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色街
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再会出来たピンク色のドラゴンを肩に乗せて、アンジェリカの手を引いて人混みを避けるように狭い路地を進む。
通りと通りを繋ぐ路地にも祭りに浮き足立った人々が一定数居るようで、中には既に酒に酔い通路に面した建物に背中を預けて寝入っている人もちらほらいるようだった。
路地を抜けた先は、ここまで見てきた通りとは全くの別世界だった。
建物の外観からしてこれまでの作りと一線を画している。
白い煉瓦を積んだ建物が立ち並び、美しい彫刻が施された柱やバルコニーにはめ込まれた真鍮製らしい手すりは美しい細工が施され、緑青が進み美しく白い壁を彩っている。
花で飾られた通りはとても幻想的だ。
「綺麗……」
「うん」
思わず二人で見惚れていると、それまで通りを歩いていた通行人達が次々と道りの中央部を空け始めた。
周りの人々は色めき立ち、まだかまだかと空けた中央部を覗いている。
「何か始まるんですか?」
隣に立っている壮年の男性に声をかけると、どうやらここは娼館が集まる色街と呼ばれる区画らしい。
そして色街の娼婦にも色々と階級があり、高級娼婦となれば一晩で大金を稼ぎ出すそうだ。
今日は高級娼婦の中で、最も高い娼婦が呼ばれている高位貴族の屋敷へ渡る為、馬車が停まっている通りまで色街を練り歩くらしい。
しばらくして護衛らしい男達に守られながら美しいドレスを纏った美女がゆっくりと私達の前を通り過ぎていく。
引きずるほど裾が長いドレスが汚れないように持ったお付きらしい少女が三人、美女の後ろを付き従っている。
いずれも成長すれば美しく咲き誇るだろう美少女だった。
歳は私とあまり変わりないかもしれない。
「ほら、もう行きましょう!」
「えっ、あっはい」
私の腕に自分の腕を絡ませたアンジェリカが早足で露店商が集まる通りまで一気に路地を走り抜けた。
「……あのお付きね娘達はね、貧困や天災なんかで親に売られたり、莫大な借金返済の為に色街で働いているの……」
ポツポツと話してくれた内容によれば、彼女たちは幼い頃に娼館に引き取られ、特に器量がいい少女は、高級娼婦のお世話をしながら様々な礼儀作法や社交を仕込まれるらしい。
そして子供が作れる身体になれば高級娼婦として引き取られた娼館で仕事をするらしい。
「色街に子供は近づいちゃ駄目なんだって、人さらいに捕まれば娼館に売られてしまう事だってあるし、このマーシャル皇国では禁止されているからいないけど、隣のレイス王国の南にあるギザニア王国では奴隷売買が当たり前に行われて居るんだよ」
双太陽神教の大司教で、幼児が大好きなアンナローズ様の言葉を思い出した。
塩害と干魃で争いが耐えない国の名前がギザニア王国だと知ったのは随分と後になってからだったけど、奴隷売買まで……。
「まぁ、あのお付きの娘達はまだマシね、とくにあの娼婦……ダリア様のお付きの娘達の中でミスティルって最近入った娘がいるらしいんだけど、彼女は既に何人もの有力者が目をつけているらしいわ」
「……詳しいんだね」
「もちろんよ、情報は金なり。 商人たるもの商気を逃さないためにもどんな情報だって無駄には出来ないんだから」
偉そうに胸を反らせるアンジェリカの様子が可愛くてクスリと笑ってしまった。
奴隷……そんな身分があたり前に存在する世界に生まれ変わった私。
幸いレイナス王国には犯罪を犯した罪人が犯罪奴隷として鉱山等の過酷な場所で仕事をしているが、その他に奴隷は居ない。
奴隷制度はもう何十年も前に廃止している。
「さて、そろそろ暗くなってきたし、子供は危ない時間になるから宿に戻りましょ?」
「そうだね」
夕焼けに染まる空を見上げながらアンジェリカと手を繋いで宿へと戻った。
通りと通りを繋ぐ路地にも祭りに浮き足立った人々が一定数居るようで、中には既に酒に酔い通路に面した建物に背中を預けて寝入っている人もちらほらいるようだった。
路地を抜けた先は、ここまで見てきた通りとは全くの別世界だった。
建物の外観からしてこれまでの作りと一線を画している。
白い煉瓦を積んだ建物が立ち並び、美しい彫刻が施された柱やバルコニーにはめ込まれた真鍮製らしい手すりは美しい細工が施され、緑青が進み美しく白い壁を彩っている。
花で飾られた通りはとても幻想的だ。
「綺麗……」
「うん」
思わず二人で見惚れていると、それまで通りを歩いていた通行人達が次々と道りの中央部を空け始めた。
周りの人々は色めき立ち、まだかまだかと空けた中央部を覗いている。
「何か始まるんですか?」
隣に立っている壮年の男性に声をかけると、どうやらここは娼館が集まる色街と呼ばれる区画らしい。
そして色街の娼婦にも色々と階級があり、高級娼婦となれば一晩で大金を稼ぎ出すそうだ。
今日は高級娼婦の中で、最も高い娼婦が呼ばれている高位貴族の屋敷へ渡る為、馬車が停まっている通りまで色街を練り歩くらしい。
しばらくして護衛らしい男達に守られながら美しいドレスを纏った美女がゆっくりと私達の前を通り過ぎていく。
引きずるほど裾が長いドレスが汚れないように持ったお付きらしい少女が三人、美女の後ろを付き従っている。
いずれも成長すれば美しく咲き誇るだろう美少女だった。
歳は私とあまり変わりないかもしれない。
「ほら、もう行きましょう!」
「えっ、あっはい」
私の腕に自分の腕を絡ませたアンジェリカが早足で露店商が集まる通りまで一気に路地を走り抜けた。
「……あのお付きね娘達はね、貧困や天災なんかで親に売られたり、莫大な借金返済の為に色街で働いているの……」
ポツポツと話してくれた内容によれば、彼女たちは幼い頃に娼館に引き取られ、特に器量がいい少女は、高級娼婦のお世話をしながら様々な礼儀作法や社交を仕込まれるらしい。
そして子供が作れる身体になれば高級娼婦として引き取られた娼館で仕事をするらしい。
「色街に子供は近づいちゃ駄目なんだって、人さらいに捕まれば娼館に売られてしまう事だってあるし、このマーシャル皇国では禁止されているからいないけど、隣のレイス王国の南にあるギザニア王国では奴隷売買が当たり前に行われて居るんだよ」
双太陽神教の大司教で、幼児が大好きなアンナローズ様の言葉を思い出した。
塩害と干魃で争いが耐えない国の名前がギザニア王国だと知ったのは随分と後になってからだったけど、奴隷売買まで……。
「まぁ、あのお付きの娘達はまだマシね、とくにあの娼婦……ダリア様のお付きの娘達の中でミスティルって最近入った娘がいるらしいんだけど、彼女は既に何人もの有力者が目をつけているらしいわ」
「……詳しいんだね」
「もちろんよ、情報は金なり。 商人たるもの商気を逃さないためにもどんな情報だって無駄には出来ないんだから」
偉そうに胸を反らせるアンジェリカの様子が可愛くてクスリと笑ってしまった。
奴隷……そんな身分があたり前に存在する世界に生まれ変わった私。
幸いレイナス王国には犯罪を犯した罪人が犯罪奴隷として鉱山等の過酷な場所で仕事をしているが、その他に奴隷は居ない。
奴隷制度はもう何十年も前に廃止している。
「さて、そろそろ暗くなってきたし、子供は危ない時間になるから宿に戻りましょ?」
「そうだね」
夕焼けに染まる空を見上げながらアンジェリカと手を繋いで宿へと戻った。
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