異世界モンスターに転生したので同級生たちに復讐してやります

るふぃーあ

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マスオ、勇者と戦う2

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「てやっ!」
「全員を開放しろっ!」

斧タカヒコと勇者ナオヤが、一斉に飛びかかってきた。
時間差を置いて、中距離から槍マサヒトも長い槍を突き出す。
アカネは弓を引き絞り、白河サキは目を閉じて魔法の詠唱を始めた。

「ヴェアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーッ!」

巨大な威圧の声。
ホブゴブリンはいつの間にか、人間の身長の倍以上あるオーガの巨体に変わっていた。

「な、ななな、なんだ、こいつ」

斧タカヒコが突進の脚を止め、驚愕に目を見開く。

ぐしゃっ!
次の瞬間、タカヒコは全身鎧ごと、王の間の石壁に叩きつけられていた。マスオの銀のナタが直撃したのだ。

(死んだか・・・・・・あっけない)

もっと痛めつけて、殺してやるつもりだったのに。
マスオは残念に思った。

「こ、こいつ!」

槍マサヒトが突き出した槍を、マスオはいとも簡単に手で掴んだ。そのまま持ち上げ、天井へと叩きつける。
激しく天井にぶつけられ、どさり、とマサヒトの身体が石の床へと落下した。

「な、なんで____」

矢を放つことも忘れ、アカネが驚愕する。
たったの二振り。それでふたりの味方を失ったのだから。

「させるか!・・・・・やあっ!」

ギインッ!
初めて、マスオのナタを受け止める者がいた。
ナオヤ。さすがは勇者だ。

二合、三合と剣とナタが打ち合う。
だが。

(・・・・・・さすがに強いな)

勇者を名乗るだけある。もしくはこの剣の威力が素晴らしいのかもしれない。
黄金の剣は重量のあるマスオの一撃を簡単に弾き返し、鎧にかすめてもダメージはほとんど通っていない様子だった。

「サキ!ふたりに回復魔法を!」
「はい!」

ナオヤが指示し、サキが回復呪文を唱え始める。
させるか、と思ったが、ナオヤの剣戟は激しく、マスオに呪文を静止することはできなかった。

「ハイ・ヒール!」

ぱああああ。
緑色の回復光が、マサヒトを、そしてタカヒコを包む。
ううう、と呻きながら、ふたりとも起き上がった。

(ちっ・・・・・・まだ生きてやがったか)

ヒュンッ!
ドスッ。
空気を切り裂き、マスオの腕に矢が突き刺さった。

「怪物め!ここで討伐してやる!」
「アカネ!がんばって!」

奥の間からショーコが応援していた。
こいつ、あとで覚えとけよ。

「たああああっ!」

ぶしゅっ!
マスオの腹部を、勇者の一撃が切り裂いた。

「どうだっ!・・・・・・な、何っ!?」

ナオヤが驚愕する。

かなりの深手。そう感じたのだろう。
それは間違いない。今のはいい一撃だった。

だが数十センチに渡って切り裂かれたマスオの皮膚は、次の瞬間からいとも簡単に再生しはじめ、やがて傷痕すら見えなくなった。

「オーガは尋常じゃない回復力を持ってるわ!連続して攻撃して!」
「おう!」
「・・・・・・分かりました」
「やってやるぜ、やればいんだろォ!やればさぁ!」

アカネの言葉に、勇者ナオヤを始め、斧タカヒコも槍マサヒトも、勇気を得たように眼差しを鋭くし、マスオへと飛びかかる。
だが。

「ぐあっ!」
「ぎゃあっ!」

圧倒的な腕力と瞬発力、リーチの差に、斧タカヒコも、槍マサヒトも、あっけなくまたナタの餌食となった。
せっかく回復したはずが、また宙を舞って床に這いつくばる。

ぎぃん!
強烈な一撃が、勇者ナオヤをも捕らえた。

「く、くそっ・・・・・・」

さすがは勇者、まだ倒れていないが、それでも膝をつき、剣を支えにようやく倒れずに済んでいる、という有様だ。

ゆっくりと、弓使いアカネに近づく。
さすがに顔色が悪い。前衛があっけなくまた倒され、力の差を思い知ったのだろう。後ずさる。

「あ・・・・・・あ・・・・・・」
「アイスニードル!」

白河サキから攻撃魔法が飛んできた。多少のダメージを負うが、マスオを止めるには役立たない。
アカネの弓を掴み、遠くへと放り投げる。

どす。
腹部に渾身の一撃を打ち込む。

「あ、ありえな・・・・・・い」

白目を剥き、アカネは失神した。肩に担ぎ上げる。
こいつは簡単には殺さない。散々責め苦を味わわせて、せめてあのゴブリナの味わった絶望の100倍返しくらいにはしてやって_____

「あ、アカネを、離せっ」

まだ立ち上がる気力があるらしく、ナオヤが剣を構えた。
だが、その表情は語っていた。もう勝ち目はない、と。

「グル」

その伝説装備が、ナオヤを倒れることから防いでいるのだ。
ジワジワといたぶってやるつもりだったが、もういいだろう。とっとととどめを刺し、早くアカネと白河さんを奥の間へ連れ込んで_____
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