俺のスキルが無だった件

しょうわな人

文字の大きさ
35 / 92

憑依されてる件

しおりを挟む
 地下二階に進んだ女性陣とエーメイ。

 エーメイがここでの注意事項を言う。

「この地下二階ではリンガ共より女性に対してイヤらしい奴らが居るんじゃ。そう、皆もよく知る小コンセイと大コンセイじゃあ! 奴らは女性に対して魅了の力を持っておる。だが、今の皆のレベルであれば、小コンセイの魅了は跳ね返す事が出来るじゃろう。ただし、大コンセイのは分からん! じゃからよーく注意して進んで、大コンセイのエリアに入る前に小コンセイで耐性を養うんじゃ」

 エーメイがそう言った傍から小コンセイが現れた。だが振り向き様に大剣を振ったエーメイにあっさり両断された。

「まだワシの話の途中じゃろうが! 邪魔するな!」

 振り向き様にエーメイが振った剣は小コンセイに届いていなかったが、剣を振った事による衝撃波が飛び小コンセイを両断した。それを何事もなかったかのように話を続けるエーメイ。

「そこでじゃ、皆には」

「「「「イヤイヤイヤイヤ!」」」」
 
 ツキミとフィオナ以外の女性から突っ込みが入る。不思議そうに女性達を見るエーメイとツキミとフィオナ。

「えっと、何かありましたか? 皆さん」

 フィオナが代表して皆に聞く。

「イヤ、フィオナさんも見たよね。お義父とうさんの剣が届いてないのに小コンセイを両断したのを!」

 エルがそう言うと、ツキミが返事をする。

「それが何か?」

 当たり前の事を何を聞いているんだという風なツキミの返事にサヤが突っ込む。

「ツキミさん、それが何かじゃないです。スキルや魔法の発動もなく剣風だけで両断するなんて、今まで見た事がないです!」

 サヤの突っ込みにフィオナが返答する。

「サヤさん、皆さんも。ご存知なかったですか? エーメイは剣を振った事による衝撃波でワイバーンも倒しますよ」

 続けてエーメイ自身が言った。

「いや、すまんのう。驚かせてしまったか。ワシの剣技は初めて見た人は大抵驚くからのう。ツキミやセレちゃんには幾度か見せた事があったもんじゃから······」

「エーメイ様、あの邪竜クワゼーロを退治された噂は本当なのですか?」

 アカネがエーメイに尋ねた。

「おお、あの大きな蛇な。アレなら確かにワシとS級冒険者のパーティーで退治したぞ。ワシの名前は伏せておくように冒険者ギルドと冒険者達には言っておったが、噂になっておったか······」

「はい、私達家族はそのS級冒険者の人達と交流がありまして、その時にエーメイ様の名前は出てこなかったのですが、恐ろしく強い人に助けてもらったとおっしゃっていたので。その技を聞いた時にはそんな事が出来る筈はないと半信半疑でしたが、今実際に目の当たりにしました」

「ワシに惚れたかの~、アカネちゃん?」

 調子にのってそう言うエーメイ。

「クス、私はこの場に居ないので言わせていただきますが、夫ケンジに心底惚れておりますので、エーメイ様には尊敬の念しかございません」

 キッパリそう言われ落ち込むエーメイ。しかし、気を取り直したのか、ここで宣言をした。

「よし、この地下二階はワシが殲滅しよう。皆は後ろで見ていてくれ!」

「「「「「「イヤイヤ!」」」」」」

 さすがに突っ込みを入れる女性達だが、エーメイは無視して先を進み始めた。それはまるで道を予め知っているかのように。

 仕方なく後を着いていく女性達。小コンセイのエリアを抜け、大コンセイのエリアに入り暫く進んだ所でツキミが言った。

「あなた、そちらは地下三階への階段の方向じゃないです。ここを左に行かないと階段には行けません」

「この道で良いんじゃ、ツキミよ。この階のコンセイを殲滅するにはこちらに行かねばならん」

 エーメイはそう言ってずんずん先へと進む。納得は行かないが着いていく女性達。
 そして、前方に巨大な扉が見えてきた。その前で立ち止まり、喋り出すエーメイ。

「ここじゃ! この扉の中に地下二階の、いやこの洞窟の全てを牛耳る魔物、【金精《コンセイ》様】がおられる!」

 そう言って扉を開けて中に入るエーメイとそれに続く女性達。中は三十メートル四方の部屋で、一番奥に男根を模したような金色に輝く巨大な像がある。そちらに向かって歩いて近づく一行。
 その時に、アカネがエーメイの【おられる】という言い方に引っ掛かりを感じて、イヤな予感がしていたので、わざと開けていたのだが、その扉が静かに閉まった······



【ここからトウジ視点】
 俺達はようやく地下二階にたどり着いた。地下三階では倒した魔物はまだ復活してないようで、打ち漏らした魔物が数匹出てきただけだったので、それほど苦労はしなかった。チーズーさんの案内で、進んで最短ルートをとっているのだが、露払いもテリャーさん、バーグさん、チーズーさん、マクド君がしてくれてるので、俺は簡単に自分のステータスを確認しておいた。

 帰って落ち着いて見れば良かった······。気になるスキルが生えていたのだが、今は早く洞窟を出ようという事で、皆が先を急ぐ。

 俺はLvが上がった無謬を使って地下二階を見てみた。無謬は鑑定だけではなく、その効果範囲にいる自分の親しい者や敵対する者、等が分かるようになっていた。すると、女性達がまだ地下二階に居ることを知る。そこで俺はケンジさんとエイダスに声をかけた。

「エイダス、ケンジさん、女性達はまだこの地下二階にいるみたいだ。俺がちょっと様子を見に行ってくるから、二人はユウヤとナッツンと一緒にこのまま洞窟を出るまであの四人についてやっててくれるかな?」

「ああ、それは良いが何故トウジにはこの階にまだいると分かるんだ?」

 エイダスから疑問の声が出た。俺が説明しようとしたら、ケンジさんが喋りだした。

「トウジ、アカネもそこにいるなら大丈夫だぞ。大抵の事はアカネが対処出来るからな。それに死の危険がある場合には天運が働くからな。更にエーメイのオッサンもついてるだろうから、大丈夫だと思うけどな」

 俺はそう聞いたが、先程言いかけた言葉と共に返事をする。

「エイダス、スキルのLvが上がったら分かるようになったんだ。効果範囲内の敵味方の位置が分かる。ケンジさん、その場所に皆に死の危険は無さそうだけど、何かイヤな感じがするから迎えに行こうと思いまして。俺一人の方が移動も早いですし、イザとなれば皆を敵に知られない様に逃がす事も可能ですから。それに、エーメイさんが俺のスキルでは居ないんですよね。何かあったのかも知れません」

 俺がそう言うとケンジさんは、心配そうに言い出した。

「俺の大事な家族をほっぽりだして何をしてるんだ、エーメイのオッサンは?」

「それを確認するためにもちょっと様子を見てきますよ」

「よし、トウジ。こっちは任せてくれ。エルや他の皆を頼むぞ」

 エイダスの返事に片手を上げてから、皆と別れて道を進んだ。






 その頃、金精《コンセイ》様を前にしたエーメイは女性達に激を飛ばす。

「皆、油断をせずに総攻撃じゃ! 金精コンセイ様のこのお体を壊してしまうのじゃ!」

 言い方に引っ掛かりはあるが、それに従う女性達。アカネはまず皆に防御魔法を唱えた。

「白き守りの障壁よ、皆の盾となれ! 【聖障壁ホーリーバリア】!」

 女性達を白い光が包む。それを待って、マコトが先陣を切って攻撃した。

「輝く王の猛る剣よ! 敵を打ち砕け! 【剣打乱舞ダンスドゥクープドッエペ】!」

 マコトの魔法が直撃した金精コンセイ様は、ピンク色の煙を出して辺りに広げた。それを見たエーメイがいう。

「効いておるぞ! ドンドン行けい!」

 女性達は煙を吸っても体に影響が出なかったので、次々と攻撃を当てて行く。

 戦闘が始まって十五分。辺り一面に広がるピンクの煙の中、遂に金精コンセイ様が壊れた。
 反撃がなかったので、女性達の攻撃の全てが直撃していたので、十五分かかったのは長すぎる位だった。
 そして、エーメイの雰囲気が一変した。

「グフフフ、我が封印を解いてくれて有り難う。花嫁達よ」

 エーメイの言葉に疑問を感じながら、アカネがいう。

「エーメイ様、一体何をおっしゃっているのですか?」

「グフフフ、気づかぬか? エーメイはおらぬ。我が依り代になってもらったのでな。さて、我も久しぶりの肉体を得て逸っておる。それ、その様な物騒な物を脱ぎ捨てて、我に奉仕せよ」

 エーメイの口からその言葉が出ると同時にエーメイが光り輝き、全裸になる。それを見た女性達は抗いがたい官能の波を体に感じてしまう。

 そして、まずはツキミが装備を解きはじめ、フィオナが続こうとしていた。それを見たサヤが叫ぶ。

「ツキミさん! フィオナさん! くっ、何なのこのイヤらしい波は······」

 エーメイの肉体を乗っ取った何かは言う。

「無駄じゃ。我の艶煙エンエンをアレほど吸い込んだのじゃ。耐えられるモノではない。さあ、無駄な抵抗は止めて、官能の波に身を任すのじゃ」

 そこにトウジがやって来た。進化した無色、【無在】を使用して存在を消して。

 トウジは一目見てエーメイがエーメイじゃなくなっていることに気付きながらも、ツキミとフィオナの下着姿に興奮していた······

 男のさがだからね~……

しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写はすべて架空です。

通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~

日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!  斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。  偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。 「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」  選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...