異世界エロ文房具小説家

ぶりーき

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第2章

08 族長ガチ勢

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ふてぶてしいウィルさんが畏まっている。
多分こんなところでBL本読んだらタコ殴りになるのではないかと…

「アンタが族長~?」絡むなよカラカラちゃん。
「ほほっ、魔族が訪れるのは久しぶりじゃて、ウィルよ」族長は威厳たっぷりだ。
「低俗な悪魔を引き連れてきてしまい申し訳ありません。しかし、ドワーフ族のお力をお借りしたいのです。またおそらくドワーフ族にも利益があることのため馳せ参じました。」ウィルさんがのたまう。

「ほほっ、悪魔が交渉しよるわい」族長らしくするどい。
「族長に渡して下さい。ズーコさん」何を言い出すウィルさん、この緊張した場で私の日記を!!地下牢にいれられるヤツやん。
「嫌です。」
「ほほっ、断られたぞウィル」あごひげを触りながら族長はこちらを見ている。
「こちらのサキュバスは、イドズーコ。マナの可能性を広げるかもしれない悪魔です。」
「マナの可能性とな」
「そうだぞ~、カラカラちゃんが見つけたんだからね~。ズーコは凄いんだぞ~。」カラカラちゃん酒臭い。

「お嬢さん、読ませてはもらえんじゃろか」ロマンスグレーオジサマに言われたら私イチコロの言葉にクラッとした。
「族長様には気分を害されないか心配です。」私はビビりながら申し上げた。
「よいよい。なんでも経験じゃて」さすが族長、器がデカい。
「怖れながら献上します。」 
うやうやしく私はまさかの私のBL日記を差し出した。

族長は黙って私のBL日記を読みだされた。まさか私の性癖を位の高い人に読まれる日が来るなんて、生暖かい遠い目になりながら族長を待っていた。

「ふぅ」族長は息をつかれた。殺されそうかな私達。
「……!!」細い族長の目が開かれた。
「感動した。」……ハァ!?
「漢同士の熱い友情、そしてそこにながれる愛。素晴らしい仕事をしなさったなお嬢さん。」きゃヤダー
「この文房具?という道具同士の話はよくわからないが、物に命があるという考え方を精霊以外から教わるとは思わなんだ。」なんだか高評価。良かった~地下牢行きじゃなくて。

「それで あの~族長様、男同士の衆道なんて大丈夫なのですか?」
「お嬢さんは知らんのかな?我々ドワーフは愛に男も女も関係ないんじゃ。精霊じゃからな。深い愛はドワーフに置いては良い仕事につながるから、むしろ推奨しとるんじゃ」
なんですと!!ドワーフはガチ勢だったのか!!これはメモして置かねば!!


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ぶりーき


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