40 / 600
第一章 非日常へ
4話 泥霧の魔術師 少女視点
しおりを挟む
唐突だが俺は冒険者をやっている、巷では泥霧の魔術師って呼ばれたりしてそれなりに有名だったりするんだが、ある時昔世話になったばあさんにギルドを通して呼び出され、ギルド長からも相手が相手だからすぐに行ってくれって言われた手前断れず……
「ったくよぉ!どうして俺が使い走られなきゃいけねぇんだ……」
いやいやながら、依頼主の住む館に出向きドアノッカーを慣らして声を上げる。
「ばあさんいるかー?ダート様が来てやったぞー!」
返事がねぇな?まさかくたばってんじゃねぇだろうな……、そういうのは勘弁してくれよ。
そんな物騒な事を考えていると上から間延びした声が俺を出迎える。
「あらぁ来てくれたのねぇ?鍵は開いてるから入ってこっちに来てちょうだい~?」
「おぅ!直ぐ行くわ~!」
言われた通りドアを開けて入ると広い玄関ホールが出迎えてくれる。
相変わらず良い屋敷してんなぁって思う。
ここまで広いなら使用人がいてもおかしくねぇのにばあさんの一人暮らしだし、それに関しては俺があれこれ言うもんじゃねぇからいいんだけど、薬品の匂いがきつくて嫌になるんだわ。
そりゃ有名な賢者様だから色んな研究をしているだろうししょうがないんだろうけど、この匂いには何度訪れても馴れはしない、そうしてるうちにばあさんがいる部屋に付いたからドアをノックする。
暫くして返事が聞こえたからドアを勢い良く開けて入った。
「おぅ、言われた通りに来たぜ?」
「いらっしゃい~、ごめんなさいねぇ新薬の研究をしていたら気付くのが遅れてしまったのぉ……、それよりも女の子なんだからもう少し喋り方や行動に気を付けてといつも言ってるでしょー?」
「んなの今更だろ?それより急に呼び出して何のようだよ?忙しいから手短に頼むぜ?」
言いたい事はわかるが、俺は俺でこんな性格してる以上女の子らしさとかを期待しないで欲しい。
それに冒険者をしている手前丁寧な言葉遣いなんてしてたら舐められるだけで良い思いなんてしないから口調が荒い位が丁度良いんだよ。
「そう?相変わらず忙しそうねぇ……、ダーちゃんとゆっくりお話ししたかったんだけどねぇ」
「ダーちゃんってばあさん、俺はちゃん付けされる歳じゃねぇよ!」
「この前15になったばかりじゃない、私からまだ子供よぉー」
なんていうかペースを崩される……、ばあさんのそんな所が苦手だ。
俺がうつむいてわなわな震えていると流石に察してくれたのか本題を話してくれる。
「なら要件だけ伝えるわね?、手紙を出しても一向に返事を返さない馬鹿弟子の事が気になるのよねぇ~」
馬鹿弟子って、ばあさんが人の事をそこまで言うの珍しい。
確かにばあさんは色んな所に魔術や治癒術の弟子がいるけれど、そこまで言われる奴の事を今迄聞いた事がなかった。
「ということでねぇ?ほら私も良い歳じゃない?私から行くと疲れちゃうから連れて来て欲しいの、期限は特に設けないからお願いね?」
「お願いねって、そんなアバウトな……俺が断るとか思わねぇのか?」
「えぇ?だってぇ、あなた私に恩があるから断れないでしょ~?内容はこの封筒に入れとくから後はお願いね?」
本当に性格が悪いばあさんだ、そう言われると俺が断れないって分かっていて言ってきやがる。
俺は苦虫を噛み潰したような顔をして封筒を受け取ると中身を確認せずに部屋を出て行った。
「せっかちさんねぇお茶位飲んで行けばいいのに……、でもそうねこれが二人の良い出会いになればいいわねぇ…」
そんな事を言っているとは俺は知らず封筒の中を確認した俺は目的の場所へと向かってこの仕事をさっさと終わらせることにした。
―――そんなわけで今に至るわけだが、封筒曰く辺境の村に住んでいる。
治癒術師「レース」を連れてきて欲しいという依頼を受けて一月以上かけて村に行き、村外れの山に住んでるという話を聞いて山に入ったら、毒を持つ魔物に襲われるし食料は尽きるわしまいには見事に遭難して3日もさまよう事になるとはこの時の俺は予想もしていなかった。
「ったくよぉ!どうして俺が使い走られなきゃいけねぇんだ……」
いやいやながら、依頼主の住む館に出向きドアノッカーを慣らして声を上げる。
「ばあさんいるかー?ダート様が来てやったぞー!」
返事がねぇな?まさかくたばってんじゃねぇだろうな……、そういうのは勘弁してくれよ。
そんな物騒な事を考えていると上から間延びした声が俺を出迎える。
「あらぁ来てくれたのねぇ?鍵は開いてるから入ってこっちに来てちょうだい~?」
「おぅ!直ぐ行くわ~!」
言われた通りドアを開けて入ると広い玄関ホールが出迎えてくれる。
相変わらず良い屋敷してんなぁって思う。
ここまで広いなら使用人がいてもおかしくねぇのにばあさんの一人暮らしだし、それに関しては俺があれこれ言うもんじゃねぇからいいんだけど、薬品の匂いがきつくて嫌になるんだわ。
そりゃ有名な賢者様だから色んな研究をしているだろうししょうがないんだろうけど、この匂いには何度訪れても馴れはしない、そうしてるうちにばあさんがいる部屋に付いたからドアをノックする。
暫くして返事が聞こえたからドアを勢い良く開けて入った。
「おぅ、言われた通りに来たぜ?」
「いらっしゃい~、ごめんなさいねぇ新薬の研究をしていたら気付くのが遅れてしまったのぉ……、それよりも女の子なんだからもう少し喋り方や行動に気を付けてといつも言ってるでしょー?」
「んなの今更だろ?それより急に呼び出して何のようだよ?忙しいから手短に頼むぜ?」
言いたい事はわかるが、俺は俺でこんな性格してる以上女の子らしさとかを期待しないで欲しい。
それに冒険者をしている手前丁寧な言葉遣いなんてしてたら舐められるだけで良い思いなんてしないから口調が荒い位が丁度良いんだよ。
「そう?相変わらず忙しそうねぇ……、ダーちゃんとゆっくりお話ししたかったんだけどねぇ」
「ダーちゃんってばあさん、俺はちゃん付けされる歳じゃねぇよ!」
「この前15になったばかりじゃない、私からまだ子供よぉー」
なんていうかペースを崩される……、ばあさんのそんな所が苦手だ。
俺がうつむいてわなわな震えていると流石に察してくれたのか本題を話してくれる。
「なら要件だけ伝えるわね?、手紙を出しても一向に返事を返さない馬鹿弟子の事が気になるのよねぇ~」
馬鹿弟子って、ばあさんが人の事をそこまで言うの珍しい。
確かにばあさんは色んな所に魔術や治癒術の弟子がいるけれど、そこまで言われる奴の事を今迄聞いた事がなかった。
「ということでねぇ?ほら私も良い歳じゃない?私から行くと疲れちゃうから連れて来て欲しいの、期限は特に設けないからお願いね?」
「お願いねって、そんなアバウトな……俺が断るとか思わねぇのか?」
「えぇ?だってぇ、あなた私に恩があるから断れないでしょ~?内容はこの封筒に入れとくから後はお願いね?」
本当に性格が悪いばあさんだ、そう言われると俺が断れないって分かっていて言ってきやがる。
俺は苦虫を噛み潰したような顔をして封筒を受け取ると中身を確認せずに部屋を出て行った。
「せっかちさんねぇお茶位飲んで行けばいいのに……、でもそうねこれが二人の良い出会いになればいいわねぇ…」
そんな事を言っているとは俺は知らず封筒の中を確認した俺は目的の場所へと向かってこの仕事をさっさと終わらせることにした。
―――そんなわけで今に至るわけだが、封筒曰く辺境の村に住んでいる。
治癒術師「レース」を連れてきて欲しいという依頼を受けて一月以上かけて村に行き、村外れの山に住んでるという話を聞いて山に入ったら、毒を持つ魔物に襲われるし食料は尽きるわしまいには見事に遭難して3日もさまよう事になるとはこの時の俺は予想もしていなかった。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる