30 / 86
第3章 夢の未来
30話 ライブ開始
しおりを挟む
ユメノミライのライブの列整理を始めて30分、長身イケメンの外国人という事でウィリアムさんの周りに少し人が集まっており、それに巻き込まれて状態で俺達2人は数少ない女性ファンに囲まれていた。
「いや、だから何度も言っていますけど、写真などは困ります」
「コマリマス」
俺とウィリアムさんがお客様に詰め寄られて困っていて、海斗さんに助けを求めようと海斗さんの方を見ると、何と列整理もせずに木陰に腰掛けて休んでいる様子が見てとれた。
いや海斗さんせめて仕事はしろよ!
そんなこんなでその後も海斗さんは一向に仕事をしようとせず、俺は顔のせいでまた問題が起きると面倒だと思ったので、顔が見えないほど帽子を深く被りながら1人で3人分の仕事をし、ウィリアムさんはその後も何度も女性客に声をかけられ続けて使い物にならなかった。
そうして俺が1人で仕事を回していると、あっという間に時間は過ぎライブ会場が開きゆっくりだが客も会場内に入って行き、俺たち3人もそれに続く様にと会場の中へと入っていった。
会場に入る際に俺はウィリアムさんに、流石に会場内であんな事を起こされたら流石に迷惑なので、帽子を深く被る様にお願いした。
そうして会場の中に入った俺達3人なのだが、やはりというか案の定と言うか、海斗さんは早々に俺達の持ち場に着いた途端壁際に移動すると、そこでしゃがみ込みスマホをいじり始めた。
流石にバイトとは言えお金が入ってくる以上、俺たちが今やっているのは歴とした仕事だ。
それを堂々とサボるのは流石に俺も見過ごせなかったので、海斗さんに仕事をする様に言ったところ、海斗さんは静かにチッと舌打ちをしてその場から立ち上がり、その辺を適当に歩き始めた。
それを見て俺はようやくやる気を出してくれたのかと感心したのも束の間、俺から少し離れた場所に移動した海斗さんは先ほど同様に、壁際に移動するとその場でしゃがみ込みスマホをいじり始めた。
流石の俺もこれにはムカつき、こう言う輩はいくら言ったところで無駄な事は、自分のリスナーを見ていてわかっているので、バイト終わりに警備長に告げ口をする為の証拠の為に、俺はバイト中に堂々とスマホをいじりながらサボっている海斗さんの姿を、自分のプライベート用のスマホで撮影した。
その様子を見て何をしているのか気になったウィリアムさんが俺に声をかけて来た。
「夏さんナニをしてるんデスか?」
「ああ、後で警備長に海斗さんが仕事もせずにサボってたことを告げ口する為の証拠集めですかね」
「オー!それはナイスなアイデアですね!」
そう言うとウィリアムさんも自分のスマホで、サボっている海斗さんの姿を撮影し始めた。
そうしてその後も海斗さんは堂々とサボり続け、俺とウィリアムさんで海斗さんの分も見回りを続け、そしてついにその時はやって来た。
◯
先ほどまで明るかった会場の電気は一気に消え、周りは真っ暗の暗闇に包まれた。
だが、それに恐怖するものなどこの場に1人もいなかった、逆に会場は電気が消える前まではあったちょっとした喧騒も無くなり、この場はしんと静まり返った。
だがその静寂も長くは続かなかった。
暗闇と静寂が支配する会場の真ん中で、この会場にいるものなら何度も聞いたことのある、ユメノミライが始めて出したオリジナル曲『夢と未来』のイントロと共に、会場の真ん中に設置されている機器により、見覚えのある6人のアイドル衣装を見に纏った姿が映し出されると共に、先ほどの静けさは何処へいったのかと思ってしまうほどの歓声で会場は溢れかえっていた。
「カネコちゃーん!!」
もちろん俺の横にいる長身イケメンで制服を着込んだ男性も、他の客に負けじと自分の推しの名前と、何処からか取り出したのかわからないサイリウムを両手に持って、今がバイト中と言うことも忘れて盛り上がっていた。
まぁこのライブを見にわざわざアメリカから日本にやって来たんだ、流石にずっととはいかないが今は特に問題も起こってないし、ウィリアムさんの分も俺が周りを警戒していれば大丈夫だろうと思い、俺は軽くみんなの頑張っている姿を見て、自然と笑みを浮かべながら不審な動きをしている人はいないかと周りの監視を始めた。
その際ついでに海斗さんの様子も見にいったのだが、ライブが始まっても尚仕事をするでもなく、今までと変わらずスマホをいじり続けていた。
その様子に俺は怒りを超えて呆れ果ててしまった。
◯
「みんなー!今日は私達の初ライブを見に来てくれてありがとう!」
一曲目の『夢と未来』を一期生と二期生全員で歌い終えると、一旦キラメを除いた他のメンバーが画面?と言うかホログラムと言うか、どう言う原理で映し出されているのかわからないが、舞台の上から手を振りながら消えていった。
そして舞台の上に1人残されたアイドル衣装の星野キラメがそう言うと、その様ず周りで見守っていたユメノミライのファン達は一斉に各々が、その問いかけに思い思いの返信を返した。
「わーみんな応援ありがとう!それじゃあそろそろ時間だから次の曲いってみよう!」
キラメがそう言って握り込んだ手を上に勢いよく振り上げた瞬間、舞台の上に勢いよく黙々と白い煙が立ち込めるとキラメの姿は見えなくなり、その次の瞬間爆音と共に俺を除いた一期生全員が再度登場して歌を歌い始めた。
◯
その後も色々なメンバーが様々なコンビで歌ったりしたりしており、その中でこの前まで喧嘩していたノマドとミリーが仲良さそうに歌っているところを見て、俺は2人がしっかりと仲直りできていることに安心した。
そんなこんなで俺もウィリアムさんと同様に途中から、今がバイト中だったと言うことを忘れライブを楽しんでいた。
そうしてライブを純粋に楽しみ始めて約30分後、ライブでは今は歌ではなくMCパートに入っており、メンバー達が楽しそうにいつもの配信の様に話しているところで、俺はようやく今自分がバイト中だった事を思い出した。
……やっちまった!普通にすごかったから純粋にライブを楽しんでしまった!
そんな事を考えながらも俺は自分がライブにかまけて周りの監視を怠った内に、なにも問題が起きていないかを確認するために急いで、自分達が任されている担当エリアをぐるりと一周した。
そこではさっきまでの自分と同様に周りの目も気にせず、ライブを純粋に一生懸命応援しながら楽しんでいる大きなお友達が多くおり、特段不審な動きをしている客の姿もなかったので、俺はホッと一息ついてからウィリアムさんの所に、そろそろしっかりと仕事をする様に伝えにもといた場所に戻っている所で、俺は一つの違和感を覚えた。
「あれ?海斗さんは?」
「いや、だから何度も言っていますけど、写真などは困ります」
「コマリマス」
俺とウィリアムさんがお客様に詰め寄られて困っていて、海斗さんに助けを求めようと海斗さんの方を見ると、何と列整理もせずに木陰に腰掛けて休んでいる様子が見てとれた。
いや海斗さんせめて仕事はしろよ!
そんなこんなでその後も海斗さんは一向に仕事をしようとせず、俺は顔のせいでまた問題が起きると面倒だと思ったので、顔が見えないほど帽子を深く被りながら1人で3人分の仕事をし、ウィリアムさんはその後も何度も女性客に声をかけられ続けて使い物にならなかった。
そうして俺が1人で仕事を回していると、あっという間に時間は過ぎライブ会場が開きゆっくりだが客も会場内に入って行き、俺たち3人もそれに続く様にと会場の中へと入っていった。
会場に入る際に俺はウィリアムさんに、流石に会場内であんな事を起こされたら流石に迷惑なので、帽子を深く被る様にお願いした。
そうして会場の中に入った俺達3人なのだが、やはりというか案の定と言うか、海斗さんは早々に俺達の持ち場に着いた途端壁際に移動すると、そこでしゃがみ込みスマホをいじり始めた。
流石にバイトとは言えお金が入ってくる以上、俺たちが今やっているのは歴とした仕事だ。
それを堂々とサボるのは流石に俺も見過ごせなかったので、海斗さんに仕事をする様に言ったところ、海斗さんは静かにチッと舌打ちをしてその場から立ち上がり、その辺を適当に歩き始めた。
それを見て俺はようやくやる気を出してくれたのかと感心したのも束の間、俺から少し離れた場所に移動した海斗さんは先ほど同様に、壁際に移動するとその場でしゃがみ込みスマホをいじり始めた。
流石の俺もこれにはムカつき、こう言う輩はいくら言ったところで無駄な事は、自分のリスナーを見ていてわかっているので、バイト終わりに警備長に告げ口をする為の証拠の為に、俺はバイト中に堂々とスマホをいじりながらサボっている海斗さんの姿を、自分のプライベート用のスマホで撮影した。
その様子を見て何をしているのか気になったウィリアムさんが俺に声をかけて来た。
「夏さんナニをしてるんデスか?」
「ああ、後で警備長に海斗さんが仕事もせずにサボってたことを告げ口する為の証拠集めですかね」
「オー!それはナイスなアイデアですね!」
そう言うとウィリアムさんも自分のスマホで、サボっている海斗さんの姿を撮影し始めた。
そうしてその後も海斗さんは堂々とサボり続け、俺とウィリアムさんで海斗さんの分も見回りを続け、そしてついにその時はやって来た。
◯
先ほどまで明るかった会場の電気は一気に消え、周りは真っ暗の暗闇に包まれた。
だが、それに恐怖するものなどこの場に1人もいなかった、逆に会場は電気が消える前まではあったちょっとした喧騒も無くなり、この場はしんと静まり返った。
だがその静寂も長くは続かなかった。
暗闇と静寂が支配する会場の真ん中で、この会場にいるものなら何度も聞いたことのある、ユメノミライが始めて出したオリジナル曲『夢と未来』のイントロと共に、会場の真ん中に設置されている機器により、見覚えのある6人のアイドル衣装を見に纏った姿が映し出されると共に、先ほどの静けさは何処へいったのかと思ってしまうほどの歓声で会場は溢れかえっていた。
「カネコちゃーん!!」
もちろん俺の横にいる長身イケメンで制服を着込んだ男性も、他の客に負けじと自分の推しの名前と、何処からか取り出したのかわからないサイリウムを両手に持って、今がバイト中と言うことも忘れて盛り上がっていた。
まぁこのライブを見にわざわざアメリカから日本にやって来たんだ、流石にずっととはいかないが今は特に問題も起こってないし、ウィリアムさんの分も俺が周りを警戒していれば大丈夫だろうと思い、俺は軽くみんなの頑張っている姿を見て、自然と笑みを浮かべながら不審な動きをしている人はいないかと周りの監視を始めた。
その際ついでに海斗さんの様子も見にいったのだが、ライブが始まっても尚仕事をするでもなく、今までと変わらずスマホをいじり続けていた。
その様子に俺は怒りを超えて呆れ果ててしまった。
◯
「みんなー!今日は私達の初ライブを見に来てくれてありがとう!」
一曲目の『夢と未来』を一期生と二期生全員で歌い終えると、一旦キラメを除いた他のメンバーが画面?と言うかホログラムと言うか、どう言う原理で映し出されているのかわからないが、舞台の上から手を振りながら消えていった。
そして舞台の上に1人残されたアイドル衣装の星野キラメがそう言うと、その様ず周りで見守っていたユメノミライのファン達は一斉に各々が、その問いかけに思い思いの返信を返した。
「わーみんな応援ありがとう!それじゃあそろそろ時間だから次の曲いってみよう!」
キラメがそう言って握り込んだ手を上に勢いよく振り上げた瞬間、舞台の上に勢いよく黙々と白い煙が立ち込めるとキラメの姿は見えなくなり、その次の瞬間爆音と共に俺を除いた一期生全員が再度登場して歌を歌い始めた。
◯
その後も色々なメンバーが様々なコンビで歌ったりしたりしており、その中でこの前まで喧嘩していたノマドとミリーが仲良さそうに歌っているところを見て、俺は2人がしっかりと仲直りできていることに安心した。
そんなこんなで俺もウィリアムさんと同様に途中から、今がバイト中だったと言うことを忘れライブを楽しんでいた。
そうしてライブを純粋に楽しみ始めて約30分後、ライブでは今は歌ではなくMCパートに入っており、メンバー達が楽しそうにいつもの配信の様に話しているところで、俺はようやく今自分がバイト中だった事を思い出した。
……やっちまった!普通にすごかったから純粋にライブを楽しんでしまった!
そんな事を考えながらも俺は自分がライブにかまけて周りの監視を怠った内に、なにも問題が起きていないかを確認するために急いで、自分達が任されている担当エリアをぐるりと一周した。
そこではさっきまでの自分と同様に周りの目も気にせず、ライブを純粋に一生懸命応援しながら楽しんでいる大きなお友達が多くおり、特段不審な動きをしている客の姿もなかったので、俺はホッと一息ついてからウィリアムさんの所に、そろそろしっかりと仕事をする様に伝えにもといた場所に戻っている所で、俺は一つの違和感を覚えた。
「あれ?海斗さんは?」
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる