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第六章 明かされた出自と失われた時間
9話 内密な話はまた後で
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速くミュラッカにダートが栄花騎士団の人間じゃないって伝えないとめんどくさい事になってしまう気がして、急いで追いかけているけど彼女の方が脚が早くて追い付けそうにない。
幸い第一王女の部屋の方が近いから少しだけ遅れても問題ないと思うけど……
「……もう少し早く走る練習しようかな」
同じ血を分けた家族なのにここまで実力差があるのは少し悲しいものがあるけど、こればっかりはしょうがないと割り切るしかない。
そう考えている間にもミュラッカは王城の自室へと入ってしまう。
急いで扉の前まで行くとその勢いのまま扉を開けて彼女の部屋に入ると……
「折り入って栄花騎士団最高幹部のダート義姉様に相談があるのですが……」
『言いづらいんだけどミュラッカ、私は栄花騎士団の人じゃないよ?周りにいて通話を聞いてはいるけど』
「えっ……、それならって兄様っ!どうして私の部屋に勝手に入って来るんですか!」
『レース!?あなた何やってるの!?』
部屋に入った瞬間に二人から怒られたけど、これに関してはノックをせずに入ったぼくが全面的に悪いと思うからしょうがないと思う。
それにこうやって自然と誤解が解けるなら追いかける意味何て無かったのでは……?
「……取り合えず入って来た事に関してはいいです、内密な話をしたかったのですがこの状態だと離れても付いてきそうだからこのまま話をさせて頂きます」
『ミュラッカ、私のレースが迷惑かけてごめんね?』
「いいえ構いません、それに義姉様の周りに最高幹部の人が居るという以上はこのまま伝えても問題無いでしょうけど……、出来れば変わって頂いても?」
『確かにその方がいいよね……、今この端末の持ち主に変わるね』
正直もっとダートの声が聴いていたかったけど、大事な話をしたいのならしょうがないだろう。
それに栄花騎士団副団長のカエデならしっかりとした子だから問題ない筈だ。
『通信を変わりました、栄花騎士団副団長のカエデと申します、内密な話と言う事ですが……』
「まさか副団長が出てくる何て思っていませんでした……、既にご存じだと思いますが私はストラフィリアの第一王女ミュラッカ・ミエッカ・ヴォルフガングです。内密な話なのですが、私が王位を継いで覇王になるという事なのです、以前よりヴォルフガングからお前が男だったら覇王の座を継がせたかったと言っておりましたので、過去の歴史には女性が覇王になった事もありますから可能だと考えています」
『……なるほど確かに内密にした方が良さげですが、通信端末だと音声が外部に漏れる可能性があるので後にしましょう。実は……これから私達は王城に向かいますのでその時にお話ししませんか?』
「わかりました、それでお願い致します。ご到着なされましたら王城内の騎士に『ミュラッカ・ミエッカ・ヴォルフガングに呼ばれた』と伝えて頂けたら私の方から迎えに行かせて頂きます」
『了解致しました、では通信の方切らせて頂きますね……、あぁ後レースさん、女性の部屋に入る時はしっかりとノックをするようにしてくださいね?』
そのまま通信が切れてしまうけど、まさかカエデからも注意をされるとは思わなかった。
まぁ、しょうがないかと思いながら初めて入るミュラッカの部屋を見渡してみるけど、可愛らしい動物の人形が置いてあって何だかイメージに合わない気がする。
「あの兄様、通信端末を返したいのだけど……、人の部屋をまじまじとそんなに見るのは良くないのでは?」
「あぁごめん、初めて他の王族の部屋を見るから驚いてさ」
「そういえばレース兄様は与えられた部屋から基本的に出る事が無かったわね」
ミュラッカがこちらに近づいて手渡してくれた端末を受け取ると謝罪をする。
彼女が言うように部屋から出る事が無いのだけれど、ダリアと二人で過ごしていても広すぎると感じる位に感じる大きな部屋だから、別に出なくてもいいかなって思ってつい引きこもってしまっているのが理由だ。
それ以外の理由は、第二王子のヴィーニと王城内で出会いたくないというのがある。
「王城内でヴィーニに会いたくないし、ミュラッカに保護して貰ってる以上は不用意に出歩いて問題を起こす訳には行かないと思うからさ」
「その気遣いは嬉しいけど……、レース兄様はもっと部屋の外に出て騎士や兵士と交流を持つべきだと思うの、特にこの国は力さえあれば兵士であれど王城勤めになる事が出来るけど、彼等は騎士や騎士見習いと違い血の気が多い人が多いから、顔を覚えて貰えないといざという時に間違われて切られてしまう可能性もありから……、もし一人で出るのが嫌ならいつでも付き合うからね?」
「……それなら今からお願い出来るかな、ダリアがルミィと遊びに行ってしまったから自室に戻っても暇だしさ」
「今から?別に良いけど準備するから少しだけ部屋から出て外で待ってて貰える?レース兄様も妹の着替えを見続ける趣味何て無いでしょ?」
「あー、うんわかった」
……ダートの着替えなら一緒に暮らしてる時に、脱衣所で遭遇して何度か見てしまった事があるけど確かにあれは気まずい。
それが実の妹となると尚の事気まずいのかもしれないと思うと、急いで部屋を出て通路に立つとミュラッカが出てくるのを待つ事にするけどどうにも暇だ。
どうしようかなぁと思っていると、遠くの方から『我らが覇王ヴォルフガング様がご帰還なされたぞ、正門を開けろ!』と言う声が聞こえて来る。
五大国会議は半日以上かかると聞いていたのに、帰って来るのが速いなと思いながら彼女の準備が終わるのを待つのだった。
幸い第一王女の部屋の方が近いから少しだけ遅れても問題ないと思うけど……
「……もう少し早く走る練習しようかな」
同じ血を分けた家族なのにここまで実力差があるのは少し悲しいものがあるけど、こればっかりはしょうがないと割り切るしかない。
そう考えている間にもミュラッカは王城の自室へと入ってしまう。
急いで扉の前まで行くとその勢いのまま扉を開けて彼女の部屋に入ると……
「折り入って栄花騎士団最高幹部のダート義姉様に相談があるのですが……」
『言いづらいんだけどミュラッカ、私は栄花騎士団の人じゃないよ?周りにいて通話を聞いてはいるけど』
「えっ……、それならって兄様っ!どうして私の部屋に勝手に入って来るんですか!」
『レース!?あなた何やってるの!?』
部屋に入った瞬間に二人から怒られたけど、これに関してはノックをせずに入ったぼくが全面的に悪いと思うからしょうがないと思う。
それにこうやって自然と誤解が解けるなら追いかける意味何て無かったのでは……?
「……取り合えず入って来た事に関してはいいです、内密な話をしたかったのですがこの状態だと離れても付いてきそうだからこのまま話をさせて頂きます」
『ミュラッカ、私のレースが迷惑かけてごめんね?』
「いいえ構いません、それに義姉様の周りに最高幹部の人が居るという以上はこのまま伝えても問題無いでしょうけど……、出来れば変わって頂いても?」
『確かにその方がいいよね……、今この端末の持ち主に変わるね』
正直もっとダートの声が聴いていたかったけど、大事な話をしたいのならしょうがないだろう。
それに栄花騎士団副団長のカエデならしっかりとした子だから問題ない筈だ。
『通信を変わりました、栄花騎士団副団長のカエデと申します、内密な話と言う事ですが……』
「まさか副団長が出てくる何て思っていませんでした……、既にご存じだと思いますが私はストラフィリアの第一王女ミュラッカ・ミエッカ・ヴォルフガングです。内密な話なのですが、私が王位を継いで覇王になるという事なのです、以前よりヴォルフガングからお前が男だったら覇王の座を継がせたかったと言っておりましたので、過去の歴史には女性が覇王になった事もありますから可能だと考えています」
『……なるほど確かに内密にした方が良さげですが、通信端末だと音声が外部に漏れる可能性があるので後にしましょう。実は……これから私達は王城に向かいますのでその時にお話ししませんか?』
「わかりました、それでお願い致します。ご到着なされましたら王城内の騎士に『ミュラッカ・ミエッカ・ヴォルフガングに呼ばれた』と伝えて頂けたら私の方から迎えに行かせて頂きます」
『了解致しました、では通信の方切らせて頂きますね……、あぁ後レースさん、女性の部屋に入る時はしっかりとノックをするようにしてくださいね?』
そのまま通信が切れてしまうけど、まさかカエデからも注意をされるとは思わなかった。
まぁ、しょうがないかと思いながら初めて入るミュラッカの部屋を見渡してみるけど、可愛らしい動物の人形が置いてあって何だかイメージに合わない気がする。
「あの兄様、通信端末を返したいのだけど……、人の部屋をまじまじとそんなに見るのは良くないのでは?」
「あぁごめん、初めて他の王族の部屋を見るから驚いてさ」
「そういえばレース兄様は与えられた部屋から基本的に出る事が無かったわね」
ミュラッカがこちらに近づいて手渡してくれた端末を受け取ると謝罪をする。
彼女が言うように部屋から出る事が無いのだけれど、ダリアと二人で過ごしていても広すぎると感じる位に感じる大きな部屋だから、別に出なくてもいいかなって思ってつい引きこもってしまっているのが理由だ。
それ以外の理由は、第二王子のヴィーニと王城内で出会いたくないというのがある。
「王城内でヴィーニに会いたくないし、ミュラッカに保護して貰ってる以上は不用意に出歩いて問題を起こす訳には行かないと思うからさ」
「その気遣いは嬉しいけど……、レース兄様はもっと部屋の外に出て騎士や兵士と交流を持つべきだと思うの、特にこの国は力さえあれば兵士であれど王城勤めになる事が出来るけど、彼等は騎士や騎士見習いと違い血の気が多い人が多いから、顔を覚えて貰えないといざという時に間違われて切られてしまう可能性もありから……、もし一人で出るのが嫌ならいつでも付き合うからね?」
「……それなら今からお願い出来るかな、ダリアがルミィと遊びに行ってしまったから自室に戻っても暇だしさ」
「今から?別に良いけど準備するから少しだけ部屋から出て外で待ってて貰える?レース兄様も妹の着替えを見続ける趣味何て無いでしょ?」
「あー、うんわかった」
……ダートの着替えなら一緒に暮らしてる時に、脱衣所で遭遇して何度か見てしまった事があるけど確かにあれは気まずい。
それが実の妹となると尚の事気まずいのかもしれないと思うと、急いで部屋を出て通路に立つとミュラッカが出てくるのを待つ事にするけどどうにも暇だ。
どうしようかなぁと思っていると、遠くの方から『我らが覇王ヴォルフガング様がご帰還なされたぞ、正門を開けろ!』と言う声が聞こえて来る。
五大国会議は半日以上かかると聞いていたのに、帰って来るのが速いなと思いながら彼女の準備が終わるのを待つのだった。
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