元喪女に王太子は重責過ぎやしませんかね?

紅葉ももな(くれはももな)

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協力者確保~!

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「ホッホッ随分と昨晩は賑やかじゃったの?」

 すっかり騒ぎも収まり、夜勤最中に私を見失ってしまった事に反省したのか大人しくなってしまったミナリーから離乳食を貰っていると、ニヤニヤとロブルバーグ大司教様が私もとへやって来た。

 どうやら昨夜の脱走は知られているようです。朝着替えをした際には証拠の品はしっかり死守して現在服の中。

 なんとか没収されずにすみましたよ。

「あーうー(お騒がせしました)あぶぁば(実は)」

「なんじゃなんじゃ?どれ娘さん。変わろう。」

「えっ!ですが・・・・・・」

 ロブルバーグ大司教様の申し出に困惑するとミナリーは側に控えていたリーゼさんに判断を委ねた。

 リーゼさんが頷くのを確認したあと、ミナリーは座っていた椅子をロブルバーグ大司教様に譲ると後ろへ下がる。

 ミナリー、大人しすぎて気持ち悪い!いつもの元気はどこいった!

「はい、あーん。それで、どうしたんじゃ?」

「あーうーあう(昨夜ある逢い引き現場を目撃しまして)あーん。」

 意思を伝えてからスプーンの中身を頬張る。

「誰のじゃ?」

「あーうーあーうーあう(クラインセルト殿下の暗殺狙いと手引きしている侍女)」

「はぁ?又御主は厄介な物を見たのぅ。」

「あーうー!(私もそう思う~!)」

 ロブルバーグ大司教様、手が止まってますよ?ご飯ください。

「ほれあーん。しかし何か手掛かりはないのか?特徴は?」

 ふふふ、その辺に抜かりはな~い!これを見よー!

「ん?なんじゃなんじゃ?」

 胸元から引っ張り出した布、明るくなって確認したらハンカチでした。をロブルバーグ大司教様に手渡す。

「とれどれ?ハンカチじゃの?」

「あーうーあぶーあぶぁば(侍女が落としていったやつ。顔は見えなかったけど長い黒髪の巻き毛の胸のおっきな侍女だったよ)」

「刺繍がしてあるの、S.Aがイニシャルじゃな。」

「ぶ!あぶあぶ!?(えっ!どこどこ!?)」

 蔦が這ったような模様はしってるけどあったかそんなの。

「ほれこれじゃ。」

 ロブルバーグ大司教様が指さした先には蔦が這ったような模様。

「あーぶー?(これ文字だったのね~?)」

「なんじゃい?そんなに頭が回るのに文字はわからんのか?」

 さも不思議そうに言われても困ります!

「あぶあぶ!(だって生後六ヶ月ですから!)」

 えっへん!と胸を張るとロブルバーグ大司教様が顔を伏せて震え出した。

「くっ!そうだったな!まだ六ヶ月か、くくくっ!」

 そんなに笑わなくてもいいじゃん?赤ん坊よこれでも。

「あーぶ?ああぶ?(この世界って一年って何ヵ月?何日あるの?)」

 そもそも本当に六ヶ月かあやしいもんだ。

「双太陽神教暦だと12ヶ月だの一年三百六十五日じゃよ」

 うむ、前世と一緒のようですね。太陽が二つある以外は。

「とにかく、その話は儂から陛下に御伝えしておこう。」

「あう!(お願いします!)」

 なんにせよ、今の私に出来るのはこのくらいが限度なのだ。あとはロブルバーグ大司教様!お願いします!

「うむ、できる限りはやってみよう。ほれあーん。」

 最後の一口をスプーンで掬い私の口へ放り込むと、自分のハンカチを取り出して口元の汚れを拭いてくれた。

 どうにも口許の絞まりが甘いというか、一杯の量が多いと口の回りが大変なことになってしまう。

「さて、それでは早速アルトバール陛下の元へ行こうかね。どうする?」

 えっ!連れてってくれるの!?

「どうせ、気になって脱走して自分で調べるくらいなら最初から一緒の方が楽だろう?」

「あう!(行く!)」

「御主が一緒の方がアルトバール陛下の士気も高まるじゃろう。愛息に良いところを見せたいもんじゃし、陛下のもとならば妃殿下も安心じゃろう。」

 ロブルバーグ大司教様がうしろに控えたリーゼさんに視線を向ける。

「リステリア様に御伝え致しましょう、アルトバール陛下の元へも知らせを走らせます。」

 そう言ってにっこりと微笑んだ。

 よし!許可は下りた!

「では参ろうかの?お茶を飲んでからな。」

 茶目っ気たっぷりにウインクをしたロブルバーグ大司教様に苦笑しつつ、父様の元へと行っていた侍女が戻ってくるのをまったりと過ごしました。
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