との縁談ですか?」
菜佳の父である勇は腕を組み頷く。
「二十四歳の末子だそうだ。どうだ菜佳、いい話じゃないか」
思いもよらぬ縁談に、菜佳の胸は明るく灯った。
白嵜家──この町一番の名家だ。貿易商の家業を担っている。そして矢尾板堂を贔屓にしてもらっていた。
勇は組んだ足に肘を乗せ上半身を倒す。その顔には笑みを浮かべていた。
「聞いて驚くなよ……婿養子にくるんだ!この矢尾板堂を継いでくれるってな」
「まあ!」と菜佳はさらに目を大きく見開く。これほどの良縁はない。
しかし菜佳はふと思う。
「……でも父さん。白嵜の御子息は二人で、どちらも婚姻されていなかった?」
勇は目を泳がせ咳払いをするのだ。
「いやー、それは。ほら、あれだ……三男坊は控えめなんだよ。本家の家業は長子が跡を継ぐというし、末子には下町でのんびり暮らして欲しいんじゃないか?」
父の挙動を不審に思うも、理由はどうであれ婿養子など思ってもないことだ。
(矢尾板堂は白嵜家の後ろ盾があれば安泰。父も喜んでくれる。矢尾板の娘として、ここは──)
矢尾板に子は菜佳のみ。長子がおらぬので家業の存続には婿養子を迎えるしかない。
しかし明治より西洋医学が台頭し、漢方医学は衰退の兆しであった。そのため未来のない漢方屋の婿入りに手を挙げる者がいなかったのだ。
だからこそ、この縁談を断る理由など菜佳にはなかった。
菜佳は皺の入った大きな父の手を握る。それから真っ直ぐに目を見据えるのだ。
「お父さん……このご縁、わたしに務めさせて下さい」
──かくして、菜佳は白嵜家末子との婚姻が決まる。
数日後に夫となる男が矢尾板堂へやってきた。
「白嵜橙司と申します」
暖簾をくぐり抜け現れた男に、菜佳と勇は小さな感嘆の声をあげる。
「これは、これは……立派な方だ」
勇は頭の先からつま先まで橙司を見やる。菜佳も橙司の容姿に目を引かれていた。
淡雪のように白い肌。鉛白の髪色に、琥珀の瞳をもつ。紺色の着流がより青年の色白さを際立たせていた。
(綺麗な人……)
白嵜の人間は皆がこうして肌が白く、髪は鉛白色をしている。それは“妖怪”の血を受け継いだ一族だからだ。
まだ人と妖怪が不和であった平安時代。両族の和平のため、人と妖怪が混ざり合うことになった。
その子孫が<妖族>という。
彼らは妖怪と人間の血を持ち、祖の妖怪の特性を受け継いでいるのだ。それが社会において多大なる利益をもたらし、社会的地位を確立させた。
白嵜の祖は“白蛇”
妖の特性によって類い稀れな目利きの力を得た。それを用いて貿易商では圧倒的な商売嗅覚を発揮している。
(羨ましい限りね)
商家の娘として、その特性を持って生まれたかったと思う。
*****
矢尾板堂の奥。古い井草香る八畳間の座敷にて、橙司は姿勢正しく正座していた。
「それでは後は、お二人さんで」
勇は菜佳と橙司の顔を見比べ、そっと襖を閉めていった。
緊張が走り、静寂が漂う奥座敷。菜佳は畳に指先を揃える。
「白嵜さま、よくお越し下さいました」
それから深々と頭を下げた。
「改めまして、矢尾板菜佳と申します。この度はご縁をいただき、誠に嬉しゅうございます」
菜佳が顔を上げれば、橙司は強張った表情で、ぎこちなくお辞儀をする。
「……こちらこそ、お手数をお掛けしますが、どうぞよろしくお願いいたします」
控えめな声が返ってきた。
(緊張なされているのかしら)
菜佳は不思議に思う。
名家の白嵜家。その御子息だというのだから、さぞ厳格な殿方だろうと想像していた。
しかし橙司は物腰柔らかで腰が低い。笑いもしなければ、引き締めた顔もせず。どこか哀愁漂う青年だ。
菜佳は急須を持ち、空の湯呑みへ注ぐ。淡黄色の茶がそそがれた。
指先が震えながら、湯呑みを橙司の手前へ差し出す。
「こちらは生姜、桂皮、陣皮の茶です。体を温める効能が御座います。お口に合えばよろしいですが」
自身の声が微かに震えてしまう。
橙司は物珍しそうに湯呑みを覗く。「いただきます」と控えめに言うと、湯呑みに口つけた。ひと口飲めば僅かに目が開く。
「これは……美味しいですね」
菜佳は安堵し笑顔を咲かす。
「それは良かったです!体の冷えに良く効きますから、うちは春や冬になると飲むのですよ」
「……なるほど。日頃から生薬を飲んでいるのですね。流石は漢方屋といったところでしょうか」
ふと橙司の表情が緩んだように感じた。
障子窓の向こうから春の陽気が差し込み。人々の喧騒が聞こえてくる。
「ここは賑やかですね。女学生の話し声や、子供たちが走りまわる声が聞こえてきます」
橙司がそういうので、菜佳は耳を澄ませてみる。
「………」
だが聞こえてくるのは騒めきだけ。橙司が言うように誰の声なのか、なにを話しているのかまでは聞き取れない。
(妖族だから耳がいいのね。わたしが聞こえない声も聞こえているんだわ)
茶を啜る橙司へ菜佳はたずねる。
「他になにが聞こえますか?」
橙司はきょとんとするも、瞼を閉じて耳を澄ます。菜佳は生きを殺すように鎮まり、橙司の顔をじっと見つめた。
「……女学生が喫茶店へ行こうと話しています。子供たちは笑い、ご婦人たちは夫や我が子の話で盛り上がり……それから人力車が走る音、雀の鳴く声……」
そこまで聞き分けられるのかと菜佳は関心した。橙司はそっと瞼を開ける。
「本当に妖族の方は耳が良いのですね。鼻や目も良いと聞きます。道の先も見えますの?」
菜佳が聞けば橙司は頷く。
「人より長く先まで見えますよ。いまは……菜佳さんの顔がよく見えますね」
琥珀色の瞳がこちらを見つめている。柔らかく目元を細め、温かな眼差しが向けられた。菜佳は頬を染めると顔を俯けてしまう。
「お、お茶を……もう一杯どうぞ」
菜佳は急須を持ちあげ湯呑みへそそごうとする。
と、そのとき──
「いいかな、お二人さん」
勇の声とともに襖が開けられた。
「ひゃっ!」
菜佳の体はびくりと跳ねる。急須でそそぐ茶が湯呑みから外れ、畳を濡らしてしまった。
「ありゃ、これはいけねぇ」
勇が座敷へ入ってくる。
「ご、ごめんなさい……!」
慌てて菜佳は布巾で畳を拭いた。けれど茶は畳に染み込んでしまい、その一部が色濃く変色してしまう。
(最悪だ……)
菜佳は耳の端まで赤くし、唇を噛み締めた。とんだ恥を晒してしまった。
「申し訳ねぇ、橙司くん」
謝る勇に橙司は「いいえ」と返している。菜佳の視界に橙司の顔が映り込んだ。
「大丈夫ですか。手は火傷をされませんでしたか」
気遣うように柔らかな声。菜佳は湿った布巾を握りしめながら、そっと頭を持ち上げた。
「……白嵜さまの前でとんだ粗相を……申し訳ありません」
「いいんですよ。怪我がないのなら良かった」
橙司は目を細めた。緊張が解れたような柔らかな表情だ。
(今日、初めて見る顔だわ)
橙司はお盆に湯呑みと急須を並べ、それを持ち上げる。勇は「ありがとうございます。すみませんね、最後まで」と橙司から盆を受け取っていた。
*****
菜佳は初顔合わせを終え、橙司の背中を父と見送る。父の隣でひとつ息を吐いた。
「……不思議な人。妖族の方だと言うのに、わたしの粗相に嫌な顔ひとつしなかった。それどころか、自ら盆を運ぶだなんて」
怪訝な顔をする菜佳の横で、勇はなぜか嬉しそうにいていた。
「いい坊ちゃんじゃねえか。白蛇様が婿に来てくれるんだ。ありがてぇよ」
そうして拝むように手を合わせ、勇は橙司の背に一礼するのだ。
菜佳は変わった旦那様を迎えたと、遠のく背中を見つめていた。
活気溢れ賑わう商店街。その一角に鎮座する漢方屋【矢尾板堂】
齢十九となる一人娘の矢尾板菜佳へ、縁談の知らせが届いた。
店の奥座敷にて、菜佳は父を前にし目を丸くする。
「白嵜家との縁談ですか?」
菜佳の父である勇は腕を組み頷く。
「二十四歳の末子だそうだ。どうだ菜佳、いい話じゃないか」
思いもよらぬ縁談に、菜佳の胸は明るく灯った。
白嵜家──この町一番の名家だ。貿易商の家業を担っている。そして矢尾板堂を贔屓にしてもらっていた。
勇は組んだ足に肘を乗せ上半身を倒す。その顔には笑みを浮かべていた。
「聞いて驚くなよ……婿養子にくるんだ!この矢尾板堂を継いでくれるってな」
「まあ!」と菜佳はさらに目を大きく見開く。これほどの良縁はない。
しかし菜佳はふと思う。
「……でも父さん。白嵜の御子息は二人で、どちらも婚姻されていなかった?」
勇は目を泳がせ咳払いをするのだ。
「いやー、それは。ほら、あれだ……三男坊は控えめなんだよ。本家の家業は長子が跡を継ぐというし、末子には下町でのんびり暮らして欲しいんじゃないか?」
父の挙動を不審に思うも、理由はどうであれ婿養子など思ってもないことだ。
(矢尾板堂は白嵜家の後ろ盾があれば安泰。父も喜んでくれる。矢尾板の娘として、ここは──)
矢尾板に子は菜佳のみ。長子がおらぬので家業の存続には婿養子を迎えるしかない。
しかし明治より西洋医学が台頭し、漢方医学は衰退の兆しであった。そのため未来のない漢方屋の婿入りに手を挙げる者がいなかったのだ。
だからこそ、この縁談を断る理由など菜佳にはなかった。
菜佳は皺の入った大きな父の手を握る。それから真っ直ぐに目を見据えるのだ。
「お父さん……このご縁、わたしに務めさせて下さい」
──かくして、菜佳は白嵜家末子との婚姻が決まる。
数日後に夫となる男が矢尾板堂へやってきた。
「白嵜橙司と申します」
暖簾をくぐり抜け現れた男に、菜佳と勇は小さな感嘆の声をあげる。
「これは、これは……立派な方だ」
勇は頭の先からつま先まで橙司を見やる。菜佳も橙司の容姿に目を引かれていた。
淡雪のように白い肌。鉛白の髪色に、琥珀の瞳をもつ。紺色の着流がより青年の色白さを際立たせていた。
(綺麗な人……)
白嵜の人間は皆がこうして肌が白く、髪は鉛白色をしている。それは“妖怪”の血を受け継いだ一族だからだ。
まだ人と妖怪が不和であった平安時代。両族の和平のため、人と妖怪が混ざり合うことになった。
その子孫が<妖族>という。
彼らは妖怪と人間の血を持ち、祖の妖怪の特性を受け継いでいるのだ。それが社会において多大なる利益をもたらし、社会的地位を確立させた。
白嵜の祖は“白蛇”
妖の特性によって類い稀れな目利きの力を得た。それを用いて貿易商では圧倒的な商売嗅覚を発揮している。
(羨ましい限りね)
商家の娘として、その特性を持って生まれたかったと思う。
*****
矢尾板堂の奥。古い井草香る八畳間の座敷にて、橙司は姿勢正しく正座していた。
「それでは後は、お二人さんで」
勇は菜佳と橙司の顔を見比べ、そっと襖を閉めていった。
緊張が走り、静寂が漂う奥座敷。菜佳は畳に指先を揃える。
「白嵜さま、よくお越し下さいました」
それから深々と頭を下げた。
「改めまして、矢尾板菜佳と申します。この度はご縁をいただき、誠に嬉しゅうございます」
菜佳が顔を上げれば、橙司は強張った表情で、ぎこちなくお辞儀をする。
「……こちらこそ、お手数をお掛けしますが、どうぞよろしくお願いいたします」
控えめな声が返ってきた。
(緊張なされているのかしら)
菜佳は不思議に思う。
名家の白嵜家。その御子息だというのだから、さぞ厳格な殿方だろうと想像していた。
しかし橙司は物腰柔らかで腰が低い。笑いもしなければ、引き締めた顔もせず。どこか哀愁漂う青年だ。
菜佳は急須を持ち、空の湯呑みへ注ぐ。淡黄色の茶がそそがれた。
指先が震えながら、湯呑みを橙司の手前へ差し出す。
「こちらは生姜、桂皮、陣皮の茶です。体を温める効能が御座います。お口に合えばよろしいですが」
自身の声が微かに震えてしまう。
橙司は物珍しそうに湯呑みを覗く。「いただきます」と控えめに言うと、湯呑みに口つけた。ひと口飲めば僅かに目が開く。
「これは……美味しいですね」
菜佳は安堵し笑顔を咲かす。
「それは良かったです!体の冷えに良く効きますから、うちは春や冬になると飲むのですよ」
「……なるほど。日頃から生薬を飲んでいるのですね。流石は漢方屋といったところでしょうか」
ふと橙司の表情が緩んだように感じた。
障子窓の向こうから春の陽気が差し込み。人々の喧騒が聞こえてくる。
「ここは賑やかですね。女学生の話し声や、子供たちが走りまわる声が聞こえてきます」
橙司がそういうので、菜佳は耳を澄ませてみる。
「………」
だが聞こえてくるのは騒めきだけ。橙司が言うように誰の声なのか、なにを話しているのかまでは聞き取れない。
(妖族だから耳がいいのね。わたしが聞こえない声も聞こえているんだわ)
茶を啜る橙司へ菜佳はたずねる。
「他になにが聞こえますか?」
橙司はきょとんとするも、瞼を閉じて耳を澄ます。菜佳は生きを殺すように鎮まり、橙司の顔をじっと見つめた。
「……女学生が喫茶店へ行こうと話しています。子供たちは笑い、ご婦人たちは夫や我が子の話で盛り上がり……それから人力車が走る音、雀の鳴く声……」
そこまで聞き分けられるのかと菜佳は関心した。橙司はそっと瞼を開ける。
「本当に妖族の方は耳が良いのですね。鼻や目も良いと聞きます。道の先も見えますの?」
菜佳が聞けば橙司は頷く。
「人より長く先まで見えますよ。いまは……菜佳さんの顔がよく見えますね」
琥珀色の瞳がこちらを見つめている。柔らかく目元を細め、温かな眼差しが向けられた。菜佳は頬を染めると顔を俯けてしまう。
「お、お茶を……もう一杯どうぞ」
菜佳は急須を持ちあげ湯呑みへそそごうとする。
と、そのとき──
「いいかな、お二人さん」
勇の声とともに襖が開けられた。
「ひゃっ!」
菜佳の体はびくりと跳ねる。急須でそそぐ茶が湯呑みから外れ、畳を濡らしてしまった。
「ありゃ、これはいけねぇ」
勇が座敷へ入ってくる。
「ご、ごめんなさい……!」
慌てて菜佳は布巾で畳を拭いた。けれど茶は畳に染み込んでしまい、その一部が色濃く変色してしまう。
(最悪だ……)
菜佳は耳の端まで赤くし、唇を噛み締めた。とんだ恥を晒してしまった。
「申し訳ねぇ、橙司くん」
謝る勇に橙司は「いいえ」と返している。菜佳の視界に橙司の顔が映り込んだ。
「大丈夫ですか。手は火傷をされませんでしたか」
気遣うように柔らかな声。菜佳は湿った布巾を握りしめながら、そっと頭を持ち上げた。
「……白嵜さまの前でとんだ粗相を……申し訳ありません」
「いいんですよ。怪我がないのなら良かった」
橙司は目を細めた。緊張が解れたような柔らかな表情だ。
(今日、初めて見る顔だわ)
橙司はお盆に湯呑みと急須を並べ、それを持ち上げる。勇は「ありがとうございます。すみませんね、最後まで」と橙司から盆を受け取っていた。
*****
菜佳は初顔合わせを終え、橙司の背中を父と見送る。父の隣でひとつ息を吐いた。
「……不思議な人。妖族の方だと言うのに、わたしの粗相に嫌な顔ひとつしなかった。それどころか、自ら盆を運ぶだなんて」
怪訝な顔をする菜佳の横で、勇はなぜか嬉しそうにいていた。
「いい坊ちゃんじゃねえか。白蛇様が婿に来てくれるんだ。ありがてぇよ」
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