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第17稿

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「そんなに言ってもらって正直嬉しいけど、お客さんこそ、続けるべきですよ。ギターはどうか分からないけど、ボーカルは最高です。今まで、出会ったボーカルの中でダントツですよ。そもそもバンドやってる奴で、メジャー志向強い奴程、ボーカルの存在ってデカくなって来るんです。インストロメンタルなんて限界ありますから。ギターは練習すればある程度は弾けるようになるけど、歌は持って生まれた声が左右する。もっと言えば、骨格とか咽とか鼻の形とか、この世に同じものはないんですよ。歌を歌うことを運命で決められたような奴しかプロになれないんですよ。その声をあなたは持ってるんです。だから凄いボーカリストに出会えた時って、俺なんかは、すぐに“あっこいつとやりたい”とか、“こいつとなら、プロになれる”かもって。お客さんもギタリストだったなら分かるでしょ。感覚で。こいつの声の隣で、本気のギター掻き鳴らしたいって思えたらマジ最高だって」
「そりゃまあ、確かに思うこともあったけど、バンドは全体のバランスだし、結局はハーモニーだし」
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