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向上心
第157話
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「ヒュー……。ヒュー……」
目が覚めると、そこには空の青を覆い隠す様に茂る、木々の葉たちが……。
辺りを見回そうとするが、頭が、天を向いたまま動かない。
なんなら、視界の片方も消失している。これでは、空しか見えない。
……どうやら、信じられな事に、コアから伸びた糸から感知するに、胴体や手足は離れた場所に落ちている様だった。
「ヒュー……。ヒュー……」
俺は仕方なく、糸の感触や、首から漏れているであろう呼吸音を元に、ばらされた結合部分を探した。
ばらされた部位も、コアから糸がつながっている部位は、個別で動かせるのだが、地下生活を抜けて以来、視界に頼ってばかりいたせいで、自身の視点がある頭部との方向距離感覚が、上手くつかめない。
……多分あれだな。
首を探し当てた俺は、頭だけで、ズルズル、コロコロと移動ていく。
すると、必然的に、辺りの状況が目に入ってくる訳で……。
散らばる俺の手足。糸に含まれていたであろう、栄養補給用の血液が、辺りに飛び散って、猟奇殺害現場の様になっていた。
……?!クリア?
木の上から糸で吊り下げられ、死んだように、力なく揺られるクリア。
しかし、首から下が無いせいで、声が出せない。
……しかし、あの糸から見るに、これもコグモの仕業の様だ。
念の為、クリアに糸を伸ばし、安否の確認をするが、問題はなさそうだった。
ふぅ……。
俺は無い胸を撫で下ろすと、再び探索に入る。
途中、返り血を浴び、死んだように俯きながら、木にもたれかかっていたコグモを見かけたが、何かを呟くように、口を動かし続けている事は確認できたので、放って置く。
あ、あの腕、近い場所にあるな……。
俺はその腕に近寄ると、糸で引き寄せ、噛みついた。
後は、手先に2本だけ残った指をシャクトリムシの様に動かして、首の方へと進んで行く。
「……ん……。あ……。あー……。よし。喋れるな」
俺は何とか首と頭を接合し、コアに刻まれた自動修復機能で、声帯を作り直した。
途中で回収した腕も、結合させ、頭と片腕と胴体が戻って来る。
「よいしょっと!」
俯いた状態の俺は、胴体の中に残っていた予備用の糸で、欠損した指も生やす。
しかし、流石に、他のパーツを全て補填できるだけ量は無かった。
腕で這いまわり、残りのパーツを集めて行く俺。
その間、クリアとコグモの方へ、ちらちらと目をやるが、一向に動く気配はない。
二人とも死んではいないだろうが、ここまで動かないと、心配になって来る。
「……こんなもんか……」
回収できるすべてのパーツを集めた俺は、体の自動補修をコアに任せ、まず一番に、風に揺られているクリアの元に向かった。
「生きてる……。よな?」
クリアの安否を確認しつつ、近寄る、俺。
……どうやら、クリアは完全に気を失っている様だった。
「うう~~~ん!!!……ダメか」
その糸を千切ろうとするが、予想通りと言うか、俺には糸を引きちぎる事が出来ない。
それどころか、ベタベタのせいで、引っ張った手のひらが外れなくなってしまう。
この作り物の歯や爪では、切り裂く事も出来ないし……。
仕方なく、くっついた部分の表皮を体から引きはがすと、自動修復機能が、俺の意思に係わらず、予備の糸を使って表皮を補填する。
予備の糸が少ないので、無駄遣いはしたくないのだが、この程度の傷だと、自動で直してしまうらしい。
「ん~っと、確かこの辺りに……」
俺はさっき転がった時に見かけた、散らばった道具の中から、石包丁を二つほど探し出し、糸を挟んで擦り付ける。
「……これでもダメか……」
一向に切れる気配の無い糸。
試しに石包丁を離そうとすると、その先端に、強力接着剤の様にくっついていて、俺の力では、精々、その間に糸を張る事が見えるレベルでしか、剥がせなかった。
「どんだけ強力なんだよこれ……」
俺はそれに巻き取られているクリアを、傷つけず剥がせるのか心配になって来た。
しかし、いつも、コグモが木に張り付け、移動で使っている以上、剥がし方はあるはずだろう……。
そして、そのやり方は、コグモが知っているはず……。
ボソボソボソボソ……。
俯くきながら、何かを呟くコグモ。
正直、近付きたくない。
しかし、コアは今も彼女の中にあるのだ。先程の様な惨状が繰り返されようと、俺自身死ぬ事は無い。
それに、彼女の精神状態も不安だ。
そして、その不安定な彼女を知る事も不安だ……。
「……よし……」
俺は、この惨状を打破する為にも、気合を入れ直す。
痛覚を切った俺は、どんなショックにも耐えられる様、心の痛覚も切れれば良いのに……。と、心底思いながら、足を進めた。
目が覚めると、そこには空の青を覆い隠す様に茂る、木々の葉たちが……。
辺りを見回そうとするが、頭が、天を向いたまま動かない。
なんなら、視界の片方も消失している。これでは、空しか見えない。
……どうやら、信じられな事に、コアから伸びた糸から感知するに、胴体や手足は離れた場所に落ちている様だった。
「ヒュー……。ヒュー……」
俺は仕方なく、糸の感触や、首から漏れているであろう呼吸音を元に、ばらされた結合部分を探した。
ばらされた部位も、コアから糸がつながっている部位は、個別で動かせるのだが、地下生活を抜けて以来、視界に頼ってばかりいたせいで、自身の視点がある頭部との方向距離感覚が、上手くつかめない。
……多分あれだな。
首を探し当てた俺は、頭だけで、ズルズル、コロコロと移動ていく。
すると、必然的に、辺りの状況が目に入ってくる訳で……。
散らばる俺の手足。糸に含まれていたであろう、栄養補給用の血液が、辺りに飛び散って、猟奇殺害現場の様になっていた。
……?!クリア?
木の上から糸で吊り下げられ、死んだように、力なく揺られるクリア。
しかし、首から下が無いせいで、声が出せない。
……しかし、あの糸から見るに、これもコグモの仕業の様だ。
念の為、クリアに糸を伸ばし、安否の確認をするが、問題はなさそうだった。
ふぅ……。
俺は無い胸を撫で下ろすと、再び探索に入る。
途中、返り血を浴び、死んだように俯きながら、木にもたれかかっていたコグモを見かけたが、何かを呟くように、口を動かし続けている事は確認できたので、放って置く。
あ、あの腕、近い場所にあるな……。
俺はその腕に近寄ると、糸で引き寄せ、噛みついた。
後は、手先に2本だけ残った指をシャクトリムシの様に動かして、首の方へと進んで行く。
「……ん……。あ……。あー……。よし。喋れるな」
俺は何とか首と頭を接合し、コアに刻まれた自動修復機能で、声帯を作り直した。
途中で回収した腕も、結合させ、頭と片腕と胴体が戻って来る。
「よいしょっと!」
俯いた状態の俺は、胴体の中に残っていた予備用の糸で、欠損した指も生やす。
しかし、流石に、他のパーツを全て補填できるだけ量は無かった。
腕で這いまわり、残りのパーツを集めて行く俺。
その間、クリアとコグモの方へ、ちらちらと目をやるが、一向に動く気配はない。
二人とも死んではいないだろうが、ここまで動かないと、心配になって来る。
「……こんなもんか……」
回収できるすべてのパーツを集めた俺は、体の自動補修をコアに任せ、まず一番に、風に揺られているクリアの元に向かった。
「生きてる……。よな?」
クリアの安否を確認しつつ、近寄る、俺。
……どうやら、クリアは完全に気を失っている様だった。
「うう~~~ん!!!……ダメか」
その糸を千切ろうとするが、予想通りと言うか、俺には糸を引きちぎる事が出来ない。
それどころか、ベタベタのせいで、引っ張った手のひらが外れなくなってしまう。
この作り物の歯や爪では、切り裂く事も出来ないし……。
仕方なく、くっついた部分の表皮を体から引きはがすと、自動修復機能が、俺の意思に係わらず、予備の糸を使って表皮を補填する。
予備の糸が少ないので、無駄遣いはしたくないのだが、この程度の傷だと、自動で直してしまうらしい。
「ん~っと、確かこの辺りに……」
俺はさっき転がった時に見かけた、散らばった道具の中から、石包丁を二つほど探し出し、糸を挟んで擦り付ける。
「……これでもダメか……」
一向に切れる気配の無い糸。
試しに石包丁を離そうとすると、その先端に、強力接着剤の様にくっついていて、俺の力では、精々、その間に糸を張る事が見えるレベルでしか、剥がせなかった。
「どんだけ強力なんだよこれ……」
俺はそれに巻き取られているクリアを、傷つけず剥がせるのか心配になって来た。
しかし、いつも、コグモが木に張り付け、移動で使っている以上、剥がし方はあるはずだろう……。
そして、そのやり方は、コグモが知っているはず……。
ボソボソボソボソ……。
俯くきながら、何かを呟くコグモ。
正直、近付きたくない。
しかし、コアは今も彼女の中にあるのだ。先程の様な惨状が繰り返されようと、俺自身死ぬ事は無い。
それに、彼女の精神状態も不安だ。
そして、その不安定な彼女を知る事も不安だ……。
「……よし……」
俺は、この惨状を打破する為にも、気合を入れ直す。
痛覚を切った俺は、どんなショックにも耐えられる様、心の痛覚も切れれば良いのに……。と、心底思いながら、足を進めた。
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