【完結】大聖女の息子はやり直す

ゆるぽ

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序章

6 情報が少ない

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過去のことをレイヴンに話したディートだったが、1つ気が付いたことがある。

思ったよりも知らないことが多いということである。

イザベラとイリスの取り巻き筆頭とも言える位置にいながら彼女たちの犯罪などには巻き込まれていなかったのだ。


「君を深いところまで巻き込むのを避けたかったのかもね」


ディートの心を読んだようにレイヴンが口を開く。


「どういうことですか?僕は彼女たちに心酔していたのに」

「おそらく彼女たちは魅了かそれに近い力を使ってただろうからね。聖人としての素質がある君が万が一でも正気に戻ったときが怖かったのかもね」

「聖人の素質!僕がですか!?」



レイヴンは大きくうなずく。

彼曰く、大聖女の直系であるディートとシェリィにはとても強い力が宿っているという、またに追放されたシェリィが無事だったのは聖女としての力が目覚めたからではないかとも。



「でも前回の僕は神殿でも才能無とされていたし、力に目覚めることもなかったはずですが…?」

「そこはイザベラ達が何かしたんじゃない?この国の神殿は内部が少しって噂があるし~」



この国では魔力測定は5歳~8歳の間に全国民が義務として行われるが、聖人や聖女の適正については任意で行われる。

理由としては聖女や聖人たる才能を持っていることは稀のため血筋的に可能性のある者たちぐらいしか受けることがほぼないからである。

前回の時でディートは17歳の時に神殿で適性を見てもらったが聖人の適正なしとされていた。



「前の僕は自分自身のことさえもよく分かってなかったんだな」

「そうだね~傍で聞いてても君が重要な部分にかかわってないことはよく分かるよ~でもね」



レイヴンは一度言葉を切る。

そして先ほどまでの緩い雰囲気から一変して真面目な顔をして口を開いた。



「国や世界の危機レベルじゃないと発動しない精神逆行の大魔法が使えた時点で、君自身は最重要人物と言えるんだよ」





精神逆行の大魔法とは神代の時代に時の神の弟子であった大魔導士が作ったとされる伝説の魔法。

精神を過去に飛ばし歴史をやり直すことが出来る神の理に干渉する力。

それゆえに厳しい条件の下でなければ発動しない。

1つ目は小国の国民全員分と同じくらいと言われるほどの膨大な魔力。

2つ目はその強大な魔力をとどめ魔法を発動するための媒体。

そして最後の3つ目が世界や国などの大きな危機が迫っている時であること。



「(レイヴンがどうしてすぐに指摘して詳細を聞きたがったのかわかった…)」



つまり国もしくは世界の危機が今この時代にあるということなのだ。

だが、やはり疑問が残る。



「前の人生でイザベラもイリスも父上も僕も断罪されたはず…なのに危機は去らなかった?危機にイザベラ達は関係ない?」

「さあね現段階では何もわからないよ。それに君はイザベラ達の結末を見ないまま逆行したでしょ?君が倒れたその先で何か起こったのかもしれないよ」


余りにも情報が少なすぎてこれ以上の話は現段階ではできない。

ディートは情報収集をしながら、自身の能力をレイヴンのもとで伸ばしていくことになる。
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