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主?
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表面がツルリとしたピンクの卵は手のひらを広げたのと同じくらいの大きさがあり、重さは私の愛剣シルバと同じか少し軽いくらいの重さかな。
重さ的には全く苦にならないのだが、片手では兎に角つかみ難い。
かといって両手で持てば、手がふざかり有事の際に、シルバを握れず応戦できない。
ひとまず床に置いた卵を見ながら、制服の上着を脱ぎ、裾に卵を置いて襟に向かって制服の上着をくるくると巻いていく。
まるで海苔巻きのようにすっかり卵が巻き込まれたのを確認して背中から背負うように袖口を右肩と左脇のしたを通して胸の前でキュッと結んだ。
制服が皺になるだろうが、落下した時にあちらこちらに引っ掛かりすっかり襤褸けてしまったので諦めよう。
はぁ、ロンダークが不機嫌に組んだ両腕を自人差し指で叩きながら「その新品の制服にどれだけの血税が使われているかお分かりですかな?」と、うすら寒い笑顔でネチネチ嫌みを言われるだろうことが想像に難くない。
「はぁ、さてこれなら落とす心配はすることが無さそうだ……ってシュルル?」
背後から聞こえてきたシュルシュルと言う音に振り替えれば先程まで無かった壁がある。
壁沿いに視線を上へと走らせれば三角と菱形の中間のような顔の巨大な蛇が、私を見下ろしながらシュルルと音をたてて赤く長い先端が二股に割れた舌を出し入れしていた。
「おっとぉ……」
幸い蛇は私ではなく、巨大な鳥の死骸を見ていているために私には気が付いて居ないようだった。
見付からないように大蛇の視界からフェードアウトするべくそろそろとゆっくり後ずさる。
バリ!
自分の背中から聞こえてきた何かが割れるような音に、ツゥっと冷や汗が流れる。
うっ、嘘だ……ろ。
バリ! バリリッ! ピギャー!
続いて聞こえてきた割れる音と甲高い何かの鳴き声が周囲に響き渡り、通路の奥まで木霊した。
それまで鳥に向かってズルズルと巨体を進めていた大蛇がゆっくりとこちらを向いた。
大きな縦長の瞳孔が私を捉えるなり、見開かれた。
「ギャー!「ピギャー!」」
シャー!と鋭い牙を見せながらこちらを威嚇する大蛇に相手に悲鳴をあげるなって方が無理だろう。
私の悲鳴に驚いたのか背中の卵だったものがもがきながら大声で鳴いた。
直ぐ様体勢を反転し、蛇の横をすり抜けるように走り出す。
うねうねと身体をくねらせて極太の尻尾が行く手を遮るように砂ぼこりを立てながら勢いよく迫る。
途中に点在している岩や瓦礫を破壊しながら勢いは衰えることがなく私に向かって振られた。
「うわっと!」
ヒョイッと地面が深く抉れた所へ飛び込むと間髪入れずに大蛇の尻尾が通過した。
頭上からパラパラと土埃が降ってきたが、私は直ぐ様溝から飛び出して、私が通ってきた狭い通路へと飛び込んだ。
通路を十メートルほど進んだところで後ろを確認するために足を止める。
流石にあのエラがはった顔や通路よりも太い胴体ならこれくらい狭い通路へは来られまい。
ふぅ……吐いた息は次の瞬間私の足へ絡み付いた物のせいで詰まる。
ぬるぬると足首へ絡み付いたのは大蛇の舌だった。
咄嗟に地面に爪を立てるが抵抗虚しくズルズルと獲物を穴から引きずり出すように、私の身体が引き摺られていく。
「食われてたまるかぁ!」
私は抵抗をやめてシルバを鞘から引き抜くと、足に絡み付いた大蛇の舌を切り落とす。
手に伝わる肉の感触に手応えを感じれば、本体から切り落とされた舌が足首から剥がれ落ちた。
舌が伸びてきていた先から土煙と暴れているのだろう振動が私のところまで響いてきた。
滑る足をハンカチで軽く拭いさり、一時も早く離れるべく視界の悪い通路を背を屈めながら進んだ。
「ピギャー……」
あっ、忘れてた。
重さ的には全く苦にならないのだが、片手では兎に角つかみ難い。
かといって両手で持てば、手がふざかり有事の際に、シルバを握れず応戦できない。
ひとまず床に置いた卵を見ながら、制服の上着を脱ぎ、裾に卵を置いて襟に向かって制服の上着をくるくると巻いていく。
まるで海苔巻きのようにすっかり卵が巻き込まれたのを確認して背中から背負うように袖口を右肩と左脇のしたを通して胸の前でキュッと結んだ。
制服が皺になるだろうが、落下した時にあちらこちらに引っ掛かりすっかり襤褸けてしまったので諦めよう。
はぁ、ロンダークが不機嫌に組んだ両腕を自人差し指で叩きながら「その新品の制服にどれだけの血税が使われているかお分かりですかな?」と、うすら寒い笑顔でネチネチ嫌みを言われるだろうことが想像に難くない。
「はぁ、さてこれなら落とす心配はすることが無さそうだ……ってシュルル?」
背後から聞こえてきたシュルシュルと言う音に振り替えれば先程まで無かった壁がある。
壁沿いに視線を上へと走らせれば三角と菱形の中間のような顔の巨大な蛇が、私を見下ろしながらシュルルと音をたてて赤く長い先端が二股に割れた舌を出し入れしていた。
「おっとぉ……」
幸い蛇は私ではなく、巨大な鳥の死骸を見ていているために私には気が付いて居ないようだった。
見付からないように大蛇の視界からフェードアウトするべくそろそろとゆっくり後ずさる。
バリ!
自分の背中から聞こえてきた何かが割れるような音に、ツゥっと冷や汗が流れる。
うっ、嘘だ……ろ。
バリ! バリリッ! ピギャー!
続いて聞こえてきた割れる音と甲高い何かの鳴き声が周囲に響き渡り、通路の奥まで木霊した。
それまで鳥に向かってズルズルと巨体を進めていた大蛇がゆっくりとこちらを向いた。
大きな縦長の瞳孔が私を捉えるなり、見開かれた。
「ギャー!「ピギャー!」」
シャー!と鋭い牙を見せながらこちらを威嚇する大蛇に相手に悲鳴をあげるなって方が無理だろう。
私の悲鳴に驚いたのか背中の卵だったものがもがきながら大声で鳴いた。
直ぐ様体勢を反転し、蛇の横をすり抜けるように走り出す。
うねうねと身体をくねらせて極太の尻尾が行く手を遮るように砂ぼこりを立てながら勢いよく迫る。
途中に点在している岩や瓦礫を破壊しながら勢いは衰えることがなく私に向かって振られた。
「うわっと!」
ヒョイッと地面が深く抉れた所へ飛び込むと間髪入れずに大蛇の尻尾が通過した。
頭上からパラパラと土埃が降ってきたが、私は直ぐ様溝から飛び出して、私が通ってきた狭い通路へと飛び込んだ。
通路を十メートルほど進んだところで後ろを確認するために足を止める。
流石にあのエラがはった顔や通路よりも太い胴体ならこれくらい狭い通路へは来られまい。
ふぅ……吐いた息は次の瞬間私の足へ絡み付いた物のせいで詰まる。
ぬるぬると足首へ絡み付いたのは大蛇の舌だった。
咄嗟に地面に爪を立てるが抵抗虚しくズルズルと獲物を穴から引きずり出すように、私の身体が引き摺られていく。
「食われてたまるかぁ!」
私は抵抗をやめてシルバを鞘から引き抜くと、足に絡み付いた大蛇の舌を切り落とす。
手に伝わる肉の感触に手応えを感じれば、本体から切り落とされた舌が足首から剥がれ落ちた。
舌が伸びてきていた先から土煙と暴れているのだろう振動が私のところまで響いてきた。
滑る足をハンカチで軽く拭いさり、一時も早く離れるべく視界の悪い通路を背を屈めながら進んだ。
「ピギャー……」
あっ、忘れてた。
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