寡黙な男はモテるのだ!……多分

しょうわな人

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島国ヤパン

幕間【トウリとして】

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 津の島まで飛んだ4人は着いて早々に宿に入り、今後の打合せをしていた。

「センジ、オリョウはヒヨリの伯父夫婦という事でいいな。俺の名はこれよりトウリだ。残りの人生はトウリという名で過ごす。2度目の元服げんぷくの気分だな」

 笑いながらトウチカ改めトウリがそう言うと、センジとオリョウもにこやかに返事をした。

「おめでとうございます、トウリ様」
「これからもよろしくお願いしますね」

「待て待て、様はおかしいだろう? 普通に呼び捨てにしてくれ」

 トウリがそう言うが、2人は首を横に振る。

「いえ、それは出来ませぬ。我ら2人はヒヨリの伯父伯母。ヒヨリは呼び捨てにしますが、トウリ様は呼び捨てには出来ませぬ。我ら夫婦の大恩あるお方のご子息という事に致しましょうぞ」

「それはいいね、お前さん。人に聞かれればそう答えると不審がられる事も無いし。私も賛成だよ。ヒヨリもそのつもりでね」

 センジ、オリョウ夫婦にそう言われたヒヨリが気軽に

「あいよ、伯父さん、伯母さん。分かったよ」

 と言うとセンジはともかくオリョウの目がつり上がった。

「ヒヨリ…… 私を呼ぶ時はオリョウさんだよ…… わかったかい?」

 と殺気も伴って言われたヒヨリは

「ヤ、ヤダなぁオリョウさん。ほんの冗談じゃないかい…… 分かってるって」

 と怖じ気て冷や汗を垂らしながら訂正していた。

「まあ、2人とも仲良くな。俺としても伯母と姪の仲が悪いのは都合が悪いからな」

「大丈夫ですよ、トウリ様。もちろん仲良くしますよ」(オリョウ)
「勿論だよ、お前さん。私とオリョウさんは冗談を言い合う仲なんだから」(ヒヨリ)

 トウリに言われた2人は機嫌を治してそう言うのだった。

「それで、トウリ様。どう動きますか?」

 落ち着いたのを見てセンジがトウリにそう聞くと、

「うん、それなんだが明日には大陸に飛ぼうと思っている。センジ、行けるか?」

 トウリがそう答え、問われたセンジは、

「勿論、大丈夫ですぜ。但しナニワサカイ国までは無理です。大陸の東端、ティーワク国になります。ティーワク国で1日休めばナニワサカイ国まで飛べますぜ」

 そう返事をした。センジの韋駄天は他の者の転移と違い、およそ70kmの距離を飛べるが、その能力は1日に1度が限度なのだ。
 聞いたトウリはならばと言う。

「無理をさせるが、その行程で頼む、センジ。ナニワサカイ国に入ったらキノクーニャ屋に行き俺の素性も含めて全てを正直に言おうと思っている。そして、これからはトウリとして生きていく事もな…… それでキノクーニャ屋やナニワサカイ国の王族に命を狙われてしまってもしょうがないが、その時にはセンジにまた頼る事になると思う。違う国に行き、4人で力を合わせて静かに生きて行こう」

 トウリの決意に3人は従うように頷いたのだった。
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