25 / 77
第一章 死んだらそこは異世界でした
20話 ゼンさんの気遣いと私の妄想
しおりを挟む
取り合えず町長さんが戻って来るまでの間、部屋に戻った後の事を話し合う事になったけど……
「シャルネ……、今日の夜は辛いだろうけど寝ないように気を付けろよ?、一応俺が隣の部屋にいるから問題無いと思うけど万が一の事があるからな」
「そうだね、俺も一応窓の方を警戒しておくから極力窓には近づかないようにして欲しい」
折角ベッドでぐっすりと朝まで寝れるかと思ったのに……、これじゃ野営している時と変わらない。
あぁ、さようなら私の快適な睡眠、あぁ、恨みます毒を盛られてお腹痛ーいな町長さん。
町でここの町長さんは良い人って聞いてたのに蓋を開ければセクハラおじいさんで気持ちげんなりだし、ご飯も出されたから全部食べたけど全然美味しくないのは本当に残念。
でもまぁ、この世界の人達がどんな感じなのか知るのには丁度良かったかな……、多分だけどゼンさんやあのマチザワさんが例外なんだと思う。
「ん?暗い顔してるけどどうした?」
「……んー、この世界の人達ってこういうタイプの人が多いのかなって思ったら不安になっちゃって」
「いや、皆がそんな奴らじゃないから安心しろって言いたいけど、シャルネからしたらこれが、この世界の人間とのまともな交流だからなぁ……」
「そう感じても仕方ないんじゃないかな?……まぁ、魔族の俺がフォローするのもどうかと思うけど、この世界の人達は生きるのに必死なのかもね」
生きるのに必死……って事は、私の事を見ていたのはもしかして、私が健康な子供を産めそうかどうか見定めていたのかな。
でも、私が仮にこの町の誰かと結婚して夫婦になったとして……何れ子供が出来たとしても、町長さんの家に行くまでの間に見た不健康な見た目の妊婦さん達みたいになってしまうんだろうなと思うと、全然幸せじゃない気がする。
町長さんからしたら、将来的に長期的な労働力となる子供が増える事を望んでいるのかもしれないけど、その為に無理をしてまで苦しい経験をしたくないなぁって……、見た所妊婦さんを放置して男の人は外に働きに行ってるみたいだし、専業主婦って言ったら聞こえはいいかもしれないけど……実際は奴隷みたいな扱いな気がして嫌な気持ちになりそう。
「……それは分かったけど、ゼンさんはあの時どうして町長さんの前で私との関係について嘘をついたの?」
「ん?あぁそりゃあ……、あぁいう時は夫婦では無くても幼い頃からの親しい間柄だって伝えておけば、男避けになんだろ?」
「それってもしかして私の為に?」
「当然だろ?シャルネは俺の……、あぁなんかこれ言葉の選び方間違えた気がする」
「ん?私はゼンさんの?」
私はゼンさんの何って言おうとしたのか分からないけど、途中で頬を赤らめて顔が見えないようにと後ろを向いてしまう。
何かそういう所可愛いなぁって思いながら、じーっと黙っているとカーくんが困ったような顔をして……
「……何て言うか、聞き取り方次第だとシャルネの事を、俺の女って言おうとして途中で恥ずかしくなったように見えるから、ゼン……そういうの止めた方がいいんじゃないかな」
「バ、バッカ、カーティスっ!俺はただなぁ、シャルネは俺達の仲間だから当然だろって言いたかったけど、言葉の順番間違えただけなんだよっ!」
「えっ……?わ、わた、わたし、ゼンさんに思いを告げられた事無いから……、いや、でもね?気持ちは嬉しいよ?……凄い嬉しい、でもそういうのは段階が必要って言うか、ちゃんと二人きりの時に伝えて欲しいなぁって、ほら二人きりで夜景の視えるレストランで二人でお酒を飲みながら、楽しい雰囲気を作って……その後に二人でホテルの部屋に入った時に、私の名前を呼んで指輪を渡して、『シャルネ……俺、お前の事好きだ、結婚してくれ』って言う風に……ふひひ、ふひ……」
「……ほらっ!シャルネが自分の世界に入り始めただろ!?ったく、こうなったら暫く戻って来ねぇぞ」
あぁ、ゼンさんが何か言ってるけど妄想が止まりそうにない。
「そして……私は、はいって返事をして抱き着くと二人で優しいキスをしようとしたら、カーくんがホテルの部屋のドアを蹴破って……『ダメだっ!二人がそんな関係になる何てお父さん許しませんよっ!』って入って来て三角関係に……、そして始まるどろどろの三角関係、ふひ、でね?最初は私を二人が取り合うんだけど、徐々にお互いを意識し合うようになってめでたく二人は恋人同士に……」
「いや、ならねぇよアホっ!」
「あ、いたっ!……ゼンさん、女性の頭を殴る何て何考えてるの!?、こういうのDVって言うんだよ!?」
「DVだか何だか知らねぇけど、自分の世界に篭って気持ち悪い妄想始める奴を戻すにはこれ位の荒治療が必要だろうが、なぁ?カーティスもそう思うだろ?」
「まぁ、何で俺がシャルネの父親になって、そこからゼンと交際に至るのか理解出来ないけど……、折角の美人が台無しになる程顔が緩んで涎を垂らして妄想するのはどうかと思うよ」
……私そんな酷い顔してたの?、んーでもあの妄想だけでご飯三杯行けるって言うか、朝まで色んなシチュエーションを妄想して起きてられそうな気がする。
「えっと……、何て言うかごめんね?」
「分かったならそれでいいけどさ、取り合えず町長が帰って来ないから、先に部屋に帰ってるって書き置き残して戻ろうぜ?……シャルネは絶対に寝るなよ?」
「うん、でも二人は先に戻ってて?この家って町長さんしか住んでない見たいだから……、皆が食べた後の食器を片してから戻るね?」
「それなら俺達も手伝うよ、シャルネだけにやらせる訳にはいかないしさ」
「んー、カーくんの気遣いは嬉しいけど大丈夫かな、だって三人で食器を洗うってなると狭くて邪魔になると思うし」
……私がそう言うと『あぁ、それなら俺が洗い場の前に立って誰か入って来ないか警戒してるわ』とゼンさんが着いて来てくれる事になって、カーくんは部屋へと戻って行く。
そして以前教わった魔法で新鮮な水を出しながら食器を洗い、綺麗な布で拭いて行くと洗い場の壁の一部が音もたてずに扉のようにゆっくりと開いて行くのが見えて、何だろうって思いながら見ているとそこから屈強な男性が入って来る。
驚いて食器を落としそうになるのを強く握ってしまうと、音を立てて粉々に砕けてしまいそのまま破片が床へと落ちて……、その音に驚いた男性が私の事を強引に抱き上げると『あ、おめぇどっから!?、くそっ!待ちやがれっ!』というゼンさんの声を無視して家の外へと飛び出して何処かへと連れて行かれるのだった。
「シャルネ……、今日の夜は辛いだろうけど寝ないように気を付けろよ?、一応俺が隣の部屋にいるから問題無いと思うけど万が一の事があるからな」
「そうだね、俺も一応窓の方を警戒しておくから極力窓には近づかないようにして欲しい」
折角ベッドでぐっすりと朝まで寝れるかと思ったのに……、これじゃ野営している時と変わらない。
あぁ、さようなら私の快適な睡眠、あぁ、恨みます毒を盛られてお腹痛ーいな町長さん。
町でここの町長さんは良い人って聞いてたのに蓋を開ければセクハラおじいさんで気持ちげんなりだし、ご飯も出されたから全部食べたけど全然美味しくないのは本当に残念。
でもまぁ、この世界の人達がどんな感じなのか知るのには丁度良かったかな……、多分だけどゼンさんやあのマチザワさんが例外なんだと思う。
「ん?暗い顔してるけどどうした?」
「……んー、この世界の人達ってこういうタイプの人が多いのかなって思ったら不安になっちゃって」
「いや、皆がそんな奴らじゃないから安心しろって言いたいけど、シャルネからしたらこれが、この世界の人間とのまともな交流だからなぁ……」
「そう感じても仕方ないんじゃないかな?……まぁ、魔族の俺がフォローするのもどうかと思うけど、この世界の人達は生きるのに必死なのかもね」
生きるのに必死……って事は、私の事を見ていたのはもしかして、私が健康な子供を産めそうかどうか見定めていたのかな。
でも、私が仮にこの町の誰かと結婚して夫婦になったとして……何れ子供が出来たとしても、町長さんの家に行くまでの間に見た不健康な見た目の妊婦さん達みたいになってしまうんだろうなと思うと、全然幸せじゃない気がする。
町長さんからしたら、将来的に長期的な労働力となる子供が増える事を望んでいるのかもしれないけど、その為に無理をしてまで苦しい経験をしたくないなぁって……、見た所妊婦さんを放置して男の人は外に働きに行ってるみたいだし、専業主婦って言ったら聞こえはいいかもしれないけど……実際は奴隷みたいな扱いな気がして嫌な気持ちになりそう。
「……それは分かったけど、ゼンさんはあの時どうして町長さんの前で私との関係について嘘をついたの?」
「ん?あぁそりゃあ……、あぁいう時は夫婦では無くても幼い頃からの親しい間柄だって伝えておけば、男避けになんだろ?」
「それってもしかして私の為に?」
「当然だろ?シャルネは俺の……、あぁなんかこれ言葉の選び方間違えた気がする」
「ん?私はゼンさんの?」
私はゼンさんの何って言おうとしたのか分からないけど、途中で頬を赤らめて顔が見えないようにと後ろを向いてしまう。
何かそういう所可愛いなぁって思いながら、じーっと黙っているとカーくんが困ったような顔をして……
「……何て言うか、聞き取り方次第だとシャルネの事を、俺の女って言おうとして途中で恥ずかしくなったように見えるから、ゼン……そういうの止めた方がいいんじゃないかな」
「バ、バッカ、カーティスっ!俺はただなぁ、シャルネは俺達の仲間だから当然だろって言いたかったけど、言葉の順番間違えただけなんだよっ!」
「えっ……?わ、わた、わたし、ゼンさんに思いを告げられた事無いから……、いや、でもね?気持ちは嬉しいよ?……凄い嬉しい、でもそういうのは段階が必要って言うか、ちゃんと二人きりの時に伝えて欲しいなぁって、ほら二人きりで夜景の視えるレストランで二人でお酒を飲みながら、楽しい雰囲気を作って……その後に二人でホテルの部屋に入った時に、私の名前を呼んで指輪を渡して、『シャルネ……俺、お前の事好きだ、結婚してくれ』って言う風に……ふひひ、ふひ……」
「……ほらっ!シャルネが自分の世界に入り始めただろ!?ったく、こうなったら暫く戻って来ねぇぞ」
あぁ、ゼンさんが何か言ってるけど妄想が止まりそうにない。
「そして……私は、はいって返事をして抱き着くと二人で優しいキスをしようとしたら、カーくんがホテルの部屋のドアを蹴破って……『ダメだっ!二人がそんな関係になる何てお父さん許しませんよっ!』って入って来て三角関係に……、そして始まるどろどろの三角関係、ふひ、でね?最初は私を二人が取り合うんだけど、徐々にお互いを意識し合うようになってめでたく二人は恋人同士に……」
「いや、ならねぇよアホっ!」
「あ、いたっ!……ゼンさん、女性の頭を殴る何て何考えてるの!?、こういうのDVって言うんだよ!?」
「DVだか何だか知らねぇけど、自分の世界に篭って気持ち悪い妄想始める奴を戻すにはこれ位の荒治療が必要だろうが、なぁ?カーティスもそう思うだろ?」
「まぁ、何で俺がシャルネの父親になって、そこからゼンと交際に至るのか理解出来ないけど……、折角の美人が台無しになる程顔が緩んで涎を垂らして妄想するのはどうかと思うよ」
……私そんな酷い顔してたの?、んーでもあの妄想だけでご飯三杯行けるって言うか、朝まで色んなシチュエーションを妄想して起きてられそうな気がする。
「えっと……、何て言うかごめんね?」
「分かったならそれでいいけどさ、取り合えず町長が帰って来ないから、先に部屋に帰ってるって書き置き残して戻ろうぜ?……シャルネは絶対に寝るなよ?」
「うん、でも二人は先に戻ってて?この家って町長さんしか住んでない見たいだから……、皆が食べた後の食器を片してから戻るね?」
「それなら俺達も手伝うよ、シャルネだけにやらせる訳にはいかないしさ」
「んー、カーくんの気遣いは嬉しいけど大丈夫かな、だって三人で食器を洗うってなると狭くて邪魔になると思うし」
……私がそう言うと『あぁ、それなら俺が洗い場の前に立って誰か入って来ないか警戒してるわ』とゼンさんが着いて来てくれる事になって、カーくんは部屋へと戻って行く。
そして以前教わった魔法で新鮮な水を出しながら食器を洗い、綺麗な布で拭いて行くと洗い場の壁の一部が音もたてずに扉のようにゆっくりと開いて行くのが見えて、何だろうって思いながら見ているとそこから屈強な男性が入って来る。
驚いて食器を落としそうになるのを強く握ってしまうと、音を立てて粉々に砕けてしまいそのまま破片が床へと落ちて……、その音に驚いた男性が私の事を強引に抱き上げると『あ、おめぇどっから!?、くそっ!待ちやがれっ!』というゼンさんの声を無視して家の外へと飛び出して何処かへと連れて行かれるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
サハギンに転生した俺、最弱から進化して海の覇王になりました
☆ほしい
ファンタジー
目を覚ますと、俺は異世界の海底でサハギンに転生していた。しかも、生まれたての最弱個体。弱すぎて、敵どころか仲間にも狩られるレベルの雑魚だった。
だがこの世界には、「進化」システムと「スキル取得」の概念がある。戦い、喰らい、生き延びれば、どんな存在にでもなれる。
一匹で深海を生き抜き、強敵との死闘を重ね、仲間を得て、次第に領海を広げていく俺。やがて襲い来る海賊、魔族、そして異世界の神々さえも──
進化の果てに手にした力は、神話の海獣すら屈服させる“覇王の威光”。
これは、最弱種族に転生した俺が、知恵と本能を武器に進化を重ね、深海・外洋・空すら制し、異世界の“海王”として君臨するまでの成り上がり戦記!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる