vtuberさんただいま炎上中

なべたべたい

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第6章 過去の思い出

71話 ジャンケン大会

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事務所でvtuberについての話を色々と聞いた翌日、俺はいつも通り大学に来ていたのだが、そこで大変鬱陶しい事があった。

俺は大学に入ってからは誰にも話した事がないのだが、どこからか漏れたのか俺の母方の実家の事が大学内に広まっており、大変不愉快なことにそれを聞きつけた見知らぬ女どもが、ベタベタベタベタと体を無断で触って来たり、ストーカーなのかずっと俺の講義について来て、その度に俺の近くに座り講義中だって言うのに、勝手に俺と付き合った後の予定を聞いてもないのにペラペラと話し出して、それも俺を金の出るアクセサリーの様に扱いたいという内容で、マジで気持ち悪かった。

と言うかそこまでの暴論を言うのならば、せめてめちゃくちゃ美人であれよ。

ブスがそんなこと言ったところで、何の意味も無いだろ。

人の、それも母方の実家の金を当てにする前に、そんなに金が欲しいなら、自分でバイトでも何でもして金を稼いで来い。

そんなクソみたいな人間が、大学に居る内に何度も何度も話しかけて来て、しまいには頭のおかしい奴は俺の家までつけて来たので、そのまま警察に連れて行ってもらったりなどをしたせいで、俺は大学に行く気にならずその事を俺のことを気にかけてくれている教授や、その他大学教職員に話したところ、詳しいことは教えてもらえなかったが、何人かの生徒が退学になり俺への異常な接触がなくなった。

ちなみにその退学になった生徒は別に俺にベタベタして来ていた女達ではなく、全く記憶にない……いや、確か何度か俺を合コンに誘っていた奴だった。

と言うか

「退学ってほんと何やらかしてたんだろ……」

その他今回の事件で退学になった生徒は、俺の家まで何度も凸して来たせいで警察のお世話になりまくった奴で、そいつは俺の家の窓を破って侵入しようとしたところを、何度も俺が通報した事によって増えた巡回中だった警察官にその場で、現行犯で逮捕されたって事らしい。

そんな訳で、俺は今まで通り見知らぬ男女に軽く挨拶さて、それに笑顔で返すだけの日常へと戻ったのだった。



それから数ヶ月経った頃、既に何度も打ち合わせや何やらで、結構通い慣れた小さな事務所へと俺達は呼び出された。

「皆んな待たせてごめんね。ようやく君達のデビューの日程が決まりました!」

そう言って俺達は園野さんから、自分がこれからやる事になるvtuberの完成したイラストが描かれた紙と、その他設定一覧などを手渡された。

今まではラフだったものが、完成品が手元に来た事で俺達はこれから本当にvtuberになれる事に、現実味が帯び更にはその完成度に俺達は目を奪われた。

俺達が渡された資料をまじまじと見ていると、それを眺めていた園野さんも、その様子に満足した様で丸太のように太い腕を胸の前で組んで、うんうんと頷いていた。

「あ、そうそう今そのモデル動かせるけど、動かしていきたい人いる?」

急にそんな大切な事をポロッと溢した園野さんに驚いたが、その内容を確認した俺達は我先に取り大きく手を上げて、園野さんへと詰め寄った。

「はい!私やりたいです!」
「俺やりたいです園野さん」
「私もやってみたいですね」
「私もやっ…私もその意見に賛成だ」
「ちょ、ちょっと皆さん落ち着いて、順番!順番でお願いします」

今使えるパソコン1台しかないんで!と園野さんは詰め寄る俺たちから逃げる様にしてそう呟いた。

という訳で今俺達は【第1回誰が1番始めにvtuberになるかジャンケン大会】を開催していた。

そしてその初回で俺以外が全員パーを出して、俺がグーを出した事で俺は最速で順番が最後になったのであった。

結果は、1位が星野キラメさんで、惜しくも2位だったのが母出マミさん、俺が負けた後を最速で追って来たのが3位の軍神ミリーさんで、自分からジャンケンを言い出したくせに、最速で負けたドベのクソ雑魚がこの俺九重ホムラだ。

「くっそぉ!負けたぁ!」
「やった!私の勝ちぃ!」

ジャンケン大会最後の戦いは何度も相子を繰り返した後、見事星野さんが勝利して喜び、負けた母出さんはこの前初めて知ったのだが、元ヤンだったらしくその血が負けた事によって呼び覚まされたのか、いつもの柔らかい声色からドスの効いた声で叫んだ。

そんな絶賛盛り上がりを見せている2人を、俺と軍神さんは速攻で負けてしまった為、盛り上がろうにも盛り上がれず、部屋の隅で椅子に腰掛け自分の番が来るのを静かに待っていた。

そんな訳でジャンケン大会で決まった順位通りの順番で、俺達は園野さんが操作するパソコンから初めてvtuberとなった。

初めの方は色々と設定しながらだったが、それを終えていざパソコンの前で喋ってみると、その通りにパソコン内にあるアバターも話し、それを見た俺達はお互いに手を取り喜びあった。

「すげえマジで動いてるじゃんこれ」
「本当ねぇ」
「ねぇねぇこれって変顔してもするのかな?」
「流石それは無理なのでは?」

そんな感じで俺達は初めてのvtuber活動で、大いに盛り上がり気がついた頃には、あっという間に時間が過ぎており、そろそろ帰らないといけない時間が迫っていた。

それからは園野さんに自宅のパソコンでの動かし方を教わった、俺達は改めて園野さんを含めた社員の皆んなに、頭を下げてお礼を言った。

その後は、みんなで俺が運転する車に乗り込み各々帰りに乗る駅まで送って行った。

因みに星野さんだけは、この辺りに詳しくないのと方向音痴で、1度それで大捜索があった為、それ以降は俺がきちんと責任を持って星野さんの、送り迎えを担当していた。
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