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第二章 開拓同行願い
20話 禁忌の治癒術
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二人の治療が終わった為、開拓から引き上げ合流地点に行くと既に防衛隊隊長達がおりぼく達を待っていた。
ただ出発時と違い何人か欠けており多くない犠牲が出た事が伺える。
防衛隊隊長はこちらを見ると疲れた顔で声を出す。
「この度の開拓は多大な犠牲を出す結果となったっ……これも全て俺の判断ミスが原因だっ!あそこまでアンデッドが多いとは予想が出来なかった謝罪して済む問題では無いことは分かっているっ!だが言わせて欲しいすまなかった!」
「ふざけるなっ!そのせいで何人が犠牲になったと思ってんだっ!」
開拓に同行した人々から怒りの声が出る。
今回のアンデッド騒動は、ぼくや彼等にとって明らかに格上の相手だったから被害が出るのはしょうがない事だと思う。
ただ隊長と言う立場があるから謝罪をして責任を取るのは必要な事なのだろう……
「……だが朗報があるっ!栄花騎士団の最高幹部であるお二人がご帰還なされたっ!……つまりこのアンデッド騒動は終息したという事だっ!」
「……何か調子良い奴っすね……やっぱ気に入らないっすねこいつ」
「ケイ……気持ちはわかりますが我慢してください」
防衛隊隊長の言葉に不快な顔をしてケイが苦言を漏らす。
これで問題が解決していなかったら、ぼく等の責任になるしケイやアキからしたら栄花騎士団の信用を失うという大きな問題になるかもしれない。
……そう思うとケイが不快感を表すのも当然だと思う。
「しかしそれ以上に今回は本当に残念な結果になったが、我々はこの森を切り拓く事を義務付けられているっ!……暫くは人員補充の為に大規模な開拓作業を停止するが、村長に相談し早めに外部から人が集まるだろうっ!では各々次の未開地域開拓再開までの間は近辺の安全な範囲で作業をするようにっ!解散っ!」
防衛隊隊長はそういうと周りの意見を無視して村へ帰ってしまった。
……思う事はあるけど解散という事だしぼく達も帰らせて貰う。
「ほんとなんなんあのグランツっていうおっさん!ほんっまムカつくわぁっ!」
「そうっすよねっ!武器の扱いも雑だし、あれが俺と同じ戦士ってだけでもイラっとくるっすよ!」
「コルクさん、気持ちは分かりますけど……あぁいうタイプはまともに相手をするとこちらが疲れるだけですよ。……それにケイも落ち着いてください」
「……落ち着いた方が良いのは分かるけど納得いかないんすよ……」
帰路の最中、二人が不満を爆発させて声を荒げているけどアキが宥めてくれる。
ぼくは正直、防衛隊隊長の事はどうでも良いと思っているから気にはしないけど、コルクやケイはそうもいかないみたいだ。
とは言えそうこうしているうちにも、ぼく等の家が見えて来た。
「……はぁ、取り合えずアキ先輩の言うように何とか落ち着くっすよ……それに怒ると体中の骨や捥げた腕が痛いっすし……」
「ふふっ、良い子ですねケイは栄花に帰ったら美味しい物食べさせてあげますね」
「やったっす!……って事俺らはこのまま村の宿に帰って荷物纏めたらそのまま帰るっすよ……本当は怪我が完全に治るまでゆっくりしたいっすけど本国へ戻ってやらなきゃいけない事が沢山あるんでっ!」
「では、レースさん、コルクさんこの度はご協力ありがとうございました……ご帰宅なされたらダートさんにも宜しくお伝えください」
「ってあんたら死人使いの事はええの?」
コルクが二人に死人使いルード・フェレスの事を確認するけど……確かにあの子の事は良いのかな……。
ぼくのお願いで生かして貰ったけどルードは今回の開拓で大量の死者を出している。
それに対して事情を聴くべきではないだろうか……。
「……そうですね。正直魔封じの腕輪があるので安全だと思って置いて行くつもりでしたけど、万が一の為にこれを渡しておきましょう」
そういうとアキが本の中から、小さい端末のような物を取り出してぼくとコルクに渡してくれる。
ずっと気になっていたけどあの本は空間収納の魔術が付与された魔導具だったみたいだ……
「これは?」
「これがあれば何かあったら直ぐに私達……又は近くにいる他の最高幹部へと連絡が取れるようになります……使い方は端末の中央にあるボタンを押すだけですので悪用はしないでくださいね?」
「もし死人使いが変な事しそうなら、直ぐに押してくれっす!この村の近くに居る間なら俺かアキ先輩が直ぐに向かうんでっ!」
そういうと二人は帰路について行く。
ぼく達も帰ろう……今日はもう疲れたし何より先に帰ったダートの事が気になる。
「なぁんか今日はぎょーさん疲れたわぁ……村に帰るんもしんどいしあんたらの家に泊まるで?……愛の巣に第三者が泊まるのもあんまし良くないと思うけど許してな?……ってんな嫌な顔すんなやっ!コルクお姉ちゃんが美味い飯お礼に作ったるからっ!」
「……疲れてるならそういう変な冗談言うの止めなよ……泊まるのは分かったからさっさと帰ろう」
「せやなぁ、それに今回はダーも暗示の魔術を使わんように頑張ってくれたし、あんたも使わせないように必死に守ってたからお姉ちゃん見直したよ……さっ!付いたし勝手に入らせて貰うで―」
話ながら歩いているとあっと言う間に家に着いてしまうもので、不思議な気持ちになる。
コルクが『やっと、休めるわぁ』と言いながらぼくの家に入ると大きな声でダートを呼ぶ声がする。
……おかしいな、いつもはダーって呼ぶのに愛称を付けずに大声で名前を呼ぶなんて珍しい。
もしかして何かがあったのかもしれない。
嫌な予感がして急いで声がした方向へ向かうと、全身から血を流したダートが血だまりに沈んでいた。
「な……え?……ダート?」
……何があったんだ。
どうしてダートがこんな事になっていて動かなくなっているのか……あいつが、もしかしてあの死人使いがやったのか?。
周囲を見渡してもあの子供の姿が無い……ぼくの考えが甘かったのかもしれない、指名手配された犯罪者に情を持たなければダートはこうならなかったんだと思う……。
ぼくの心を暗い感情が心に影を落として行く……まだこの家の近くにいるなら追いかけて殺してしまいたいという殺意に支配されそうになる、そんな感情に襲われている時だった。
コルクが勢いよくぼくの顔をはたくと、両手でぼくの顔を挟み喋り掛ける。
「ボケーッとすんなレースっ!早く治癒術っ!」
「あ……わっわかった!」
コルクに言われて我に返る事が出来たぼくは、急いでダートに治癒術を使いつつ診察の効果が付与された眼鏡で彼女の容態を診る。
幸いな事にまだ生きているけど、外部からの強い衝撃により内臓が傷付き出血をしており、体内で傷付いた血管により血液が溜まっている。
外傷の方も頭を強く打ったようで頭部からの出血が酷い。
ただ、脳に影響はないみたいで安心する……頭部の傷は塞いだけど……それ以外は作った方が早いかもしれない。
「コルク、今からぼくは治癒術の禁忌を使うから見なかったことにして欲しい……」
「気にせんとやれっ!」
ぼくは診療所に置いてある長杖を手に取ると、ダートの身体に押し付けて損傷した臓器を体内から魔力へと変換して外に取り出すと一部を切り取り、そこから損傷部位を複製して行く。
その人の細胞には、肉体の情報がある……そこから新たに作ってあげればいい。
この新術を発表した時は周りはぼくの事を神童と讃えたけど……、ぼくが実際に使う姿を見たら禁忌の術だと掌を返されて二度と人前では使わないと決めた術だけどこれで彼女が守れるなら構わない。
「空中に人の中身が作られて行くって……聞いてはいたけどこれは確かに禁忌だわ」
「ごめんうるさいから黙ってて」
魔力を込めて細胞の成長を促し形を作り上げ、それを再びダートの魔力の波長に変換し長杖を通して彼女の身体に戻す。
それと同時に体内で傷付いて溜まっていた血液を血管に戻して不足している分はぼくの魔力を変換して補って行く。
……これでダートの身体は元通りだ。
「……あんたさ、その術だけはお願いされても人前で使っちゃダメだよ?」
「分かってるよ……だから口止めしたんだ」
コルクが青い顔をして今にも吐きそうな顔をしている。
それはしょうがないと思う……普通に暮らしていたら目の前で臓器が作られる姿何て見ないだろう。
でもそれよりも今はダートの事が心配だ。
「ダートが眼を覚ますまでぼくはここで待ってるよ」
「……それならうちも待つわ」
ぼくはそういうとコルクも待ってくれるらしい、本当にコルクはダーの事が大好きなんだなと感じて何でかぼくまで嬉しくなってしまう。
そして暫くして時間が完全に夜になった頃にダートが目を覚ましてくれた。
彼女はルードを逃がしてしまった事、言葉にする事すら恐ろしい何かにやられてしまった事を必死に謝り泣き続けている……。
ぼくはこういう時彼女にどうしてあげれば良いのか分からないけど、無意識に彼女を抱きしめて
「でも、ダートが生きていてくれて良かった」
……と声に出していた。
ダートを一人にしなければ彼女がこんなに傷つく事は無かった。
ぼくがルードを生かして欲しいと説得しなければこうならなかった。
ぼくが強ければ彼女を傷つけた何者かを倒す事が出来たかもしれない。
――ぼくはもう戦うのが苦手な無力な治癒術師でいるわけにはいかないんだ。
ただ出発時と違い何人か欠けており多くない犠牲が出た事が伺える。
防衛隊隊長はこちらを見ると疲れた顔で声を出す。
「この度の開拓は多大な犠牲を出す結果となったっ……これも全て俺の判断ミスが原因だっ!あそこまでアンデッドが多いとは予想が出来なかった謝罪して済む問題では無いことは分かっているっ!だが言わせて欲しいすまなかった!」
「ふざけるなっ!そのせいで何人が犠牲になったと思ってんだっ!」
開拓に同行した人々から怒りの声が出る。
今回のアンデッド騒動は、ぼくや彼等にとって明らかに格上の相手だったから被害が出るのはしょうがない事だと思う。
ただ隊長と言う立場があるから謝罪をして責任を取るのは必要な事なのだろう……
「……だが朗報があるっ!栄花騎士団の最高幹部であるお二人がご帰還なされたっ!……つまりこのアンデッド騒動は終息したという事だっ!」
「……何か調子良い奴っすね……やっぱ気に入らないっすねこいつ」
「ケイ……気持ちはわかりますが我慢してください」
防衛隊隊長の言葉に不快な顔をしてケイが苦言を漏らす。
これで問題が解決していなかったら、ぼく等の責任になるしケイやアキからしたら栄花騎士団の信用を失うという大きな問題になるかもしれない。
……そう思うとケイが不快感を表すのも当然だと思う。
「しかしそれ以上に今回は本当に残念な結果になったが、我々はこの森を切り拓く事を義務付けられているっ!……暫くは人員補充の為に大規模な開拓作業を停止するが、村長に相談し早めに外部から人が集まるだろうっ!では各々次の未開地域開拓再開までの間は近辺の安全な範囲で作業をするようにっ!解散っ!」
防衛隊隊長はそういうと周りの意見を無視して村へ帰ってしまった。
……思う事はあるけど解散という事だしぼく達も帰らせて貰う。
「ほんとなんなんあのグランツっていうおっさん!ほんっまムカつくわぁっ!」
「そうっすよねっ!武器の扱いも雑だし、あれが俺と同じ戦士ってだけでもイラっとくるっすよ!」
「コルクさん、気持ちは分かりますけど……あぁいうタイプはまともに相手をするとこちらが疲れるだけですよ。……それにケイも落ち着いてください」
「……落ち着いた方が良いのは分かるけど納得いかないんすよ……」
帰路の最中、二人が不満を爆発させて声を荒げているけどアキが宥めてくれる。
ぼくは正直、防衛隊隊長の事はどうでも良いと思っているから気にはしないけど、コルクやケイはそうもいかないみたいだ。
とは言えそうこうしているうちにも、ぼく等の家が見えて来た。
「……はぁ、取り合えずアキ先輩の言うように何とか落ち着くっすよ……それに怒ると体中の骨や捥げた腕が痛いっすし……」
「ふふっ、良い子ですねケイは栄花に帰ったら美味しい物食べさせてあげますね」
「やったっす!……って事俺らはこのまま村の宿に帰って荷物纏めたらそのまま帰るっすよ……本当は怪我が完全に治るまでゆっくりしたいっすけど本国へ戻ってやらなきゃいけない事が沢山あるんでっ!」
「では、レースさん、コルクさんこの度はご協力ありがとうございました……ご帰宅なされたらダートさんにも宜しくお伝えください」
「ってあんたら死人使いの事はええの?」
コルクが二人に死人使いルード・フェレスの事を確認するけど……確かにあの子の事は良いのかな……。
ぼくのお願いで生かして貰ったけどルードは今回の開拓で大量の死者を出している。
それに対して事情を聴くべきではないだろうか……。
「……そうですね。正直魔封じの腕輪があるので安全だと思って置いて行くつもりでしたけど、万が一の為にこれを渡しておきましょう」
そういうとアキが本の中から、小さい端末のような物を取り出してぼくとコルクに渡してくれる。
ずっと気になっていたけどあの本は空間収納の魔術が付与された魔導具だったみたいだ……
「これは?」
「これがあれば何かあったら直ぐに私達……又は近くにいる他の最高幹部へと連絡が取れるようになります……使い方は端末の中央にあるボタンを押すだけですので悪用はしないでくださいね?」
「もし死人使いが変な事しそうなら、直ぐに押してくれっす!この村の近くに居る間なら俺かアキ先輩が直ぐに向かうんでっ!」
そういうと二人は帰路について行く。
ぼく達も帰ろう……今日はもう疲れたし何より先に帰ったダートの事が気になる。
「なぁんか今日はぎょーさん疲れたわぁ……村に帰るんもしんどいしあんたらの家に泊まるで?……愛の巣に第三者が泊まるのもあんまし良くないと思うけど許してな?……ってんな嫌な顔すんなやっ!コルクお姉ちゃんが美味い飯お礼に作ったるからっ!」
「……疲れてるならそういう変な冗談言うの止めなよ……泊まるのは分かったからさっさと帰ろう」
「せやなぁ、それに今回はダーも暗示の魔術を使わんように頑張ってくれたし、あんたも使わせないように必死に守ってたからお姉ちゃん見直したよ……さっ!付いたし勝手に入らせて貰うで―」
話ながら歩いているとあっと言う間に家に着いてしまうもので、不思議な気持ちになる。
コルクが『やっと、休めるわぁ』と言いながらぼくの家に入ると大きな声でダートを呼ぶ声がする。
……おかしいな、いつもはダーって呼ぶのに愛称を付けずに大声で名前を呼ぶなんて珍しい。
もしかして何かがあったのかもしれない。
嫌な予感がして急いで声がした方向へ向かうと、全身から血を流したダートが血だまりに沈んでいた。
「な……え?……ダート?」
……何があったんだ。
どうしてダートがこんな事になっていて動かなくなっているのか……あいつが、もしかしてあの死人使いがやったのか?。
周囲を見渡してもあの子供の姿が無い……ぼくの考えが甘かったのかもしれない、指名手配された犯罪者に情を持たなければダートはこうならなかったんだと思う……。
ぼくの心を暗い感情が心に影を落として行く……まだこの家の近くにいるなら追いかけて殺してしまいたいという殺意に支配されそうになる、そんな感情に襲われている時だった。
コルクが勢いよくぼくの顔をはたくと、両手でぼくの顔を挟み喋り掛ける。
「ボケーッとすんなレースっ!早く治癒術っ!」
「あ……わっわかった!」
コルクに言われて我に返る事が出来たぼくは、急いでダートに治癒術を使いつつ診察の効果が付与された眼鏡で彼女の容態を診る。
幸いな事にまだ生きているけど、外部からの強い衝撃により内臓が傷付き出血をしており、体内で傷付いた血管により血液が溜まっている。
外傷の方も頭を強く打ったようで頭部からの出血が酷い。
ただ、脳に影響はないみたいで安心する……頭部の傷は塞いだけど……それ以外は作った方が早いかもしれない。
「コルク、今からぼくは治癒術の禁忌を使うから見なかったことにして欲しい……」
「気にせんとやれっ!」
ぼくは診療所に置いてある長杖を手に取ると、ダートの身体に押し付けて損傷した臓器を体内から魔力へと変換して外に取り出すと一部を切り取り、そこから損傷部位を複製して行く。
その人の細胞には、肉体の情報がある……そこから新たに作ってあげればいい。
この新術を発表した時は周りはぼくの事を神童と讃えたけど……、ぼくが実際に使う姿を見たら禁忌の術だと掌を返されて二度と人前では使わないと決めた術だけどこれで彼女が守れるなら構わない。
「空中に人の中身が作られて行くって……聞いてはいたけどこれは確かに禁忌だわ」
「ごめんうるさいから黙ってて」
魔力を込めて細胞の成長を促し形を作り上げ、それを再びダートの魔力の波長に変換し長杖を通して彼女の身体に戻す。
それと同時に体内で傷付いて溜まっていた血液を血管に戻して不足している分はぼくの魔力を変換して補って行く。
……これでダートの身体は元通りだ。
「……あんたさ、その術だけはお願いされても人前で使っちゃダメだよ?」
「分かってるよ……だから口止めしたんだ」
コルクが青い顔をして今にも吐きそうな顔をしている。
それはしょうがないと思う……普通に暮らしていたら目の前で臓器が作られる姿何て見ないだろう。
でもそれよりも今はダートの事が心配だ。
「ダートが眼を覚ますまでぼくはここで待ってるよ」
「……それならうちも待つわ」
ぼくはそういうとコルクも待ってくれるらしい、本当にコルクはダーの事が大好きなんだなと感じて何でかぼくまで嬉しくなってしまう。
そして暫くして時間が完全に夜になった頃にダートが目を覚ましてくれた。
彼女はルードを逃がしてしまった事、言葉にする事すら恐ろしい何かにやられてしまった事を必死に謝り泣き続けている……。
ぼくはこういう時彼女にどうしてあげれば良いのか分からないけど、無意識に彼女を抱きしめて
「でも、ダートが生きていてくれて良かった」
……と声に出していた。
ダートを一人にしなければ彼女がこんなに傷つく事は無かった。
ぼくがルードを生かして欲しいと説得しなければこうならなかった。
ぼくが強ければ彼女を傷つけた何者かを倒す事が出来たかもしれない。
――ぼくはもう戦うのが苦手な無力な治癒術師でいるわけにはいかないんだ。
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