【完結】大聖女の息子はやり直す

ゆるぽ

文字の大きさ
24 / 107
学園編

24 平穏な日々

しおりを挟む
その日シェリィの学年はとても平穏だった。


いつものように授業をしていつものようにランチをして…


いつもと違うところと言えば今日はお昼に変装したジャンも一緒だったくらいだろう。


今日の放課後にレイヴン宅に行くことについての打ち合わせをするためだ。





そこで知った事実なのだが、あれだけジャンに執着しているフィリアだが、なぜか昼食については一緒にとる気が無いらしい。

どうもお昼になった瞬間に人の少ない所に行きとんでもない量のお弁当を昼休みの間ずっと食べているのだという。

ジャンが言うにはフィリアは元々どちらかというと小食なタイプであったという。

また、いくら大食いの人でもあれだけの量を毎日食べていればすぐに太ってしまいそうなものだが、彼女の体型には一切の変化がないらしい。




「…確かにそれはおかしすぎるよね」

「ですわね」




ジャンの話を聞きながらミリアとレナが相槌をうつ。




「でもまだ禁術使いが絡んでるとは決まってはいないわ。正しく原因を突き止めないとかえって状況が悪くなる可能性もあると思うの」

「確かにルナライズ令嬢の言うとおりだな。俺はちょっと焦りすぎてたのかもしれない…」





少し落ち込んだようにうつむくジャン。

底に話題を買えるようにミリアが言った。





「私たちはフィリアさんをお助けする同志ですわよね?だったらもう少しなれ合ってもよろしいんじゃないかしら?」

「リアー令嬢それはいったい…」

「それですわ!ブルースさんったら私たちの呼び方がお固すぎるんですの!”令嬢”はいりませんわ」




ジャンの名前の呼び方はこの国においてのマナーから見てとても丁寧なもので正しくはあったが、学園という場所においては少々丁寧すぎるものであった。

学園内であれば家名にさん付けが一般的とされており、仲の良い生徒同士であれば名前で呼び捨てすることも珍しくはない。






「確かにミリアの言うとおりかも、それにほらあたし平民でマナーとかまだ全然だから砕けてた方が楽かも」

「それにクラスメイトでもあるし、もっと砕けた感じでもいいと思います」





レナとシェリィもミリアの意見に続く。

少し迷ったもののジャンはミリアの意見を受け入れ、これ以降彼女たちに令嬢を言う言葉を付けることは正式な場以外ではなくなる。

そのうち名前で呼び合えるほどの友人になるのだが、それはもう少し先の話である。
















放課後ルナライズ侯爵家





「…ここまで大丈夫だった?」

「うん、家族のみんなが協力してくれてるからね。フィリアは僕が家でいつものように過ごしていると思っているはずだ」




フィリアに禁術使いが憑りついていた場合はこちらの動きがばれるのは非常にまずいため、ジャンには細心の注意を払ってもらっていた。

レイヴン宅にいくのもブルース家から直接ではなく、一度ルナライズ家に来てからルナライズ侯爵家の馬車に乗り換えて向かうという手段をとっている。



「レイヴンさまもアレクシスさまも良い人たちだから安心してね」

「気遣ってくれてありがとう!でも大丈夫フィリアのためなら魔族だって倒してやる!」

「あら。まあ」





ミリアではないがジャンの一途な様子になんだか微笑ましくなってしまったシェリィだった。

そんな2人と付き人たちを乗せた馬車はレイヴン邸に動き出した。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

異世界に落ちたら若返りました。

アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。 夫との2人暮らし。 何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。 そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー 気がついたら知らない場所!? しかもなんかやたらと若返ってない!? なんで!? そんなおばあちゃんのお話です。 更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

【完結】竜王に嫁いだら、推しの半竜皇子の継母になりました〜冷酷な夫には興味ありませんが、闇落ち予定の皇子は私が全力で幸せにします!〜

せりもも
恋愛
転生したのは、web小説の世界だった。物語が始まる前の時間、隣国の竜王へ嫁ぐ薄幸の王女、デジレに。 結婚相手である竜王ワッツァは、冷酷非道で人間を蔑む恐ろしい竜人だ。彼はデジレを、半竜(半分竜で半分人間)である息子の養育係としかみていない。けれどその息子バートラフこそ、前世の「わたし」の最オシだった。 この世界のバートラフはまだ5歳。懸命に悪ガキぶっているけど、なんてかわいいの!? 小説のバートラフは、闇落ちして仲間の騎士たちに殺されてしまうけど、そんな未来は、絶対に許さないんだから!  幼いバートラフに対する、愛情いっぱいの子育ての日々が始まる。やがて彼の成竜への通過儀礼を経て、父の竜王は、デジレに対して執着を見せ始める。 ところが、竜と人間の戦争が始まってしまう。おとなになったバートラフは人間側につき、聖女の騎士団に入った。彼は、父の竜王に刃を向けられるのか? そして、転生者デジレに与えられたスキル「プロットを破断する者」を、彼女はどう発動させるのか。

ゴースト聖女は今日までです〜お父様お義母さま、そして偽聖女の妹様、さようなら。私は魔神の妻になります〜

嘉神かろ
恋愛
 魔神を封じる一族の娘として幸せに暮していたアリシアの生活は、母が死に、継母が妹を産んだことで一変する。  妹は聖女と呼ばれ、もてはやされる一方で、アリシアは周囲に気付かれないよう、妹の影となって魔神の眷属を屠りつづける。  これから先も続くと思われたこの、妹に功績を譲る生活は、魔神の封印を補強する封魔の神儀をきっかけに思いもよらなかった方へ動き出す。

召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。

SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない? その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。 ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。 せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。 こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。

追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている

潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

処理中です...