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2章 雑貨屋でバイトはじめました
無職です
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俺が死に、異世界に転生してから早くも1週間が経とうとしていた。
この世界の常識も理解し始めたし、日本語の他にエルデネンス語が存在しているという事も知った。
現在エルデネンスで使われているのは日本語とこのエルデネンス語が混在した独特の言語らしい。
あと、地下水が生臭く、果物やハーブの香りを付けたフレーバーウォーターを飲料水として用いている事も分かった。
腐っても異世界というか、日本と全く同じように過ごすという事は難しい事がわかった。
せっかくイケメンに転生しても、イミグイには美男美女が多いし望んだ姿で転生してきた事もバレてるからモテないし。
かといって、原住民の女の子と仲良くなるにはエルデネンス語もある程度覚えなきゃいけないし。
それに、1週間何もしないでいると流石に屋敷の面々からの目が痛くなってくる。
でも、俺のチートは狩りにも採取にも、加工にも役立ちそうにないからなぁ……
「はぁ……」
思わず大きなため息が出た。
広いロビーの長机、その端に腰を下ろして突っ伏せる。
街に出てみても、結局何も得られずに帰るだけの生活を1週間続けている。
簡単な力仕事とか、店番なんかもエルデネンス語が使える事が前提の求人がほとんどで、転生したばかりのイミグイを雇ってくれる所なんてほとんどなかった。
エルデネンス語、勉強するかなぁ……
幸い、この屋敷には山ほど本があるし、その中にはエルデネンス語を学ぶための教本だってあるはずだ。
重い腰を上げて立ち上がろうとした所で、声がかかる。
「ケントさん、こんにちは!……あの、お仕事は決まっちゃいましたか?」
ミアナだった。
ミアナは、あれからどんどん能力を上げているようで、最近はものの精製だけではなくヒーラーとして冒険者のパーティーに加わる事もあるようだった。
「全然。どこの求人もエルデネンス語必須なんだよ……この能力じゃ自由業は無理そうだし」
「それなら!お世話になっているお店の娘さんが今度商店を開くそうで、人手を求めているそうなんです。どうですか?」
無職だと話す俺にミアナは目を輝かせる。
願ってもない話だけど、一つだけ不安がある。
「エルデネンス語まだ全然わからないんだけど大丈夫かな?」
頬をかく俺にミアナは一度ニコっと笑みを浮かべてから思いっきり頷く。
「はい!その方のお母様がイミグイの民なので日本語だけで問題ないはずです。」
イミグイと原住民の間に子供ってできるのか。
その場合チートは遺伝するんだろうか……。
しかし、ミアナの提案は願っても居ない提案だった。断る理由がない。
「じゃあ今度会いに行ってみるよ。えっと、お店はどの辺りに……?」
「ちょっと待っててくださいね。えーっと」
そう言うとミアナはウエストポーチをあさり、草のツルで束ねられた白紙の束とペンを取り出す。
そして長机の上で白紙に何かを書いて俺に渡す。
「こちらです。明日もそちらに伺う予定なので、都合の良い日時を聞いてきますね」
そう伝えると、ミアナは軽くお辞儀をして部屋に向かって行った。
メモには
ビリー・モラン ウエストクルニー西通り 118-9 クルグルモラン
という文字と、小さな地図が書かれていた。
ウエストクルニー西通りなら屋敷を出てまっすぐ行けば辿りつくはずだ。
西通り自体そこまで入り組んだ道も無いし、迷うことは無いと思う。
……一応明日ミアナに同行させてもらおう。
そう決心し、ミアナの部屋に向かった。
この世界の常識も理解し始めたし、日本語の他にエルデネンス語が存在しているという事も知った。
現在エルデネンスで使われているのは日本語とこのエルデネンス語が混在した独特の言語らしい。
あと、地下水が生臭く、果物やハーブの香りを付けたフレーバーウォーターを飲料水として用いている事も分かった。
腐っても異世界というか、日本と全く同じように過ごすという事は難しい事がわかった。
せっかくイケメンに転生しても、イミグイには美男美女が多いし望んだ姿で転生してきた事もバレてるからモテないし。
かといって、原住民の女の子と仲良くなるにはエルデネンス語もある程度覚えなきゃいけないし。
それに、1週間何もしないでいると流石に屋敷の面々からの目が痛くなってくる。
でも、俺のチートは狩りにも採取にも、加工にも役立ちそうにないからなぁ……
「はぁ……」
思わず大きなため息が出た。
広いロビーの長机、その端に腰を下ろして突っ伏せる。
街に出てみても、結局何も得られずに帰るだけの生活を1週間続けている。
簡単な力仕事とか、店番なんかもエルデネンス語が使える事が前提の求人がほとんどで、転生したばかりのイミグイを雇ってくれる所なんてほとんどなかった。
エルデネンス語、勉強するかなぁ……
幸い、この屋敷には山ほど本があるし、その中にはエルデネンス語を学ぶための教本だってあるはずだ。
重い腰を上げて立ち上がろうとした所で、声がかかる。
「ケントさん、こんにちは!……あの、お仕事は決まっちゃいましたか?」
ミアナだった。
ミアナは、あれからどんどん能力を上げているようで、最近はものの精製だけではなくヒーラーとして冒険者のパーティーに加わる事もあるようだった。
「全然。どこの求人もエルデネンス語必須なんだよ……この能力じゃ自由業は無理そうだし」
「それなら!お世話になっているお店の娘さんが今度商店を開くそうで、人手を求めているそうなんです。どうですか?」
無職だと話す俺にミアナは目を輝かせる。
願ってもない話だけど、一つだけ不安がある。
「エルデネンス語まだ全然わからないんだけど大丈夫かな?」
頬をかく俺にミアナは一度ニコっと笑みを浮かべてから思いっきり頷く。
「はい!その方のお母様がイミグイの民なので日本語だけで問題ないはずです。」
イミグイと原住民の間に子供ってできるのか。
その場合チートは遺伝するんだろうか……。
しかし、ミアナの提案は願っても居ない提案だった。断る理由がない。
「じゃあ今度会いに行ってみるよ。えっと、お店はどの辺りに……?」
「ちょっと待っててくださいね。えーっと」
そう言うとミアナはウエストポーチをあさり、草のツルで束ねられた白紙の束とペンを取り出す。
そして長机の上で白紙に何かを書いて俺に渡す。
「こちらです。明日もそちらに伺う予定なので、都合の良い日時を聞いてきますね」
そう伝えると、ミアナは軽くお辞儀をして部屋に向かって行った。
メモには
ビリー・モラン ウエストクルニー西通り 118-9 クルグルモラン
という文字と、小さな地図が書かれていた。
ウエストクルニー西通りなら屋敷を出てまっすぐ行けば辿りつくはずだ。
西通り自体そこまで入り組んだ道も無いし、迷うことは無いと思う。
……一応明日ミアナに同行させてもらおう。
そう決心し、ミアナの部屋に向かった。
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